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文献詳細

雑誌文献

理学療法ジャーナル57巻12号

2023年12月発行

文献概要

連載 臨床実習サブノート 臨床実習で技術のステップアップをめざそう・第9回

治療技術③ バランス練習

著者: 高橋拓真1

所属機関: 1市立札幌病院リハビリテーション科

ページ範囲:P.1483 - P.1490

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はじめに

 バランスという用語ほど“便利”な表現はないのかもしれません.「バランスが悪いから転倒しやすい」という表現は臨床において頻繁に用いられ,患者・家族にとって理解しやすい表現です.

 一方,バランスという用語ほど“曖昧”な表現もないのかもしれません.バランスとは,「重力をはじめとする環境に対する生体の情報処理機能の帰結・現象を指すと定義され,支持基底面に重心を投影するために必要な平衡にかかわる神経機構に加えて,骨のアライメント,関節機能,筋力“など”の要素が含まれる」(“”は筆者による)とされています1).定義中の“など”を含むバランスを構成する複雑な要素に加え,症例により異なる病態や生活環境が加わることで,実習生にとって難渋する課題になることが推測されます.

 本稿のテーマである「バランス練習」に至る前に,曖昧で複雑なバランスの「構成要素を実習生とともに紐解く」ことが,バランス練習の技術習得に必要不可欠であると考えます.本稿が,臨床実習生の疑問を解決する一助になることを期待しています.

参考文献

1)奈良 勲,他(編):図解理学療法検査・測定ガイド,第3版.文光堂,2023
2)中村隆一,他:基礎運動学,第6版.p338,医歯薬出版,2003
3)望月 久:教育セミナー 理学療法におけるバランスの捉え方—概念・評価・改善へのアプローチ.理学療法学2005;32:192-196
4)中村隆一,他:基礎運動学,第6版.p336,医歯薬出版,2003
5)奈良 勲,他:姿勢調節障害の理学療法.pp189-211,医歯薬出版,2004
6)望月 久:協調性障害の理学療法—バランス能力の評価・バランス能力改善への考え方を中心に.理学療法の歩み2007;18:8-13
7)小林 賢:臨床実習施設における臨床実習プログラムの立案.日本理学療法士協会(編):臨床実習教育の手引き,第6版.pp56-62,日本理学療法士協会,2020

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1359

印刷版ISSN:0915-0552

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