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特集 進歩する低侵襲手術に応じた理学療法—治療プログラム,目標設定,リスク管理
経カテーテル心臓低侵襲治療と理学療法
著者: 大塚脩斗1 北井豪2
所属機関: 1神戸市立医療センター中央市民病院リハビリテーション技術部 2国立循環器病研究センター心臓血管内科
ページ範囲:P.192 - P.196
文献購入ページに移動カテーテルを用いた心臓低侵襲治療は,大動脈弁狭窄症(aortic stenosis:AS)に対する経カテーテル大動脈弁留置術(transcatheter aortic valve implantation:TAVI)や僧帽弁逆流症(mitral regurgitation:MR)に対するMitraClip®を用いた経皮的僧帽弁逆流修復術など,近年急速に発展している分野である.本稿は弁膜症治療のガイドライン(2020年改訂版)1)や心血管疾患におけるリハビリテーションに関するガイドライン(2021年改訂版)2)を参考としながら,理学療法を実施するうえで必要となる治療およびリスク管理に関する知識や,目標設定などについて詳述する.
TAVI(図1)は周術期リスクが高いために外科的大動脈弁置換術(surgical aortic valve replacement:SAVR)の適応とならない高リスクなAS患者に対して,開胸や人工心肺を必要としないより低侵襲な治療として開発され,本邦でも2013年に保険適用となった.TAVIとはカテーテルを用いて人工弁を患者の大動脈弁位に留置する治療であり,弁の留置経路としては最も低侵襲である経大腿アプローチが第一選択とされている.現時点ではSAVRよりも優先的にTAVIを考慮する年齢基準は80歳以上とされ,TAVIの普及によりSAVRの適応がない高度AS患者に対する治療が可能となった.
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