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プラクティカル・メモ
骨折後の荷重量コントロールの一工夫—鉛直方向への操作を用いた軸圧荷重
著者: 眞本匠1
所属機関: 1平成病院リハビリテーション科
ページ範囲:P.364 - P.365
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下肢骨折後の理学療法では,骨癒合の促進や筋力増強などを目的として荷重練習を行うことが多い.荷重練習は,体重計に乗り重心移動をする方法が一般的である.しかしこの方法だと,全荷重指示にもかかわらず荷重が不十分となることや,対象者が荷重制限を遵守できず過度に荷重をかけることを経験する.また,軸圧方向への負荷は早期に新生骨の形成を促進し,ハバース系による再造形を活発にして骨癒合を導く1)とされているが,重心移動を伴う荷重では代償動作がみられ軸圧方向以外のストレスが加わることがある.これらの問題により,画一的な方法では目的の達成は容易ではない.そのため荷重制限指示に合わせて,軸圧方向へ荷重量をコントロールする方法が必要であると考えた.
そこで今回,重心移動や姿勢変化を最小限にとどめて荷重量をコントロールできる方法を考案したので,以下に紹介する.本症例には,ヘルシンキ宣言に基づき事前に本研究の目的と内容を十分説明し,書面による同意を得て実施した.
下肢骨折後の理学療法では,骨癒合の促進や筋力増強などを目的として荷重練習を行うことが多い.荷重練習は,体重計に乗り重心移動をする方法が一般的である.しかしこの方法だと,全荷重指示にもかかわらず荷重が不十分となることや,対象者が荷重制限を遵守できず過度に荷重をかけることを経験する.また,軸圧方向への負荷は早期に新生骨の形成を促進し,ハバース系による再造形を活発にして骨癒合を導く1)とされているが,重心移動を伴う荷重では代償動作がみられ軸圧方向以外のストレスが加わることがある.これらの問題により,画一的な方法では目的の達成は容易ではない.そのため荷重制限指示に合わせて,軸圧方向へ荷重量をコントロールする方法が必要であると考えた.
そこで今回,重心移動や姿勢変化を最小限にとどめて荷重量をコントロールできる方法を考案したので,以下に紹介する.本症例には,ヘルシンキ宣言に基づき事前に本研究の目的と内容を十分説明し,書面による同意を得て実施した.
参考文献
1)西山嘉信:軸圧負荷が骨折治癒過程に及ぼす影響について.昭和医会誌1991;51:409-418
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