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文献詳細

雑誌文献

理学療法ジャーナル58巻2号

2024年02月発行

文献概要

Close-up ナラティヴ

ナラティヴと医療とのかかわり

著者: 宮坂道夫1

所属機関: 1新潟大学大学院保健学研究科(生命倫理学,ナラティヴ・アプローチ)

ページ範囲:P.214 - P.218

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ナラティヴとは何か

 最初に,そもそも「ナラティヴ(narrative)」とは何かという説明をする必要があるのだが,これはきわめて文系的な話になる.本誌の読者は,「ナラティヴ」という言葉から,おそらく患者との対話をイメージするように思うのだが,ナラティヴの研究は,主には小説,演劇,詩のような文学作品を対象として始まった.しかもその起源は,紀元前4世紀の古代ギリシャのアリストテレスの『詩学』にまで遡る長い歴史をもっている.理学療法の世界とはおよそ縁遠いように思われてしまうかもしれないが,アリストテレスの理論について,ごく簡単に触れておく.

 アリストテレスは,ギリシャで盛んにつくられていた多様な物語を分析し,物語が物語として成り立つ条件として,およそ次のような共通点を見出した.

参考文献

1)International Association for the Study of Pain:Terminology. 2017. http://www.iasp-pain.org/Education/Content.aspx?ItemNumber=1698(2019年7月22日閲覧).和訳は以下による:濱口眞輔:痛みの評価法.日臨麻会誌2011;31:560-569
2)宮坂道夫:対話と承認のケア—ナラティヴが生み出す世界.p99,医学書院,2020
3)日本理学療法士協会:理学療法士とは.https://www.japanpt.or.jp/about_pt/therapist/(2023年11月15日閲覧)

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1359

印刷版ISSN:0915-0552

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