文献詳細
文献概要
連載 スポーツ外傷・障害の予防・第6回【最終回】
ジャンパー膝
著者: 佐保泰明12 大桃結花2
所属機関: 1帝京大学医療技術学部スポーツ医療学科 2帝京大学スポーツ医科学センター
ページ範囲:P.716 - P.717
文献購入ページに移動膝蓋腱障害はジャンパー膝とも呼ばれ,バレーボールやバスケットボール,陸上など,膝蓋腱に繰り返しの負荷がかかり,とりわけ競技特性としてジャンプや着地動作が多いスポーツで発生頻度の高い障害である1).ジャンパー膝は膝関節伸展機構の障害により発生することが多いため,その予防には膝蓋骨周囲の組織,膝蓋大腿関節のアライメントを確認することが重要である.またジャンパー膝のリスクファクターとして大腿四頭筋やハムストリングスの柔軟性低下2)や,膝蓋骨のアライメント異常として膝蓋骨後傾3),膝蓋骨の高位4)が挙げられることから大腿四頭筋のタイトネスのチェックと膝蓋骨のアライメントを評価し,改善する必要がある.膝関節以外でジャンパー膝を誘発する可能性のある因子として足関節の背屈制限5,6)があり,動作中の下腿の前傾が十分であるかチェックする.また,着地動作としては,接地時間が短く膝関節の屈曲可動域が小さいstiff kneeでの着地7)がリスクとされており,動作の改善も必要となる.最近ではシューズの形状により,fore footで走行する者も増えているためランニング動作の確認も必要である.
そこで本稿では,リスクファクターを考慮したセルフケアの方法,理学療法士によるチェック項目,スポーツ動作の評価の観点からジャンパー膝の予防について説明する.
参考文献
掲載誌情報