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文献詳細

雑誌文献

理学療法ジャーナル57巻11号

2023年11月発行

文献概要

プラクティカル・メモ

関節リウマチ患者の座位・臥位における姿勢・動作の指導

著者: 上田泰久12 小林春樹2 清水正一2 辻川勇次2 野島隆雄2 東孝典3

所属機関: 1文京学院大学保健医療技術学部理学療法学科 2あずまリウマチ・内科クリニックリハビリテーション科 3あずまリウマチ・内科クリニック

ページ範囲:P.1374 - P.1375

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関節リウマチ(RA)に伴う頸椎病変と治療戦略

 関節リウマチ(rheumatoid arthritis:RA)に伴う頸椎病変には,上位頸椎に生じる環軸椎の前方亜脱臼や軸椎の垂直亜脱臼がある1,2).上位頸椎に生じる頸椎病変が進行すると脊髄症状が生じることから,RAの発症早期から頸椎病変の進行を予防することが重要になる.

 RAの治療戦略は,従来は鎮痛薬による疼痛のコントロールが主であったが,近年は生物学的製剤による疾患活動性のコントロールで関節破壊を抑制することが可能になってきた3).生物学的製剤は,既存の頸椎病変の進行に対する効果は乏しいが,新規の頸椎病変の発症および進行を抑制できると報告されている1,2).そのため,RAの発症早期から生物学的製剤などで疾患活動性を制御しつつ,同時に既存の頸椎病変の進行の要因であるメカニカルストレスに対する治療戦略を立てることが重要である1,3)

参考文献

1)海渡貴司,他:リウマチの頸椎病変と治療.臨リウマチ2014;26:260-265
2)富山泰行,他:生物学的製剤投与症例におけるRA頸椎病変についての検討.新潟整外研会誌2016;32:105-108
3)前田眞治:関節リウマチのリハビリテーション—最近の変化から.理学療法学2015;42:323-326
4)上田泰久:頸部のバイオメカニクス.村木孝行(編):肩関節痛・頸部痛のリハビリテーション.pp162-175,羊土社,2018
5)White AA, et al:Clinical Biomechanics of the Spine, 2nd ed. pp86-102, JB Lippincott, Philadelphia, 1990
6)上田泰久:頸部から診る姿勢と歩行.千葉慎一(編):運動のつながりから導く姿勢と歩行の理学療法.pp10-23,文光堂,2020
7)山田朱織,他:肩こりに対する私のアプローチ法—枕の調整:理論と実践.Orthopaedics 2016;29:29-44

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1359

印刷版ISSN:0915-0552

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