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臨床実習指導における2:1モデルの成否に対し実習生同士の関係性が及ぼす影響—スクリプト化された協同を用いた指導方法の実践報告
著者: 髙木武蔵1
所属機関: 1IMSグループ新戸塚病院(現 IMSグループイムス横浜東戸塚総合リハビリテーション病院)
ページ範囲:P.1365 - P.1370
文献購入ページに移動要旨 【目的】2:1モデルでの実習指導において,実習生同士の関係性が実習の成否に与える影響および良好な関係性を構築するための指導方法についての検討を行った.【方法】当院で2:1モデルでの実習を行った4ペアの実習生に対し,実習生同士の関係性および実習の成否について半構造化面接を実施した.またそのうち2ペアにはスクリプト化された協同を用いた指導方法を採用し,良好な関係性の構築に寄与したかどうかを検討した.【結果】すべての実習生が「相手との関係性は実習のやりやすさに影響すると思う」と回答した.またスクリプト化された協同を用いた2ペアはいずれも協力的関係を築き全員が2:1モデルを支持したのに対し,ほかの2ペアでは競争意識を感じ1:1モデルを支持する回答もあった.【考察】2:1モデルにおいて,相手との関係性は実習の成否に影響を及ぼす可能性が示唆された.またスクリプト化された協同を用いた指導は実習生同士の良好な関係性の構築に寄与したと考えられる.
参考文献
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