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文献概要
Close-up 自律神経
運動療法と自律神経
著者: 加藤倫卓1 髙木大輔1 中野渉1 高橋哲也2
所属機関: 1常葉大学健康科学部静岡理学療法学科 2順天堂大学保健医療学部理学療法学科
ページ範囲:P.222 - P.227
文献購入ページに移動運動療法は,さまざまな疾患の予防に有効であり,特に循環器疾患の疾病管理においてはきわめて重要である.運動療法の効果は多面的であり,運動耐容能を向上させることに始まり,糖脂質代謝や炎症の改善,血管拡張反応,そして予後の改善まで効果が及ぶ.
循環器疾患患者は持続的な交感神経系(sympathetic nervous system:SNS)の亢進が生じ,心不全の進展や重症不整脈の要因となっていることが知られているが,運動療法は過剰なSNS活動を低下し,減弱した副交感神経系(parasympathetic nervous system:PNS)活動を亢進させ異常な自律神経系(autonomic nervous system:ANS)活動を是正させる効果がある.よって,循環器疾患患者に対し適切に運動を処方することはきわめて重要である.本稿では,運動とANS変化による循環調整,そして運動療法が循環器疾患患者のANS活動を変化させるエビデンスとその機序について解説する.
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