文献詳細
文献概要
Close-up 立ち振る舞いのスキルを磨く
怒りのコントロール—アンガーマネジメントを中心として
著者: 大矢薫1
所属機関: 1新潟リハビリテーション大学医療学部
ページ範囲:P.566 - P.568
文献購入ページに移動理学療法士の皆様はどんなときに怒りを感じるだろうか? 本稿執筆中の2022年1月1日現在,医学文献の検索サイトであるメディカルオンラインで「理学療法 怒り」と検索したところ,40件がヒットした.そのなかで,理学療法の領域で怒りをメインとした論文は1件であり,管理職が臨床指導の際に生じる怒りについての論文1)であった.この論文では,管理職は後輩の臨床指導で困ったり,心配になったりした際に怒りがわきやすく,かつ管理職が協調性を重視する場合や管理職自身の自尊感情が低い場合に怒りがわきやすいことを示している.
このような管理職の怒り以外にも,理学療法士として対人援助職の現場で働く際に抱える怒りには,実際に患者と向き合うなかで知識や技術が不足して思うように治療ができない自分自身に対する怒り,リハビリテーションに積極的に取り組まない患者に対する怒り,上手に連携をとることができないことから生じる同僚や他スタッフに対する怒り,もしくは仕事以外のプライベートでの怒りなどが考えられる.このように考えると,怒りは日常生活のなかで非常に身近な存在であり,感情労働が求められる理学療法士にとって,怒りに振り回されずに,上手に向き合っていくことは,仕事や日常生活を充実させるうえで重要であろう.
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