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雑誌目次

雑誌文献

理学療法ジャーナル58巻12号

2024年12月発行

雑誌目次

特集 “子ども”と“母”をつなぎ支える理学療法

EOI(essences of the issue) フリーアクセス

ページ範囲:P.1314 - P.1315

 理学療法においてウィメンズヘルス領域,小児領域とそれぞれ発展を遂げるなか,子どもが健やかに産まれ育つ社会をめざすには,各領域をそれぞれ独立した分野ではなく一連の流れとした理学療法の展開を考えていく時期にあると考える.今回,各フェーズにおける現状や課題を把握できるよう,それぞれ先駆的に,他職種とも連携を図りながら取り組みを行ってきた方々にご解説いただいた.多職種連携や地域の実情を踏まえながら子どもと母をつなぎ支え,子どもが健やかに産まれ育つ社会へ理学療法がどのように寄与できるか考えるきっかけにされたい.

—エディトリアル—健やかなる“子ども”と“母”をつなぎ支える理学療法

著者: 沖原優子

ページ範囲:P.1316 - P.1319

はじめに

 現代社会において,子どもが“健やか”に産まれ育つためには,妊娠期から出産後,そして成長期に至るまでのすべての段階で包括的な支援が必要である.特に,子どもと母を中心とした家族の健康を支える理学療法の役割は大変重要であり,その専門的なアプローチが求められている.理学療法士は,母と子の健全な発達を促進し,家族全体の福祉向上に寄与するため,こども家庭庁や子育て世代包括支援センターと協力し,地域社会と連携しながらその役割を果たしていく必要がある.小児領域の理学療法,母を支えるウィメンズヘルス領域の理学療法のどちらもさらなる発展を遂げる今,双方をつなぎ,子どもが健やかに産まれ育てることを支える一連の流れとする理学療法として考える機会に本特集がなることを願う.

“子ども”に関する制度と理学療法

著者: 小塚直樹 ,   宮城島沙織 ,   鎌塚香央里

ページ範囲:P.1320 - P.1326

Point

●子どもと母に関する法と制度は,いくつかの省庁によって規定されてきたが,2023年4月1日に発足したこども家庭庁によって一元化され,以降の子育て環境が整うことが期待される

●小児理学療法に携わる者は,対象となる家族,とりわけ母親の子育てや介護の苦労を十分理解したうえで,家族全体の心身の健康を見守る役割を担い,よき相談相手として寄り添う姿勢が大切である

●子育て世代の理学療法士の就労は,さまざまな社会資源の効果的な活用が肝要であるが,一方で母親に負担が偏らない家族や職場の理解も重要となる

将来の母を支える理学療法—妊娠・産褥期へのかかわり

著者: 春本千保子 ,   森憲一

ページ範囲:P.1327 - P.1334

Point

●産前産後における腰痛発症率は約7割に及ぶ.家事や育児のみならず,日常生活に支障を来すケースも少なくない

●妊娠期に共通する身体変化を理解し,姿勢や動作の問題に対する個別の評価と治療が重要である

●わが国では妊娠期マイナートラブルに対する理学療法はいまだ保険適用外である.理学療法士は医師と連携を図り,介入結果を蓄積することが不可欠である

産後の母を支える理学療法

著者: 佐々木聡子

ページ範囲:P.1335 - P.1343

Point

●産後は,身体的変化に伴うさまざまな症状を生じやすい.身体面のみならず精神面へも影響があり,両者は密接にかかわっている

●分娩後,産科での心身状況を共有し,必要に応じた多職種による訪問支援は,母の心身状態の改善を導く一助となっている.多職種での多方面からのかかわりが望まれる

●実際の生活の場(自宅)での母体ケアや育児動作指導は,母にとって理解しやすく習慣化が得られやすい

新生児を支える理学療法

著者: 齋藤悟子

ページ範囲:P.1344 - P.1350

Point

●新生児集中治療室(neonatal intensive care unit:NICU)は子どもと母・父が初めて出会う場である

●子どもの理学療法では養育者も対象者となる

●生まれた子どもの成長発達に合わせて,母のウィメンズヘルス領域と,小児領域の理学療法を切れ目なく一連の流れとして提供するにあたって,それぞれの施設の特性などを知り,垣根を越えて情報を共有することが,理学療法のなかで広義のチーム医療といえる

地域の子どもを支える理学療法

著者: 井上和広

ページ範囲:P.1351 - P.1357

Point

●小児理学療法の対象や重症度,年齢層は幅広く,日常的にかかわる職種や支援場所も,多種多様となってきている

●障害をもつ子どもたちの支援には家族支援と地域連携が重要な位置づけとなる

●家族支援にはfamily-centered careの概念が重要であり,特にライフサイクルに応じたさまざまな情報提供が求められている

助産師の立場から理学療法士に求めるもの—妊産婦と子どもの継続ケア

著者: 山本英子

ページ範囲:P.1358 - P.1364

Point

●妊産婦は,妊娠・出産に伴い身体や社会的役割が大きく変化し,不安やストレスを高めやすい状態にあるため妊娠期からの継続ケア,メンタルヘルス支援が重要である

●専門性を活かした視点で対象者(妊産婦と子ども)を多角的・包括的に捉える

●互いの専門性の理解と尊重のもと,対象者とともにチームで課題・目標を共有し統合されたケアを実践・継続していく

Close-up 理学療法と公衆衛生

公衆衛生に関する理学療法のあるべき姿

著者: 木村朗

ページ範囲:P.1366 - P.1373

はじめに

 本邦では,多くの理学療法士が専門職として,けがや病気で体の動きが悪くなった人たちを助けるうえで重要な役割を果たしている.しかし筆者は,理学療法士ができることはそれだけではなく,実はもっと多いと考えている.最近では,理学療法士が「みんなの健康」を守る活動,つまり地域の人々が健康でいるための取り組みにもかかわるべきだという声がこれまで以上に高まっている.

公衆衛生に理学療法士がかかわるために

著者: 小池孝康

ページ範囲:P.1374 - P.1379

はじめに

 理学療法士及び作業療法士法に規定される本邦の“理学療法”は,身体に障害のある者に対して医師の指示のもとに行う診療の補助行為であり,医療施設を主体に行う「医学的リハビリテーション」として位置づけられる1,2).一方,国民全体の健康増進,予防施策を強く推進する近年の政策のもと,理学療法士の活動の場は医療施設にとどまらず,地域社会へと拡大している.

 このような背景のなか,公衆衛生活動に深くかかわる理学療法士は今後さらに増加することが予想され,従来の理学療法の提供の形である「直接・対個人」に対し,公衆衛生分野では「間接・対集団」へのアプローチが求められる.したがって,理学療法士は法で定める“理学療法”の視点を踏まえつつも,それとは異なる視点や方略を備え,公衆衛生に伴う課題を理解する必要がある.

 本稿では,理学療法士が公衆衛生分野でさらなる貢献ができるよう,具体的な役割や業務,アプローチを整理したうえで,公衆衛生に理学療法士がかかわるための課題と展望について概説する.

連載 とびら

大事なことはみーんな患者さんに教わった

著者: 小山田香

ページ範囲:P.1311 - P.1311

 理学療法士として働きはじめた35年前,当時サービス残業は当たり前,遅くまで仕事がずれ込んで,記録をこなしつつ夕食が終わるのを待ってから残りの病棟業務に出かけることも多かった.

 筋萎縮性側索硬化症の50歳台女性を担当したのは確かまだ1年目.300床クラスの総合病院で神経内科は主な標榜科でもあり,通例となっていた2〜3週間のリハビリテーション目的を兼ねた入院に病棟スタッフは慣れっこらしく,院内に何台もない3モーターのベッドが早々に用意されていた.新米の私は,初めてみる疾患の患者を前に教科書を慌てて繰り直し,学生実習の手順をなぞるのが精一杯だった.

視覚ベースの動作分析・評価・第8回

歩行—歩行観察の結果から膝関節および胸郭機能の改善を図り,歩行時の膝関節痛軽減が得られた症例

著者: 森口晃一

ページ範囲:P.1307 - P.1309

症例紹介

 60歳台女性.右変形性膝関節症(Kellgren-Laurence分類Ⅲ).

 数年前から正座不可,右膝関節の可動域制限を感じていた.約3か月前から15分以上の歩行で疼痛が出現するようになり,症状が強くなってきたため来院.歩行時の最大の疼痛の程度はNumerical Rating Scale(NRS)で5,右膝関節の可動域は屈曲137°,伸展−20°.


*本論文中,動画マークのある箇所につきましては,関連する動画を見ることができます(公開期間:2027年12月31日).

運動療法に活かすための神経生理(学)・第6回【最終回】

ADLを改善するために筋緊張異常をどう制御するか?

著者: 後藤淳

ページ範囲:P.1381 - P.1384

筋緊張とは

 筋緊張とは,神経生理学的に支配されている筋に,持続的に不随意に生じている筋の一定の緊張のことである1,2).簡単に言えば,骨格筋の硬度や弾力,つまり骨格筋の張り具合いである.筋緊張は,生体の姿勢保持や体温調節に関与し,また,運動あるいは姿勢保持の際に活動する骨格筋の準備状態に重要である.なお,神経学的検査における筋緊張とは,安静背臥位での随意的な活動のない状態における筋緊張3)を示す.

 筋緊張の制御は,主に上位運動ニューロン(脊髄〜脳)により行われており,また,固有受容器制御で代表される伸張反射,前庭反射や緊張性頸反射・立ち直り反射などの姿勢反射は,筋緊張の神経生理機構に大きく関与する.

今月の深めたい理学療法周辺用語・第12回【最終回】

ヘルスリテラシー

著者: 中山和弘

ページ範囲:P.1385 - P.1387

ヘルスリテラシーの定義と日本の状況

 ヘルスリテラシーとは,健康情報を入手し,理解し,評価し,意思決定するというプロセスを踏むための4つの力である1).意思決定とは2つ以上の選択肢から1つを選ぶことであり,そもそも選択肢がなければ行えない.理学療法においては,主に治療の選択肢に焦点が当たることになる.

 ヘルスリテラシーの測定では,一人ひとりの力のみならず,例えそれがなくても意思決定できるような支援が得られる環境にあるかにも注目されている.欧州8か国の調査では,ヘルスリテラシーに困難がある人は約半数を占めたが2),日本でもその割合は約85%と高くなっていた3).さらにアジアの6つの国・地域でも測定され4),平均点(50点満点)を比較すると日本の値はどの国・地域よりも低い状況にあった.

理学療法士のための「money」講座・第12回【最終回】

協会費2万円は無駄なのか—お金よりも大事なもの,自己投資の還元

著者: 細川智也

ページ範囲:P.1389 - P.1392

はじめに

 いよいよ,本連載も最終回を迎えることとなりました.1年間にわたり,さまざまな視点からお金について解説してきましたが,最も重要なのは,お金は単なるツールであり,お金の真の価値は「どう活用するか」にかかっているということです.最終回の内容は,「理学療法士協会の年会費は無駄なのか」という辛辣な問いから自己投資の重要性,後半は人生のゴール設定にまで及びます.ぜひ最後までお読みください.

臨床実習サブノート 「どれくらい運動させていいかわからない」をどう克服するか・第9回

—神経・筋疾患—パーキンソン病患者に対する歩行練習

著者: 中山恭秀

ページ範囲:P.1393 - P.1397

 パーキンソン病(Parkinson disease:PD)による歩行障害は,特異的姿勢変化の影響を受ける歩容とすくみ足です.医学的情報や機能評価,能力評価をもとに理学療法による改善を検討します.特異的姿勢変化とは,PDの4大徴候である筋固縮症状,無動症状による姿勢の変化です.そして,すくみ足はフローズンゲイト(frozen gait)であり,日常生活における動作困難や転倒,不活動に関与します.臨床の流れをイメージして,それぞれを捉えてみましょう.

My Current Favorite・32

理学療法×産業保健

著者: 松垣竜太郎

ページ範囲:P.1380 - P.1380

現在の関心事は?

 現在の私の関心事は「産業保健における理学療法士の役割」です.多くの理学療法士にとって産業保健はまだなじみの薄い分野かもしれません.産業保健とは,働く人々の健康や安全,生産性の向上に寄与する活動を指します.

私のターニングポイント・第59回

ちょっとネガティブなターニングポイント

著者: 東海林淳一

ページ範囲:P.1400 - P.1400

 今の職場に就職して27年.転職を考えたり進む方向を大きく変えたりするような大きなターニングポイントは特にないのですが,強いて挙げるなら母の死かなと思います.

 理学療法士をめざす前は大学の工学部で勉強していたのですが,部活の友人の影響で医療に興味をもち,医療系の研究をしている研究室に所属し大学院進学も考えました.しかし,臨床の場で働きたいという思いが強くなりこの道を選びました.もともとは終末期の医療に関心があったのですが,学生時代の教官の影響もあり急性期のリハビリテーションに興味をもち今の職場に就職しました.

症例報告

全身の動脈硬化性疾患から経年的帰結として心不全に至り,運動耐容能向上に難渋した1例

著者: 五月女宗史

ページ範囲:P.1401 - P.1406

要旨 動脈硬化は全身的および経時的変化をもたらす疾患であり,全身の重要臓器と関連した合併症をもたらす.今回,冠動脈および下肢血管の閉塞を繰り返し,左下肢閉塞性動脈硬化症に血行再建術を施行した術後理学療法と,その1年3か月後に心不全にて再入院となり理学療法を行った経験を得た.下肢血行再建術後の理学療法では,下肢血行動態および下肢運動機能は改善したが,虚血を有する低心機能が露呈した.運動療法および患者教育を行い自宅退院となったが,アドヒアランスが低下していたため,経年的帰結として心不全となり再入院となった.理学療法を再開しADLは改善したが,運動耐容能の低下を認め,心血管系だけでなく骨格筋系と呼吸器系の重度機能低下が考えられた.重度の動脈硬化に起因する心血管疾患患者の場合,全身の臓器で経時的に病態が進行することを踏まえ,患者の状況を考慮した包括的な理学療法が重要であると考えた.

紹介

多機関からなる大学附属病院の連携を通じた職場内教育体制の創出

著者: 藤田吾郎 ,   中村高良 ,   樋口謙次 ,   高橋仁 ,   中山恭秀

ページ範囲:P.1407 - P.1410

はじめに

 医療環境は,少子高齢化の進展,医療技術の高度化により急速に変化している.こうした社会情勢に適応する人材の育成は医療機関の重要課題である.理学療法分野においては,2022年に新生涯学習制度が始まるなど,卒後教育の見直しが図られている.その流れを受け,昨今は日本理学療法士協会の広報や関連書誌でも先進的な施設の職場内教育が紹介されている.しかし,その多くは単施設の取り組みがモデルとなっている.そこで本稿では,東京慈恵会医科大学(以下,本学)で推進している多機関連携を活かした職場内教育の一部を紹介する.

学会印象記

—第36回大阪府理学療法学術大会—高め合うワークとライフの実現をめざして

著者: 後藤祐貴

ページ範囲:P.1365 - P.1365

育児休業中の大会長による学会

 「ワーク・ライフ・インテグレーション」というテーマのもと,第36回大阪府理学療法学術大会が開催されました.増田先生は本学術大会初の女性大会長であることに加え,準備期間中に妊娠・出産を経て,大会当日も育児休業をとるなかで大会長という任を執られました.育児と仕事の両立,またその支援は日本中でも関心の高いトピックであります.理学療法関連学会において,近年では子育て世代の学びを応援するため,子連れでの参加や同伴者(配偶者・ご両親など)の参加,託児所の開設などが行われています.当日は増田先生も子連れで参加され,まさにワーク・ライフ・インテグレーションを体現されておりました.

—第10回日本呼吸理学療法学会学術大会—呼吸理学療法の新たな展開

著者: 村川勇一

ページ範囲:P.1398 - P.1398

 第10回日本呼吸理学療法学会学術大会が瀬崎学大会長(済生会新潟県央基幹病院)のもと,2024年9月7日(土),8日(日)に朱鷺メッセ新潟コンベンションセンターで開催されました.本学術大会は会場およびwebのハイブリッド形式にて開催され,参加者900名以上と大盛況でした.

 本学術大会では,「呼吸理学療法の新たな展開—The first step toward the next decade」をテーマに掲げ,学会シンポジウム,教育講演,一般演題,協賛セミナーといった多くのプログラムが行われました.一般演題においても90演題と全国から多くの演題が集まり,当日には各会場にて活発なディスカッションが行われていました.

臨床のコツ・私の裏ワザ

頸部痛・肩こりが再発しやすい症例の評価・介入のコツ

著者: 上田泰久

ページ範囲:P.1412 - P.1413

頸部痛・肩こりが再発しやすい症例の座位バランス

 頸部痛・肩こりは,日本人の労働生産性低下の最大の要因である1).頸部痛・肩こりを有する症例では,後頸部にある軟部組織の滑走不全を認めることが多い.この滑走不全を有する症例に対し,後頸部の軟部組織の滑走を促すと,即時的に症状を緩和させることができる2)

 しかし症状を緩和させても,再発する症例も散見する.頸部痛・肩こりが再発しやすい症例の座位バランスの特徴として,体幹の立ち直り反応が出現しにくく,頸部の立ち直り反応で代償し,後頸部の過剰な筋活動を認めることが多い(図1).このような症例では,特に上部体幹(第7〜9胸椎にある上半身質量中心から頸胸移行部まで)の可動域制限を呈しているため,胸郭を含めた上部体幹の可動域について評価・介入することが重要である.

書評

—荒木 秀明(著)—「非特異的腰痛の運動療法[Web動画付] 第2版—病態をフローチャートで鑑別できる」 フリーアクセス

著者: 葉清規

ページ範囲:P.1399 - P.1399

 著者の荒木秀明先生は,腰痛に対する臨床と研究に取り組まれる理学療法士として,私が尊敬する先生のお一人です.

 腰痛に対する理学療法の方法論は数多く紹介されていますが,医療技術として,理学療法はエビデンスに基づいて行われるものであり,エビデンスの臨床応用として,evidence-based practice(利用可能な最良のエビデンス・医療者の専門性・患者の価値観を統合し,最善の医療を行う)という概念が重要となります.エビデンスとは臨床研究です.研究には,研究を実践する立場と,研究結果を解釈(活用)する立場があります.荒木先生はご自身の臨床データを,国際腰痛学会・国際骨盤痛学会や日本腰痛学会で学会発表されるなど研究を実践しています.しかし,それだけではなく,先生の真骨頂は,臨床疑問の解決に結びつく数多くの先行研究の成果を理解して臨床応用する,「研究結果を解釈する立場」を高いレベルで行われているところにあります.『非特異的腰痛の運動療法 第2版』には,そのエッセンスが盛り込まれています.

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目次 フリーアクセス

ページ範囲:P.1312 - P.1313

動画配信のお知らせ フリーアクセス

ページ範囲:P.1334 - P.1334

編集後記 フリーアクセス

著者: 細田里南

ページ範囲:P.1418 - P.1418

 2024年の締めとなる第58巻第12号をお届けします.

 本号は「“子ども”と“母”をつなぎ支える理学療法」を特集としております.われわれの誰もが母から生まれた存在であり,家族や社会に支えられ成長して今ここに居ます.それら成長の糧となるバトンをつなぐ存在の一人として,理学療法士が活躍できることを誇りに思います.これまで身体障害をもつ“子ども”中心に展開されてきた歴史的背景のある理学療法ですが,過去・現在・未来においても,対象の中心であった“子ども”のそばには“母”なる存在があり,その存在を無視して理学療法を展開していくことはできないのではないでしょうか.“子ども”と“母”をつなぐために論じる視点として,さまざまな法と施策に始まり,妊娠・出産にかかわる母体そのものや地域連携を含む“子ども”と“母”へのそれぞれの理学療法の変遷について具体的に紹介されています.さらに,働く女性が母親となった際の働き方に関する課題についても提言されており,ワーキングマザーとして日々奮闘している方々,またそれを支えている方々にも,どのような支援体制が必要かについてもあらためて考える機会になったのではないかと考えます.

基本情報

理学療法ジャーナル

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN 1882-1359

印刷版ISSN 0915-0552

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