2000年に解析完了が宣言されたヒトゲノムシークエンスプロジェクトの成果は脳卒中研究にも大きなインパクトを与え,脳卒中の危険因子について従来の生活習慣や環境因子の研究に加え,脳卒中を複数の遺伝子が関与する多因子疾患(polygenic disease)と解釈する立場から,疾患関連遺伝子を探索する研究が活発になった。ポストゲノム時代ともいうべき21世紀になってから,脳卒中関連遺伝子の検索は脳卒中の病態,診断,治療に必須の手段となりつつある。
単一遺伝子の異常によるメンデル型の遺伝性脳卒中として,CADASILとMEALASが連鎖解析により解明された。遺伝性脳卒中を生じるメンデル型の単一遺伝子疾患としてはMarfan症候群やFabry病も挙げられる。
雑誌目次
BRAIN and NERVE-神経研究の進歩60巻11号
2008年11月発行
雑誌目次
特集 脳卒中と遺伝子
特集にあたって
著者: 内山真一郎
ページ範囲:P.1222 - P.1223
CADASIL
著者: 内野誠
ページ範囲:P.1224 - P.1234
はじめに
脳卒中は不適切な生活習慣(高カロリー食・塩分過多,運動不足,喫煙,大量飲酒,睡眠不足など)により惹起される生活習慣病(肥満,高血圧,耐糖能異常,高脂血症,高尿酸血症など)を主要な危険因子として,加齢などの要因も加わって発症に至る環境要因の関与が大きい疾患とされてきたが,近年分子遺伝学的研究の進歩とともに,脳卒中の発症に脳卒中感受性遺伝子(遺伝子多型)の関与も少なくないこと,さらに環境要因が関与しない単一遺伝子異常に基づく遺伝性の脳卒中の存在も次々に明らかになってきている(Table1)1)。
CADASIL(cerebral autosomal dominant arteriopathy with subcortical infarct and leukoencephalopathy)はそのような遺伝性脳卒中の1つであり,日本語では皮質下梗塞と白質脳症を伴う常染色体優性遺伝性脳動脈症と訳される。最初にTournier-Lasserveらが,2家系の連鎖解析で19q12に原因遺伝子の局在を証明し,CADASILと命名した2)。その後JoutelらによりNotch 3遺伝子が病因遺伝子であることが明らかにされ,遺伝子座は19p13.1~13.2に訂正された3)。Notch 3はヒトで4種類知られているNotch型受容体の1つで,全身の血管平滑筋細胞の形質膜に局在し,細胞外ドメインでリガンドと結合して情報伝達に関与すると考えられるが,詳しい機能はわかっていない。欧米を中心に400家系以上の報告があるが,近年わが国でもその報告が増しており,人種を越えて存在する疾患と考えられる。
Fabry病
著者: 宇山英一郎
ページ範囲:P.1235 - P.1244
はじめに
Fabry病は,X染色体のXq22.1に位置するα-galactosidase A遺伝子(GLA)の変異により,lysosome内加水分解酵素α-galactosidase Aの活性が低下し,これで分解されるべきglobotriaosylceramide(GL-3)などのスフィンゴ糖脂質が,血管内皮細胞をはじめ諸組織細胞や体液に蓄積して,脳梗塞や心・腎障害などを呈する難病である1-3)(Fig.1)。
本症は1898年に英国の外科・皮膚科医Anderson博士が英文誌に4),ドイツの皮膚科医Fabry博士が独文誌に初めて報告しているため5),欧米では公平にAnderson-Fabry病とも呼ばれる6-13)。また,本症の欠損酵素であるα-galactosidaseに関して,1976年まではAとBの2つのアイソザイムが存在すると解釈されていたが,翌年にα-galactosidase Bの実体はα-N-acetylgalacto- saminidaseであり,酵素蛋白質や遺伝子支配もα-galactosidase Aとは異なることが明らかにされた14,15)。さらに,このα-N-acetylgalactosaminidase遺伝子の異常で生じる疾患は,Schindler病とされ,1型:乳児期発症の神経軸索ジストロフィー,2型(神崎病):成人期発症のび漫性被角血管腫と軽度知能障害,3型:1型と2型の中間的病像に分類されている16-20)。したがって最近,本邦ではFabry病の欠損酵素をα-galaclosidaseと表記する傾向にあるが21),欧米では従来通りα-galaclosidase Aが用いられている1-6)。
Fabry病はこれまでX染色体連鎖劣性遺伝の形式をとり,ヘミ接合体の男性患者は古典的病像を呈し,保因者の女性にはLyonの仮説が適応されてきた。しかし,本遺伝形式をとるほかの疾患に比べ,ヘテロ接合体の女性も高頻度に発病するため,本症ではこれを保因者と呼ぶべきではない22)との意見や,遺伝形式は単にX染色体連鎖性と呼ぶのが正しいとの見解も出ている23,24)。したがって,特定疾患の公費申請時や酵素補充療法25,26)の選択の際には,女性患者も対象になることを再認識すべきである。
本症は従来,神経内科や脳神経外科領域では,若年性の脳梗塞をきたす単一遺伝子病の1つで,稀な疾患として知られてきたが,近年では酵素補充療法25,26)や亜型“心型Fabry病”27-29)の確立により,循環器領域で関心が高まっている。また“腎型Fabry病”30)の存在や,慢性腎臓病(CKD)の治療可能な原因の1つとして,腎臓内科・泌尿器科の分野でも啓蒙されている3,31-34)。発症頻度は人口4万人に1人とされ,世界で5,000例以上,本邦で1,000例以上の存在が推計されている21)。最近の調査では,成人発症の特発性肥大型心筋症の6.3%,18~55歳の全潜在性脳卒中患者の1.2%,腎不全の全透析患者の0.16~1.2%がFabry病とされている35)。
脳動脈瘤の遺伝解析
著者: 恩田英明 , 米山琢 , 赤川浩之 , 糟谷英俊
ページ範囲:P.1245 - P.1260
はじめに
脳動脈瘤の破裂によるくも膜下出血は致命率の高い疾患で,働き盛りの人が突然亡くなることもあり,社会的にも関心の高い疾患である。この疾患に対する診断・治療技術は年々進歩しているが,現在でも日本のこの疾患の年間の死亡率は人口10万人に対し約12人で,ほぼ横ばいの状態である。くも膜下出血患者全体では,約10%が病院に到着する前に死亡し,約半数が発症1カ月以内に死亡すると考えられている。疫学調査によれば,くも膜下出血の危険因子として,喫煙・高血圧・過度の飲酒・家族集積性などが指摘されていて1,2),その発生には環境要因と遺伝要因が複合的に影響を与えている。近年,分子遺伝学的解析の進歩により,高血圧,糖尿病,虚血性心疾患などの生活習慣病の発症に関わる遺伝要因を解析することが可能になり,脳動脈瘤についても遺伝解析が盛んに行われている。今回は,今までの脳動脈瘤の遺伝解析の報告をまとめ,現状を概観する。
もやもや病の遺伝要因の探索の現状
著者: 箸方宏州 , 劉万洋 , 峰晴陽平 , 井上佳代子 , 竹中勝信 , 池田秀敏 , 寶金清博 , 黒田敏 , 菊池顕次 , 木村充 , 瀧琢有 , 園部眞 , 伴貞彦 , 野垣秀和 , 半田明 , 菊田健一郎 , 高木康志 , 野崎和彦 , 橋本信夫 , 小泉昭夫
ページ範囲:P.1261 - P.1269
はじめに
もやもや病は,両側の内頸動脈終末部の狭窄もしくは閉塞および,いわゆる「もやもや血管」と呼ばれる閉塞部近傍の異常血管網の形成を認める,慢性進行性の疾患である1,2)。
1997年の報告によれば,罹患率0.35人/10万人年,有病率3.16人/10万人といわれていたが3),2007年Babaらは北海道で悉皆疫学調査を行い,罹患率0.94人/10万人年,有病率10.5人/10万人と報告している4)。また2008年Kuriyamaらは,罹患率は0.54人/10万人年,有病率10.5人/10万人と報告している5)。このほかIkedaらの報告6)など,もやもや病の罹患率および有病率は,核磁気共鳴装置の普及により増加している7,8)。
家族内で発症のみられる,いわゆる家族性もやもや病の割合は10%以上であり,東アジア人に多くの患者が認められていること9),一卵性双生児がともに発症する確率が80%と高いこと10)など,遺伝背景が強いと示唆される11,12)。しかし,同時に浸透率が低く,一卵性双生児でも完全に罹患状態は一致しないことから,環境要因の関与も無視できない。本報告では,2000年以前の総説13,14)以降を中心に,2008年の段階における遺伝子研究の経過および現状を,筆者らの検討も含め報告する。
海綿状血管腫
著者: 藤村幹 , 冨永悌二
ページ範囲:P.1271 - P.1274
はじめに
海綿状血管腫(cerebral cavernous malformation: CCM)は中枢神経系に発生する血管病変であり,病理組織学的には異常に拡張したcapillary cavity(洞様血管)が,介在する脳組織を伴わずに密に集合していることを特徴とする1)。海綿状血管腫は孤発例のほかに家族発症性も稀ならず認められることが知られている。家族発症例においては孤発例に比べて多発病変が多く2),出血や痙攣などの症候を呈するなど,動的な経過をたどることが多いとされている3)。近年,家族発症例を中心に本疾患の遺伝子学的背景についての研究が飛躍的に進んでいる。本稿では海綿状血管腫の遺伝子学的背景,ならびに出血・増大・新生と関連した生物学的特徴について,当該施設の経験も踏まえてレビューする。
アミロイドアンギオパチー
著者: 浜口毅 , 山田正仁
ページ範囲:P.1275 - P.1283
はじめに
脳アミロイドアンギオパチー(cerebral amyloid angiopathy: CAA)は,脳血管へのアミロイド沈着症である。現在までに,脳血管に沈着するアミロイド蛋白としてアミロイドβ蛋白(Aβ),シスタチンC(シスタチンC関連アミロイド:ACys),プリオン蛋白(PrP)(PrP関連アミロイド:AScr),トランスサイレチン(TTR)(TTR関連アミロイド:ATTR),ゲルゾリン(ゲルゾリン関連アミロイド:AGel),ABri/ADanの6種類が知られており,それに基づく分類がなされている(Table1)1)。
軽度のCAAは臨床症状と直接は関連しないが,高度のCAAは脳血管障害(脳出血,白質脳症,脳血管性認知症など)の原因となる1)。遺伝性のCAAに関しては後述するごとく遺伝子診断が可能であるが,最も多数を占める孤発性Aβ型CAAでは,遺伝子変異は通常検出されず2),診断に有用なマーカーは確立していない。しかし,近年いくつかの遺伝的な危険因子の関与が報告されており,今後の診断および治療に有用となる可能性がある。
本稿では,CAAに関して現在までに報告のある遺伝子多型や変異を,孤発性Aβ型CAAと遺伝性のCAAに分けて概説する。
凝固制御因子欠損症,特にプロテインSを中心に
著者: 宮田敏行 , 岡田浩美
ページ範囲:P.1285 - P.1293
はじめに
深部静脈血栓症とその合併症である肺血栓塞栓症は,静脈血栓塞栓症(venous thromboembolism: VTE)と総称される。VTEは手術,外傷,がん,脊髄損傷,長期臥床,経口避妊薬,妊娠,産褥期といった環境因子に加え,遺伝因子も加わった多因子疾患と考えられる。静脈血栓症であるVTEは,凝固制御因子であるアンチトロンビン,プロテインC,プロテインSの先天性欠損症が遺伝的背景として広く知られている1,2)。これらの報告の多くは欧米人を対象になされたものである。最近筆者らは日本人を対象に,VTEの遺伝的背景に検討を加えエビデンスを集積してきた。その結果,日本人のVTEでは,プロテインS欠損症の寄与が大きいことが判明した2)。本稿では,血管内皮細胞が持つ抗凝固機構,抗凝固蛋白質プロテインSに関するこれまでの知見,日本人VTE患者を対象とした筆者らの遺伝子研究を紹介したい。本稿が,脳卒中後の長期臥床にみられることがあるVTEの病態と治療に参考になれば幸いである。
ホモシステイン血症
著者: 中溝知樹 , 永山正雄
ページ範囲:P.1295 - P.1306
はじめに
ホモシステイン(Hcy)はメチオニン(Met)からシステイン(Cys)が合成される際の中間代謝産物である。Hcyの代謝はビタミンB6を補酵素とし,シスタチオニンβ合成酵素(CBS)の働きによってCysに変化する経路と,メチオニンサイクルとしてMetに戻る経路がある。後者には葉酸,ビタミンB12を補酵素とするfolate cycleを介する経路とbetaine homocysteine methyltransferase(BHMT)の働きによる代替経路がある(Fig.1)。
古典型ホモシスチン尿症はCBSの欠損で生じる先天性アミノ酸代謝異常で,精神発達遅滞,水晶体脱臼,白内障などを生じるとともに,血栓症や脳梗塞の原因となる。ホモシスチン尿症はまた,メチレンテトラヒドロ葉酸還元酵素(MTHFR)欠損症などのfolate cycleの酵素欠損によっても引き起こされる。
ホモシスチン尿症の患者の血漿Hcy濃度は100~500μmol/Lにも達する。若年時に動脈硬化性疾患あるいは血栓症を発症することが古くから指摘され,高Hcy血症と血栓症の関連が論じられてきた。ホモシスチン尿症の患者では,ビタミンB6などで血漿Hcyを下げることにより,血栓症や血管障害を予防できることが示されている1,2)。また,特徴的な症状を示さないまま経過し,若年性脳梗塞で発見されるホモシスチン尿症の患者もいる3,4)。
ホモシスチン尿症以外でもTable1に挙げたような病態で血中のHcyは上昇しうる。これらの病態による比較的軽度の高Hcy血症が,動脈硬化や血栓症にどの程度関与するかは議論がある。本稿のテーマは脳卒中と遺伝子であるので,このうち主として遺伝子多型と脳卒中との関連について論じる。
高リポ蛋白(a)血症とアポリポ蛋白(a)遺伝子多型
著者: 一瀬白帝
ページ範囲:P.1307 - P.1317
はじめに
21世紀は血栓症の時代である。心筋梗塞と脳梗塞を合わせた血管病は,がんと並んでわが国の死亡原因の約3割を占めており,現在も増加しつつある。脳卒中の多くは虚血性脳血管障害であり,動脈硬化性(大血管病),心原性塞栓性,ラクナ性(小血管病),原因不明などに分類されるが,多遺伝子病,単一遺伝子病,多因子疾患の不均一な集合である。年齢,高血圧,糖尿病,喫煙,肥満,脂質異常症,虚血性心血管病,心不全,心房細動,運動不足などの古典的な危険因子に加えて,それらに影響したり,血栓形成の前段階である動脈硬化に直接関与したり,各種の環境因子と相互作用したりする遺伝因子が,脳梗塞の危険因子として重要である。特に,炎症,血液凝固や血管壁の成分の異常,代謝の障害を起きやすくするような遺伝子変異や多型性は,発症頻度の高さ,発症年齢の若さと相関している。これらのうち,向血栓性あるいは血栓傾向は,凝固系,線溶系,血小板,血管内皮細胞の変調をきたす遺伝子変異や多型性によって惹起される(文献1の表1,2を参照)。
まず,凝固系では凝固V因子Leiden変異(Arg506Gln),プロトロンビン遺伝子3'領域多型(G20210A),フィブリノーゲンβ鎖遺伝子5'発現調節領域多型(G-455A),XIII因子Val34Leu多型などが脳梗塞の危険因子であるが,β鎖G-455A以外は日本人を含むモンゴロイドには存在しない。抗凝固系では,アンチトロンビン,プロテインC,Sの欠損や多型,トロンボモジュリンAla455Val多型,血小板では糖蛋白質GPIbαのMet145Thr多型,GPIIIaのLeu33Pro多型などが血栓症と相関することが知られている。線溶系ではプラスミノゲンアクチベーターインヒビタータイプ1遺伝子の5'発現調節領域の縦列繰り返し配列多型(4G/5G-675)と,アポリポプロテイン(a)[以後,アポ(a)]遺伝子のクリングルドメインの数とアミノ酸配列,5'発現調節領域の多型が,それぞれの遺伝子産物を増加させる重要な危険因子である。本稿では,後者のアポ(a)遺伝子と脳梗塞の関係について述べる。
血漿PAF-AH欠損症
著者: 佐藤敬
ページ範囲:P.1319 - P.1324
はじめに
脳卒中は糖尿病,高血圧,高脂血症などの,いわゆる生活習慣病を基盤として発症するが,多くの場合後天的なこれらの要因に加えて,遺伝的要因の重要性も以前から認識されており,本章の主題である,血漿platelet-activating factor acetylhydrolase(PAF-AH)欠損症は,脳卒中の遺伝的危険因子として早くから同定されたものの1つである。
血小板放出反応を刺激する白血球由来の極性脂質として発見されたPAF1)は,最終的にはFig.1に示すような構造のエーテル・リン脂質(1-alkyl-2-acetyl-sn-glycero-3-phosphorylcholine)の1つであることが明らかにされた2)。このPAF分子中のsn-2に位置するアセチル基を特異的に加水分解する酵素がPAF-AHであり3),その作用によって生成するリゾPAFは活性を持たない。
PAF-AHにはいくつかの分子種の存在が知られており4),その1つである血漿PAF-AHはリポ蛋白質粒子の構成成分として存在する45kDの酵素である5)。日本人一般住民の約4%に血漿PAF-AH欠損症がみられるが6),それは,特定の疾患との特異的関連は現在まで知られていないものの,脳卒中をはじめとする血管疾患や炎症性疾患など,複数の疾患の遺伝的危険因子であることが明らかにされている7,8)。
本章では,以下PAFと血漿PAF-AH欠損症について概説するとともに,脳卒中におけるそれらの意義について考える。
VWF切断酵素ADAMTS13の遺伝子多型
著者: 小亀浩市
ページ範囲:P.1325 - P.1332
はじめに
血小板の凝集は,生体防御機構の1つとして極めて重要な生理反応であると同時に,血栓症のもととなる血栓を形成する反応である。血小板凝集反応は,血小板だけでなく,血管壁細胞や血漿成分など,さまざまな因子によって制御されている。本稿では,VWF切断酵素であるADAMTS13について,その構造的および機能的特徴や疾患との関連を概述し,さらに,遺伝子多型に関する知見を紹介する。
β2-Glycoprotein Ⅰ遺伝子多型
著者: 赫洋美 , 橋本しをり , 内山真一郎
ページ範囲:P.1333 - P.1338
はじめに
抗リン脂質抗体症候群(antiphospholipid syndrome: APS)は,動静脈血栓症,習慣性流産などの多彩な臨床像を呈する後天的な凝固異常症であり,近年,若年性脳梗塞の原因の1つとして注目されている。抗リン脂質抗体(anti-phospholipid antibodies: APL)には,ループスアンチコアグラントをはじめ,いくつかの抗体が報告されているが,特にβ2-Glycoprotein I(β2-GPI)依存性のAPLが血栓症との関連が深いといわれている。
本稿では,まず抗リン脂質抗体症候群と脳梗塞について概説し,次にβ2-GPI遺伝子多型と脳梗塞について,筆者らの研究結果を報告する。
全ゲノム解析に基づく遺伝的危険因子
著者: 久保充明
ページ範囲:P.1339 - P.1346
はじめに
脳血管障害は心疾患,悪性腫瘍と並んで日本人における3大死因の1つであるが,わが国の脳血管障害死亡率は1970年代より着実に減少傾向にある。その要因として脳血管障害が軽症化したことや,その救命率が向上して多くの脳血管障害例が死に至らなくなったことが挙げられる1,2)。しかし,脳血管障害は軽症であっても,身体障害や機能障害をきたす最大の原因であり,社会に与える影響も大きい。したがって,脳血管障害のリスクが高い高齢者が急速に増加しているわが国においては,脳血管障害の発症機序を詳細に解明し,さらなる予防手段を講じることが医学的のみならず社会的にも重要な課題となっている。
脳梗塞を含む生活習慣病は,喫煙・飲酒などの生活習慣がその発症に大きく関わる疾患と考えられてきたが,近年のゲノム医学の進歩により,現在では,複数の環境要因と遺伝要因が複雑に影響しあい,その発症や進展に関わる多因子疾患と考えられている。環境要因については疫学研究・臨床研究などにより,多くの危険因子が詳細に検討されている。一方,遺伝要因については過去の双生児研究や家族歴研究から脳卒中における遺伝要因の関与が示唆されている3)が,その実態はほとんど明らかになっていなかった。しかし,2001年のヒトゲノム配列の解読や2005年の第1期国際ハップマッププロジェクト完了によりゲノムデータベース・ゲノムワイド関連解析技術の基盤整備がなされたことに加え,SNPタイピング技術が急速に進歩したことにより,ゲノム全体を網羅的に探索するゲノムワイド関連研究が可能となり,種々の疾患関連遺伝子群の同定が近年急速に進んでいる。本稿では,疾患関連遺伝子の探索方法の動向,および筆者らが行った脳梗塞のゲノムワイド関連解析の結果について概説する。
脳虚血と遺伝子
著者: 八木田佳樹 , 佐古田三郎 , 北川一夫
ページ範囲:P.1347 - P.1355
はじめに
脳組織は虚血ストレスに対して極めて脆弱であり,脳血管閉塞などによる強い虚血侵襲にさらされると,短時間のうちに不可逆的な変化をきたしてしまう。脳組織を構成する細胞の中でも神経細胞は虚血に対して脆弱であり,わずか数分の虚血ストレスにより細胞機能不全から細胞死に陥ってしまう。しかし,脳の主幹動脈が閉塞したような場合,極めて強い虚血がかかる虚血中心部の周辺には,直ちに組織変性に陥るほどではない程度の虚血がかかる,虚血辺縁部(ペナンブラ領域)が存在する。脳虚血急性期にはこのような領域が脳保護療法の対象となる。虚血辺縁部では神経細胞を含む組織構成細胞が虚血ストレスに対して応答し,その状態に適応しようとしてダイナミックな遺伝子発現を行っている(Fig.1)。また虚血辺縁部であっても虚血ストレスにより細胞障害性因子の活性化,微小循環障害による虚血領域の拡大による神経細胞死,脳組織障害の進行が報告されている1)。これらの現象にも種々の遺伝子発現を介する場合がある。
本稿では脳虚血病態を遺伝子発現変化の面から述べ,遺伝子発現変化に対する治療的な介入の可能性についても論じてみたい。
アスピリンレジスタンス
著者: 宮田茂樹 , 宮田敏行 , 嘉田晃子 , 長束一行
ページ範囲:P.1357 - P.1364
はじめに
生活水準の向上による高齢化や生活習慣病の罹病率の上昇により,不安定粥腫の破綻を契機として形成される動脈血栓症,すなわち脳梗塞や心筋梗塞などの克服が重要な課題となっている。これら,疾患をアテローム血栓症という包括した概念として捉え,検討することが提唱されている。実際,世界保健機関(WHO)からは,アテローム血栓症は世界の死因の約3割を占める人類最大の疾患であると報告されている。
動脈血流下では,液相の凝固カスケードは有効に機能せず,流動状況下で血管壁損傷部位に粘着し得る血小板の存在が,血栓形成の初期段階には必須となる。したがって,アテローム血栓症に対する最も基本的な薬物療法は,抗血小板療法となる。その中で,アスピリンは,その使用経験が長く,薬価が非常に安いという大きな利点を有しており,副作用として消化管出血,アスピリン喘息など注意すべき点も多いが,チエノピリジン系薬剤で発生するような血栓性血小板減少性紫斑病(thrombotic thrombocytopenic purpura:TTP),無顆粒球症,肝障害などの重篤な副作用に関する懸念が比較的少ないために,最も多用されている抗血小板薬である。
代表的抗凝固薬であるワルファリンは,その投与患者において,その効果をPT-INR(Prothrombin Time-International Normalized Ratio:プロトロンビン時間-国際標準化比)等でモニタリングしながら投与量を調節し,治療を行う。一方,アスピリンに代表される抗血小板薬は,モニタリングを行わず,一定量で投与されることが多い。しかしながら,アスピリンの血小板機能抑制効果には個人差がある,との報告が以前からなされており,アスピリンの効果に関するモニタリングの必要性について指摘する声もあった。
近年,このアスピリンの血小板機能抑制効果に関する個人差が,臨床的な意義を持つのではないか,すなわち,アスピリン投与を受けているにもかかわらず,血小板機能抑制効果が弱い患者群をアスピリン抵抗性(aspirin resistance)と定義した場合,アスピリンによって効果的に血小板機能が低下しているアスピリン感受性群の患者と比較して,アスピリン抵抗性群では,心血管イベントの再発が有意に多く認められるとの報告が増加し,「アスピリン抵抗性(aspirin resistance)」という概念が改めて注目を集めるようになった。この概念は,患者個々に合った薬剤ならびに投与量を,その効果をモニタリングしながら使用することで,最大限に有効で,かつ副作用の少ない治療を模索する個別化医療に向けた検討につながることもあり,さまざまな検討がなされてきている。
本稿では,アスピリン抵抗性(aspirin resistance)に関する現時点での流れについて概説するとともに,筆者らが行っているアスピリン抵抗性に関する多施設共同前向き観察研究である「アスピリン抵抗性の実態ならびにその遺伝子背景に関する研究(The Study on Profile and Genetic factors of Aspirin Resistance: ProGEAR study)」について,紹介したい。
ワルファリンレジスタンスと関連遺伝子多型
著者: 高橋晴美
ページ範囲:P.1365 - P.1371
はじめに
ワルファリン(warfarin: WF)は発売以来50年以上,世界で最も繁用されている抗凝固薬である。日本では2007年5月にフォンダパリヌクスが整形外科領域に限って承認されたが,経口投与可能な抗凝固薬は現在のところWFのみである。しかし,WF投与により生じる抗凝固効果(international normalized ratio: INR)には大きな個人差が存在するため,日本人におけるINRの目標値を2前後にコントロールするためのWFの維持投与量は,患者間で10倍以上も異なり,特に初期投与量の設定が臨床上困難となる。加えてWF投与は常に出血の危険性を伴うため,臨床上の有用性が十分に確立されているケース〔non-valvular atrial fibrillation: NVAFを合併する脳卒中ハイリスク患者など〕においても,現実的にはその使用が回避される場合もある。また,WFの平均投与量は白人・黒人に比較して日本人や中国人などのアジア人で少なく,人種差の存在が報告されているため1),欧米白人を対象とした臨床成績をもとに作成された抗凝固ガイドラインを,そのまま日本人に当てはめることの危険性が示唆される。そこでWFの応答性の個人差について,経口投与後WFが血中に現れるまでの体内動態(pharmacokinetics: PK)に関する過程と,WFが血中に現れてから抗凝固効果(international normalizedRatio:INR)を発現するまでの感受性(pharmacodynamics: PD)に関する過程に分けて,それぞれの過程に関わる影響因子について,日本人を含むアジア人,白人,黒人という異なる遺伝的背景,環境因子を有する患者を対象に,さまざまな研究が報告されている1,2)。それらの検討の結果,WFの応答性を決定する体内動態と感受性の個人差には,それぞれの過程に関与する異なる遺伝子変異が大きく影響していることが明らかにされた1,2)。本稿ではWFの投与量の個人差,特にレジスタンスに関連すると考えられる体内動態と,感受性に関わる変動因子も含めてretrospective,並びにprospective研究成果について,現在までに明らかになっている知見を紹介したい。
脳卒中の遺伝子治療
著者: 阿部康二
ページ範囲:P.1373 - P.1381
Ⅰ.脳梗塞治療の基本戦略
Fig.1に示すように,脳梗塞を中心とした脳卒中は,先天的な遺伝要因や後天的な環境要因のために,高血圧や高脂血症,糖尿病,肥満などの血管障害リスクを介して初回の発症に至る(上部)。いったん脳梗塞になってしまうと,脳細胞は極めて脆弱であるために急性期の治療は時間との戦いとなり,多くは後遺症を残し,やがて慢性期に再発を繰り返しながら寝たきりや死亡していく場合がほとんどである(Fig.1右下部)。近年発展してきた脳保護療法は,後遺症状軽減に大きな役割を果たしてきてはいるが,いまだ現場臨床医と患者本人の治療理想には到達していないのが現実である。そのような中で,この10年間に脳梗塞の治療基本戦略としては血流再開療法と脳保護療法,遺伝子・再生医療の3点であることが明確化してきた。本稿では脳梗塞の基本病態について述べ,次いで遺伝子治療を中心に再生医療との関連も含めて,治療戦略について述べる。
総説
未破裂脳動脈瘤の自然歴
著者: 森田明夫
ページ範囲:P.1383 - P.1389
はじめに
従来,脳動脈瘤はくも膜下出血(SAH)をきたして発見されるものであったが,近年magnetic resonance angiography(MRA)やcomputed tomographic angiography(CTA)などの非侵襲的な脳血管診断方法が発展し,破裂する以前に脳動脈瘤が数多く発見されるようになった。特にこの10年間は脳疾患のスクリーニング(人間ドックや脳ドック)を行い,このような無症候性疾患を発見し,未然に重篤な症候をきたすことを予防するという治療が行われてきた。報告によると,積極的に発見の努力をすると検査対象の4~6%に未破裂脳動脈瘤が発見されるという報告もある1)。このような未破裂脳動脈瘤が発見された場合には,その対処法を検討する必要がある。しかし未破裂脳動脈瘤は均一な病態を表しているわけではなく,成因,部位,形,大きさ,症状の有無などさまざまな特徴を持っており,これらの因子は将来の破裂の可能性や治療の難しさに深く関わっている2,3)。したがって,未破裂脳動脈瘤の臨床的意義は個々の症例によって差があることを認識しなければならない。治療適応は基本的には個々の瘤の自然歴予測と治療成績予測,また患者の身体・精神状況により決定される。
未破裂脳動脈瘤の発生・自然歴・治療成績等に関して,これまでに多くの単施設・多施設共同研究や疫学・データベース研究等が行われている。治療成績は各施設の熟練度や紹介患者の質などにより一般化は難しいが,自然歴に関しては日本においては日本脳神経外科学会が推進する日本未破裂脳動脈瘤悉皆調査4)(UCAS Japan:本調査の詳細はhttp://ucas-j.umin.ac.jp/を参照)や国立病院を中心とした小型脳動脈瘤の経過観察研究(SUAVe)5),また未破裂脳動脈瘤患者の生活の質や詳細なデータを収集するUCAS IIなどの前向き調査が推進されている。また,2003年には国際未破裂脳動脈瘤の前向き調査データが報告されている6)。本稿では,これまでに報告された未破裂脳動脈瘤の自然歴に関する情報をまとめる。
連載 神経学を作った100冊(23)
クロード・ベルナール 神経系の生理学および病理学の講義(1858年)
著者: 作田学
ページ範囲:P.1390 - P.1391
クロード・ベルナールは生涯に14冊前後の書物を出版した。その中で,主として神経学に関連した記述はこの本にまとめられている。これは1856年12月17日から1857年7月1日まで,コレージュ・ド・フランスで講義した内容をまとめ出版したものである1)。
第1巻には回帰性感覚の問題についてのベルナール自身の説明がある。それは1840年の初めにマジャンディーとロンジェの間で論争され,彼自身によって解決されていた。また脊髄根と脊髄についての自分の研究も収載した。まだ内勤助手のとき,彼はイヌで一方の後肢の後根を切断して,この感覚を失った肢ではもう体重を支えることができないことを示した。今度はさらに進めて,カエルで感覚を失わせた肢の動きがぎこちなくなり,協調性がなくなることを確認した。彼はこれらの効果が単に皮膚感覚,すなわち触覚の喪失によるものではないことを示した。なぜならカエルの後肢の皮膚を除神経してもカエルはいつもと同じように巧みに泳いだからである。これらの実験は,神経の協調作用に関するチャールス・シェリントン卿の研究を先取りしたものだった2)。
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あとがき フリーアクセス
著者: 水澤英洋
ページ範囲:P.1394 - P.1394
今回の特集は『脳卒中と遺伝子』である。東京女子医科大学の内山教授が中心となって企画され,17編の力作と総説の「未破裂動脈瘤の自然歴」とを併せて18編の一大特集が誕生した。その内容の概略は内山教授の「特集にあたって」を参照いただきたい。
脳卒中は単一臓器の疾患としては圧倒的に死因の第1位を占める国民病である。すべてのガン,すべての心疾患と比較しても第3位となり,その克服は国家的課題であると言ってもよい。また,急性期治療の進歩により一命は取り留めても片麻痺,失語症といったさまざまな機能障害を残すことが多く,disabilityの側面からはより多くの患者が苦しんでいることがわかる。さらに「脳卒中」には,いわゆる血管性認知症,血管性パーキンソニズム,血管性うつ状態などの,緩徐に進行する病態は含まれていないことを考えると,脳血管障害による生命,日常生活の活動度,生活の質への脅威はまさに甚大である。
基本情報
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