文献詳細
特集 ヴィジョン—見えるものと見えないもの
文献概要
これはおそらく職業病とでも言うべきかもしれないが,繁華街で人と待ち合わせをしているときの待ち時間に,行きかう多くの人々の歩き方が気になり始める.ああ,あの人は右股関節が痛んでいる,この人は側彎があるかもしれない,など見えているもの(歩き方)に運動学的な,理学療法的な意味を与えて時間を潰してしまう(余計なお世話に決まっている).
理学療法士あるいは医療職にとって,「みる」という言葉はさまざまな意味をもっていて,「診る」,「看る」,「視る」など多様な漢字(意味)があてられることはよく経験する.さらに「ヴィジョン」となると,視覚を超えて「視角(パースペクティブ)」,「構想」などを含むことになる.このように理学療法における「ヴィジョン」のもつ意味は何か,どのような臨床的意義をまとうのか,について本特集では考えていきたい.
理学療法士あるいは医療職にとって,「みる」という言葉はさまざまな意味をもっていて,「診る」,「看る」,「視る」など多様な漢字(意味)があてられることはよく経験する.さらに「ヴィジョン」となると,視覚を超えて「視角(パースペクティブ)」,「構想」などを含むことになる.このように理学療法における「ヴィジョン」のもつ意味は何か,どのような臨床的意義をまとうのか,について本特集では考えていきたい.
参考文献
1)網本 和:半側空間無視の評価と治療アプローチ.理学療法学1991;18:604-607
2)Marshall JC, et al:Blindsight and insight in visuo-spatial neglect. Nature 1988;336:766-767
3)網本 和(編著):夢幻の空間—半側空間無視の評価と治療.ヒューマン・プレス,2019
4)モーリス・メルロ=ポンティ(原著),滝浦靜雄,他(訳):見えるものと見えないもの.みすず書房,1989
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