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Close-up 階段昇降
階段昇降動作の時間的定量評価の考案に向けた取り組み—Scale for Stepping the Stairway
著者: 五月女宗史1
所属機関: 1宇都宮記念病院リハビリテーション科
ページ範囲:P.580 - P.584
文献購入ページに移動はじめに
歩行動作やバランス能力の評価は,定量的・定性的評価ともに多く存在する.時間的定量評価に関しては,10m歩行テスト,6分間歩行テスト,Timed Up and Go Testが代表的であり,臨床現場において積極的に評価がなされているだろう.
では,階段昇降動作はどうだろうか.例えば,Functional Independence MeasureやDynamic Gait Indexにおける階段昇降評価があるが,いずれも段階づけを行い点数化する評価である.歩行動作では対象者の運動機能に応じ,歩行補助具や近監視を含む介助を検討し,既述した時間的定量評価を行うが,階段昇降に関しては,筆者が渉猟した限り,本邦において時間的定量評価が存在しない.歩行動作は可及的に評価するのに対して,階段昇降はその限りではない.筆書はその現状に疑問を抱いてきた.
また,数多の歩行動作やバランステストは,平面に限局して遂行されるものであり,階段昇降動作のように重心の大きな上下動を条件とするテストバッテリーはない.そのような現状において,新しい階段昇降動作の評価スケールを考案する意義があるのではないかと考えた.
歩行動作やバランス能力の評価は,定量的・定性的評価ともに多く存在する.時間的定量評価に関しては,10m歩行テスト,6分間歩行テスト,Timed Up and Go Testが代表的であり,臨床現場において積極的に評価がなされているだろう.
では,階段昇降動作はどうだろうか.例えば,Functional Independence MeasureやDynamic Gait Indexにおける階段昇降評価があるが,いずれも段階づけを行い点数化する評価である.歩行動作では対象者の運動機能に応じ,歩行補助具や近監視を含む介助を検討し,既述した時間的定量評価を行うが,階段昇降に関しては,筆者が渉猟した限り,本邦において時間的定量評価が存在しない.歩行動作は可及的に評価するのに対して,階段昇降はその限りではない.筆書はその現状に疑問を抱いてきた.
また,数多の歩行動作やバランステストは,平面に限局して遂行されるものであり,階段昇降動作のように重心の大きな上下動を条件とするテストバッテリーはない.そのような現状において,新しい階段昇降動作の評価スケールを考案する意義があるのではないかと考えた.
参考文献
1)五月女宗史,他:Scale for stepping the stairwayの考案に向けた取り組み—階段昇降動作評価を再考する.理学療法とちぎ2016;6:13-18
2)星 文彦:運動失調症の運動療法.理学療法研2000;17:3-10
3)望月 久:バランス障害に対する理学療法.理学療法学2013;40:322-325
4)萬井太規:階段昇降バランスの診るべき視点.理学療法学2022;49:83-91
5)上岡洋晴,他:立ち直り動作とステッピング動作.おはよう21 2014;25:54-57
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