はじめに―ニューロン至上主義脳研究への疑問
1980年代以降の脳研究は,指数関数的な進歩を遂げている。分子生物学の目覚ましい進歩とそれに伴う遺伝子操作に関わる技術の発展など,脳機能に関わる現象の分子レベルの実態を明らかにすることができるようになった。その結果,神経伝達物質受容体,イオンチャンネル,イオントランスポーターなどの機能分子が同定され,それらをベースとして視覚,聴覚,嗅覚,味覚などの感覚や運動制御のメカニズム,さらにはシナプス可塑性を基礎とした記憶の素過程の解明などが着々と進められている。その確かな成果を基礎として,脳機能の本質はニューロンの活動にあり,その機能はニューロン同士がシナプスを介して構成するネットワークの上に発現する,という考え方が組み上げられてきた。したがって,さらにニューロンとシナプスに関する生理学的機能とその基盤となる分子群のデータを積み上げていけば,やがては脳機能の完全解明に行き着くはずであると多くの脳研究者は考えてきた。しかし,本当にこの戦略で脳機能の本質的解明が可能だろうか。最近,筆者を含む多くの研究者が疑問を感じるようになってきた。脳を構成する細胞の中で,ニューロンよりはるかに数的に優位なグリア細胞にも,ニューロン活動に反応し,さらにニューロン活動に影響を与える能力があることが明らかにされてきたためである。
グリア細胞が単にニューロンの外部環境の維持や,補修などの裏方的役割のみではなく,情報の伝達や処理にも積極的に関わることが確かであるならば,これまでの脳機能の理論には大幅な改訂が迫られる。しかし,本当にグリア細胞にそんな能力があるのだろうか。グリア細胞はニューロンのように信号伝導装置としての軸索を持っておらず,また活動電位を発生することもない。これまでに認識されてきたグリア細胞の形態と機能から考えれば,グリア細胞が情報伝達や処理に関わる可能性はほとんどないように思われるのは当然かもしれない。しかし,これまでに蓄積されているグリア細胞に関する情報にはいくつもの大きな誤解があり,それらが,グリア細胞を不活発であり,積極的には情報伝達や処理には関与しない細胞と考える原因になっている。グリア細胞研究の新しい展開の1つは,この形態の誤解を解くことであったと筆者は考えている。
雑誌目次
BRAIN and NERVE-神経研究の進歩59巻7号
2007年07月発行
雑誌目次
増大特集 情報伝達処理におけるグリアの機能と異常
グリア研究の新しい展開
著者: 工藤佳久
ページ範囲:P.655 - P.667
小脳プルキンエ細胞の興奮性シナプス伝達におけるグリア型グルタミン酸トランスポーターの役割
著者: 小澤瀞司
ページ範囲:P.669 - P.676
はじめに
中枢神経系の興奮性シナプス伝達は,主としてグルタミン酸を伝達物質とするグルタミン酸作動性シナプスで行われている。これらのシナプスでは,活動時に入力線維終末から放出されるグルタミン酸は,シナプス後ニューロンのグルタミン酸受容体を活性化させると直ちに消失する。例えば,小脳のプルキンエ細胞(Purkinje cell: PC)においては,登上線維(climbing fiber: CF)刺激によって興奮性シナプス後電流(excitatory postsynaptic current: EPSC)を誘発した場合,シナプス間隙のグルタミン酸濃度は,静止時の数μM以下から急激に9~12mMまで上昇し,数ミリ秒以内に元のレベルに戻る1)。この際のグルタミン酸の消失は,拡散とグルタミン酸トランスポーターによる取り込みによっており,後者の機能の低下はシナプス間隙へのグルタミン酸の貯留をもたらし,興奮性シナプスにおける情報伝達のシグナル・ノイズ比を減少させ,場合によってはグルタミン酸によるニューロンの過剰興奮,さらには興奮毒性(excito-toxicity)によるニューロン死を招くことになる。
グルタミン酸トランスポーターは細胞形質膜,ミトコンドリア,シナプス小胞に存在するが,ここではグリアまたはニューロンの形質膜上に存在するトランスポーターについて論ずる。このトランスポーターは,Na+依存性にグルタミン酸の高い濃度勾配(細胞外では数μM,細胞内で約10mM)に逆らって,グルタミン酸を細胞外から細胞内に移送する役割を持つ。現在までに,このようなグルタミン酸トランスポーターには,excitatory amino acid transporter 1(EAAT1またはGLAST),EAAT2(GLT-1),EAAT3(EAAC1),EAAT4,EAAT5の5種類のサブタイプの存在が知られている2,3)。このうち,EAAT5は網膜のみに,他の4種類は中枢神経系に分布し,GLASTとGLT-1はグリアに,またEAAC1とEAAT4はニューロンに存在する。
本稿では,小脳のCFおよび平行線維(parallel fiber: PF)終末がPCと形成するグルタミン酸作動性シナプスにおけるグルタミン酸トランスポーターの役割について,特に,PCと密接な関係にあるベルクマングリア(Bergmann glia: BG)との機能連関という観点を中心に述べてみたい。
アストロサイトにおけるグルタミン酸トランスポーターの機能
著者: 田中光一
ページ範囲:P.677 - P.688
はじめに
グルタミン酸は,哺乳類中枢神経系において約80%の神経細胞が用いる主要な興奮性神経伝達物質であり,記憶・学習などの脳高次機能に重要な役割を果たしている1)。しかし,その機能的な重要性の反面,興奮毒性という概念で表されるように,過剰なグルタミン酸は神経細胞障害作用を持ち,さまざまな神経変性疾患に伴う神経細胞死の原因と考えられている2)。したがって,シナプス間隙におけるグルタミン酸濃度は厳密に制御されなければならない。シナプスにおけるグルタミン酸の動態はFig.1Aのように考えられている。シナプス前終末から放出されたグルタミン酸は,シナプス後細胞のグルタミン酸受容体に結合しその効果を発揮するが,伝達終了後シナプス間隙のグルタミン酸は,アストロサイトおよびシナプス後細胞膜に存在するグルタミン酸トランスポーターにより細胞内に取り込まれる。アストロサイトに取り込まれたグルタミン酸は,グルタミン合成酵素によりグルタミンに変換され,グリア細胞外に放出され,グルタミン―グルタミン酸サイクルを経て,再びシナプス小胞に蓄えられる。現在,脳内には4種類のグルタミン酸トランスポーターが存在することが知られており,EAAT1(GLAST),EAAT2(GLT1),EAAT3(EAAC1),EAAT4と命名されている3)。EAAT1,EAAT2は主にアストロサイトに,EAAT3,EAAT4は神経細胞に存在する(Fig.1B)4)。近年,グルタミン酸トランスポーター欠損マウスの解析を通じ,グルタミン酸トランスポーターの各サブタイプの機能的役割が明らかになりつつある4)。本稿では,グリア型グルタミン酸トランスポーターのシナプス伝達・神経細胞の保護・脳形成における役割を概説する。
介在ニューロン付随性グリア細胞による神経活動の修飾
著者: 山崎良彦 , 加藤宏司
ページ範囲:P.689 - P.695
はじめに
近年,グリア細胞による情報伝達への関与が広く注目を集めている。これまでは活動電位を発生しないという事実から電気的には静かな細胞(idle cell)とみなされ,神経活動にはさほど寄与していないと考えられてきたが,ことに細胞内カルシウム濃度の測定をきっかけとして,グリア細胞の能動的な機能の存在が強く示唆されてきている1,3,21)。また,三者間シナプス(tripartite synapse)3)やグリア-ニューロン回路網(glia-neuron networks)16)といった新しい概念が次々と提唱され,脳機能の本質を理解するためにはグリア細胞の関与も考慮する必要が生じてきた。
筆者らは,細胞レベルでのニューロンとグリア細胞との相互作用に注目しているが,それを直接的に証明するために,ニューロン付随性グリア細胞という細胞に着目した。ニューロン付随性グリア細胞の存在自体は,ラモン・イ・カハール(Ramon y Cajal)のスケッチ1)にもみられるように,神経系の研究の初期から知られていた。しかし,この細胞の研究については,虚血性変化や軸索切断など病的な状態における報告はいくつかあるものの4,14,23,24,30),電気生理学的・形態学的性質の詳細や生理的機能を報告したものはほとんど見当たらない。本稿では,ニューロン付随性グリア細胞の性質およびニューロンとの相互作用についての筆者らの研究成果を示し,この相互作用の生理的意義について述べる。
アストロサイトにおける神経伝達物質の開口放出
著者: 高橋正身 , 板倉誠 , 山森早織
ページ範囲:P.697 - P.706
Ⅰ.開口放出の役割
1.生理活性物質の分泌機能18)
細胞内小胞と細胞膜の融合による開口放出(エキソサイトーシス)は,エンドサイトーシスとともに,すべての有核生物が持つ機能である。細胞内シグナル系で制御されることなしに恒常的に起こる開口放出は構成性分泌と呼ばれ,細胞外マトリックスや血液中の蛋白質などの分泌に利用されている。それに対して神経伝達物質や,ホルモン,サイトカイン,消化酵素などのさまざまな生理活性物質の開口放出の誘発は,細胞内シグナル系で制御され調節性分泌と呼ばれている。従来,調節性分泌は神経細胞や分泌細胞などに特有な機能と考えられていたが,最近では心筋細胞や脂肪細胞なども,心房性ナトリウム利尿ペプチド(atrial natriuretic peptide:ANP)や,アディポカインのようなホルモンを分泌することが明らかとなってきた。またリンパ球や白血球もさまざまなサイトカインを開口放出しており,調節性分泌も有核細胞で普遍的に行われている可能性が高くなっている。
2.細胞膜成分の組み込み機能18)
細胞膜への膜蛋白質の組み込みにも開口放出が関与している。従来は構成性分泌による組み込みのみが注目されていたが,近年さまざまな膜蛋白質が調節性の分泌機構で細胞膜に組み込まれ,状況に応じた機能調節に関わっていることがわかってきた。インスリンが作用すると,筋肉細胞や脂肪細胞で細胞内へのグルコース取り込みが高まり血糖値が低下する。グルコース取り込み能の増加は,細胞質内にあるGLUT4と呼ばれるグルコーストランスポーターをのせた細胞内小胞が,インスリンレセプターの活性化によって開口放出され,GLUT4が細胞膜へ組み込まれることによって引き起こされる。記憶・学習の基盤と考えられている脳のシナプスの長期増強現象は,さまざまな機構で引き起こされるが,海馬CA1領域でのシナプスでは,神経活動に依存してシナプス後膜上の機能的レセプターの数が増えることによってシナプス伝達効率が高まっている。初期の研究ではグルタミン酸レセプターのリン酸化による機能調節が主と考えられてきたが,最近は開口放出による細胞膜のレセプター数の増加が主要な機構であると考えられるようになってきている。これ以外にも全身のさまざまな臓器においてイオンチャネルやレセプター,接着分子,トランスポーターなどの細胞表面への発現が,調節性分泌機構によって制御されていることが明らかになってきている。
ATPを介したニューロン・アストロサイト相互調整
著者: 小泉修一 , 藤下加代子
ページ範囲:P.707 - P.715
はじめに
グリア伝達物質(gliotransmitter)という単語をたびたび目にするようになった。これは神経伝達物質(neurotransmitter)に対する造語で,グリア細胞が放出する化学情報伝達物質の意である。これにより,グリア細胞は他の近隣グリア細胞,血管およびニューロンと積極的なコミュニケーションをとっているのである。グリア細胞は,ごく最近までニューロンの物理的支持,栄養因子放出や老廃物除去など,ニューロン活動を支える裏方として働いていると考えられるに過ぎなかった。ましてや脳機能のダイナミズムに,グリア細胞が積極的に関与するとは想像すらできなかった。しかし,アストロサイトが脳機能の根幹ともいうべきシナプス伝達を,実に積極的かつダイナミックに制御するという事実により1,2),グリア細胞は一躍,脳研究の檜舞台に躍り出たといえる。アストロサイトは,ニューロンに寄り添い,ほとんどのシナプスを取り巻くように存在し,各種神経伝達物質に即時的に応答し,しかも活動依存的にATPおよびglutamateなどのグリア伝達物質を放出する“信号発信機能”を有する。これらの事実は,グリア細胞-ニューロン間の積極的なコミュニケーションが,情報処理・発信を形成していることを推測させる。さらに,アストロサイトはそのendfeetで血管を包み込み,毛細血管外腔側に位置する血管周皮細胞とも,グリア伝達物質により積極的にコミュニケーションをとる。本稿では,ATPを切り口として,アストロサイト-ニューロン間,さらにアストロサイト-脳血管コミュニケーションの生理学的および薬理学的性質を示し,“静なる巨人”グリア細胞の脳機能制御における動的な側面,およびその重要性に関する最新の知見を述べる。
グリア細胞におけるG蛋白質共役型受容体の機能
著者: 古田晶子 , 和田恵津子 , 和田圭司
ページ範囲:P.717 - P.724
はじめに
G蛋白質共役型受容体(G-protein coupled receptor:GPCR)は,ゲノム上最大の膜蛋白質ファミリーを構成し,ホルモン,神経伝達物質をはじめとする,さまざまな生理活性物質の作用を伝達することで代謝,内分泌,血圧調節,血液循環など生命の恒常性,さらには脳機能制御に重要な役割を果たす。また,医療用薬剤のおよそ半数がGPCRを標的にすると考えられており,GPCRはさまざまな病態に対する治療薬を開発するうえで,最も重要な標的分子の1つとして位置づけられている。筆者らはこれまでに,GPCR mRNAの包括的定量解析系を構築し,グリア細胞,神経系前駆細胞をはじめとする選択的細胞種,あるいは選択的な脳領域で発現するGPCRの同定とその機能解析を行ってきた。その結果,神経系前駆細胞の増殖や運動性(未発表データ),あるいはグリア新生1)に関わるGPCRが見出され,また各種のペプチドをリガンドとする相当数のGPCRが,グリア細胞で発現することが見出された(未発表データ)。グリア細胞はこれまで単なる神経細胞の支持細胞として位置づけられることが多かったが,近年の研究から,ニューロン・グリア相互作用を通して神経伝達の制御に積極的に関わっていることが明らかとなってきている2)。またグリア細胞のなかでも特にアストロサイトは血管内皮細胞,ペリサイトとともに血脳液関門を構成しており,末梢組織からの生体情報の検出,あるいは脳内への物質の取り込み・排出などに関しても重要な役割を果たすと考えられている。グリア細胞に存在するGPCRはこれらニューロン・グリア相互作用,さらには脳内代謝制御を実行する分子として重要であると筆者らは考えており,その機能解析を通して神経伝達制御だけでなく内分泌代謝,免疫など脳が受容するさまざまな生体情報の処理に関しても,新たな成果が生み出されると考えている。また,精神神経疾患の病態形成におけるグリアの役割解明,グリアを標的にした治療法の開発などについても,従来の概念を超えた新たな展開が期待できると考えている。本稿ではアストロサイトに発現するGPCRのうち,情動性記憶におけるニューロテンシン2型受容体の役割と,発生期のアストロサイト新生,および成体脳損傷時の反応性アストロサイトにおけるpitsuitary adenylate cyclase-activating peptide (PACAP)/vasoactive intestinal peptide (VIP)受容体の役割について,これまでの研究の進展を概説する。
哺乳類中枢神経系におけるD-セリンの役割
著者: , 森寿
ページ範囲:P.725 - P.730
はじめに
D型異性体アミノ酸の1つであるD-セリンが,哺乳類の脳に豊富に存在し,その分布がNMDA型グルタミン酸受容体(GluR)と類似していることが1993年,初めて報告された。D-セリンはNMDA型GluRサブユニットのグリシン結合領域に結合し,内在性コアゴニストとしてその機能を調節していると考えられることから,生理的なシナプス可塑性だけでなく神経細胞死や,精神疾患の病態に関与していることが示唆されている。D-セリンの合成に関わると考えられているセリンラセマーゼが,グリア細胞の1つであるアストロサイトに存在していることから,D-セリンはグリア細胞由来の新しい神経伝達調節因子(gliotransmitter)の1つとして注目されている。本稿では,脳内D-セリンの役割について,最新の知見を中心に概説する。
アストロサイトにおけるアミノ酸代謝異常と神経疾患―ホモシスチン尿症を手がかりとして
著者: 榎戸靖
ページ範囲:P.731 - P.737
はじめに
長らくニューロンのサポート役と考えられてきたグリア細胞が,さまざまな精神発達障害や神経疾患の原因となることが明らかとなり,近年多くの関心を集めている1-3)。中でも,脳内においてニューロンの約10倍存在するといわれるアストロサイトは,その多様な生理機能も含め,現在最も注目される研究対象の1つとなりつつある。これまで筆者らはヒトにおいて精神発達遅延,てんかん,うつ病,人格障害等の神経症状を呈するホモシスチン尿症の原因遺伝子,シスタチオニンβ-シンターゼ(CBS)に注目し解析を行ってきた。驚いたことに,システイン代謝の鍵酵素として脳内に広く存在すると考えられていたCBSは,発生の早い段階からラジアルグリア/アストロサイト系譜細胞で特異的に存在していることが明らかとなった。これらの結果は,アストロサイトにおけるアミノ酸代謝が脳神経系の正常発達,および高次脳機能維持にとって必須の役割を演じていることを意味するだけでなく,これまでほとんど知られていなかったアストロサイト機能障害に端を発する,“アストロサイト病”の病態メカニズムを解明するうえでも極めて重要な知見となることが期待される。
神経因性疼痛におけるミクログリアの関与
著者: 井上和秀
ページ範囲:P.739 - P.746
はじめに
近年,グリア細胞がさまざまな神経疾患と深く関与していることが明らかになってきた13)。本編では,神経疾患として,モルヒネも効きがたい最悪の疼痛である神経因性疼痛を取り上げ,それとミクログリアやアストログリアの関係,ならびにミクログリアにおけるATP受容体の機能についてまとめた。ミクログリア活性化における,さまざまな分子との相互関係など,今後探求すべき課題が多く残されているが,ミクログリア活性化は神経因性疼痛の発症に重要な役割を演じていることは疑いのない事実であろう。
グリア細胞機能異常動物の開発
著者: 田中謙二 , 李海雄 , 池中一裕
ページ範囲:P.747 - P.753
はじめに
グリア細胞の機能を調べるために,グリア細胞の機能を欠失・障害させたモデル動物を作り,そのモデル動物の表現型を調べることによって,グリア細胞の機能を帰納的に調べることができる。以上のようなステップを踏んで,グリア細胞の機能を明らかにしようという試みがある。この方法を遂行するうえで律速段階になるのが,モデル動物の開発になると思われる。本稿ではグリア細胞機能異常モデル動物の開発に関する総論と,筆者らが作出したグリア細胞特異的疾患であるAlexander病のモデル動物について,これまで得られた知見(Tanaka et al. 2007)について各論として述べる。なお,本稿ではマウスのみを取り扱う。体が透明な線虫やゼブラフィッシュとレーザー照射という組み合わせで,グリア細胞を欠失させ,神経回路網の変化を調べている研究グループも存在することも付記しておく。
シナプス・グリア動態の可視化
著者: 西田秀子 , 岡部繁男
ページ範囲:P.755 - P.761
情報を送る神経と受け取る神経からなるシナプスに,その直近に存在するグリア細胞を付け加えた“Tripartite synapse(三者から成るシナプス)”1)という言葉が初めて使われて8年が経ち,アストロサイトがシナプス伝達を積極的に修飾していることを支持する非常に多くの知見が集積してきた。しかしながら,それらの多くは電気生理実験から得られたものであり,それに比して形態学的証拠はいまだ非常に少ない。本稿では,アストロサイトとシナプス構造の形態学的解析について,まずさきがけとなった固定標本による解析を簡単に紹介する。そのあと,本稿の主題である,近年相次いで報告された,生きた組織におけるアストロサイトとシナプス構造の可視化技術と,その技術によって可能となった観察およびその結果について紹介したい。
ミクログリア可視化トランスジェニックマウスの作製
著者: 平澤孝枝 , 高坂新一
ページ範囲:P.763 - P.772
はじめに
中枢神経には,ニューロンの他に3種類のグリア細胞,すなわちアストロサイト,オリゴデンドロサイト,ミクログリアが存在している。ミクログリアは,他のグリア細胞とは異なり,骨髄由来系の単球を由来としていると考えられており,脳発達期において脳内に浸入してくると考えられている1-3)。ミクログリアは,中枢神経系の環境の変化を察知するセンサー的な細胞であると考えられているが,その主な役割は,障害を受けた神経細胞や脳領域に対して防御する機能を持つとされている。すなわち,障害や疾病等の脳内の環境変化にいち早く対応し,脳の恒常性を保護する役割を持つと考えられている。しかし,一方で,NO(nitric oxide)や活性酸素等の神経毒性を持った活性物質を放出し,神経細胞死を促すことがアルツハイマー病等の病態モデルから報告されている4)。また,その起源や形態変化,神経細胞を中心とした周囲の細胞との細胞間連絡,脳機能の異常を察知するメカニズム等については,いまだ不明な点が多い。このように,ミクログリアの詳細な情報を得ることは,脳機能を研究するうえでも非常に重要であると考えられる。われわれの研究グループは,これまでにミクログリア/マクロファージの特異的蛋白質であるIba1(Ionaized calcium binding adapter molecule 1)をクローニングし,ミクログリアの機能について研究を行っている。
今回われわれは,Iba1プロモーターの下流にEGFPのコンストラクションを結合することでIba1-EGFPトランスジェニックマウス(以下Iba1-EGFPマウス)を作製し,生体内におけるミクログリアの動態を可視化することを試みた5)。本稿では,その結果も含め生体内におけるミクログリアの動態について述べることとする。
イン・ビボにおけるアストロサイトの動態計測
著者: 平瀬肇 , 高田則雄
ページ範囲:P.773 - P.781
はじめに
成熟した脳において,アストロサイト(星状神経膠細胞)は神経細胞の活動を代謝面から支援し,細胞外環境のイオン濃度を一定に保ち,神経細胞から放出されたグルタミン酸の回収といった補佐的な役割を担う細胞だとされてきた。これは,代謝物質や免疫物質の輸送にかかる循環器系と,脳の情報処理を担う神経系とを結びつけているアストロサイトの形態的構造を考慮すると妥当であり,実際にアストロサイトの補佐的な役割は数多く報告されてきた。
最近,脳の情報処理におけるアストロサイトの機能が注目を集めつつある。その背景には,グルタミン酸やアデノシン三リン酸等の神経伝達物質がアストロサイトから分泌されるといった報告1-3)がなされ,アストロサイトが能動的に神経回路の動態を調節する可能性が示唆されたことがある。また,近年の分子生物学の進展による大規模な網羅的遺伝子スクリーニングが実施され,細胞種・脳部位・操作時期が特異的な遺伝子改変動物の作成が可能となり,蛍光イメージング等の計測技術が進歩したことも大きく影響している。
これまで,アストロサイトに関する生理的な研究の多くは培養細胞や急性スライス標本を使用した実験系で行われてきたが,神経生理学の研究の究極の目標は培養細胞実験等で確認されたそれらの知見が,実際に生きている生物の個体脳(in vivoの状態)で機能し得るかを実証することにある。In vivoの状態でグリア細胞の生理機構が解明されたならば,情報処理に関するグリア細胞の関与だけでなく,グリア細胞に変異が認められる疾患の治癒への道が拓ける可能性も生まれ,研究の意義も大きい。そこで本稿ではin vivoの状態でグリア細胞の生理的機能を計測・解析できる実験手法を紹介する。
学会印象記
第10回国際パーキンソン病・運動障害コングレス
著者: 水野美邦
ページ範囲:P.696 - P.696
上記国際学会が2006年10月28日から11月3日まで,京都国際会議場で開催された。これは,International Movement Disorder Societyが毎年開催するもので,これまではヨーロッパとアメリカで交互に開催されてきたが,今回初めてアジアにやってきた。総勢3,000名以上の参加者を得,そのうち80%以上は,海外の参加者という文字通り,国際学会がそのまま日本にやってきたような学会であった。
学術集会の内容は,教育講演,シンポジウム,ビデオセッションなどであるが,本学会に特徴的なセッションは,Skills WorkshopとMeet the Expertsで,前者は,例えばボツリヌストキシンのセッションでは,その道のエキスパートが実際に,患者さんやビデオを前にして,具体的に本治療法の適応はもちろん,具体的手技を披露して,聴衆と身近に討論をするセッションである。
総説
Cerebral Microbleedの臨床的意義と診断基準の提案
著者: 今泉俊雄
ページ範囲:P.783 - P.791
はじめに
ラクナ梗塞や深部脳出血などのsmall vessel diseaseを引き起こす原因として穿通枝動脈のlipohyalinosisなどのmicroangiopathyが29),また皮質下出血の原因としてamyloid angiopathyが考えられている29)。脳血管撮影(CT angiography,MR angiographyを含む)ではこれらの動脈起始部病変を診断できるが,血管撮影がこうしたmicroangiopathyの診断に有用とはいえない。ラクナ梗塞や脳出血をCTやMRIで見る以外,microangiopathyの存在を画像上診断することは今まで不可能であった。一方,頭蓋内出血関連疾患を診断する際,ヘモジデリンを強調して描出するのに最適な方法の1つであるgradient-echo T2*-weighted MR imaging(T2*強調画像)を用いる機会が増えている2,5,9,11-15,18,24,32,34,40,53,56)。Small vessel diseaseの原因となるmicroangiopathyやamyloid angiopathyなどに関連した微小脳内出血が変性し最終的に脳内点状ヘモジデリンになるが,これをcerebral microbleed(CMB)またはmicrobleedと呼ぶのが一般的である9,10,12,18,27,31,32,34,41,50-52,54,58)。CMBについての初期の報告から約10年が経過し,CMBを用いてmicroangiopathyの診断が可能になり,さらにCMBの数,CMBの新生を観察することでmicroangiopathyの重症度を判定でき,脳卒中の再発を予測できるようになった6,9,13,14,17,18,41,42,51)。またCMBはsmall vessel diseaseやamyloid angiopathy以外の脳血管障害や認知機能障害にも関連することがわかった3,5,6,11,24,32,56)。本論文では,今までの研究報告をまとめ,CMBの臨床的意義について述べたい。さらにCMBの診断基準の作成を試みた。
原著
補足運動野症候群を呈した神経膠腫手術例の検討
著者: 渡辺茂樹 , 櫻田香 , 毛利渉 , 佐藤慎哉 , 嘉山孝正
ページ範囲:P.793 - P.796
はじめに
補足運動野(supplementary motor area: SMA)は,前頭葉内側部に存在し,前交連(anterior commissure: AC)を通り,前交連(AC)―後交連(posterior commissure: PC)lineに垂直なVCA (vertical commissure anterior) lineにより,前方のpre SMAと後方のSMA properとに区別される1)。SMA properは運動の企画,開始,維持を担っているとされ,前方から顔面,上肢,下肢という体部位局在がある2)との報告もなされている。
SMAの障害により,対側の麻痺と,優位半球病変ではmutismが生じるが,それらは比較的急速に回復することが特徴とされ,補足運動野症候群(SMA症候群)と呼ばれている。今回われわれは,当科で開頭術を行った前頭葉gliomaのうちSMA症候群を呈した4例において,SMAの摘出範囲と従来報告されているSMAの体部位局在との関係についての検証をしたので報告する。
症例報告
Fischer斑を伴った髄膜血管型神経梅毒の1剖検例
著者: 小尾公美子 , 土谷邦秋 , 安野みどり , 太田聡 , 中村亮介 , 秋山治彦
ページ範囲:P.797 - P.803
はじめに
梅毒は,梅毒スピロヘータとして知られているTreponema pallidum(梅毒トロポネーマ)による感染性疾患であり,その未治療患者の4~9%が神経系の障害を生じる神経梅毒となる1)。第二次世界大戦後,ペニシリン療法の導入と,診断技術の向上によりその頻度は著しく減少し2),近年,典型的な病理像に遭遇することは極めて稀になった。このような背景の中で,今回われわれは,臨床的には精神症状を主体として,明らかな髄膜刺激症状を欠き,病理学的には髄膜および脳血管周囲への細胞浸潤とFischer斑とを同時に認めた神経梅毒の1症例を経験したので報告する。
連載 神経学を作った100冊(7)
John Cooke“A Treatise on Nervous Diseases” (1820-1823)
著者: 作田学
ページ範囲:P.804 - P.805
ジョン・クック(John Cooke)はThe Royal Medical and Chirurgical Society of London(現在のRoyal Society of Medicine)の会長に1830年3月に推されてなった。London Hospitalの医師としても人望があったのだろう。この同じ頃,Royal SocietyにはJames Parkinsonも会員として出入りをしていた。この両者が出会った記録があるかどうかをRoyal Societyの司書Debbie Peasons氏にお尋ねしたが,そのような記録はついに見つけられなかったという。
この書の原型はCroonian Lectureで1819年に行った卒中についてという講演であった。第1巻は1820年,第2巻の第1部は1821年,第2巻の第2部は1823年に刊行された。
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あとがき フリーアクセス
著者: 高坂新一
ページ範囲:P.810 - P.810
少し前から私が担当するあとがきでは,その時々の出来事を簡単に書いておくようにしている。後で本特集号を読み返した時,これがどのような社会情勢の中で発行されたのか,思い出せるようにするためである。今回も何を取り上げようかと考えていたが,ご多分に漏れず,あまり良いニュースではなかった。前代未聞の現役農林水産大臣の自殺,緑資源機構の問題,社会保険庁のずさんな年金管理などなど,どれをとっても頭を抱えるばかりである。ゆいいつ若干楽しいニュースといえば,ハンカチ王子を擁する早稲田大学の6大学野球,春のリーグ戦優勝程度であろうか。
さて,本号は「情報伝達処理におけるグリアの機能と異常」と題した増大特集号である。これまでグリア細胞は,脳内において,損傷修復,血液脳関門,ミエリン形成,ニューロン周辺環境の維持など,さまざまな機能を果たしていることが明らかにされてきたが,最近になり,主にニューロンが担っていると考えられてきた神経伝達情報処理にも,グリア細胞が深く関与している事実が積み重ねられつつある。この特集号においては,グリア細胞が持つ多様な機能の中でも,特に最近注目を集めている神経伝達情報処理に焦点を当てて,編集されている。
基本情報
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増大特集 末梢神経・筋肉の自己免疫性・炎症性疾患ハンドブック
76巻4号(2024年4月発行)
特集 神経病理最前線
76巻3号(2024年3月発行)
特集 きちんと説明ができますか?
76巻2号(2024年2月発行)
特集 特発性正常圧水頭症の現在
76巻1号(2024年1月発行)
特集 新時代の重症筋無力症と関連疾患の診療
75巻12号(2023年12月発行)
特集 アガサ・クリスティーと神経毒
75巻11号(2023年11月発行)
特集 アロスタシス—ホメオスタシスを超えて
75巻10号(2023年10月発行)
特集 メタバースへの招待
75巻9号(2023年9月発行)
特集 妊娠と神経疾患
75巻8号(2023年8月発行)
特集 アルツハイマー病は本当に早期発見できるのか
75巻7号(2023年7月発行)
特集 Antibody Update 2023 Part2 末梢編
75巻6号(2023年6月発行)
特集 Antibody Update 2023 Part1 中枢編
75巻5号(2023年5月発行)
増大特集 神経・精神領域の薬剤ハンドブック
75巻4号(2023年4月発行)
特集 All About Epilepsy
75巻3号(2023年3月発行)
特集 慢性疼痛
75巻2号(2023年2月発行)
特集 多系統萎縮症の新診断基準とこれからの診療
75巻1号(2023年1月発行)
特集 よく出会う不随意運動を知る
74巻12号(2022年12月発行)
特集 映画を観て精神・神経疾患を知る
74巻11号(2022年11月発行)
特集 RFC1遺伝子関連スペクトラム障害
74巻10号(2022年10月発行)
特集 ウイルス性脳炎・脳症2022
74巻9号(2022年9月発行)
特集 動的環境への適応系としての歩行
74巻8号(2022年8月発行)
特集 迷走神経の不思議
74巻7号(2022年7月発行)
特集 COVID-19—脳神経内科医が診るための最新知識2022
74巻6号(2022年6月発行)
特集 脳神経内科医に求められる移行医療
74巻5号(2022年5月発行)
増大特集 次の一手—神経筋疾患難治例をどのように治療するか
74巻4号(2022年4月発行)
特集 脳科学リテラシーを高めるために
74巻3号(2022年3月発行)
特集 中枢性自律神経障害update
74巻2号(2022年2月発行)
特集 温度を感じる脳と身体の科学
74巻1号(2022年1月発行)
特集 脳神経内科医のキャリアパスとリーダーシップ
73巻12号(2021年12月発行)
特集 芸術家と神経学
73巻11号(2021年11月発行)
特集 「目」の神経学
73巻10号(2021年10月発行)
特集 中枢神経・末梢神経の悪性リンパ腫
73巻9号(2021年9月発行)
特集 脳卒中治療に必要な基礎知識
73巻8号(2021年8月発行)
特集 脳腸相関—脳-身体の双方向性制御
73巻7号(2021年7月発行)
特集 グリアと神経—相補的な制御系として
73巻6号(2021年6月発行)
特集 Lower Spine Neurology
73巻5号(2021年5月発行)
増大特集 中枢神経の自己免疫性・炎症性疾患ハンドブック
73巻4号(2021年4月発行)
特集 片頭痛・群発頭痛治療の新たな夜明け
73巻3号(2021年3月発行)
特集 マルチリンガルブレイン
73巻2号(2021年2月発行)
特集 筋炎と壊死性筋症
73巻1号(2021年1月発行)
特集 Neuro-Oncology
72巻12号(2020年12月発行)
特集 超高齢期の精神神経疾患を診る
72巻11号(2020年11月発行)
増大特集 脳の発振現象—基礎から臨床へ
72巻10号(2020年10月発行)
特集 COVID-19—脳神経内科医が診るための最新知識
72巻9号(2020年9月発行)
特集 皮質性小脳萎縮症へのアプローチ
72巻8号(2020年8月発行)
特集 サルコイドーシス
72巻7号(2020年7月発行)
増大特集 神経倫理ハンドブック
72巻6号(2020年6月発行)
特集 前頭側頭葉変性症の今日的理解
72巻5号(2020年5月発行)
特集 多発性硬化症の現在と未来
72巻4号(2020年4月発行)
増大特集 神経疾患の診断における落とし穴—誤診を避けるために
72巻3号(2020年3月発行)
特集 でこぼこの脳の中でおしくらまんじゅうする脳機能
72巻2号(2020年2月発行)
特集 αシヌクレイノパチーの新たな展開
72巻1号(2020年1月発行)
特集 神経難病をクスリで治す—薬物開発の現況と近未来への展望
71巻12号(2019年12月発行)
特集 小脳と大脳—Masao Itoのレガシー
71巻11号(2019年11月発行)
増大特集 ALS2019
71巻10号(2019年10月発行)
特集 認知症と遺伝
71巻9号(2019年9月発行)
特集 神経疾患のドラッグ・リポジショニング—新時代へ
71巻8号(2019年8月発行)
特集 パーキンソン病診療の現在地—200年の変遷と新規治療
71巻7号(2019年7月発行)
増大特集 人工知能と神経科学
71巻6号(2019年6月発行)
特集 補体標的治療の現状と展望
71巻5号(2019年5月発行)
特集 NPSLE
71巻4号(2019年4月発行)
増大特集 神経学のための皮膚アトラス
71巻3号(2019年3月発行)
特集 Spine Neurology
71巻2号(2019年2月発行)
特集 “スポーツ”を生み出す脳
71巻1号(2019年1月発行)
特集 人工知能の医療応用Update
70巻12号(2018年12月発行)
特集 主訴に沿う—俯瞰し収束する画像診断の目
70巻11号(2018年11月発行)
増大特集 脳科学で解き明かす精神神経症候
70巻10号(2018年10月発行)
特集 「左脳と右脳」の現在
70巻9号(2018年9月発行)
特集 脳神経内科診療に役立つ精神科の知識
70巻8号(2018年8月発行)
特集 レヴィ小体型認知症の新知見
70巻7号(2018年7月発行)
増大特集 記憶と忘却に関わる脳のしくみ—分子機構から健忘の症候まで
70巻6号(2018年6月発行)
特集 芸術を生み出す脳
70巻5号(2018年5月発行)
特集 非アルツハイマー型認知症の病理学
70巻4号(2018年4月発行)
増大特集 Antibody Update 2018
70巻3号(2018年3月発行)
特集 『認知症疾患診療ガイドライン2017』を読み解く
70巻2号(2018年2月発行)
特集 知っておきたい神経感染症
70巻1号(2018年1月発行)
特集 筋痛性脳脊髄炎/慢性疲労症候群の今
69巻12号(2017年12月発行)
特集 運動異常症をみる—Web動画付録つき
69巻11号(2017年11月発行)
増大特集 こころの時間学の未来
69巻10号(2017年10月発行)
特集 成人てんかん—知っておきたい6つのトピック
69巻9号(2017年9月発行)
特集 ミクログリアと精神・神経疾患
69巻8号(2017年8月発行)
特集 遺伝性脊髄小脳失調症の病態と治療展望
69巻7号(2017年7月発行)
増大特集 あしたのアルツハイマー病治療
69巻6号(2017年6月発行)
特集 局在病変の神経心理学
69巻5号(2017年5月発行)
特集 Voxel-Based Morphometry—体積からわかること
69巻4号(2017年4月発行)
増大特集 ブロードマン領野の現在地
69巻3号(2017年3月発行)
特集 磁気刺激の新たな展開
69巻2号(2017年2月発行)
特集 Stroke-Like Diseases—鑑別時に注意を要する5病態
69巻1号(2017年1月発行)
特集 近年注目されている白質脳症
68巻12号(2016年12月発行)
特集 炎症性神経・筋疾患の新たな展開
68巻11号(2016年11月発行)
増大特集 連合野ハンドブック
68巻10号(2016年10月発行)
特集 アディクション—行動の嗜癖
68巻9号(2016年9月発行)
特集 自己免疫性脳炎・脳症
68巻8号(2016年8月発行)
特集 こころと汗
68巻7号(2016年7月発行)
増大特集 認知症の危険因子と防御因子
68巻6号(2016年6月発行)
特集 脳とフローラ
68巻5号(2016年5月発行)
特集 手の症候学—生理学・解剖学からみた新知見
68巻4号(2016年4月発行)
増大特集 治せる認知症
68巻3号(2016年3月発行)
特集 末梢神経の血管炎
68巻2号(2016年2月発行)
特集 筋疾患の認知機能障害
68巻1号(2016年1月発行)
特集 シャルコー・マリー・トゥース病
67巻12号(2015年12月発行)
特集 視床と高次脳機能
67巻11号(2015年11月発行)
増大特集 ギラン・バレー症候群のすべて—100年の軌跡
67巻10号(2015年10月発行)
特集 非・日常生活の脳科学
67巻9号(2015年9月発行)
特集 酵素補充療法
67巻8号(2015年8月発行)
特集 神経難病の終末期医療
67巻7号(2015年7月発行)
増大特集 神経疾患と感染症update
67巻6号(2015年6月発行)
特集 脳と「質感」
67巻5号(2015年5月発行)
特集 NCSE(非痙攣性てんかん重積状態)
67巻4号(2015年4月発行)
増大特集 大脳皮質vs.大脳白質
67巻3号(2015年3月発行)
特集 中枢神経の血管炎
67巻2号(2015年2月発行)
特集 「食べる」を考える
67巻1号(2015年1月発行)
特集 ニューロトキシコロジー
66巻12号(2014年12月発行)
特集 Orthopaedic Neurology—神経内科と整形外科の狭間で
66巻11号(2014年11月発行)
増大特集 神経症候学は神経学の“魂”である
66巻10号(2014年10月発行)
特集 分子を撃つ 神経疾患治療の新しい水平線
66巻9号(2014年9月発行)
特集 痙縮の臨床神経学
66巻8号(2014年8月発行)
特集 神経系の悪性リンパ腫update
66巻7号(2014年7月発行)
増大特集 アミロイド関連神経疾患のすべて―封入体筋炎からアルツハイマー病まで
66巻6号(2014年6月発行)
特集 ミラーニューロン
66巻5号(2014年5月発行)
特集 アセチルコリンと神経疾患―100年目の現在地
66巻4号(2014年4月発行)
増大特集 タッチ・ビジョン・アクション
66巻3号(2014年3月発行)
特集 神経筋疾患の超音波診断
66巻2号(2014年2月発行)
特集 糖尿病の神経学revisited
66巻1号(2014年1月発行)
特集 日常生活の脳科学
65巻12号(2013年12月発行)
特集 プロテイノパチーの神経病理学
65巻11号(2013年11月発行)
増大特集 Close Encounters―臨床神経学と臨床免疫学の遭遇と未来
65巻10号(2013年10月発行)
特集 神経系の発達メカニズム―最近の話題
65巻9号(2013年9月発行)
特集 Common diseaseは神経学の主戦場である―現状と展望
65巻8号(2013年8月発行)
特集 こころの時間学―現在・過去・未来の起源を求めて
65巻7号(2013年7月発行)
増大特集 あしたの脳梗塞
65巻6号(2013年6月発行)
特集 見せる・仕分ける―脳機能解析の新手法
65巻5号(2013年5月発行)
特集 てんかん―新しいパースペクティブ
65巻4号(2013年4月発行)
増大特集 Antibody Update
65巻3号(2013年3月発行)
特集 次世代シーケンサーによる神経変性疾患の解析と展望
65巻2号(2013年2月発行)
特集 血液脳関門研究の進歩
65巻1号(2013年1月発行)
特集 Corticobasal Syndrome
64巻12号(2012年12月発行)
特集 The Border-Land of Dementia
64巻11号(2012年11月発行)
増大特集 痛みの神経学―末梢神経から脳まで
64巻10号(2012年10月発行)
特集 辺縁系をめぐって
64巻9号(2012年9月発行)
特集 高次脳機能イメージングの脳科学への新展開
64巻8号(2012年8月発行)
特集 線条体の基礎と臨床
64巻7号(2012年7月発行)
増大特集 顔認知の脳内機構
64巻6号(2012年6月発行)
特集 睡眠と覚醒の脳内機構
64巻5号(2012年5月発行)
特集 神経疾患のバイオマーカー
64巻4号(2012年4月発行)
増大特集 パーキンソン病の新しい側面
64巻3号(2012年3月発行)
特集 アカデミアから新規治療の実現へ―トランスレーショナルリサーチの現状
64巻2号(2012年2月発行)
特集 生物学的精神医学の進歩
64巻1号(2012年1月発行)
特集 iPS細胞と神経疾患
63巻12号(2011年12月発行)
特集 神経心理学と画像解析の融合
63巻11号(2011年11月発行)
増大特集 筋疾患update
63巻10号(2011年10月発行)
特集 緩徐進行性高次脳機能障害の病態
63巻9号(2011年9月発行)
特集 脳卒中の最新画像診断
63巻8号(2011年8月発行)
特集 日本人の発見した神経症候
63巻7号(2011年7月発行)
増大特集 神経筋接合部―基礎から臨床まで
63巻6号(2011年6月発行)
特集 ニューロパチー
63巻5号(2011年5月発行)
特集 神経系と血管内リンパ腫
63巻4号(2011年4月発行)
増大特集 てんかんの新しい治療
63巻3号(2011年3月発行)
特集 サイバーナイフ治療
63巻2号(2011年2月発行)
特集 続・日本人の発見した神経疾患
63巻1号(2011年1月発行)
特集 血管腫
62巻12号(2010年12月発行)
特集 頸部頸動脈狭窄症の診断と治療
62巻11号(2010年11月発行)
増大特集 歩行とその異常
62巻10号(2010年10月発行)
特集 ブレインバンク
62巻9号(2010年9月発行)
特集 視神経脊髄炎(NMO)update
62巻8号(2010年8月発行)
特集 辺縁系脳炎
62巻7号(2010年7月発行)
増大特集 アルツハイマー病―研究と診療の進歩
62巻6号(2010年6月発行)
特集 改正臓器移植法の問題点とその対応
62巻5号(2010年5月発行)
特集 神経画像のピットフォール―見落としと読み過ぎ
62巻4号(2010年4月発行)
特集 傍腫瘍性神経筋疾患update
62巻3号(2010年3月発行)
特集 神経回路解析法の最近の進歩
62巻2号(2010年2月発行)
特集 ニューロリハビリテーションの最前線
62巻1号(2010年1月発行)
特集 神経救急
61巻12号(2009年12月発行)
特集 Somatotopy再考
61巻11号(2009年11月発行)
特集 前頭側頭葉変性症
61巻10号(2009年10月発行)
特集 片頭痛の予防療法
61巻9号(2009年9月発行)
特集 脳血管障害治療の進歩
61巻8号(2009年8月発行)
特集 神経・筋疾患の分子標的治療
61巻7号(2009年7月発行)
特集 脳腫瘍研究の最前線―遺伝子解析から治療まで
61巻6号(2009年6月発行)
特集 脊椎・脊髄外科の最近の進歩
61巻5号(2009年5月発行)
特集 Restless legs syndrome
61巻4号(2009年4月発行)
特集 大脳基底核―分子基盤から臨床まで
61巻3号(2009年3月発行)
特集 Microneurography(微小神経電図法)の臨床応用
61巻2号(2009年2月発行)
特集 神経系の再興感染症と輸入感染症
61巻1号(2009年1月発行)
特集 脳神経倫理
60巻12号(2008年12月発行)
特集 痙縮
60巻11号(2008年11月発行)
特集 脳卒中と遺伝子
60巻10号(2008年10月発行)
特集 若年者の脳卒中
60巻9号(2008年9月発行)
特集 知・情・意の神経学
60巻8号(2008年8月発行)
特集 脳硬膜動静脈瘻
60巻7号(2008年7月発行)
増大特集 学習と記憶――基礎と臨床
60巻6号(2008年6月発行)
特集 Crow-深瀬症候群(POEMS症候群)
60巻5号(2008年5月発行)
特集 「痛み」の研究と治療の最前線
60巻4号(2008年4月発行)
増大特集 神経系の発生とその異常
60巻3号(2008年3月発行)
特集 特発性正常圧水頭症(iNPH)―最近の話題
60巻2号(2008年2月発行)
特集 がん治療と神経障害
60巻1号(2008年1月発行)
特集 日本人の発見した神経疾患
59巻12号(2007年12月発行)
特集 損傷神経の再生―温存的治療法の開発
59巻11号(2007年11月発行)
特集 手根管症候群をめぐって
59巻10号(2007年10月発行)
増大特集 ALS―研究と診療の進歩
59巻9号(2007年9月発行)
特集 パーキンソン病の認知機能障害
59巻8号(2007年8月発行)
特集 パーキンソン病の分子遺伝学―最近の知見
59巻7号(2007年7月発行)
増大特集 情報伝達処理におけるグリアの機能と異常
59巻6号(2007年6月発行)
特集 職業性神経障害の新しい展開
59巻5号(2007年5月発行)
特集 脳画像最前線
59巻4号(2007年4月発行)
増大特集 最近注目される脳神経疾患治療の研究
59巻3号(2007年3月発行)
特集 分子イメージング
59巻2号(2007年2月発行)
特集 進行性多巣性白質脳症の新しい展開―PMLが治る時代へ向けて
59巻1号(2007年1月発行)
特集 高次視覚研究の最近の進歩