はじめに
Polyomavirus科Polyomavirus属に分類される,二重鎖DNAウイルスであるJC virus(JCV)はヒト中枢神経に生じる進行性多巣性白質脳症(progressive multifocal leukoencephalopathy: PML)の原因ウイルスである。PMLはhuman immunodeficiency virus type-1(HIV-1)によるacquired immunodeficiency syndrome(AIDS)の増加や臓器移植の後の免疫抑制療法に伴い増加しているが,有効な治療法はいまだない。
認知症の症例に広範な脱髄病変が存在することは1930年に最初に報告されている。HallervordenはHandbuch der Geisteskrankheitenという成書に,45歳の結核の症例および71歳の硬膜下血腫の女性症例の脳病変について,「多発性硬化症と類似している脱髄が亜急性に進行し,組織像は多発性硬化症とは異なり,小脱髄層が白質に散在すること,腫大した核を持つ細胞が出現する」ということを記載しており,さらに病変の原因としてウイルスの関与も考えられることを指摘している1)。
その後1958年にchronic lymphocytic leukemiaおよびHodgkin's diseaseに関連した広汎な脱髄病変に対して,PMLという病名が初めて用いられた2)。PMLがウイルス性疾患であるという事実はzuRheinら,およびSilvermanらによって,1965年に電子顕微鏡検索により証明された3,4)。続いて1971年にPadgettらはPML症例の脳からウイルスを単離することに成功し,ウイルスを単離した症例の頭文字から,単離したウイルスをJC virus(JCV)と名付けた5)。
筆者らは1981年にJCV Tokyo-1株を分離して以来6),JCVの研究を行っており,本稿では,JCVの感染様式の最近得られた知見について報告する。
雑誌目次
BRAIN and NERVE-神経研究の進歩59巻2号
2007年02月発行
雑誌目次
特集 進行性多巣性白質脳症の新しい展開―PMLが治る時代へ向けて
JCウイルスの最近の基礎的知見
著者: 澤洋文 , 鈴木忠樹 , 大場靖子 , 寸田祐嗣 , 長嶋和郎
ページ範囲:P.101 - P.108
PMLに関わるJCウイルスの遺伝学的な変化
著者: 余郷嘉明 , 杉本智恵 , 鄭懐穎 , 北村唯一
ページ範囲:P.109 - P.118
進行性多巣性白質脳症(PML)はJC ウイルス(JCV)により惹起される致死的な脳症で,AIDS 日和見感染症の1つでもある。PML の発症には患者の免疫学的な状態が主として関与しているが,病因ウイルスの遺伝学的な変化もPML の発症や病態進行に関与している可能性が考えられた。これまでに,2種類の,PML に関連したJCV の遺伝学的な変化が見出されている。1つは,JCV ゲノムの転写調節領域(調節領域と略す)の再編成であり,もう1つは,主要なウイルス蛋白(VP1)の表面ループにおけるアミノ酸置換(VP1ループ変異と命名)である。両変化はPML 患者の脳または髄液から分離されたすべての(またはほぼすべての)JCV DNA に検出される。これらの変化がどのようにPML の発症や進行と関係があるかが最も重要であるが,この点はいまだ解明されていない。しかし,VP1ループに関しては,神経症状や病巣の拡大と関係があるという状況証拠が蓄積されつつある。筆者らの研究結果を中心に,PML に関連したJCV のこれら2つの遺伝学的な変化について概説する。
PMLの神経病理
著者: 村山繁雄 , 齊藤祐子
ページ範囲:P.119 - P.124
はじめに
進行性多巣性白質脳症(progressive multifocal leukoencephalopathy:PML)は,JCウイルスの日和見感染により起きる中枢神経系の脱髄疾患である。古典的には,血液疾患をはじめとする免疫不全状態に発症し,髄鞘の脱落をみるが,多発性硬化症のような炎症所見を欠くため,病因は不明であった1)。ブレークスルーとなったのは,病変周囲のオリゴデンドログリアの腫大と,核内封入体の存在の電顕観察結果である。zuRhein,Chouは,核内封入体がPapovaウイルス様形態をとることより,PMLがウイルス感染であることを提唱した2)(Fig.1)。
これは,ウイルス封入体であると確信したzuRheinがChouに発見を命じ,彼が多大の努力の末やっと発見したという経緯を持ち,地道な観察が病因を突き止めた大きな業績と評価される。当初,生物材料を用いた電子顕微鏡写真の品質に対する疑問のため,容易には認められなかったが,やがてウイルス培養によりJCウイルス株が単離されるに及び3),彼らの業績は確定した。
筆頭筆者は,医学部学生のベッドサイドティーチングで病理を回っていたとき,たまたま悪性リンパ腫で末期に認知症を呈した症例の剖検に遭遇した。この症例に対し,長嶋和郎北大名誉教授が生で脳をカッティングし,白質病変を確認された。さらにこの脳は東京都神経科学研究所でウイルス培養され,東京1株が樹立された4)。これは,生の脳を的確にウイルス培養系に移さないとまず不可能であり,既成観念にとらわれてホルマリン固定していれば,診断はついたかも知れないが,後の多くの学問の発展をもたらすことは不可能であったと思われる。このような的確なヒト死後脳の処理は,死後脳研究推進を課題としているわれわれも肝に銘じるべき業績である。
さらに,筆頭著者は米国留学中,後天性免疫不全症候群(acquired immunodeficiency syndrome:AIDS)の爆発的な流行と,有効な治療の出現による黎明期を経験した。神経病理クリニカルフェローとして迅速診断に携わっており,PMLの迅速診断凍結切片H. E.染色で,腫大したオリゴデンドログリアとマクロファージの出現をみて,指導医より手袋をすぐ2枚にしろと言われたことを思い出す。彼は,PMLと直ちに診断しただけでなく,当該例がAIDSであることを疑ったのである。このように,AIDSの出現でPMLの症例数の激増をみたばかりでなく,病変の広がりや性質が変わり,PMLの疾患概念自体の修正が余儀なくされた。この症例に関しては,神経病理クリニカルフェローとして,迅速凍結材料をPCR(polymerase chain reaction)診断のため提供すること,電顕でPapovaウイルスの核内封入体を探すことを課題とされた。
さらに,AIDS治療の進歩による免疫学的再構築により,これまで欠如するとされてきた免疫応答に基づく炎症所見が,PMLの病像を修飾するようになった。さらに,免疫機能の回復によっては,PMLの治癒例が症例報告されるようになった。一方,宿主の免疫機能に対する操作が複雑化するに従い,PMLの発症につながる臨床的背景は多様化しており,脳生検による確定診断を必要とする症例も増加している。
われわれは,臨床・画像・病理を密接に関連づけ,時間経過を追うアプローチを動的神経病理と称している。本稿では,PMLの動的神経病理の歴史的変遷を中心に,ウイルス学的事項,診断,治療について,概説する。
PMLの疫学と臨床
著者: 岸田修二
ページ範囲:P.125 - P.137
はじめに
進行性多巣性白質脳症(progressive multifocal leukoencephalopathy:PML)はポリオーマウイルス属のJCウイルス(JCV)による感染性中枢神経脱髄疾患であり,主として大脳白質を傷害するが,小脳,脳幹も傷害する。AIDS(acquirred immunodeficiency syndrome)の出現以前には膠原病,血液系悪性腫瘍などの治療に関連した免疫不全症を背景に稀に合併する疾患であった。AIDSの登場以来,他の基礎疾患に比べると不釣り合いなほどHIV(human immunodeficeincy virus)感染患者に多く発症し,欧米ではPMLの基礎疾患としてAIDSは約85%を占めるようになった66)。発症機序はまだ完全には解明されていない。健常人の70%以上にJCVに対する抗体が検出されることから,JCVはヒト集団に常在するウイルスである。ほとんどの人が幼・小児期に無症候性に感染する。感染は主として上気道感染によって起こり,最初のウイルスの複製は扁桃で起こると考えられている。その後,血液,おそらくBリンパ球を介して腎,脾,骨髄などに広がり,そこで潜伏感染している。腎臓に潜伏感染したウイルスは尿から分離培養され,原型(archepal type)とされる。
潜伏していたJCVが細胞性免疫の低下により再活性化されると,オリゴデンドログリアでJCVが増殖し,神経障害をきたすと推測されている83)。PMLでみられるJCVはすべて原型ウイルスの調節領域が再編成を受けたPML型JCVである95)が,いつどこで調節領域が再編成を受けるかは不明で,再編成を受けたJCVがリンパ球を介して中枢神経に感染するのか,あるいは脳内に潜伏していたJCVが再編成を受けるのかはいまだ不明である。PMLの発症に関わるウイルス増殖は健常人の血中にJCV特異的細胞障害性Tリンパ球が存在していること33-35,60),HIV感染患者に多発すること,T細胞の組織浸潤を阻止する抗インテグリンα4モノクローナル抗体(natalizumab)を投与中の多発性硬化症,クローン病患者に発症したこと58,62,63,90)などから,液性免疫よりも細胞性免疫がより強く制御していると考えられる。
ところで,わが国では免疫不全症を合併する治療法やAIDSなどの疾患が増加しているものの,統一した診断基準をもとにした疫学調査はこれまでなかった。そこでPMLに対し2004年診断基準を作成し(臨床診断の項に記載),神経内科専門医を対象に,1999~2003年度の疫学調査55)を行い,さらに2005年詳細な臨床像を得るために第二次調査57)を行ったので,その結果を踏まえながら述べる。
総説
パーキンソン病におけるプラセボ効果
著者: 三輪英人
ページ範囲:P.139 - P.146
はじめに
プラセボ(placebo)効果は,薬理学的に作用が期待できない偽薬にもかかわらず,何らかの臨床的効果が得られることを示す。一般には,良い治療効果が出現した場合に用いられるが,副作用としてみられる場合もある1)。偽薬によって副作用が出現する場合には,ノセボ(nocebo)効果とも呼ばれる。薬物以外の治療手段においてもプラセボという言葉は繁用されており,シャム手術に対してもプラセボ手術と呼称されている。
プラセボ(placebo)の語源はラテン語で,‘I shall please'(私は喜ばせるでしょう)を意味するとされている1)。このプラセボ効果は,歴史的観点からは,おそらくは近代的医学の発展前には治療効果の本質であった可能性すらあるのではないだろうか。現代の日常診療の中でさえ,実際の医学的治療におけるかなりの部分を占めている可能性が高い。しかし,プラセボを治療薬の1つとして位置づけ得るかに関しては,人道的見地からも,また客観的治療効果の面からも批判がある。Hrobjartssonら(2001)の論文2)は良く知られている。プラセボが使用された100編以上の臨床試験データをレビューした結果,痛み以外の症状を改善する十分な証拠は得られなかったと述べ,新薬開発のための臨床試験以外に治療手段としての偽薬を使用することを批判している。一方で,実地臨床の場において,プラセボ効果が特に顕著であると広く実感されている疾患がある。疼痛,抑うつ,パーキンソン病である3)。本稿では,パーキンソン病におけるプラセボ効果に焦点を当て,その効果が本質的に病態を改善しているらしい臨床的知見や,プラセボ効果とドパミンに関する基礎医学的研究成果などについて述べたい。
てんかんの新しい治療薬
著者: 松浦雅人
ページ範囲:P.147 - P.156
はじめに
てんかんはありふれた疾患であり,年間の発症頻度は10万人に対して30~50人,有病率は1,000人に対して6~8人,累積罹患率は3%に達する1)。治療の主体は抗てんかん薬による発作の抑制であり,多くの例が長期間の服薬を要し,ときに治療は生涯にわたる。1990年までに6種類の主要な抗てんかん薬(カルバマゼピン:CBZ,フェニトイン:PHT,バルプロ酸:VPA,フェノバルビタール:PB,プリミドン:PRM,エトサクシミド:ESM)が用いられてきた。新たに発症したてんかんの約半数は,これらの従来型抗てんかん薬の投与により,すみやかに発作が抑制される。その他の20~30%の例も,従来薬の追加・変更により発作が改善する。残りの20~30%が従来薬では発作が抑制されない難治てんかんとなる。難治の定義は必ずしも統一されていないが,従来薬の単剤治療を2剤試み,さらに従来薬の併用療法を一度試みても,発作が抑制されない場合をいうことが多い2)。このような難治例には外科治療を含む新たな治療戦略が必要となるが,新しい抗てんかん薬もその選択肢となる。
原著
ラット脳細動脈の分岐部周辺における膠原線維の分布に関する研究
著者: 間藤方雄 , 間藤卓 , 幸喜富 , 堤晴彦
ページ範囲:P.158 - P.164
はじめに
筆者らはかつて脳細動脈を観察中,血管周辺に蛍光性顆粒を持った細胞(後の間藤細胞)に気づくと共に,老年ラットにおいては膠原線維が同細胞と血管壁および神経組織の間に見出されることを経験し,同細胞と膠原線維の分布との関連に関心を持った1,2)。
その後の研究により脳細動脈にはその周囲に独特なマクロファージ系のエピトープを備えた蛍光性顆粒細胞〔Mato's FGP cell (fluorescent granular perithelial cell):間藤細胞〕が蜘蛛の巣状に巻きつき,スカベンジャー機能および免疫機能を果たすことが内外の研究者により研究され明らかにされてきた1-8)。同細胞は脳軟膜に由来し,細動脈の分岐部に高頻度に見出され,若い動物では,脳室内,静脈内に投与された物質を特異的に摂取するが,老化動物では大型化,空胞化し取り込み能が低下し,血管腔を狭小化することも知られている2,5)。しかし現在まで,脳細動脈周囲の膠原線維と間藤細胞との関係を明らかにした報告はない。
本研究では,出生後4カ月のラットと16カ月のラットを用い,分岐部周辺の細動脈血管壁における膠原線維の分布について経時的,形態学的に検討した結果を簡潔に報告したい。
症例報告
脳出血後のうつ状態とSPECTによる脳血流の検討
著者: 政田哲也 , 眞壁哲夫 , 國塩勝三 , 松本皓
ページ範囲:P.165 - P.168
はじめに
脳卒中後のうつ状態は18~62%に認められると報告されており,比較的頻度が高いが,一般の臨床では見過ごされていることが多い1,2)。
うつを合併すると,認知機能が障害され,ADL(activities of daily living)が低下し,死亡率も高くなるとされている3,4)。また,うつが改善すると,認知機能やADLも改善すると報告されている5)。
脳出血は日本では,1960年ごろより死亡率の低下が認められているが6),いったん発症すると片麻痺や失語症を伴い,早期からの継続的なリハビリテーションが必要となる。うつ状態は脳出血後にしばしば認められるが,その病態について詳しく検討した報告は文献上みられない。
今回脳出血にて発症した脳卒中亜急性期の患者に対し,実際にどの程度うつ状態および意欲低下を伴うのか検討した。またうつと前頭葉の脳血流低下が相関したとの報告もあり7,8),脳出血後のうつ状態との関連について検討した。
長期指圧マッサージにて発症した頭蓋内椎骨動脈解離による両側小脳梗塞
著者: 岩波久威 , 小鷹昌明 , 平田幸一
ページ範囲:P.169 - P.171
はじめに
脳梗塞の原因の1つとして脳動脈解離は重要であり,近年MRI画像の発達により診断される症例が増加している1)。スポーツや激しい咳,転落や自動車事故,ヨガ,トランポリン,アーチェリー,カイロプラクティスなどの外傷に伴う急激な頭部の後屈や回旋によって誘発される椎骨動脈解離は,頭蓋外に発生する場合が多い。一方,特発性の場合には頭蓋内が多い2)。
5年間指圧マッサージを受けていた症例において,指圧中に突然の頭痛とめまいで小脳梗塞を発症し,three-dimensional computed tomographic angiography(3D-CTA)の所見から頭蓋内椎骨動脈解離と診断した。軽微な圧迫においても,繰り返されることにより誘発される頭蓋内動脈解離の危険性を強調したいので報告する。
Caudal Loopの血管屈曲部に発生した末梢性後下小脳動脈瘤の1例
著者: 大城真也 , 川原卓馬 , 阪元政三郎 , 大西広一 , 大村忠寛 , 継仁 , 福島武雄
ページ範囲:P.173 - P.177
はじめに
末梢性後下小脳動脈瘤(distal posterior inferior cerebellar artery aneurysm: dPICA-AN)の発生頻度は,全脳動脈瘤の0.28~1.4%と報告されており,比較的稀なものと認識されている1-3)。また同部位の動脈瘤は血管分岐部のみならず,hairpin curveのような血管屈曲部にも動脈瘤を形成する特徴ある動脈瘤の1つでもある4-6)。
今回われわれは,後下小脳動脈(posterior inferior cerebellar artery: PICA)の血管屈曲部であるcaudal loopに発生した破裂嚢状動脈瘤症例を経験したので,文献的考察を加えて報告する。
神経画像アトラス
中大脳動脈狭窄症におけるFAIR(flow-sensitive alternating inversion recovery)法を用いた脳循環動態の評価
著者: 田口芳治 , 高嶋修太郎 , 野口京 , 平野恒治 , 道具伸浩 , 豊田茂郎 , 田中耕太郎
ページ範囲:P.178 - P.180
症 例 76歳,女性
1997年より高血圧,糖尿病に対し,近医で加療を受けていた。2006年1月某日起床時より会話の応答がおかしいことに家人が気づき,同日入院した。神経学的所見では言語は流暢性発語で,語健忘や錯誤はなく,復唱も可能であったが,言語指示の反応にばらつきがあり,保続を認めた。脳神経系に異常はなく,運動系では右上肢にバレー徴候を認めたが,他には明らかな筋力低下はなかった。
入院時に施行した頭部MRI拡散強調画像(Fig.1A)では左側頭葉と左側半卵円中心に梗塞巣を認めた。MRA(Fig.2A)では左中大脳動脈(MCA)M1に高度狭窄を認め,左後大脳動脈は右側に比べより末梢まで描出された。FAIR(flow-sensitive alternating inversion recovery)画像〔inversion time (TI) 1,500msec〕(Fig.2B)では,左MCA領域において脳回に沿う線状の高信号域(矢印大)が対側に比べ増強して認められ,左MCA皮質領域のsignal intensity(矢印小)は右側に比し低下していた。アテローム血栓性脳梗塞と診断し,入院時よりヘパリン,オザグレルナトリウム,エダラボン,低分子デキストランの投与を行ったが,右片麻痺は増悪し,全失語の状態となった。
このヒトに聞く
神経病理学の源流をたずねて
著者: 平野朝雄 , 水澤英洋
ページ範囲:P.181 - P.192
神経病理学の泰斗Dr. Zimmermanの偉業を称えてMontefiore Medical Centerに設立された“The Harry M. Zimmermann Professor of Neuropathology”の初代教授に日本人の平野朝雄先生が任じられている。当時は未開拓分野であった神経内科学を志して若き平野先生は渡米,運命的ともいえるDr. Zimmermanとの邂逅を経て神経病理学に転じて50余年。その後,Montefioreで神経病理学を学ぶべく平野教授の門を叩き,研鑽を重ねて日本に戻り,わが国の神経病理学の発展に貢献した精神科医,神経内科医,脳神経外科医,病理学者の数には枚挙に暇がない。また,平野先生は毎年,日本各地で「平野朝雄神経病理学セミナー」を開催し,神経病理学を志す若手の育成に大きく貢献している。
本号では平野教授の来日の機会を捉えて,若き日の渡米の経緯からDr.Zimmmermanとの出会い,グアム島におけるALS研究とその成果,そして現在に至るまでを広範にお話いただくことができた。インタビュアーは自らも平野朝雄教授の下で学ばれた一人である水澤英洋東京医科歯科大学神経内科教授(本誌編集委員)にお願いした。
連載 神経学を作った100冊(2)
Handbuch der Physiologie des Menschen
著者: 作田学
ページ範囲:P.194 - P.195
はじめに
ヨハネス・ペトリュス・ミュラー(1801~1858年4月)は1801年に,ライン川のほとり,コブレンツに靴匠の子として生まれた。学校に進むと数学と美術を得意とし,特にラテン語は母国語であるドイツ語よりも堪能であったという。18歳でボン大学に入学した。そして21歳でドクターになり,2年間をベルリンで過ごした後,26歳でボン大学の人体および比較解剖学の助手に任ぜられた。1833年にルドルフィ教授の後任としてベルリンに戻ったが,生理学と解剖学を同時に教える最後の教授となった。32歳のこの年に,彼のハンドブックの最初の部分が世に出ることになる。彼は実験生理学,海洋生物学をはじめ実に多種の偉大な業績を残したが,神経内科領域ではその主著「Handbuch der Physiologie des Menschen(人体生理学ハンドブック)」に記載した反射運動の理論と,感覚神経の特殊性能理論が有名である。感覚神経の特殊性能理論というのは,ある感覚神経を刺激すると,その刺激の強さのいかんにかかわらず,その神経に一定の感覚が生じる。例えば,眼球を強く押すと,圧覚でなく,色を感じるというものである。
彼はまたMueller's Archivとして知られる雑誌を創刊した。多くの優れた学者を育てあげ,1858年4月26日に亡くなった。
--------------------
あとがき フリーアクセス
著者: 水澤英洋
ページ範囲:P.198 - P.198
今月の特集は,進行性多巣性白質脳症(progressive multifocal leukoencephalopathy:PML)である。PMLは,ポリオーマウイルスに属するJCウイルス(JCV)が初感染後に脳・脊髄など中枢神経系に長期間にわたって潜伏しており,細胞性免疫の低下などにより再活性化されて生じるいわゆる遅発性ウイルス感染症である。主にオリゴデンドログリアでウイルスの増殖が生じ,脱髄をきたす。AIDSの出現前は極めて稀な疾患と考えられていたが,HIV感染により免疫系が障害されると高頻度に発症し,大きな注目を集めている。残念ながら,一度発症するとその名のごとく進行性に増悪し,平均3カ月で死に至るという極めて予後不良の疾患である。しかし,近年JCVのゲノムや構成蛋白が研究され,発症機序が少しずつ解明されつつある。また,AIDSに伴うPMLの場合,強力なhighly active antiretroviral therapy(HAART)の導入により,長期生存例や症候が改善する例が知られるようになってきた。まさに,PMLも治療可能な時代を迎えつつあるといえる。
実は,厚生労働省科学研究費補助金難治性疾患克服研究事業,プリオン病と遅発性ウイルス感染症に関する調査研究班では,PMLを研究対象としており,初めての全国調査や診療ガイドラインを作成してきた。また,2006年10月に第10回日本神経感染症学会が行われた際には,PMLをシンポジウムとして取り上げたところ大きな反響を呼んだ。本特集はそのシンポジウムでのご発表をもとに作成されている。すなわち,基礎研究としてJCVの感染・増殖に関わる基礎的な知見,PMLにおけるJCVのゲノム構造の変化,PMLの神経病理所見,そしてPMLのわが国における疫学的実態を含む臨床所見である。稀な疾患とはいえ,PMLに罹患し悩む間もなく死亡している患者さんがいることを忘れてはならない。発症を予防し,進行を遅らせ,症候を改善させ,本症を治癒せしめることに少しでも近づくよう,まさにPMLが治る時代へ向けて,われわれ医師,研究者は努力しなければならない。そのために本特集が少しでも役立てば望外の喜びである。
基本情報
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特集 αシヌクレイノパチーの新たな展開
72巻1号(2020年1月発行)
特集 神経難病をクスリで治す—薬物開発の現況と近未来への展望
71巻12号(2019年12月発行)
特集 小脳と大脳—Masao Itoのレガシー
71巻11号(2019年11月発行)
増大特集 ALS2019
71巻10号(2019年10月発行)
特集 認知症と遺伝
71巻9号(2019年9月発行)
特集 神経疾患のドラッグ・リポジショニング—新時代へ
71巻8号(2019年8月発行)
特集 パーキンソン病診療の現在地—200年の変遷と新規治療
71巻7号(2019年7月発行)
増大特集 人工知能と神経科学
71巻6号(2019年6月発行)
特集 補体標的治療の現状と展望
71巻5号(2019年5月発行)
特集 NPSLE
71巻4号(2019年4月発行)
増大特集 神経学のための皮膚アトラス
71巻3号(2019年3月発行)
特集 Spine Neurology
71巻2号(2019年2月発行)
特集 “スポーツ”を生み出す脳
71巻1号(2019年1月発行)
特集 人工知能の医療応用Update
70巻12号(2018年12月発行)
特集 主訴に沿う—俯瞰し収束する画像診断の目
70巻11号(2018年11月発行)
増大特集 脳科学で解き明かす精神神経症候
70巻10号(2018年10月発行)
特集 「左脳と右脳」の現在
70巻9号(2018年9月発行)
特集 脳神経内科診療に役立つ精神科の知識
70巻8号(2018年8月発行)
特集 レヴィ小体型認知症の新知見
70巻7号(2018年7月発行)
増大特集 記憶と忘却に関わる脳のしくみ—分子機構から健忘の症候まで
70巻6号(2018年6月発行)
特集 芸術を生み出す脳
70巻5号(2018年5月発行)
特集 非アルツハイマー型認知症の病理学
70巻4号(2018年4月発行)
増大特集 Antibody Update 2018
70巻3号(2018年3月発行)
特集 『認知症疾患診療ガイドライン2017』を読み解く
70巻2号(2018年2月発行)
特集 知っておきたい神経感染症
70巻1号(2018年1月発行)
特集 筋痛性脳脊髄炎/慢性疲労症候群の今
69巻12号(2017年12月発行)
特集 運動異常症をみる—Web動画付録つき
69巻11号(2017年11月発行)
増大特集 こころの時間学の未来
69巻10号(2017年10月発行)
特集 成人てんかん—知っておきたい6つのトピック
69巻9号(2017年9月発行)
特集 ミクログリアと精神・神経疾患
69巻8号(2017年8月発行)
特集 遺伝性脊髄小脳失調症の病態と治療展望
69巻7号(2017年7月発行)
増大特集 あしたのアルツハイマー病治療
69巻6号(2017年6月発行)
特集 局在病変の神経心理学
69巻5号(2017年5月発行)
特集 Voxel-Based Morphometry—体積からわかること
69巻4号(2017年4月発行)
増大特集 ブロードマン領野の現在地
69巻3号(2017年3月発行)
特集 磁気刺激の新たな展開
69巻2号(2017年2月発行)
特集 Stroke-Like Diseases—鑑別時に注意を要する5病態
69巻1号(2017年1月発行)
特集 近年注目されている白質脳症
68巻12号(2016年12月発行)
特集 炎症性神経・筋疾患の新たな展開
68巻11号(2016年11月発行)
増大特集 連合野ハンドブック
68巻10号(2016年10月発行)
特集 アディクション—行動の嗜癖
68巻9号(2016年9月発行)
特集 自己免疫性脳炎・脳症
68巻8号(2016年8月発行)
特集 こころと汗
68巻7号(2016年7月発行)
増大特集 認知症の危険因子と防御因子
68巻6号(2016年6月発行)
特集 脳とフローラ
68巻5号(2016年5月発行)
特集 手の症候学—生理学・解剖学からみた新知見
68巻4号(2016年4月発行)
増大特集 治せる認知症
68巻3号(2016年3月発行)
特集 末梢神経の血管炎
68巻2号(2016年2月発行)
特集 筋疾患の認知機能障害
68巻1号(2016年1月発行)
特集 シャルコー・マリー・トゥース病
67巻12号(2015年12月発行)
特集 視床と高次脳機能
67巻11号(2015年11月発行)
増大特集 ギラン・バレー症候群のすべて—100年の軌跡
67巻10号(2015年10月発行)
特集 非・日常生活の脳科学
67巻9号(2015年9月発行)
特集 酵素補充療法
67巻8号(2015年8月発行)
特集 神経難病の終末期医療
67巻7号(2015年7月発行)
増大特集 神経疾患と感染症update
67巻6号(2015年6月発行)
特集 脳と「質感」
67巻5号(2015年5月発行)
特集 NCSE(非痙攣性てんかん重積状態)
67巻4号(2015年4月発行)
増大特集 大脳皮質vs.大脳白質
67巻3号(2015年3月発行)
特集 中枢神経の血管炎
67巻2号(2015年2月発行)
特集 「食べる」を考える
67巻1号(2015年1月発行)
特集 ニューロトキシコロジー
66巻12号(2014年12月発行)
特集 Orthopaedic Neurology—神経内科と整形外科の狭間で
66巻11号(2014年11月発行)
増大特集 神経症候学は神経学の“魂”である
66巻10号(2014年10月発行)
特集 分子を撃つ 神経疾患治療の新しい水平線
66巻9号(2014年9月発行)
特集 痙縮の臨床神経学
66巻8号(2014年8月発行)
特集 神経系の悪性リンパ腫update
66巻7号(2014年7月発行)
増大特集 アミロイド関連神経疾患のすべて―封入体筋炎からアルツハイマー病まで
66巻6号(2014年6月発行)
特集 ミラーニューロン
66巻5号(2014年5月発行)
特集 アセチルコリンと神経疾患―100年目の現在地
66巻4号(2014年4月発行)
増大特集 タッチ・ビジョン・アクション
66巻3号(2014年3月発行)
特集 神経筋疾患の超音波診断
66巻2号(2014年2月発行)
特集 糖尿病の神経学revisited
66巻1号(2014年1月発行)
特集 日常生活の脳科学
65巻12号(2013年12月発行)
特集 プロテイノパチーの神経病理学
65巻11号(2013年11月発行)
増大特集 Close Encounters―臨床神経学と臨床免疫学の遭遇と未来
65巻10号(2013年10月発行)
特集 神経系の発達メカニズム―最近の話題
65巻9号(2013年9月発行)
特集 Common diseaseは神経学の主戦場である―現状と展望
65巻8号(2013年8月発行)
特集 こころの時間学―現在・過去・未来の起源を求めて
65巻7号(2013年7月発行)
増大特集 あしたの脳梗塞
65巻6号(2013年6月発行)
特集 見せる・仕分ける―脳機能解析の新手法
65巻5号(2013年5月発行)
特集 てんかん―新しいパースペクティブ
65巻4号(2013年4月発行)
増大特集 Antibody Update
65巻3号(2013年3月発行)
特集 次世代シーケンサーによる神経変性疾患の解析と展望
65巻2号(2013年2月発行)
特集 血液脳関門研究の進歩
65巻1号(2013年1月発行)
特集 Corticobasal Syndrome
64巻12号(2012年12月発行)
特集 The Border-Land of Dementia
64巻11号(2012年11月発行)
増大特集 痛みの神経学―末梢神経から脳まで
64巻10号(2012年10月発行)
特集 辺縁系をめぐって
64巻9号(2012年9月発行)
特集 高次脳機能イメージングの脳科学への新展開
64巻8号(2012年8月発行)
特集 線条体の基礎と臨床
64巻7号(2012年7月発行)
増大特集 顔認知の脳内機構
64巻6号(2012年6月発行)
特集 睡眠と覚醒の脳内機構
64巻5号(2012年5月発行)
特集 神経疾患のバイオマーカー
64巻4号(2012年4月発行)
増大特集 パーキンソン病の新しい側面
64巻3号(2012年3月発行)
特集 アカデミアから新規治療の実現へ―トランスレーショナルリサーチの現状
64巻2号(2012年2月発行)
特集 生物学的精神医学の進歩
64巻1号(2012年1月発行)
特集 iPS細胞と神経疾患
63巻12号(2011年12月発行)
特集 神経心理学と画像解析の融合
63巻11号(2011年11月発行)
増大特集 筋疾患update
63巻10号(2011年10月発行)
特集 緩徐進行性高次脳機能障害の病態
63巻9号(2011年9月発行)
特集 脳卒中の最新画像診断
63巻8号(2011年8月発行)
特集 日本人の発見した神経症候
63巻7号(2011年7月発行)
増大特集 神経筋接合部―基礎から臨床まで
63巻6号(2011年6月発行)
特集 ニューロパチー
63巻5号(2011年5月発行)
特集 神経系と血管内リンパ腫
63巻4号(2011年4月発行)
増大特集 てんかんの新しい治療
63巻3号(2011年3月発行)
特集 サイバーナイフ治療
63巻2号(2011年2月発行)
特集 続・日本人の発見した神経疾患
63巻1号(2011年1月発行)
特集 血管腫
62巻12号(2010年12月発行)
特集 頸部頸動脈狭窄症の診断と治療
62巻11号(2010年11月発行)
増大特集 歩行とその異常
62巻10号(2010年10月発行)
特集 ブレインバンク
62巻9号(2010年9月発行)
特集 視神経脊髄炎(NMO)update
62巻8号(2010年8月発行)
特集 辺縁系脳炎
62巻7号(2010年7月発行)
増大特集 アルツハイマー病―研究と診療の進歩
62巻6号(2010年6月発行)
特集 改正臓器移植法の問題点とその対応
62巻5号(2010年5月発行)
特集 神経画像のピットフォール―見落としと読み過ぎ
62巻4号(2010年4月発行)
特集 傍腫瘍性神経筋疾患update
62巻3号(2010年3月発行)
特集 神経回路解析法の最近の進歩
62巻2号(2010年2月発行)
特集 ニューロリハビリテーションの最前線
62巻1号(2010年1月発行)
特集 神経救急
61巻12号(2009年12月発行)
特集 Somatotopy再考
61巻11号(2009年11月発行)
特集 前頭側頭葉変性症
61巻10号(2009年10月発行)
特集 片頭痛の予防療法
61巻9号(2009年9月発行)
特集 脳血管障害治療の進歩
61巻8号(2009年8月発行)
特集 神経・筋疾患の分子標的治療
61巻7号(2009年7月発行)
特集 脳腫瘍研究の最前線―遺伝子解析から治療まで
61巻6号(2009年6月発行)
特集 脊椎・脊髄外科の最近の進歩
61巻5号(2009年5月発行)
特集 Restless legs syndrome
61巻4号(2009年4月発行)
特集 大脳基底核―分子基盤から臨床まで
61巻3号(2009年3月発行)
特集 Microneurography(微小神経電図法)の臨床応用
61巻2号(2009年2月発行)
特集 神経系の再興感染症と輸入感染症
61巻1号(2009年1月発行)
特集 脳神経倫理
60巻12号(2008年12月発行)
特集 痙縮
60巻11号(2008年11月発行)
特集 脳卒中と遺伝子
60巻10号(2008年10月発行)
特集 若年者の脳卒中
60巻9号(2008年9月発行)
特集 知・情・意の神経学
60巻8号(2008年8月発行)
特集 脳硬膜動静脈瘻
60巻7号(2008年7月発行)
増大特集 学習と記憶――基礎と臨床
60巻6号(2008年6月発行)
特集 Crow-深瀬症候群(POEMS症候群)
60巻5号(2008年5月発行)
特集 「痛み」の研究と治療の最前線
60巻4号(2008年4月発行)
増大特集 神経系の発生とその異常
60巻3号(2008年3月発行)
特集 特発性正常圧水頭症(iNPH)―最近の話題
60巻2号(2008年2月発行)
特集 がん治療と神経障害
60巻1号(2008年1月発行)
特集 日本人の発見した神経疾患
59巻12号(2007年12月発行)
特集 損傷神経の再生―温存的治療法の開発
59巻11号(2007年11月発行)
特集 手根管症候群をめぐって
59巻10号(2007年10月発行)
増大特集 ALS―研究と診療の進歩
59巻9号(2007年9月発行)
特集 パーキンソン病の認知機能障害
59巻8号(2007年8月発行)
特集 パーキンソン病の分子遺伝学―最近の知見
59巻7号(2007年7月発行)
増大特集 情報伝達処理におけるグリアの機能と異常
59巻6号(2007年6月発行)
特集 職業性神経障害の新しい展開
59巻5号(2007年5月発行)
特集 脳画像最前線
59巻4号(2007年4月発行)
増大特集 最近注目される脳神経疾患治療の研究
59巻3号(2007年3月発行)
特集 分子イメージング
59巻2号(2007年2月発行)
特集 進行性多巣性白質脳症の新しい展開―PMLが治る時代へ向けて
59巻1号(2007年1月発行)
特集 高次視覚研究の最近の進歩