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Close-up ナラティヴ
ナラティヴと医療とのかかわり
著者: 宮坂道夫1
所属機関: 1新潟大学大学院保健学研究科(生命倫理学,ナラティヴ・アプローチ)
ページ範囲:P.214 - P.218
文献購入ページに移動最初に,そもそも「ナラティヴ(narrative)」とは何かという説明をする必要があるのだが,これはきわめて文系的な話になる.本誌の読者は,「ナラティヴ」という言葉から,おそらく患者との対話をイメージするように思うのだが,ナラティヴの研究は,主には小説,演劇,詩のような文学作品を対象として始まった.しかもその起源は,紀元前4世紀の古代ギリシャのアリストテレスの『詩学』にまで遡る長い歴史をもっている.理学療法の世界とはおよそ縁遠いように思われてしまうかもしれないが,アリストテレスの理論について,ごく簡単に触れておく.
アリストテレスは,ギリシャで盛んにつくられていた多様な物語を分析し,物語が物語として成り立つ条件として,およそ次のような共通点を見出した.
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