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文献詳細

雑誌文献

理学療法ジャーナル58巻12号

2024年12月発行

文献概要

連載 運動療法に活かすための神経生理(学)・第6回【最終回】

ADLを改善するために筋緊張異常をどう制御するか?

著者: 後藤淳1

所属機関: 1スミレ会グループリハビリテーション法人本部

ページ範囲:P.1381 - P.1384

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筋緊張とは

 筋緊張とは,神経生理学的に支配されている筋に,持続的に不随意に生じている筋の一定の緊張のことである1,2).簡単に言えば,骨格筋の硬度や弾力,つまり骨格筋の張り具合いである.筋緊張は,生体の姿勢保持や体温調節に関与し,また,運動あるいは姿勢保持の際に活動する骨格筋の準備状態に重要である.なお,神経学的検査における筋緊張とは,安静背臥位での随意的な活動のない状態における筋緊張3)を示す.

 筋緊張の制御は,主に上位運動ニューロン(脊髄〜脳)により行われており,また,固有受容器制御で代表される伸張反射,前庭反射や緊張性頸反射・立ち直り反射などの姿勢反射は,筋緊張の神経生理機構に大きく関与する.

参考文献

1)鴨下 博:痙縮の新しい理解.J Clin Rehabil 2002;11:893-899
2)根本明宜:筋緊張異常とリハビリテーション.Jpn J Rehabil Med 2020;57:1069-1076
3)鈴木俊明:筋緊張の評価と治療.理学療法学2006;33:180-186
4)鈴木俊明(監):脳血管障害片麻痺に対する理学療法評価,改訂第2版.pp71-86,神陵文庫,2017
5)上野将紀:障害による神経経路の再編と機能の回復.領域融合レビュー2017;6:e003.doi:10.7875/leading.author.6.e003
6)今吉 格:発生期および成体脳における神経幹細胞の制御メカニズム.生化学2015;87:245-248
7)後藤 淳:中枢神経疾患における代償機能.関西理学2023;23:5-10
8)内藤栄一:運動制御と身体認知を支える脳内身体表現の神経基盤.理学療法学2016;43(Suppl 3):59-62

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1359

印刷版ISSN:0915-0552

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