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文献詳細

雑誌文献

理学療法ジャーナル58巻6号

2024年06月発行

文献概要

連載 今月の深めたい理学療法周辺用語・第6回

プレゼンティーズム(presenteeism)

著者: 吉本隆彦1

所属機関: 1昭和大学医学部衛生学公衆衛生学講座

ページ範囲:P.698 - P.699

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はじめに

 プレゼンティーズム(presenteeism)とは,主に産業保健や健康経営で用いられる概念で,就労者が職場に出勤はしているものの健康上の問題により労働遂行能力・生産性が低下している状態を指す[健康上の不調を抱えながら出勤すること(sickness presenteeism)と定義する考え方もある].労働者の健康問題による経済損失は,医療費・薬剤費やアブセンティーズム(absenteeism,欠勤・休業)よりもプレゼンティーズムの占める割合が高いとされている1).また,プレゼンティーズムはアブセンティーズムの予測因子ともいわれており,従業員の生産性向上に加えて,欠勤・離職予防の観点からもプレゼンティーズムの理解は欠かせない.

参考文献

1)Nagata T, et al:Total health-related costs due to absenteeism, presenteeism, and medical and pharmaceutical expenses in Japanese employers. J Occup Environ Med 2018;60:e273-e280.doi:10.1097/JOM.0000000000001291
2)Yoshimoto T, et al:The economic burden of lost productivity due to presenteeism caused by health conditions among workers in Japan. J Occup Environ Med 2020;62:883-888
3)松平 浩(監):産業保健スタッフのための新腰痛対策マニュアル.2022.厚生労働科学研究成果データベース.https://mhlw-grants.niph.go.jp/system/files/report_pdf/202115001A%20sonota1.pdf(2024年1月10日閲覧)

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1359

印刷版ISSN:0915-0552

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