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文献詳細

雑誌文献

理学療法ジャーナル58巻1号

2024年01月発行

文献概要

連載 中間管理職の悩み・第7回

指導とハラスメントの狭間で,どのように指導したらよいのでしょう?

著者: 藤原愛作1

所属機関: 1特定医療法人明徳会佐藤第一病院リハビリテーション部教育管理課

ページ範囲:P.89 - P.91

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はじめに

 理学療法士は日々の業務のなかで,後輩や学生へ指導を行う場面があるが,近年ハラスメントの問題などもあり,「指導が難しい」という声を聞く機会が増えた.

 実際の事案として,2007年に職場内の上司からのいじめ・ハラスメントが原因でうつ病を発症した労働者が自殺した事件では,自殺の原因として「パワーハラスメント(以下,パワハラ)」が日本で初めて労働災害と認定された1).私たちの業界に目を向けてみると,臨床実習中に上記のようなハラスメント事例が起きており,パワハラが自殺の要因であったことが認定されている2)

 このような事例の再発防止のために,ハラスメント防止に関する取り組みが多く行われるようになっており,日本理学療法士協会からも倫理に関するポスターや動画が公開されている3).これらを見てみると,価値観の押し付けや相手への思い込みなどがモラルハザード(倫理感の欠如)として紹介されている.

 そこで,本稿ではパワハラの定義を確認したうえで,相手との認識の違い(バイアス)の観点を踏まえ,指導者側がもっておくべき注意点について考えていく.

参考文献

1)永富陽子:職場におけるハラスメントとメンタルヘルスに関する研究動向と課題.大阪経大論集2015;66:223-233
2)裁判所:大阪地裁判決文.https://www.courts.go.jp/app/files/hanrei_jp/902/087902_hanrei.pdf(2023年7月1日閲覧)
3)日本理学療法士協会:理学療法士の倫理に関する取り組み.https://www.japanpt.or.jp/pt/announcement/pt/ethics/(2023年7月1日閲覧)
4)東京海上日動リスクコンサルティング株式会社:職場のハラスメントに関する実態調査報告書.令和2年度厚生労働省委託事業.2021.https://www.mhlw.go.jp/content/11200000/000775817.pdf(2023年7月1日閲覧)
5)厚生労働省 都道府県労働局雇用環境・均等部(室):職場における・パワーハラスメント対策・セクシュアルハラスメント対策・妊娠・出産・育児休業等に関するハラスメント対策は事業主の義務です! 2023.https://www.mhlw.go.jp/content/11900000/001019259.pdf(2023年7月1日閲覧)
6)厚生労働省:事業主が職場における優越的な関係を背景とした言動に起因する問題に関して雇用管理上講ずべき措置等についての指針(令和2年厚生労働省告示第5号).2020.https://www.mhlw.go.jp/content/11900000/000605661.pdf(2023年12月4日閲覧)
7)藤田政博:バイアスとは何か.筑摩書房,2021

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1359

印刷版ISSN:0915-0552

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