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Close-up リウマチ今昔物語
関節リウマチの治療—変わったことと変わらないこと
著者: 神野定男12
所属機関: 1ハワイ大学 Queens Medical Center リウマチ膠原病内科 2神戸大学医学部附属病院膠原病リウマチ内科
ページ範囲:P.320 - P.324
文献購入ページに移動1.分類基準の変遷
関節リウマチの診断には,1987年の米国リウマチ学会(American College of Rheumatology:ACR)による分類基準が長い間使われてきた.しかし,この基準では早期の患者を関節リウマチと診断できないことがあり,早期診断の基準としては不十分と指摘されていた.
このような状況から,2010年にACRおよび欧州リウマチ学会が合同で新しい分類基準を発表した1).この基準では,少なくとも1つ以上の関節で腫れを伴う炎症[滑膜炎(関節の中の滑膜の炎症)]がみられ,その原因として関節リウマチ以外の病気が認められない場合に,① 症状がある関節の数,② リウマトイド因子または抗シトルリン化ペプチド(cyclic citrullinated peptide:CCP)抗体の発現,③ C-reactive protein(CRP)または赤沈といった採血での炎症反応,④ 症状が続いている期間,の4項目についてのそれぞれの点数を合計し,6点以上であれば関節リウマチと分類する.
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