文献詳細
連載 神経学を作った100冊(9)
Giovanni Battista Morgagni 1761―解剖によって明らかにされた病気の座および原因についての5巻の書
著者: 作田学1
所属機関: 1杏林大学神経内科
ページ範囲:P.1004 - P.1005
文献概要
これを頼りに1巻の頭部疾患の全頁を読むことができた。彼の著書を今でも新しいものとしているゆえんに,索引の充実―それも4つの索引があろう。第1の索引は巻ごとの索引であり,第1巻頭部疾患は14章から成っていることがわかる。第2の索引(Index Primus)は疾患,症状,外因など,例えばaphonia(アフォニー),apoplexia(脳卒中),capitis in latus inclinandi difficultas(頭部を一側に傾けることが困難)などが挙げられ,第3の索引(index secundus)は死体に認められた所見,例えばcerebri abscessus- abscessus sui generis(脳全体の膿瘍)などを示している。第4の索引は重要な固有名詞,例えばaphonia(アフォニー)が載っている。彼は詳細に臨床を記録し,剖検によって推測し,そして再び臨床に向かうのである。
参考文献
掲載誌情報