はじめに
生物学において再生とは,損傷を受けたり喪失した組織,器官などを修復し復元する現象のことを指す。ヒトの体の中には,肝臓のように再生能力の強い器官もあれば,再生能力が非常に乏しい器官も存在する。特に脳・脊髄からなる中枢神経系は,再生能力を持たない器官として長い間,位置づけられていた。これは,スペインの神経解剖学者であるCajal(1852-1934;1906年にノーベル医学生理学賞を受賞)によって「成体哺乳動物の中枢神経系は,損傷を受けると二度と再生しない」と結論づけられて以来,約70年もの間,「中枢神経系は再生しない器官である」というのが定説であり,中枢神経系の傷害および疾患の根治は非常に困難とされていた。しかし,ここ10余年ほどの間に,中枢神経系の再生に関する見方は大きく様変わりしてきている。その要因の1つは,Gageらによる成体神経幹細胞の発見である1)。成体哺乳動物の脳内のごく限られた部分では,神経新生が起こっていることが示されたのである。また,1981年に樹立されたマウスの胚性幹細胞(embryonic stem cell: ES細胞)はノックアウトマウスを作製するための細胞から,近年では再生医学の中核を担う細胞として脚光を浴び,多くの研究グループによって特定の神経細胞への分化・誘導に関する報告がされるようになった2-5)。さらに,1998年にはヒトES細胞が樹立され6),ヒトへの応用が現実味を帯び始めている7,8)。すなわち,このES細胞をうまく使うことにより,必要なときに必要な量だけ特定の神経細胞を作り出し,これを脳の損傷部位または病変部位に移植すれば,失われた神経機能の回復,さらには神経疾患の根治治療が期待できるというわけである。しかしながら,細胞移植にあたっては,①どのような細胞をどのくらいどの場所に移植すればよいのか,②移植された細胞が宿主側の神経ネットワークと機能的なネットワークを形成できるのか,③腫瘍化の問題,といった課題が残されている。さらに,損傷部位または病変部位が広範囲に及ぶ場合,複雑で立体的かつ機能的な組織を細胞移植のみでカバーしきれるのか,という課題もある。本稿では,再生医学に対して新たな観点からアプローチするために,脳を含むすべての組織を再生することが可能なプラナリアにおける脳再生の分子機構を紹介するとともに,パーキンソン病の発症と深い関わりがあるドパミン神経の再生機構についても併せて紹介する。
雑誌目次
BRAIN and NERVE-神経研究の進歩60巻4号
2008年04月発行
雑誌目次
増大特集 神経系の発生とその異常
プラナリアにおける脳再生の分子機構とドパミン神経ネットワークの再構築
著者: 西村周泰 , 北村佳久 , 阿形清和
ページ範囲:P.307 - P.317
成体脳のニューロン新生とその異常
著者: 金子奈穂子 , 澤本和延
ページ範囲:P.319 - P.328
はじめに
われわれ哺乳類の脳では,中枢神経系が形成される胎生期には神経幹細胞から多数のニューロンが産生されるが,発達期を終えた脳では新たなニューロンは作られないと,長年信じられてきた。しかしその後の研究で,海馬の歯状回や側脳室周囲の脳室下帯では,成体になってもニューロンの産生が持続していることが明らかになった。これらの場所で産生された新生ニューロンは,それぞれの適切な位置へ移動し,成熟ニューロンへと分化するという,脳の発生において観察されるような一連の過程を経て,既存の神経回路に編入される。また,近年の解析法や培養技術の発達により,ニューロン・アストロサイト・オリゴデンドロサイトのいずれにも分化することができる“多分化能”と同時に,自己と同等の幹細胞の性質を有する細胞を産生することができる能力“自己複製能”を保持した神経幹細胞が,成体脳にも脳室周囲を中心に分布していることがわかってきた。実際に生理的条件下でニューロンの産生を行っているのは,歯状回と脳室下帯という限定された部位だけである(Fig.1A)。これらの部位ではなぜ,どのようにニューロンの産生が維持されているのか,またそれにはどのような意義があるのかなど,成体のニューロン新生の制御機構や生理的意義には未解明な問題が多く残されている。ニューロン新生は,魚類・鳥類からヒトを含む哺乳類に共通する,進化の過程で保存された普遍的な機構であり1-4),そもそも生物学の研究対象として非常に興味深いものであるが,近年さらにニューロン新生がさまざまな侵襲に対する脳の再生・修復機構として機能すること,精神・神経疾患の神経病理・病態に関与することなども報告され,社会的にも大きな関心が寄せられている。本稿では,海馬・脳室下帯におけるニューロン新生の概要と,疾患や外的要因によって惹起されるこの過程の変化・異常について,最新の知見を含めて紹介する。
神経発生を制御する転写因子ネットワーク
著者: 影山龍一郎
ページ範囲:P.329 - P.333
はじめに
脳神経系は多様性に富んだニューロンとグリア細胞からなるが,これらの細胞は比較的均一な神経幹細胞から生み出される。神経幹細胞は,はじめ神経上皮細胞(neuroepithelial cell)と呼ばれ,対称分裂を行う(Fig.1)。すなわち,1個の神経幹細胞は2個の神経幹細胞に分裂して細胞数を増やす。やがて発生中期頃から,神経幹細胞は放射状グリア細胞(radial glial cell)と呼ばれる細胞に形態を変え,非対称分裂をするようになる(Fig.1)。これは,1個の神経幹細胞が2個の細胞に分裂するが,そのうちの1個は神経幹細胞で,もう1個はニューロンに分化する。神経幹細胞は,このような非対称分裂を繰り返すことにより,順次多くの種類のニューロンを生み出す。一部の神経幹細胞は,対称分裂をして2個のニューロンになる。ニューロンは外側に遊走し,新たな層を形成する(マントル層)。早期はマントル層の内側のニューロンが,後期になるほど外側のニューロンが形成される(inside-out)。一方,神経幹細胞は内側に残り(脳室周囲層),分裂を続ける。ニューロンの形成が終わると,特定の領域では神経幹細胞はグリア細胞の1つであるオリゴデンドロサイトに分化する(Fig.1)。最後に,神経幹細胞はもう1つのグリア細胞であるアストロサイトに分化する(Fig.1)。したがって,神経幹細胞は性質を変えることによって,①対称分裂による増殖,②ニューロンの形成,③グリア細胞への分化,という3つの過程が順番に起こる。この3つの過程は,いずれも塩基性領域・ヘリックス・ループ・ヘリックス(basic region-helix-loop-helix:bHLH)因子によって制御される。多様性に富んだニューロンのサブタイプの決定には,bHLH因子だけでは不十分で,ホメオドメイン因子などの他の種類の転写因子が関わる。本稿では,神経発生を制御する転写因子ネットワークを概説する。
発生・進化学的視点からみた大脳皮質の多様性の獲得機構
著者: 野村真
ページ範囲:P.335 - P.342
はじめに
“Nothing in biology makes sense except in the light of evolution1)”
「何故ヒトの脳は大きいのだろうか?」という問いに対して,多くの読者はヒト脳の容積の増大に伴う生理学的・機能的な意味,いわゆる合目的な答えを提示されれば満足されるかもしれない。あるいは「どのようにしてヒトの脳は作りだされるのだろうか?」という問いに対して,われわれは近年の分子生物学,発生生物学の飛躍的な成果を披露して答えることができるだろう。しかし,「何故ヒトの脳は他の動物と違って大きくなったのだろうか?」という問いは,形態獲得の内在的機構とそれを許した環境との歴史を問うているわけで,上記の答えを統合した,いわゆる進化学的な答えを用意しなくてはいけない。形態は機能と連関し,それらが環境によって選別されてきたのであれば,人間性(これも曖昧な言葉ではあるが)を生み出すわれわれの脳は,いつ,どのようにして他の動物と袂を分かちあったのだろうか。19世紀の偉大な古生物学・解剖学者であるRichard Owenは,類人猿と人類の脳の比較を行い,ヒト脳にのみ認められる構造物を同定し,これを「小海馬(hippocampus minor)」と名付けた2)。あるいはDNAの構造の発見で知られるFrancis Crickは晩年,大脳基底核の一部である前障(claustrum)に着目し,これこそが人間性の本質を生み出す構造物であると主張した3)。分子神経生物学,比較形態学的解析によって,脳の形態学的な差異を生み出す分子メカニズムについてはかなり多くの知見が得られているが,意外に脳の専門的研究者の間でもその研究成果は浸透していない。そこで本稿では,特に脊椎動物の大脳皮質に焦点を絞って,①羊膜類の大脳皮質の比較発生学的解析,②哺乳類大脳皮質の形態・機能的多様性の獲得を論じ,最後に③古人類から現世人類に至る過程での大脳皮質の進化に関する仮説を紹介したい。
神経系における細胞死の役割とその調節機構―選択的細胞死を中心に
著者: 大澤志津江 , 三浦正幸
ページ範囲:P.343 - P.350
はじめに
多種多様な神経系細胞を産生し,成熟させ,精巧な神経回路網を完成していく過程では,高次機能を発現するうえで必要とされる細胞の生存を保証するのみならず,その他の数多くの細胞を細胞死により除去することが必須である。ひとたび細胞の生死決定機構が破綻すると,場合によっては重篤な神経障害を惹起する。
細胞死は一見すると消極的な現象として映るうえに,組織から除去されるまでの一連の過程があまりにも速やかに進行してしまうために,観察するのが極めて難しく,長い間未開拓な状態が続いていた。しかし,細胞死を実行する遺伝子ced-3/カスパーゼの存在が明らかとなり,状況は一変する。線虫やショウジョウバエを用いた遺伝学的手法や,哺乳類培養細胞を用いた分子生物学的アプローチにより,細胞死の制御因子が次々と同定された。さらに,近年の目覚ましい実験技術の向上により,個体レベルで細胞死を操作し,生理学的意義を探ることが可能となった。発生の特定の時期にはゲノムの品質をチェックする機構が厳密に働き,損傷を受けた細胞を的確に除去する機能が遂行される。一方で,時には組織形成に関わる因子が,また時には高次機能を担う因子が細胞死制御因子に作用し,細胞の生死決定を通じて細胞社会の個性を【創】出する。死にゆく細胞が周りの細胞の増殖を誘導する事例も報告されており,細胞死は発生現象を支配する積極的なイベントとして捉えることができる。本稿では,神経細胞死の中でも特に,特定細胞に対して選択的に引き起こされる細胞死に焦点を当て,最近明らかにされたその調節機構と生理学的意義を概説する。
樹状突起構造の形成と維持を制御する分子基盤
著者: 榎本和生
ページ範囲:P.351 - P.364
はじめに
かつて,神経線維が連続的な構造物ではなく,ニューロンという最小単位から構成される不連続的なネットワークであることを提唱したのはRamon y Cajalである。Cajalを「ニューロン説」へと導いた方法論はいたってシンプルであり,ありとあらゆる生物の神経標本をゴルジ法により染色し,そのニューロンの形態を徹底的に模写することであった。固定した標本の観察から「ニューロンは,軸索(axon)と樹状突起(dendrite)という2種の機能的・構造的に異なる神経突起を持ち,情報は樹状突起から軸索へと一方向に流れる」ことを看破したのであるから,何たる慧眼であろう。
一世紀を経た現代でもなお,Cajalのスケッチは見る者に新鮮なインスピレーションを与えてくれる。実際に模写を眺めると,実に多様かつ特徴的な形状をした樹状突起が描かれている(Fig.1)。しかし,その配置は決してランダムではなく,明らかな規則性を持っている。例えば,似通った形状の樹状突起は必ず互いに固まって,層状もしくはカラム状に配置されている。小脳に特徴的なプルキンエ細胞様の樹状突起パターンを持つニューロンが,突如として大脳皮質に出現することはない。さらに,層内に存在するニューロン群に注目すると,同種の樹状突起はほぼ同一方向に整然と陳列されている。したがって,ニューロンはそれぞれ固有の「位置」に決まった「パターン(大きさ,複雑さ,方向,形態)」を持った受容領域を形成するようにプログラムされており,それが正確かつ効率的な神経回路網形成や情報処理の構造的基盤となっていることが推測できる。それでは,樹状突起の「位置」や「パターン」は,発生の過程においてどのように決定されるのだろうか?
最近,in vivoイメージング技術の向上や新たなプローブの開発,ゼブラフィッシュやショウジョウバエなどのモデル生物を用いた解析手法の確立に伴い,生体内における樹状突起のダイナミクスを詳細に観察しながら,同時にその分子基盤を同定することが可能となってきた。その結果,ニューロンは,自身が持つ遺伝情報に加えて,細胞外からの情報に依存して受容領域の「位置」や「パターン」を決定することが明らかとなり,その分子基盤に関する理解も進んでいる。また,ニューロンが一度受容領域を確定させると,それを積極的に「維持」するメカニズムが作動することも示唆されつつある。本稿では,技術革新に伴い明らかになってきたニューロンの固有の樹状突起構造を獲得し,それを維持するメカニズムについて,最近の知見を取り上げて概説する。なお,誌面の都合上,スパイン(spine)の形成・維持機構については触れない。興味ある方は,最近の優れた総説1,2)を参考にされたい。
脳発生におけるPax6の機能とその異常
著者: 松本葉子 , 大隅典子
ページ範囲:P.365 - P.374
はじめに
ヒトの脳には100~200億のニューロン(神経細胞)が存在し,その約10倍の数のグリア細胞(神経膠細胞)がニューロンの働きを助けていると考えられている。脳の中でニューロンは精緻な神経回路を形成し,高次機能を発揮している。
近年の分子発生学・分子遺伝学の進歩により,中枢神経系の発生を制御する分子メカニズムが明らかになり,さまざまな異常についてその責任遺伝子が同定されてきた。転写因子をコードするPax6遺伝子は,眼の形成に関するマスターコントロール遺伝子として発見され,その後の研究から神経管の領域化やニューロン新生,ニューロンの移動,神経軸索の伸長などさまざまな現象に関与していることが明らかになっている。本稿では中枢神経系の初期発生について概説し,胎生期におけるPax6の機能について解説する。最後に,生後のPax6研究の最近の知見について紹介する。
LIS1,Ndel1による細胞質ダイニンの制御機構と滑脳症の分子機構
著者: 広常真治
ページ範囲:P.375 - P.381
Ⅰ.滑脳症の分類と成因
滑脳症は,脳回の欠如による平坦な大脳表面と肥厚した大脳皮質を特徴とした先天性の脳形成の異常を示す一群の疾患を示す(Fig.1)1)。広義の滑脳症はさまざまな原因によって生じることが知られているが,その中でもⅠ型滑脳症(古典的滑脳症)に関する研究が進んでいる。Ⅰ型滑脳症はヒト染色体17番に位置するLIS1のヘテロ変異体によって生じる滑脳症2),LIS1を含む領域の染色体欠損に伴うMiller-Dieker症候群3),またX染色体に位置するdoublecortinの欠損に伴う滑脳症に分類される4)。
滑脳症の成因は,発生期に起こる神経細胞の遊走異常によるものである。神経細胞の遊走はventricular zoneに存在する神経幹細胞から生じた神経細胞が,大脳皮質を形成する際の長距離にわたる細胞移動であり,哺乳類の中枢神経系が形成されるときに普遍的にみられる現象である。この神経細胞の遊走により哺乳類の特徴である6層からなる大脳皮質が形成されるが,何らかの原因で神経細胞の遊走が障害されれば,正常な神経細胞の構築ができず,滑脳症に至る。
神経細胞移動の制御とその異常
著者: 八木秀司 , 佐藤真
ページ範囲:P.383 - P.394
はじめに
精緻な制御に基づく神経細胞の移動がなければ,神経系は正しく形成されない。中枢神経系では,脳室周囲で発生した神経細胞は,将来の神経回路構築の場に移動し,回路網を形成し脳・脊髄としての機能を実現する。末梢神経系では,神経堤より神経細胞が移動し,神経節や副腎髄質を構成するとともに,体内に広く神経ネットワークを張りめぐらす。一方,その移動異常により幾多の神経機能不全や神経疾患が生じることが知られている。
細胞の移動は特に神経細胞や神経系に限定した現象ではない。神経系形成時においてはグリア細胞も移動し,体内では炎症時の血球系の細胞や動脈硬化の初期に生じる平滑筋細胞の移動,そして転移時の癌細胞などの移動が知られており,むしろ細胞移動は生理的にも疾病時でも一般的にみられる現象といえる。さらには単細胞生物においても細胞遊走は一般的な現象としてよく知られている。それゆえ,移動に関わる分子の仕組みは広く細胞に共有されており,その仕組みの解明も,特に培養やアッセイが容易であるためか,粘菌などの単細胞生物,そして高等動物では血球細胞や癌細胞を研究対象として,著しく進みつつある。一方,細胞移動は組織内での細胞配置を決定する現象であるがゆえなのか,大脳皮質や小脳など規則的だが複雑な細胞配置を機能のよりどころとする組織においては,独特の細胞移動制御の仕組みの発達も著しい。本稿では,神経系での神経細胞移動現象を俯瞰するとともに,神経細胞移動の仕組みの解明に際し,参考になるであろう一般的な細胞移動制御の仕組み,そして脳内各部位においてどのような特化した仕組みが発達し,機能しているかに関する分子・細胞レベルでの研究の現状を,筆者らのデータも交え概説し,さらにはその破綻に伴う諸疾患について記す。
大脳皮質構築のメカニズム
著者: 小林和馬 , 仲嶋一範
ページ範囲:P.395 - P.403
Ⅰ.導入(introduction)
哺乳類の大脳皮質の形成過程は,ニューロンの複雑かつ多様な相互作用を基盤としている。皮質構築における1つの重要なステップは,ニューロンの移動(neuronal migration)である。特定の部位で誕生したニューロンは,長い距離を移動して最終配置部位へと到達し,大脳皮質を構築する。
ニューロンの移動には,大別して2種類の様式がある。1つは,興奮性ニューロンによる放射状移動(radial migration)である。興奮性ニューロンは主に脳室帯および脳室下帯近辺で誕生し,辺縁帯直下まで放射状に移動する。他方は,抑制性ニューロンによる接線方向への移動(tangential migration)である。抑制性ニューロンは主に腹側の基底核原基で誕生し,脳表面に沿って平行に移動し,皮質板へと移入する。
精神遅滞やてんかん,自閉症などのさまざまな精神神経疾患の構造的基盤として,ニューロンの移動・配置機構の破綻が関わっている可能性が近年見出されてきた。すなわち,ニューロンの移動は組織構築のみならず,大脳の正常な機能発現にとっての基礎的現象でもある。本レビューでは,ニューロンの移動を軸として,大脳皮質構築のメカニズムを概観する。なお,関連する重要な原著論文は以下に示すもの以外にも多数あるが,紙数の関係でやむを得ず大幅に引用数を制限せざるを得ないことを,あらかじめお詫びしたい。
神経細胞移動と軸索伸長のガイダンスメカニズム
著者: 田中大介 , 山内健太 , 村上富士夫
ページ範囲:P.405 - P.413
はじめに
神経系の機能は,複雑かつ精巧な神経回路の上に成り立っている。生物はその発生期に途方もなく複雑な神経回路を一から組み上げる。最終分裂を終えた神経細胞はまず,最終的に機能する位置まで移動した後,軸索を伸長させ適切な相手と機能的に結合し,正確な神経回路を構築する。したがって,神経回路形成において,適切な方向への神経細胞の移動ならびに軸索伸長は極めて重要な過程である。では,個々の神経細胞は実際,どのようにして標的を認識し標的へと移動しているのか? またその分子基盤は一体どのようなものか?
本稿ではまず,ガイダンス分子による細胞移動および軸索伸長の一般的なガイダンスメカニズムを示し,続いて哺乳類の神経発生において重要な役割を果たしていることが確認されている代表的なガイダンス分子と,それらによる細胞移動および軸索伸長における具体例を示していく。
視床皮質投射形成の分子機構
著者: 山本亘彦
ページ範囲:P.415 - P.423
はじめに
視床(thalamus)は外界からの感覚入力や,その他の脳部位からの信号の中継地である。感覚入力については,匂い以外の感覚情報はすべて視床を経由して大脳新皮質(neocortex)に送られる。すなわち,視覚,聴覚などの機能を受け持つ視床核が存在し,対応する大脳皮質の領域(領野)へ軸索を投射している。さらにその投射様式をみると,それぞれの視床核から発した線維は大脳皮質の中の特定の層に投射するという特徴がある。例えば感覚性の視床線維は,主として皮質第4層で枝分かれを作りシナプス結合を形成する。このように,視床皮質投射(thalamocortical projection)は大脳皮質の領野構造,層構造に依存して形作られている。
視床皮質投射は基本的には,胎児期あるいは胎児期から新生児期にかけて形成される。まず,それぞれの視床部位から発する視床皮質軸索(thalamocortical axon)は,いったん内包(internal capsule)に集まり,そこから大脳皮質へ向かう。さらに,視床皮質軸索は中間帯(intermediate zone)内を伸長し,対応する皮質領野に到着すると皮質板(cortical plate,将来大脳皮質の細胞層を構成する)に侵入を開始する1)。皮質板に入った視床皮質軸索は深層を通り抜け,特定の層で枝分かれを作り,シナプス結合を形成する。この一連の発生過程には,経路選択・標的認識を含むいくつものメカニズムが働いていると考えられる。
領域特異的な視神経投射形成の分子機構
著者: 新谷隆史 , 作田拓 , 野田昌晴
ページ範囲:P.425 - P.435
はじめに
網膜の神経細胞は網膜上に投影された二次元の像の情報を,その形を崩さずにそのまま脳に伝えている。それは,網膜の神経節細胞が網膜における二次元的な位置関係を保った状態で脳の神経細胞に投射しているからである。このように,投射元(起始核)の神経細胞の二次元的な位置関係が正確に保存された状態で,他の領域の神経細胞と神経結合をつくる様式を「トポグラフィックな投射(topographic projection)」と呼んでいる。トポグラフィックな投射は,神経系のさまざまな領域でみられ,神経回路形成の基本様式の1つである。ニワトリなど下等脊椎動物における網膜視蓋投射系は,トポグラフィックな投射の代表例として盛んに研究されてきた。ニワトリの網膜の鼻側(前側),耳側(後側),背側,腹側の4領域についてみてみると(Fig.1A),網膜の鼻側領域から発した視神経は,選択的に視蓋の後側に神経結合を形成する。一方,網膜の耳側領域から発した視神経は,やはり選択的に視蓋の前側に神経結合を形成する。同様に,網膜の背側からは視中枢である視蓋の腹側に,腹側からは背側の領域に投射が起きる。
本稿では,網膜視蓋投射系におけるトポグラフィックな投射が,発生過程においてどのような分子メカニズムによって形成されてくるかについて,主にニワトリの網膜視蓋投射系を用いて解説するが,哺乳類の網膜上丘投射においても同様のメカニズムが働いている。
滑脳症と小頭症の分子遺伝学
著者: 持田ガネシュワラン 仁司
ページ範囲:P.437 - P.444
はじめに
遺伝性の大脳皮質形成異常は,小児神経領域において非常に重要な疾患群である。これらは,個々の疾患としては比較的稀であっても,全体としては精神運動発達遅滞,てんかん,脳性麻痺などの大きな原因となっている。例えば,小児における難治性てんかんの症例では,その約40%が大脳皮質の形成異常によるものとの推定もある1)。また成人のてんかんについても,5%から15%程度において大脳皮質の形態的な異常が報告されている2)。したがって,これらの疾患の原因を究明することは,小児神経あるいは神経内科の臨床のうえで非常に重要となる。また,大脳皮質形成異常の原因遺伝子は,正常な大脳皮質の発生に必須の遺伝子である。故に,これらの遺伝子の機能を知ることは,正常な大脳皮質の発生メカニズムを知る手がかりを与えてくれる。近年,画像診断,および遺伝研究の進歩によって,この分野は格段の進歩を遂げ,多くの大脳皮質形成異常の遺伝子が発見されている。本稿では,これらの疾患の中でも,特に最近の研究が進んでいる疾患群である,滑脳症および小頭症を取り上げ,その臨床および原因遺伝子の機能などについて,最近の知見を概説する。
脳の発達異常と精神疾患
著者: 神谷篤 , 北畠康司 , 澤明
ページ範囲:P.445 - P.452
はじめに
精神疾患とは,アルツハイマー病などを含む老年期痴呆性疾患から,成人発症の統合失調症や気分障害,さらには小児の精神疾患(自閉症,アスペルガー症候群)などを幅広く含む疾患概念であるが,その多くの病因には脳の発達異常が関わることが示唆されている。小児精神疾患における脳の発達異常の関与は自明に思われるが,統合失調症などの成人発症の精神疾患においても,遺伝負因という観点でのハイリスク児童の研究などを通して,病因の少なくとも重要な部分には脳の発達異常が関わることが強く示唆されている。家族性アルツハイマー病の責任遺伝因子であるamyloid precursor protein(APP)の,神経発達期の神経遊走での機能はアルツハイマー病研究でもホットトピックであり,老年期痴呆性疾患においてもその背景に一部の神経発達をリスクの起因に求めようとする流れすらある。したがって,広く精神疾患の病態生理を考えていくうえで,脳の発達異常というのは看過できない概念となってきている。本論では誌面の限界もあるので,自閉症と統合失調症に力点をおいて,脳の発達異常との関わりについて述べる。
さて,脳の発達異常の関与を精神疾患で考えるうえで,念頭におくべき技術的問題が2つある。1つめはヒト組織を用いる際の研究での問題であり,2つめは動物モデル作成の際の問題である。ヒト組織の利用は病態生理研究に必須であるが,癌や糖尿病などの研究と異なり,精神疾患においては生検によってヒトの病変組織(脳)を得ることが難しく,剖検脳の利用が主となる。しかし,剖検脳を用いた研究には結果を解釈する際に大きな問題点がある。患者死亡時は発症時期から年月を経ているケースが多く,実際の発症時点での病理変化は反映されていないかもしれない。ましてや神経発達期に形成されると推定される病因の根本を,剖検脳からたどることは本当に可能だろうか。また精神疾患患者が受ける長期にわたる投薬治療は脳に二次的な変化をもたらし,剖検脳における病理変化を修飾する可能性が高い。したがって,疫学などさまざまなラインの研究が神経発達の異常と精神疾患の因果関係を強く示唆していても,ヒトの脳病理組織から得られる直接的な証拠には限界があることを認識しておく必要がある。こうしたヒト組織を用いた研究の難しさを補てんする意味では,動物モデルに期待する向きもあろう。しかし,多くの精神疾患は単一の遺伝子異常によって病気が生じるのではなく,おそらくは多数の遺伝子と環境因子の相互作用によって病気が起こるため,単純なノックアウトマウスやトランスジェニックマウスの解析は,多くの場合,精神疾患の動物モデルとしては不適切である可能性があることには注意をはらうべきであろう。これは動物モデルの重要性を否定するものではなく,脳の発達異常がいかに時間経過とともに病態を形成していくかということを調べるうえでは動物モデルが必須であることはもちろんであるが,研究デザインと解釈に相当な工夫が必要であるということを意味している。
こうした一般論をベースとして,次に自閉症と統合失調症について述べる。
脳の発達異常の画像診断
著者: 柳下章
ページ範囲:P.453 - P.462
はじめに
脳の発達異常の中で,今回はてんかんを呈する代表的な疾患である大脳皮質の形成障害と,若年者あるいは成人にもよく認められる脳梁の形成障害,および脂肪腫について取りあげる。
学会印象記
Annual Meeting of Society for Neuroscience 2007 (2007年11月2日~5日,サンディエゴ)
著者: 橋本款
ページ範囲:P.382 - P.382
本年度の北米神経科学会(Annual Meeting of Society for Neuroscience: SFN)は,メキシコのティファナ市に隣接したカリフォルニア州サンディエゴ市のコンベンションセンターにおいて開催された。今回は,世界各地から約33,000人の神経科学者が参加した。私自身,SFNはカリフォルニア大学サンディエゴ(UCSD)校留学中に何度も参加していたので,実は最も慣れ親しんだ学会であるが,今回の参加は3年前に東京都神経科学総合研究所(神経研)に赴任して以来であり,また久しぶりの南カリフォルニア訪問ということもあり,格別の感があった。
総説
心理物理学の神経学への応用
著者: 小山慎一
ページ範囲:P.463 - P.469
はじめに
心理物理学を一言で言えば「物理的な刺激(光,音,圧力など)と知覚の関係を調べる学問」である。錯視現象からもわかるように,人間の知覚は必ずしも物理的な世界と同一ではないため,物理的な刺激を人間がどのように知覚するかは実際に測って調べる必要がある。また,人間の知覚は加齢や病気などによっても変化するため,個々の人間が物理的刺激をどのように感じているのかを調べることは,その人の状態を把握するうえで非常に役に立つ。
心理物理学という言葉は多くの読者には聞き慣れないかもしれないが,実は心理物理学的な方法自体は診療場面のいたるところで用いられている。上記の定義に従えば,視野検査,聴覚検査,深部感覚検査などは心理物理学そのものである。また,水俣病関西訴訟では舌における2点識別覚の低下をメチル水銀中毒の影響によるものと認定すべきかどうかが裁判の争点の1つとなったが1),2点識別覚は心理物理学の創始者であるフェヒナーが考案した心理物理学的検査方法である2)。水俣病裁判の事例は心理物理学が,時として診断を左右しうることを示す1例である。
このように,心理物理学的手法は診療場面で感覚障害を評価するためによく用いられるが,最近では高次脳機能障害を含む幅広い疾患の評価に応用する試みもなされている。本稿では心理物理学的手法によって片頭痛に伴う視覚症状,後頭葉損傷患者の色覚障害,パーキンソン病患者の表情認知障害を評価した研究を紹介したい。
神経画像アトラス
髄膜癌腫症における特異的な脳幹部髄内の層状MRI病変
著者: 星野雄哉 , 小鷹昌明 , 平田幸一
ページ範囲:P.470 - P.471
症例 66歳,男性
主 訴 ふらつき歩行,物忘れ
現病歴 2004年3月(63歳)に肺腺癌と診断され,治療として経皮的マイクロ波凝固療法が選択された。2006年8月に再発したため,パラプラチンとドセタキセルとの併用化学療法を4コース行った。2007年1月からは,ゲフィチニブの内服を開始した。4月上旬より,食欲不振と物忘れ,ふらつき歩行が出現した。ふらつき歩行は徐々に進行し,6月には脚を開いて歩くようになった。まっすぐ歩けなくなり,日用品の置いてある場所がわからなくなってきたため6月下旬当院を紹介されてきた。
連載 神経学を作った100冊(16)
グラシオレ『人相と表情運動』(1865年),デュシェンヌ『人の表情の機構』(1862年)
著者: 作田学
ページ範囲:P.472 - P.473
さて,自然科学者のチャールズ・ダーウィンが『人および動物の表情について』で主に引用した3つの本のうちの2つはピエール・グラシオレの『人相と表情運動』1)と,デュシェンヌ・ド・ブーローニュの『人の表情の機構』2)であった。
ピエール・グラシオレ(Pierre Gratiolet,1815年7月6日~1865年2月16日)は,比較神経解剖学者として有名であり,gyri supramarginalisなど彼の命名した用語が残っている。ソルボンヌにおいて「人相について,特に表情運動の理論について」という講義を行い,これは1865年2月11日のRevue des Cours Scientifiquesに抄録が掲載され,さらに彼の死後,『人相および表情運動について』という書物にまとめられ,出版された(Fig.1,左)。
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あとがき フリーアクセス
著者: 中野今治
ページ範囲:P.478 - P.478
福山型先天性筋ジストロフィー(FCMD)の脳は,複雑に錯綜する細かい脳回と脳回同士の癒合像を呈する。1980年代の半ばに私がNHO下志津病院の筋ジス病棟に勤めていた頃には,その異常構造が形成される機序は不明であった。
数年経って,私が東京都神経科学総合研究所に移った頃には,本症の出生前診断が可能となり,人工流産した胎児脳が検索できるようになった。同じ頃,同研究所に小児神経病理の専門家である高田邦安先生がおいでになった。あるとき,戸田達史先生(現大阪大学教授)から高田先生のもとにFCMD胎児脳1個が検索のために送られてきたが,高田先生が急逝されたために私に検索の依頼がきた。
正常の脳表は,アストロサイトの突起とそれが作る基底膜から成るグリア限界膜で覆われている。FCMD胎児脳では,このグリア限界膜に各所で穴が空いており,そこから皮質ニューロンが脳外に遊走していた。電子顕微鏡で観ると,基底膜が穴の縁で鋭い刃物で切られたように途切れており,遊走してくる皮質細胞群の圧に負けて穴ができたと考えにくかった。一方,大脳皮質でグリア限界膜が保たれている箇所では,皮質ニューロンの遊出もみられなかった(Nakano I, et al., 1996)。つまり,遊出の原因は,グリア限界膜の穴であると推測された。
基本情報
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