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書評
—トーマス・W・マイヤース(Thomas W. Myers)(原著)板場英行,石井慎一郎(訳)—「アナトミー・トレイン[Web動画付]第4版—徒手運動療法のための筋膜経線」
著者: 成田崇矢1
所属機関: 1桐蔭横浜大スポーツ健康政策学部
ページ範囲:P.207 - P.207
文献購入ページに移動 本書の初版は,2001年に発行された.この「アナトミー・トレイン:筋膜経線」というものに触れ,今まで,筋,骨,関節と別々にとられていた治療概念に「つながり」を意識した人も多かったと思われる.今回の第4版でも,多くの最新情報が掲載されている.「筋膜(fascia)」という用語は,日本において急激に広まっているものの,未知の部分も多い.本書は,まさに電車のように,とどまることなく最新の情報を取り入れて進化している.
特筆すべき点は,著者トーマス・W・マイヤース氏は,間違いなく臨床家であるという点である.それは,「治療の核心は手技の応用にとどまらず,聴く,見る,感じる,そして理解する能力にある.少なくともこれが本書の根幹である」と言い切っている点と,ある一定のルールに従えば「読者が本書に記載していない列車を加えることができる」と著者の考えがすべてではなく,読者自身が創意工夫により新たな発見をしてもよいと自由度を与えている点からもうかがえる.まさに本書の根幹は臨床にあり,単なる解剖書とは異なり,本書にあふれる概念を理解すれば,間違いなく臨床の一助になるというのが,読後に抱いた第一印象である.
特筆すべき点は,著者トーマス・W・マイヤース氏は,間違いなく臨床家であるという点である.それは,「治療の核心は手技の応用にとどまらず,聴く,見る,感じる,そして理解する能力にある.少なくともこれが本書の根幹である」と言い切っている点と,ある一定のルールに従えば「読者が本書に記載していない列車を加えることができる」と著者の考えがすべてではなく,読者自身が創意工夫により新たな発見をしてもよいと自由度を与えている点からもうかがえる.まさに本書の根幹は臨床にあり,単なる解剖書とは異なり,本書にあふれる概念を理解すれば,間違いなく臨床の一助になるというのが,読後に抱いた第一印象である.
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