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文献詳細

雑誌文献

理学療法ジャーナル56巻11号

2022年11月発行

文献概要

ひろば

理学療法学者の存在意義

著者: 奈良勲1 山本大誠2 吉井智晴3

所属機関: 1広島大学 2東京国際大学医療健康学部 3東京医療学院大学保健医療学部

ページ範囲:P.1371 - P.1371

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 学者とは,辞典による表現の違いはあるが,「何らかの学問の研究や教授を専門とする人およびその職業人の総称であり,研究者および学問専門家」と定義されている.英語ではscholarであるが,ラテン語のstudeoに由来する.これは学生(student)のことでもあり「熱意のある者,努力する者」との意味になる.また,学生は初学者とも呼ばれるため,学者の卵であるともいえるのではないだろうか.余暇を過ごすことや哲学などの講義が行われた場所(学校)を意味するラテン語のscholaは,ギリシャ語のskholeに由来する.

 人類は太古の時代から,自然界の現象や自身の人体の構造などに関心を抱き続けてきた.歴史上,古代オリエント,古代インド,古代中国をはじめとするさまざまな文明圏において,これらの関心事項を理解するための知識や経験を蓄積してきた.つまり,学問の始まりは哲学(philosophy)であり,徐々に科学(science)による観察や実験に基づく体系的な学問として自然哲学や実験哲学が駆使されてきた.今日でも「科学」は,自然科学・人文科学・社会科学の総称として用いられている.それらの学者のなかで,いまだブラックボックスとされているのは脳機能である.学者には脳科学者と称する人々も存在しており,それらの学者の研究成果が解説されているが,自身の脳機能についてどれほど認知されているのかと疑問を感じることがある.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1359

印刷版ISSN:0915-0552

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