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文献詳細

雑誌文献

理学療法ジャーナル57巻11号

2023年11月発行

文献概要

短報

女子学生における月経痛に対する運動効果の認識

著者: 漆川沙弥香1 森明子2 永井宏達2 佐久間香2 坂口顕2 日髙正巳2

所属機関: 1 2兵庫医科大学リハビリテーション学部

ページ範囲:P.1371 - P.1373

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要旨 【目的】月経痛に対する運動効果の認識度を把握し,運動実施に向けての実態を調査することを目的とした.【方法】20〜25歳の健常成人女子学生を対象にアンケート調査を行った.調査項目は基本属性,月経痛の有無,運動効果の認識度ならびに運動意欲とした.【結果】研究対象者数は189名,総回答数149名で,除外基準に当てはまる者30名を除いた119名が解析対象となった.運動効果を認識している者は26.1%であったが,有効であれば取り入れたい者は83.0%となった.取り入れたい時期は月経期を含む時期が71.2%,取り入れたい運動強度は低強度の52.1%が最も多く,取り入れたい運動時間は30分以内が79.5%となった.【結論】運動効果を認識している者は少ないものの,運動を取り入れたい者は多かった.月経期にも実施可能な低強度で短時間の運動であれば,取り入れてもらえる可能性が示された.

参考文献

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掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1359

印刷版ISSN:0915-0552

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