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文献詳細

雑誌文献

理学療法ジャーナル57巻6号

2023年06月発行

文献概要

連載 臨床研究のススメ—エビデンスを創ろう・第6回

臨床研究に必要な統計知識

著者: 田島敬之1

所属機関: 1東京都立大学健康福祉学部理学療法学科

ページ範囲:P.715 - P.718

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はじめに

 「臨床研究における統計」と聞いて何を思い浮かべるだろうか.読者のなかには,それすなわち統計的仮説検定(t検定や分散分析など)をイメージする方も少なくないのではないかと思う.実際,筆者がこれまでに臨床研究を始めたい初学者から受けた相談は,検定手法の選び方や対象者数(サンプルサイズ)に関する内容が大半を占めた.さらには検定結果の一つである有意確率(p値)に関して誤解をしている方も少なくなかった.

 エビデンスを正しく理解し,活用し,創るためには,統計に関する基本的な知識を身につけることが肝要である.本稿では,臨床研究をこれから始めたい方や統計にまだ自信がない方を主な対象に,押さえておくべき統計知識について解説をする.

参考文献

1)Hawkins AT, et al:Use of confidence intervals in interpreting nonstatistically significant results. JAMA 2021;326:2068-2069
2)Wasserstein RT, et al:The ASA statement on p-values:context, process, and purpose. Am Stat 2016;70:129-133
3)日本計量生物学会:統計的有意性とP値に関するASA声明.https://www.biometrics.gr.jp/news/all/ASA.pdf(2023年1月15日閲覧)
4)山口拓洋:サンプルサイズの設計.pp14-28,特定非営利活動法人健康医療評価研究機構,2010
5)宇田和晃:MCIDとはなにか.PTジャーナル2022;56:1328-1333
6)Cohen J:A power primer. Psychol Bull 1992;112:155-159

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1359

印刷版ISSN:0915-0552

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