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文献詳細

雑誌文献

理学療法ジャーナル58巻2号

2024年02月発行

文献概要

特集 総合理学療法

―理学療法士が総合的に捉える視点(水準と領域のマトリックス)―疼痛

著者: 服部貴文12 松原貴子13

所属機関: 1神戸学院大学大学院総合リハビリテーション学研究科 2前原整形外科リハビリテーションクリニックリハビリテーション部 3神戸学院大学総合リハビリテーション学部

ページ範囲:P.201 - P.206

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Point

●疼痛は“痛い”という感覚的側面だけでなく,認知的・情動的・身体的・社会的側面といった多面性を有する

●疼痛を総合的に捉えるためには,疼痛の機序・病期分類の理解が重要である

●これらを基盤として,初学者では多面的な評価,専門家ではより詳細な評価に基づき,病態に応じた基本的または応用的な対応が必要となる

●罹患部(有痛部)のみならず遠隔部を含む全身の運動は,急性痛と慢性疼痛を問わず有効性が示されている

●認知・情動的側面の影響が強い患者に対しては,運動に加えて教育的介入を併用することが推奨されている

参考文献

1)Raja SN, et al:The revised International Association for the Study of Pain definition of pain:concepts, challenges, and compromises. Pain 2020;161:1976-1982
2)田口敏彦,他(監):疼痛医学.p3,医学書院,2020
3)Treede RD, et al:Chronic pain as a symptom or a disease:the IASP Classification of Chronic Pain for the International Classification of Diseases(ICD-11). Pain 2019;160:19-27
4)Barke A, et al:Pilot field testing of the chronic pain classification for ICD-11:the results of ecological coding. BMC Public Health 2018;18:1239. doi:10.1186/s12889-018-6135-9
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6)松原貴子:慢性疼痛に対するリハビリテーション.医と薬学2020;77:39-46
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8)Ostelo RW, et al:Clinically important outcomes in low back pain. Best Pract Res Clin Rheumatol 2005;19:593-607
9)厚生労働行政推進調査事業費補助金(慢性の痛み政策研究事業)「慢性疼痛診療システムの均てん化と痛みセンター診療データベースの活用による医療向上を目指す研究」研究班(監),慢性疼痛診療ガイドライン作成ワーキンググループ(編):有痛性糖尿病性末梢神経障害.慢性疼痛診療ガイドライン.p128,真興交易株式会社医書出版部,2021

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1359

印刷版ISSN:0915-0552

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