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文献詳細

雑誌文献

理学療法ジャーナル57巻6号

2023年06月発行

文献概要

症例報告

有鉤骨鉤摘出術後に尺骨神経障害を呈した1症例—超音波画像診断装置を用いた病態解釈

著者: 西野雄大1 増田一太23 河田龍人4 笠野由布子5

所属機関: 1いえだ整形外科リハビリクリニックリハビリテーション科 2国際医学技術専門学校理学療法学科 3立命館大学立命館グローバルイノベーション研究機構 4立命館大学大学院スポーツ健康科学研究科 5中部学院大学看護リハビリテーション学部理学療法学科

ページ範囲:P.740 - P.745

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要旨 有鉤骨鉤骨折とは,すべての手根骨骨折の2〜4%を占める比較的まれな骨折であり,本疾患に対する鉤摘出術後の約35%に一過性の環指尺側から小指のしびれを呈する.しかし実際にその病態を非侵襲的に可視化した報告はない.今回,有鉤骨鉤骨折に対する鉤摘出術後に尺骨神経障害を呈した症例を経験し,超音波画像診断装置にて術創部遠位部を観察した.その結果,環指近位指節間関節屈伸時の短軸像にて,環指の浅指屈筋腱と尺骨神経浅枝とが一塊となり滑走制限を呈していたのと同時に,牽引され扁平化する尺骨神経浅枝を確認した.さらに長軸像にて手関節掌背屈中間位での環指中手指節・指節間関節伸展最終域で,皮膚とともに遠位方向に牽引される浅指屈筋腱が観察できた.本症例は手術侵襲が環指の浅指屈筋腱と尺骨神経浅枝上に存在することに加え,術後の創部痛の持続に伴う不動により,術創部の皮膚とその直下の浅指屈筋腱,尺骨神経浅枝との間で癒着が生じたため,尺骨神経浅枝の牽引ストレスが増大し,一過性のしびれと感覚鈍麻が出現したものと考えられた.

参考文献

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掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1359

印刷版ISSN:0915-0552

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