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連載 臨床実習サブノート 臨床実習で技術のステップアップをめざそう・第11回
治療技術⑤ 歩行動作練習
著者: 田崎秀一郎1
所属機関: 1川﨑病院リハビリテーション科
ページ範囲:P.233 - P.239
文献購入ページに移動はじめに
歩行動作練習は,日々のリハビリテーション場面において理学療法士が最も多く経験し,治療技術の基盤となると言えます.一方で,修得するには難易度が高い治療技術の一つでもあります.理学療法士側による「経験」や「思考プロセス」の違いや,対象者側による「症例」,「環境」,「目的」といったさまざまな複合的な要素を統合し,考える必要があります.MacGinlyらの報告によると,基本的な観察の能力には理学療法士の経験による差がないとあります1).
本稿では,臨床実習生(以下,実習生)および実習指導者(以下,指導者)が共通認識として押さえておきたい点,説明すべき点は何かという着眼点で述べていき,実習生や指導者などの臨床力の一助となればと思います.
歩行動作練習は,日々のリハビリテーション場面において理学療法士が最も多く経験し,治療技術の基盤となると言えます.一方で,修得するには難易度が高い治療技術の一つでもあります.理学療法士側による「経験」や「思考プロセス」の違いや,対象者側による「症例」,「環境」,「目的」といったさまざまな複合的な要素を統合し,考える必要があります.MacGinlyらの報告によると,基本的な観察の能力には理学療法士の経験による差がないとあります1).
本稿では,臨床実習生(以下,実習生)および実習指導者(以下,指導者)が共通認識として押さえておきたい点,説明すべき点は何かという着眼点で述べていき,実習生や指導者などの臨床力の一助となればと思います.
参考文献
1)盆子原秀三,他:観察による歩行分析の信頼性と正確性について.理学療法科学2008;23:747-752
2)勝平純司,他:介助にいかすバイオメカニクス.pp88-92,医学書院,2011
3)原 寛美,他:脳卒中理学療法の理論と技術.p378,メジカルビュー,2013
4)日本理学療法士協会:新人理学療法士職員研修ガイドライン.p22,2020.https://www.japanpt.or.jp/assets/pdf/pt/lifelonglearning/introeduprogram/education_training/training_guidelines_201111.pdf(2023年7月30日閲覧)
5)大畑光司:歩行障害のリハビリテーション治療—装具.Jpn J Rehabil Med 2018;55:735-739
6)門脇 敬,他:倒立振子モデルの形成をめざした下肢装具を用いた歩行トレーニングの実践により歩行能力が向上した片麻痺を呈した2症例.理学療法学2019;46:38-46
7)門脇 敬:脳卒中重度片麻痺者の歩行再建をめざした回復期病棟での理学療法.理学療法学2020;47:369-376
8)谷川広樹:臨床経験年数と典型的な症例の教示が観察による歩行分析の評価者間信頼性に及ぼす影響.Jpn J Compr Rehabil Sci 2019;10:14-20
9)月城慶一,他(訳):観察による歩行分析.医学書院,2005
10)廣滋恵一,他:臨床実習教育の手引き,第6版.2020
11)山本澄子,他:新ボディダイナミクス入門 片麻痺者の歩行と短下肢装具.医歯薬出版,2018
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