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Close-up リウマチ今昔物語
関節リウマチの作業療法—変わったことと変わらないこと
著者: 田口真哉1 佐浦隆一2
所属機関: 1社会医療法人抱生会丸の内病院リハビリテーション部 2大阪医科薬科大学医学部総合医療講座リハビリテーション医学教室
ページ範囲:P.329 - P.334
文献購入ページに移動2000年代初めからの薬物治療の劇的な進歩は,関節リウマチ(rheumatoid arthritis)のリハビリテーション治療の目的や目標を大きく変えた.作業療法も例外ではなく,従前の疼痛緩和や変形など二次障害の予防に加えて,低疾患活動性,あるいは寛解をめざす薬物治療中の機能維持や向上,そして,健常者と同じような日常生活の享受,社会活動への参加のための関節リウマチ患者の包括的支援が目的となった.
と言っても,薬物治療が奏効しない,あるいは長期罹患により障害をもつ関節リウマチ患者の身体機能と日常生活活動の維持を目的とする作業療法の必要性が失われたわけではない.寛解あるいは低疾患活動性をめざす薬物治療が主流となっても,生活に密着し動作にこだわる作業療法士が関節リウマチのリハビリテーション治療のなかで担う役割は,ライフステージへの支援も加わり,その重要性は増し,そして,関節リウマチ患者のみならず,関節リウマチ医療チームに加わっている多職種からの作業療法への期待も大きくなっている.
そこで,本稿では,筆者らが経験してきた関節リウマチの作業療法の変わらないこと,変わったことを紹介したい.
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