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文献詳細

雑誌文献

理学療法ジャーナル58巻10号

2024年10月発行

文献概要

ひろば

理学療法士の臨床推論の原理原則

著者: 奈良勲1

所属機関: 1広島大学

ページ範囲:P.1177 - P.1177

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 臨床推論(clinical reasoning)とは,端的に言えば患者の病態などを明らかにし,そこから解決の方法を導くための臨床的思考過程である.この思考過程は,ある事実に基づいて未知の事象を推し量り論じる,まさしく「推論」なのである.臨床推論は医師をはじめ,理学療法士,看護師などの医療関連専門職(allied health profession:AHP)が行う一連の能動的な医療行為の基礎となる.患者の病気・変調は,医師による診断に基づき,医師およびAHPにより治療が実施される.そこでは,それぞれのAHPが患者の機能診断・評価に即したキュア・ケアの到達目標を設定し,それらのプログラムを遂行する.この過程において臨床推論が求められる.

 近年,医学・医療の発展に伴い,「治療ガイドライン」の信頼性が高まっていると言えるが,一般的な研究の結果と同様に,あくまでも平均化したデータに準じて提示されたものであることを忘れてはならない.つまり,「治療ガイドライン」を参考にすることはあっても,鵜呑みにして臨床推論を怠ってはならない.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1359

印刷版ISSN:0915-0552

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