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連載 臨床研究のススメ—エビデンスを創ろう・第5回
無作為化比較試験
著者: 牧野圭太郎12 島田裕之1
所属機関: 1国立長寿医療研究センター研究所老年学・社会科学研究センター 2
ページ範囲:P.589 - P.592
文献購入ページに移動無作為化比較試験(randomized controlled trial)は,治療法などの有効性を検証するために,研究対象者を複数のグループにランダム(無作為)に分類し,グループ間でアウトカムを比較する介入研究のことを指す.ある治療法の効果を証明したいとき,治療を行う場合と行わない場合(もしくは従来の治療法など)との間で効果の大きさを比較する必要がある.そのため,研究対象者は治療を受けるグループ(介入群)と治療を受けない(もしくは従来の治療法を受ける)グループ(対照群)とに振り分けられることになり,この作業を割り付けと呼ぶ.この作業においてグループ間で対象者の属性が偏っていた場合,比較した結果が本当に治療法に起因する差なのか,それとも対象者属性の偏りに起因する差なのかを結論づけることが困難になってしまう.このような偏りの影響(選択バイアス)を取り除くため,ランダム割り付け(random assignment)と呼ばれる方法で対象者を無作為にグループ分けした研究が無作為化比較試験である(図1).ランダム割り付けは未測定さらには未認知の交絡因子の影響を最小化することができるため,これを用いた無作為化比較試験は質の高いエビデンスが得られる研究手法として知られている1).
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