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連載 再考します 臨床の素朴な疑問・第8回
「他動的関節可動域運動」はいつまで・どの範囲まで行うか?
著者: 脇田正徳1
所属機関: 1関西医科大学リハビリテーション学部
ページ範囲:P.908 - P.909
文献購入ページに移動 拘縮とは,関節周囲の伸張性の低下やスティフネスの増大によって可動範囲が制限された状態であり,疼痛,褥瘡,変形などを合併しやすく,ADLやリハビリテーションの阻害因子となる.拘縮の原因には,不動による関節構成体の変化に加え,筋力低下,麻痺,痙縮などが挙げられる.神経障害を有する場合,急性期での術後や熱傷,意識障害による不動を認める場合は,特に注意が必要である.
一般的に拘縮の予防,改善には他動的関節可動域運動,ストレッチング,スプリントなどの装具,超音波や電気刺激などの物理療法,ボツリヌス毒素療法,外科的治療などが原因・病態に応じて選択される1).そのなかでも,他動的関節可動域運動は理学療法士が一般的に使用するアプローチの1つである.
一般的に拘縮の予防,改善には他動的関節可動域運動,ストレッチング,スプリントなどの装具,超音波や電気刺激などの物理療法,ボツリヌス毒素療法,外科的治療などが原因・病態に応じて選択される1).そのなかでも,他動的関節可動域運動は理学療法士が一般的に使用するアプローチの1つである.
参考文献
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2)Diong J, et al:Incidence and predictors of contracture after spinal cord injury—a prospective cohort study. Spinal Cord 2012;50:579-584
3)Yarkony GM, et al:Contractures:a major complication of craniocerebral trauma. Clin Orthop Relat Res 1987;219:93-96
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