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書評
—柳谷登志雄・川本竜史・長野明紀・谷川 聡・広瀬統一(監訳)—「スポーツと運動のバイオメカニクス」
著者: 中村雅俊1
所属機関: 1西九州大学
ページ範囲:P.957 - P.957
文献購入ページに移動 バイオメカニクスと聞くと,関節モーメント・床反力,ベクトルに代表される専門用語,はたまたsin,cos,tanといった数学的なものを想像し,バイオメカニクスと聞くだけで逃げ出してしまいたくなるテーマだと推察される.実際に大学での講義の際にモーメントという言葉を出すや否や,拒絶に近い反応を示す学生もいるような印象がある.
私自身も高校時代はいわゆる理系の勉強をしていた人間であり,現在もバイオメカニクスを専門とする研究者の端くれとして,上記の言葉をスポーツや運動を学ぶ理学療法学や体育・スポーツ科学を専攻とする学生にわかりやすく教えたいと常々感じていた.しかし,バイオメカニクスに関する書籍の多くは,力学の理論や公式がふんだんに含まれ,数学的・理論的な学習をするにはうってつけであるが,その反面,スポーツや運動に対する情報が少なく,実際の運動やスポーツへの理解・応用が難しい場合も多い.一方,スポーツパフォーマンスや運動に対して説明を行っている書籍では,概念的な理解はしやすい反面,実際の計算的な手法が不明であったり,用語の正確な理解が少し難しい場合が多い.いわゆる帯に短し襷に長しとなることが多かった.しかし,この『スポーツと運動のバイオメカニクス』においては,この現状を打破することが可能である構成をしている.
私自身も高校時代はいわゆる理系の勉強をしていた人間であり,現在もバイオメカニクスを専門とする研究者の端くれとして,上記の言葉をスポーツや運動を学ぶ理学療法学や体育・スポーツ科学を専攻とする学生にわかりやすく教えたいと常々感じていた.しかし,バイオメカニクスに関する書籍の多くは,力学の理論や公式がふんだんに含まれ,数学的・理論的な学習をするにはうってつけであるが,その反面,スポーツや運動に対する情報が少なく,実際の運動やスポーツへの理解・応用が難しい場合も多い.一方,スポーツパフォーマンスや運動に対して説明を行っている書籍では,概念的な理解はしやすい反面,実際の計算的な手法が不明であったり,用語の正確な理解が少し難しい場合が多い.いわゆる帯に短し襷に長しとなることが多かった.しかし,この『スポーツと運動のバイオメカニクス』においては,この現状を打破することが可能である構成をしている.
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