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文献詳細

雑誌文献

理学療法ジャーナル57巻11号

2023年11月発行

文献概要

特集 ヴィジョン—見えるものと見えないもの

視覚というマルチプロセス—「見つめ合い」の現象学に向けて

著者: 稲垣諭1

所属機関: 1東洋大学文学部哲学科

ページ範囲:P.1286 - P.1290

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Point

●アイコンタクトに「contact(接触)」が含まれているように,見るという経験には触れることが内在する

●まなざしは,見る側ではなく,見られる側の意識のなかで成立し,自分の存在をなかば強制的に際立たせ対象化する

●見ることが中立的ではないのは,一方で対象に襲いかかる力を,他方で対象を庇護する安心を与える力をもつマルチプロセスとして他者にかかわるからである

参考文献

1)Pitcher D, et al:Evidence for a third visual pathway specialized for social perception. Trends Cogn Sci 2021;25:100-110
2)Andersen T, et al:Imagined eating:an investigation of priming and sensory-specific satiety. Appetite 2023;182:106421. doi:10.1016/j.appet.2022.106421
3)サルトルJP(原著),松浪信三郎(訳):存在と無 上,新版.p455,人文書院,1999
4)サルトルJP(原著),松浪信三郎(訳):存在と無 上,新版.p456,人文書院,1999
5)稲垣 諭:絶滅へようこそ—「終わり」からはじめる哲学入門.p104,晶文社,2022
6)Burra N, et al:Meeting another's gaze shortens subjective time by capturing attention. Cognition 2021;212:104734. doi:10.1016/j.cognition.2021.104734
7)Hadjikhani N, et al:Look me in the eyes:constraining gaze in the eye-region provokes abnormally high subcortical activation in autism. Sci Rep 2017;7:3163. doi:10.1038/541598-01763378-5

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1359

印刷版ISSN:0915-0552

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