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文献詳細

雑誌文献

理学療法ジャーナル56巻7号

2022年07月発行

文献概要

症例報告

終末期原発不明がんの若年成人男性に対する理学療法の経験

著者: 薄井さとみ1 水落和也1 山増正樹1 結城士1 渡邉知美1

所属機関: 1神奈川県立がんセンターリハビリテーションセンター

ページ範囲:P.855 - P.860

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要旨 原発不明がんによる多発転移にてがん性疼痛,栄養障害,不全対麻痺となった若年成人がん患者の終末期における理学療法を経験した.入院時は精神的に不安定であり,ADLは全介助であった.有効な治療法がなく治療は緩和治療であることを主治医より告知され,患者自ら緩和ケア病棟での入院加療を選択し,可能な限りセルフケアの自立度を高めることを希望した.症状緩和,安全・安楽な活動拡大を目的にリハビリテーション治療計画を立て,理学療法・作業療法を一般病棟から緩和ケア病棟へと継続した.死亡退院までの50日間でほぼ週5日のリハビリテーション治療を継続し,ADLの改善をみた.

参考文献

1)水落和也:エンドオブライフケアにおけるリハビリテーション.Jpn J Rehabil Med 2016;53:135-140
2)公益社団法人日本リハビリテーション医学会がんのリハビリテーションガイドライン改訂委員会(編):がんのリハビリテーションガイドライン,第2版.pp136-145,金原出版,2013
3)Buss T, et al:Kinesitherapy alleviates fatigue in terminal hospice cancer patients-an experimental controlled study. Support Care Cancer 2010;18:743-749
4)Laakso EL, et al:The impact of physiotherapy intervention on functional independence and quality of life in palliative patients. Cancer Forum 2003;27:15-20
5)柳谷哲史,他:緩和ケア病棟配属の療法士の役割について.理学療法学2012;(Suppl)39:1227
6)佐藤恭子,他:緩和ケアチーム介入患者のうちリハビリテーションを行った患者のADL変化と転帰.Palliat Care Res 2016;11:906-909
7)公益社団法人日本リハビリテーション医学会がんのリハビリテーション診療ガイドライン改訂委員会(編):がんのリハビリテーション診療ガイドライン,第2版.pp257-290,金原出版,2019

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1359

印刷版ISSN:0915-0552

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