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連載 単純X線写真 読影達人への第一歩・第3回
肺炎・急性呼吸促迫症候群
著者: 花田匡利12 名倉弘樹12 及川真人12 竹内里奈1 神津玲12
所属機関: 1長崎大学病院リハビリテーション部 2長崎大学大学院医歯薬学総合研究科理学療法学分野
ページ範囲:P.623 - P.627
文献購入ページに移動●患者情報:50歳台,男性.
●診断名:コロナウイルス感染症2019(COVID-19)肺炎,急性呼吸促迫症候群(ARDS).
●現病歴:発熱と咳嗽にて当院トリアージ外来を受診.経皮的酸素飽和度(SpO2)が50%台と著明な低酸素血症を認め緊急入院.ただちに気管挿管にて人工呼吸管理となり,集中治療室(ICU)入室となった.
●理学療法開始時所見(入院第2病日):
・鎮静:筋弛緩薬投与下にてRichmond Agitation-Sedation Scale −5(昏睡)
・人工呼吸器設定:Assist/Control mode,FiO2 0.7,設定呼吸数15回/分,pressure control 15cmH2O,positive end-respiratory pressure(PEEP) 10cmH2O
・動脈血液ガス所見:pH 7.437,PaCO2 43.8Torr,PaO2 61.7Torr,HCO3− 29.1mmol/L
・酸素化指標:PaO2/FiO2 ratio 88
・身体所見:視診にて吸気時に両側胸部の肋間陥没を認めた.胸郭拡張性に左右差はなく,rattlingの触知もなし.感染対策上,胸部の聴診は実施し得ず.
参考文献
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