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文献詳細

雑誌文献

理学療法ジャーナル58巻11号

2024年11月発行

文献概要

連載 臨床実習サブノート 「どれくらい運動させていいかわからない」をどう克服するか・第8回

—神経・筋疾患—パーキンソン病患者に対する協調性改善運動

著者: 中山恭秀1

所属機関: 1東京慈恵会医科大学リハビリテーション医学講座

ページ範囲:P.1285 - P.1289

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パーキンソン病(PD)はどんな病気か

 パーキンソン病(Parkinson disease:PD)は,50〜70歳台に多く発症する国が指定する難病であり,進行性の変性疾患です.中脳黒質緻密層のメラニン含有神経細胞の変性・脱落を主な病変とし,神経伝達物質であるドーパミンの分泌不足をもたらすことにより情動と運動の調整に影響が生じます.同じく神経伝達物質であるアセチルコリンとの相反的な調整機能が破綻し,さまざまな症状が認められます.一般的にドーパミン製剤の投与はこのドーパミンの不足を補う治療であり,これに合わせる形で運動療法が処方されます.

 運動や身体活動について,現在のところ普遍的に推奨されているにとどまり,適切な運動様式,頻度,強度については不明な点が多いです1).世界保健機関(World Health Organization:WHO)がPDを障害をもつ人数の観点から最も急速に増加している神経疾患であると認識しているなか,理学療法士が行う専門的な運動療法がどのような作用をもたらすか,症例に即した実践とその報告を積み重ねることについて,国内外ともに期待が集まっています.

参考文献

1)Jennifer LM, Nakayama Y:Exercise for people with Parkinson's disease:updates and future considerations. Phys Ther Res 2024;27:67-75
2)中山恭秀(編):3日間で行う理学療法臨床評価プランニング,改訂第2版.南江堂,2021
3)Nakayama Y, et al:The Feasibility of the adaptation of ability for Basic Movement Scale Ⅱ for patients with Parkinson disease. Brain Neurorehabil 2018;11:e17. doi:10.12786/bn.2018.11.e17
4)中山恭秀,他(編):Closslink理学療法学テキスト 神経障害理学療法学Ⅱ—神経筋障害.p36,メジカルビュー社,2019
5)市橋則明:ストレッチングのエビデンス.理学療法学2014;41:531-534

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1359

印刷版ISSN:0915-0552

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