はじめに
脳神経倫理は2002年に米国において学問領域としての成立宣言がなされた,脳科学研究の遂行上生じる実践的倫理問題,そして脳科学研究の成果がもたらす社会的影響や哲学的命題についての解決をめざした学際領域である1,2)。成立後は,米国やカナダ,英国などの研究者コミュニティと財団組織による精力的な活動によって,学術雑誌の刊行や社会人を対象としたサマースクール,大学院教育課程の実施など,学術基盤の形成と人材育成が本格化した3)。それらに呼応して,政府研究予算の交付も進んでいる。また,国際的な学会組織として2006年にはNeuroethics Societyが設立され,2008年から学術大会が始まっている。
筆者らは,2004年に設立された,脳神経倫理の学問探査ならびに啓発を専門とする,日本で初めての研究班のメンバーとして,(独)科学技術振興機構内の社会技術研究開発センター(Research Institute of Science and Technology for Society, RISTEX)を拠点として活動してきた。本稿では,日本における脳科学研究者コミュニティが主体となった脳神経倫理研究のこの4年間の歩みを紹介するとともに,現状における問題点を整理する。また,日本の国民を対象とした脳科学意識調査から見えてきた「脳科学と社会」の接点における倫理と教育の重要性に関する考察を含めて,日本における脳神経倫理研究の将来展望と脳科学研究者が果たす役割についても考えていく。
雑誌目次
BRAIN and NERVE-神経研究の進歩61巻1号
2009年01月発行
雑誌目次
特集 脳神経倫理
日本の脳神経科学研究における倫理―現状と将来展望
著者: 福士珠美 , 佐倉統
ページ範囲:P.5 - P.10
脳神経倫理と生命倫理―生命倫理のバルカン化論争と応用倫理の収斂
著者: 香川知晶
ページ範囲:P.11 - P.17
はじめに
近年登場した脳神経倫理(neuroethics)は活発な議論を展開し,順調に発展しているようにみえる。国際学会(Neuroethics Society)が組織され,“The American Journal of Bioethics-Neuroscience”や“Neuroethics”といった専門のジャーナルも刊行され始めた。そうして蓄積されつつある議論では,神経科学(neuroscience)に関わるさまざまな倫理的問題が取り上げられるだけではなく,脳神経倫理そのものの位置づけが大きな関心の的となってきた。後者に関しては,当初,もっぱら生命倫理(bioethics)に対する関係が議論されていた。それが最近では,単に生命倫理だけではなく,遺伝子倫理(genethics),ナノ倫理(nanoethics),情報倫理(information ethics),環境倫理(environmental ethics)といった多様な応用倫理との関係も含めて検討が加えられるようになっている。ここでは,論点を拡大しながら続けられてきた論争を概観することで,脳神経倫理のみならず,他の関連分野を含め,いわば収斂するNBICテクノロジー(nano-bio-info-cogno convergent technologies)を対象とする包括的な応用倫理研究を組織すべきときにさしかかっていることを指摘したい。
脳科学が社会に及ぼす影響
著者: 美馬達哉
ページ範囲:P.18 - P.26
はじめに
―認知的エンハンスメントをめぐる問題
今,オリンピックなどでのドーピングと同様に,脳ドーピング(brain doping)が問題となり始めている。スマート・ドラッグと呼ばれる薬物などを用いた知的能力の人為的増強・強化,つまり認知的エンハンスメント(cognitive enhancement)1)が可能となりつつあるからだ。
実際に米国では,試験を控えた学生などが,日中に異常な眠気を生じる病気であるナルコレプシー治療などに使われている薬物であるリタリン(R) (一般名:メチルフェニデート)をインターネット経由で入手して,それを利用して成績を上げようとするケースがあるらしい。リタリン(R)を病気治療目的ではなく,健常人が服用した場合でも,眠気をとったり,集中力を高めたりする働きがあるからだ。
このリタリン(R)も含めて,一般的に脳ドーピングに使われるのは,中枢神経刺激薬である。コーヒーや日本茶に含まれるカフェインもその一種で,眠気覚ましと集中力アップという効果はよく知られているとおりだ。もちろん,コーヒーに含まれる程度の量のカフェインで頭をはっきりさせることは違法ではないし,倫理的問題を生じることはない。その一方,法的な取り締まりの対象になる覚せい剤のように,依存性や毒性が強いものもある。医薬品として使われている薬剤を利用することの倫理性という問題は,ある意味では食品と違法薬物のボーダーラインと言ってもいい。
2008年1月には,非公式ではあるが,60カ国の約1,400人の読者を対象としたインターネット調査を科学雑誌Natureが実施し,リタリン(R)モダフィニル(ナルコレプシーの治療薬),βブロッカー(不整脈や高血圧の治療に使われるが抗不安作用がある)の病気治療目的ではない使用をした経験を尋ねた2)。その結果,これらの薬物(それ以外の同様の薬物を含む)の使用経験ありは5人に1人で,うち62%はリタリン(R)だったという。厳密な調査ではないため,データの信頼性という面では問題はあるものの,認知的エンハンスメントが現実味を帯びた問題であることをうかがわせる。また,今後,より効果的で有害作用の少ない睡眠異常症治療薬が開発されれば(これは患者にとっては好ましいことである),医療ではないエンハンスメント目的での使用が拡大する可能性もある。
これは,脳科学に基づく医療技術の発展が社会に与える影響の1例である。脳神経倫理(neuroethics)が果たすべき役割の1つは,こうした問題を倫理的・社会的・法的に検討することである。認知的エンハンスメントなどの脳科学技術の発展がもたらしうる諸問題に関して,わかりやすく検討するために,架空の物語ではあるが,ダニエル・キイスによる世界的ベストセラー『アルジャーノンに花束を』(原著1966年)3)を例に挙げて,整理してみよう。
脳深部刺激療法をめぐる脳神経倫理
著者: 片山容一 , 深谷親
ページ範囲:P.27 - P.32
Ⅰ.脳深部刺激療法の歴史
脳深部刺激療法あるいは脳深部刺激術(deep brain stimulation:DBS)は,脳内に柔らかい植込み電極を設置し,体内埋設刺激デバイスを用いて電気的パルスを送り込むことによって,さまざまな脳機能異常を調整・制御する技術である(Fig.1)。DBSが一般に知られるようになったのは,パーキンソン病など不随意運動への顕著な効果が認められて保険適用になった2000年以降である。しかし,DBSの研究には30年以上の歴史がある1)。そのことはあまり知られていない。
米国をはじめ,いくつかの国で現在のようなDBSの試みが開始されたのは1970年代である。筆者らも,1979年に本邦で最初のDBSを実施した2-5)。もちろん,それから植込み電極や体内埋設刺激デバイスにいろいろな改良が加えられた。DBSの研究を発展させたのは,いかなる薬物療法にも抵抗性の難治性疼痛であった。難治性疼痛は,疼痛の原因が末梢から中枢にまで広がってしまう病態(いわゆる中枢性疼痛)であることが多いため,脳機能異常を調整・制御する以外に治療の手段がなくなってしまっていることが少なくない。このような必要に迫られてDBSの研究が進んだのである。この難治性疼痛に対するDBSの研究は一定の成果を上げ,1992年に保険適用となった。
脳深部刺激療法の精神疾患への適用に対する安全性と神経倫理的考察
著者: 高木美也子
ページ範囲:P.33 - P.40
はじめに
ヒトの脳内神経回路網の一部を植込み電極と体内埋設型刺激デバイスで刺激する脳深部刺激療法(DBS:deep brain stimulation)は約20年前から始まり,不随意運動や難治性疼痛など多くの脳機能障害を劇的に改善させることが明らかになっている1)。DBSによる治療を受けた人は世界で4万人に達しており,安全性と有効性についてのかなりの症例が揃ってきている。現時点で,DBSの研究開発は,件数,症例ともアメリカが1位で,2位が日本(Fig)となっているが,世界的にも急速に普及してきており,今や脳神経外科領域の重要な一分野になりつつある。
世界的な流れとして,DBSの適応疾患は,不随意運動症や難治性疼痛にとどまらず,欧米諸国では強迫性障害(OCD:obsessive compulsive disorder),Tourette症候群やうつ病などの精神疾患にまで及び,有望な治療法として治験が始まっている2)。DBSは,脳機能を補完するものと考えられがちであるが,脳内の神経回路網に組み込まれた刺激デバイスが脳機能を改変する危険性を孕んでいる。特に神経疾患ではその影響が大きいと考えられる。欧米では,どのような安全基準で治験を行っているのか。自己決定能力の不足しがちな重度の精神神経疾患患者に対しては,インフォームド・コンセントのあり方はどのような倫理的配慮がなされているのか。
われわれは,2007年度NEDO国際共同研究先導調査事業として,研究調査テーマ名「ニューロサイエンスにおける安全性とわが国のライフサイエンス分野の研究活動への影響」の下に,アメリカ(Mayo Clinic -Jacksonville-FL,Emory Univ.-Atlanta-Georgia,Cleveland Clinic -Cleveland-OH,Univ. of Minnesota -MN,Mayo Clinic -Rochester-MN),ドイツ(Univ. of Tuebingen,Univ. of Bonn),フランス(Universitaire Sud, Paris) における神経疾患を対象としたDBS治験の実態について研究者らにインタビュー調査を行った3)。
現在,わが国で治療を受けているうつ病患者は約70万人で,年率2割程度で増加していることを考えると,DBSの神経疾患への応用について検討することは急務である。今回の結果を踏まえたうえで,日本で神経疾患を対象としたDBS治験を開始する際に,検討しなければならない倫理的課題を提言していく。
総説
組織プラスミノーゲンアクチベーター(t-PA)静注による血栓溶解療法―現状と将来展望
著者: 棚橋紀夫
ページ範囲:P.41 - P.52
はじめに
脳卒中による死亡者は,わが国では年間約13万人で死因の第3位であるが,脳卒中罹患患者は272万人と推定されている1)。脳卒中は高齢者に多い疾患であり,高齢者の寝たきり原因の最大の原因である。脳卒中のうち,脳梗塞はその3/4を占め最も多い。脳梗塞の急性期治療は,血栓溶解療法,脳浮腫治療薬,抗凝固療法,抗血小板療法,脳保護薬などがあり,これらの治療法が,発症後経過時間,重症度,臨床病型などを参考に選択される2)。複数の治療法が併用される場合が多い。これらの治療法のうち最も効果が期待されるのが組織プラスミノーゲンアクチベーター(t-PA)静注による血栓溶解療法であるが,出血性合併症のリスクもあるため厳格に症例を選択することが求められている3,4)。本稿では,t-PA静注療法の現状と問題点,将来展望について解説する。
経頭蓋直流電気刺激法―ヒト認知神経科学への応用
著者: 田中悟志 , 渡邊克巳
ページ範囲:P.53 - P.64
はじめに
知覚・運動・認知などのわれわれの心的機能を司る大脳皮質を構成する神経細胞は,電気信号によって情報を伝達する。したがって,逆に外部から何らかの方法で電気刺激を加えることにより神経細胞の活動および心的機能に影響を与えることができる。電気刺激の際,頭蓋骨等の電気抵抗が高いため,実際の効果を引き出すためには強い電流を流す必要があると考えられてきた。しかしながら近年,1mA以下の弱い直流電流でも神経系の活動が一過性に変化するという直接的な証拠が示され,経頭蓋直流電気刺激(transcranial direct current stimulation: tDCS)はヒトの脳活動を非侵襲的に修飾することのできる装置として,認知神経科学分野で脚光を浴びている1,2)。すでに英文ではtDCSを扱った総説がいくつか存在するが3-7),tDCSを用いた認知神経科学の最新の知見を幅広く体系的に扱ったものはない。また和文では実験論文も含めtDCSを扱ったものは極めて限られている8,9)。したがって,本論文ではtDCSの基本的原理やtranscranial magnetic stimulation(TMS)との違い,また安全性の面について可能な限り詳細に解説を行った。そして健常者および神経疾患患者を対象としたtDCS研究の最新の知見をまとめ,認知神経科学におけるtDCSの現在の位置づけおよび今後の展開について考察を行った。
原著
痙性斜頸患者におけるToronto Western Spasmodic Torticollis Rating Scale(TWSTRS)の評価者間信頼性の検討
著者: 梶龍兒 , 大澤美貴雄 , 柳澤信夫 , TWSTRS評価者間信頼性検討会
ページ範囲:P.65 - P.71
はじめに;研究目的と背景
痙性斜頸は,頸部筋の不随意的な収縮により引き起こされる頭頸部の不随意運動あるいは異常姿勢のことをいう。有病率は,日本では10万人あたり2.85人1),米国では10万人あたり9人2)あるいは30人3)との報告があり,日本よりも頻度は高い。診断基準は「頭頸部の筋緊張異常により頭位の異常を生じる病態」と定義され,日本においては欧米の定義が翻訳されて使用されている。また,治療の第一選択は世界的にボツリヌス毒素療法4-6)とされていることからも,日本と欧米で医療環境に大きな違いはないと考えられる。
痙性斜頸に対する有効な治療薬を開発するために客観的な評価尺度を用いることが重要になっている。痙性斜頸治療の評価尺度として,海外ではToronto Western Spasmodic Torticollis Rating Scale(TWSTRS)7)が治療効果の評価に用いられている。一般に,海外で作成された評価尺度を本邦で使用する場合,日本語への正確な翻訳が必須となるが,原著の意味を忠実に再現する訳語を当てはめることはしばしば困難である。したがって,使用する評価尺度によっては,例えば地域特有の質問などが含まれる場合には,事前にその日本語版の信頼性や妥当性を評価しておくことが重要である。
TWSTRS7)は1994年にConskiとLangによって開発された評価尺度であり,重症度,機能障害度および疼痛度を評価する3つの下位尺度から構成されている。このうち重症度スケールにおける信頼性および妥当性が報告されている。重症度スケールは本尺度の主要な構成要素であり,頭位偏倚の角度や偏倚の持続時間を評価するために用いられる。すなわち海外や日本とで共通した概念である「角度」や「時間」を評価の基準としているため,測定者間における評価の不一致などは少ないと考えられる。しかしながら,本邦では本尺度の使用経験がないためこれを裏付ける十分なデータは得られていない。そこで,米国において詳細な評価者訓練マニュアルが提示されているTWSTRS-重症度スケールについて,本邦における評価者間一致性を検討した。
Body lateropulsionを主症状とした橋病変の血管障害例の検討―延髄外側病変例との比較
著者: 和田裕子 , 高橋竜一 , 柳原千枝 , 西村洋
ページ範囲:P.72 - P.76
はじめに
Axial lateropulsion,もしくはlateropulsion of the body(以降,lateropulsion)とは,一側に体が不随意に倒れてしまう症状のことを言い,延髄外側梗塞で出現する症状の1つとして,よく知られている1)。延髄外側梗塞の場合,ほとんどの例で,lateropulsionばかりでなく,その他の症状,例えば,交叉性感覚解離,ホルネル徴候,四肢の失調症状,軟口蓋麻痺などの症状を伴っていることが多い。しかしながら,lateropulsionを主徴とし,その他の症状は極めて軽微であるか,あるいは伴わない延髄外側病変例の報告は,いまだ数少ない2-6)。また,延髄外側部以外でのlateropulsionの責任病巣の報告は,上下小脳脚7),小脳下部8)などが散見されるのみで,橋の報告は1件のみである。
今回われわれは,lateropulsionを主徴とした橋の血管病変例2例について,延髄外側の血管病変例3例との症候学的差異を含めて検討した。
症例報告
長期にわたって単純部分発作として治療され,経過中に小脳失調をきたした若年ミオクロニーてんかんの1例
著者: 溝井令一 , 住田直子 , 山元敏正 , 小森哲夫 , 田村直俊 , 島津邦男
ページ範囲:P.77 - P.81
はじめに
若年ミオクロニーてんかん(juvenile myoclonic epilepsy:JME)1-3)は,1989年にInternational League Against Epilepsy(ILAE)に提唱された全般性てんかん症候群の1つ4)で,思春期頃に発症し短時間のすばやいミオクローヌスを発作型とし(ミオクロニー発作),全般強直間代痙攣を伴うが意識は保たれる。発作間欠期には神経学的異常所見はなく,治療はバルプロ酸ナトリウム(VPA)が第1選択薬6,9,11)であり,良好に反応し予後はよいとされる。
今回われわれは17歳で発症し,単純部分発作として治療されていたが,発症60年後の77歳にして初めて若年ミオクロニーてんかんと診断され,VPAが著効した1例を経験した。本例では小脳失調,小脳萎縮を呈していた。フェニトイン(PHT)長期服用の副作用が疑われた。本疾患を発症早期から的確に診断することはてんかんのコントロール,薬剤の副作用防止のため重要と考え,文献的考察を加えて報告する。
Embolus protection filterを用いたステント留置術でshower embolismをきたした内頸動脈狭窄症の1例
著者: 林健太郎 , 北川直毅 , 森川実 , 日宇健 , 諸藤陽一 , 陶山一彦 , 永田泉
ページ範囲:P.83 - P.87
はじめに
頸動脈ステント留置術における脳塞栓の予防は必須と考えられている1-3)。本邦では主にバルーンによる血流遮断法が用いられてきたが4),頸動脈ステントが保険承認され,embolus protection filterによるdistal protectionが広まりつつある。今回,われわれはembolus protection filterを用いたステント留置術でshower embolismをきたした症例を経験した。Filterの組織学的所見をふまえてその病態を検討する。
頸椎後縦靱帯骨化症に対する椎弓形成術後に水頭症を合併した1例
著者: 松田良介 , 合田和生 , 中瀬裕之 , 青山信房
ページ範囲:P.89 - P.92
はじめに
後縦靱帯骨化症に対する後方除圧術である椎弓形成術は確立された手術方法であるが,その合併症としてはC5麻痺や頸部の不安定性,感染症,人工骨離脱,などが挙げられる。しかし,椎弓形成術後に合併した水頭症の報告は過去に1例のみであり,非常に稀な病態といえる。本症例では,術中に硬膜損傷の所見がなかったにもかかわらず,術後1カ月間で水頭症を呈し,皮下髄液貯留がみられた。硬膜損傷とその後の皮下髄液貯留がなんらかの髄液の循環動態に変化をもたらし,水頭症をきたしたものと考えられるが,その詳細なる機序は不明である。本症例の臨床経過をふまえて考察する。
このヒトに聞く
原典から学ぶ神経学
著者: 萬年甫 , 岩田誠
ページ範囲:P.93 - P.101
大学の脳研究施設で初めて脳の連続標本を観察された日から60年,萬年 甫先生は脳の世界に魅せられ,「クラシック」ということばを糧に原典となる数多くの文献を原書で読まれ,鋭い洞察力,探究心,そして創造性をもって標本と向き合って来られた。その情熱に魅せられ萬年先生の講座の扉を叩いた学生は数多く,現在では神経解剖学をはじめ,生理学,神経内科学,脳神経外科学,精神科学など多方面で活躍している。今回,萬年先生を師と仰ぐ本誌編集委員の岩田 誠先生に,萬年先生が過去,現在,未来へと追い求められているものについてインタビューしていただいた。〈2008年5月8日収録〉
連載 神経学を作った100冊(25)
ウィリアム・カレン 「医学実地初歩」(1776~1790)
著者: 作田学
ページ範囲:P.104 - P.105
ウィリアム・カレン(William Cullen)は,英国で18世紀を通じてもっとも優れた臨床家のひとりと数えられている。彼は1710年にスコットランドのハミルトンの裕福な家に生まれ,17歳の時にグラスゴー大学に入学した。しかしながら,医学部には数人の教授がいたが,称号だけで,教育はしていなかった。そのため,2年間をグラスゴーの外科医ジョン・ペイズリーのもとで徒弟として過ごした後,ロンドンへ出て,さらに教育を受けた。船の外科医の職を得て,西インド諸島へ2年間の航海をした。そののち,内科医(MD)になることを決心し,1734年から1736年にエジンバラ大学医学部に進んだ。このころ学生の討論クラブに所属していたが,これは後に王立医学協会の母胎となった。当時のエジンバラの医学者の多くがオランダのライデン大学に留学したものだったが,カレンはついに留学することはなかった。その後ハミルトンにもどり,ハミルトン公爵の侍医となった。ハミルトンで開業してまもなく,ウィリアム・ハンターという若者と知り合い,ハンターとは生涯を通じて親しく付き合うことになる。カレンの門下生になったハンターは基礎医学を学び,解剖学を修得するためにエジンバラ大学へ進み,最新の出産方法を学ぶためにロンドンへ出て勉強をした。そこで多くの学生に外科学と産科学を教えることになる。
カレンは1740年にMDの称号をグラスゴー大学から受け,1746年から教育職に就くことになった。1751年にグラスゴー大学の医学教授となり,化学と医学の教育を続けた。1755年にはエジンバラ大学化学教授になり,1757年にエジンバラ王立病院で臨床教育を開始した。1766年には生理学の教授に任命され,1769年から医学実地を講義しはじめ,63歳(1773年)になって,はじめてエジンバラ大学の医学教授の職に就いた。1789年にこの職を退き,1790年に死亡した1)。
書評
「脳の機能解剖と画像診断」―真柳佳昭●訳 フリーアクセス
著者: 中野今治
ページ範囲:P.102 - P.102
本書は『脳の機能解剖と画像診断』と命名されている。脳の図譜とそれに対応する脳画像(主としてMRI)が見開き2頁で見やすく提示されている。
しかし,本書は画像診断のための単なるアトラスではない。「最新の画像診断機器は患者にとって不利益ともなり,危険ともなりうる」(p1)。そのとおりである。このような記載は脳画像の他書にはみられない。「画像診断によって一目瞭然な病的所見が,いつも臨床症状を起こしている原因とは限らない。画像上の病理所見と臨床症状とを関連付けるには,機能局在に関する神経解剖学の知識が必要である」(p1)。全面的に賛成である。本書は画像の書であるが,神経学の基本的考えで裏打ちされている希有な書である。
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あとがき フリーアクセス
著者: 高坂新一
ページ範囲:P.110 - P.110
今回のあとがきでも相変わらず暗い社会情勢を書かざるを得ないことが残念である。米国発の世界的経済恐慌,迷走する国会,そして社会を震撼とさせた元厚生事務次官殺傷事件などなど。誠に理解に苦しむ世の中になったものである。環境問題もあることだし,そろそろ覚悟を決めて「3丁目の夕陽」の如き社会への復帰をめざす時期に来ているのではなかろうか。
暗いニュースが多い中でも一瞬小さな幸せを感じることもできた。この「あとがき」は11月末に書いているが,先週木曜日にボジョレーヌーボが解禁された。今年5月にフランスを襲った雹のためブドウの収穫に影響があったとのニュースで心配していたが,確かにワイン生産量は激減したものの,バラを思わせる香り,しっかりとしたタンニンそしてバランス良い酸味と上々の出来であった。ユーロ安で昨年に比べ価格が下落したことも嬉しい材料であった。
基本情報
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特集 パーキンソン病診療の現在地—200年の変遷と新規治療
71巻7号(2019年7月発行)
増大特集 人工知能と神経科学
71巻6号(2019年6月発行)
特集 補体標的治療の現状と展望
71巻5号(2019年5月発行)
特集 NPSLE
71巻4号(2019年4月発行)
増大特集 神経学のための皮膚アトラス
71巻3号(2019年3月発行)
特集 Spine Neurology
71巻2号(2019年2月発行)
特集 “スポーツ”を生み出す脳
71巻1号(2019年1月発行)
特集 人工知能の医療応用Update
70巻12号(2018年12月発行)
特集 主訴に沿う—俯瞰し収束する画像診断の目
70巻11号(2018年11月発行)
増大特集 脳科学で解き明かす精神神経症候
70巻10号(2018年10月発行)
特集 「左脳と右脳」の現在
70巻9号(2018年9月発行)
特集 脳神経内科診療に役立つ精神科の知識
70巻8号(2018年8月発行)
特集 レヴィ小体型認知症の新知見
70巻7号(2018年7月発行)
増大特集 記憶と忘却に関わる脳のしくみ—分子機構から健忘の症候まで
70巻6号(2018年6月発行)
特集 芸術を生み出す脳
70巻5号(2018年5月発行)
特集 非アルツハイマー型認知症の病理学
70巻4号(2018年4月発行)
増大特集 Antibody Update 2018
70巻3号(2018年3月発行)
特集 『認知症疾患診療ガイドライン2017』を読み解く
70巻2号(2018年2月発行)
特集 知っておきたい神経感染症
70巻1号(2018年1月発行)
特集 筋痛性脳脊髄炎/慢性疲労症候群の今
69巻12号(2017年12月発行)
特集 運動異常症をみる—Web動画付録つき
69巻11号(2017年11月発行)
増大特集 こころの時間学の未来
69巻10号(2017年10月発行)
特集 成人てんかん—知っておきたい6つのトピック
69巻9号(2017年9月発行)
特集 ミクログリアと精神・神経疾患
69巻8号(2017年8月発行)
特集 遺伝性脊髄小脳失調症の病態と治療展望
69巻7号(2017年7月発行)
増大特集 あしたのアルツハイマー病治療
69巻6号(2017年6月発行)
特集 局在病変の神経心理学
69巻5号(2017年5月発行)
特集 Voxel-Based Morphometry—体積からわかること
69巻4号(2017年4月発行)
増大特集 ブロードマン領野の現在地
69巻3号(2017年3月発行)
特集 磁気刺激の新たな展開
69巻2号(2017年2月発行)
特集 Stroke-Like Diseases—鑑別時に注意を要する5病態
69巻1号(2017年1月発行)
特集 近年注目されている白質脳症
68巻12号(2016年12月発行)
特集 炎症性神経・筋疾患の新たな展開
68巻11号(2016年11月発行)
増大特集 連合野ハンドブック
68巻10号(2016年10月発行)
特集 アディクション—行動の嗜癖
68巻9号(2016年9月発行)
特集 自己免疫性脳炎・脳症
68巻8号(2016年8月発行)
特集 こころと汗
68巻7号(2016年7月発行)
増大特集 認知症の危険因子と防御因子
68巻6号(2016年6月発行)
特集 脳とフローラ
68巻5号(2016年5月発行)
特集 手の症候学—生理学・解剖学からみた新知見
68巻4号(2016年4月発行)
増大特集 治せる認知症
68巻3号(2016年3月発行)
特集 末梢神経の血管炎
68巻2号(2016年2月発行)
特集 筋疾患の認知機能障害
68巻1号(2016年1月発行)
特集 シャルコー・マリー・トゥース病
67巻12号(2015年12月発行)
特集 視床と高次脳機能
67巻11号(2015年11月発行)
増大特集 ギラン・バレー症候群のすべて—100年の軌跡
67巻10号(2015年10月発行)
特集 非・日常生活の脳科学
67巻9号(2015年9月発行)
特集 酵素補充療法
67巻8号(2015年8月発行)
特集 神経難病の終末期医療
67巻7号(2015年7月発行)
増大特集 神経疾患と感染症update
67巻6号(2015年6月発行)
特集 脳と「質感」
67巻5号(2015年5月発行)
特集 NCSE(非痙攣性てんかん重積状態)
67巻4号(2015年4月発行)
増大特集 大脳皮質vs.大脳白質
67巻3号(2015年3月発行)
特集 中枢神経の血管炎
67巻2号(2015年2月発行)
特集 「食べる」を考える
67巻1号(2015年1月発行)
特集 ニューロトキシコロジー
66巻12号(2014年12月発行)
特集 Orthopaedic Neurology—神経内科と整形外科の狭間で
66巻11号(2014年11月発行)
増大特集 神経症候学は神経学の“魂”である
66巻10号(2014年10月発行)
特集 分子を撃つ 神経疾患治療の新しい水平線
66巻9号(2014年9月発行)
特集 痙縮の臨床神経学
66巻8号(2014年8月発行)
特集 神経系の悪性リンパ腫update
66巻7号(2014年7月発行)
増大特集 アミロイド関連神経疾患のすべて―封入体筋炎からアルツハイマー病まで
66巻6号(2014年6月発行)
特集 ミラーニューロン
66巻5号(2014年5月発行)
特集 アセチルコリンと神経疾患―100年目の現在地
66巻4号(2014年4月発行)
増大特集 タッチ・ビジョン・アクション
66巻3号(2014年3月発行)
特集 神経筋疾患の超音波診断
66巻2号(2014年2月発行)
特集 糖尿病の神経学revisited
66巻1号(2014年1月発行)
特集 日常生活の脳科学
65巻12号(2013年12月発行)
特集 プロテイノパチーの神経病理学
65巻11号(2013年11月発行)
増大特集 Close Encounters―臨床神経学と臨床免疫学の遭遇と未来
65巻10号(2013年10月発行)
特集 神経系の発達メカニズム―最近の話題
65巻9号(2013年9月発行)
特集 Common diseaseは神経学の主戦場である―現状と展望
65巻8号(2013年8月発行)
特集 こころの時間学―現在・過去・未来の起源を求めて
65巻7号(2013年7月発行)
増大特集 あしたの脳梗塞
65巻6号(2013年6月発行)
特集 見せる・仕分ける―脳機能解析の新手法
65巻5号(2013年5月発行)
特集 てんかん―新しいパースペクティブ
65巻4号(2013年4月発行)
増大特集 Antibody Update
65巻3号(2013年3月発行)
特集 次世代シーケンサーによる神経変性疾患の解析と展望
65巻2号(2013年2月発行)
特集 血液脳関門研究の進歩
65巻1号(2013年1月発行)
特集 Corticobasal Syndrome
64巻12号(2012年12月発行)
特集 The Border-Land of Dementia
64巻11号(2012年11月発行)
増大特集 痛みの神経学―末梢神経から脳まで
64巻10号(2012年10月発行)
特集 辺縁系をめぐって
64巻9号(2012年9月発行)
特集 高次脳機能イメージングの脳科学への新展開
64巻8号(2012年8月発行)
特集 線条体の基礎と臨床
64巻7号(2012年7月発行)
増大特集 顔認知の脳内機構
64巻6号(2012年6月発行)
特集 睡眠と覚醒の脳内機構
64巻5号(2012年5月発行)
特集 神経疾患のバイオマーカー
64巻4号(2012年4月発行)
増大特集 パーキンソン病の新しい側面
64巻3号(2012年3月発行)
特集 アカデミアから新規治療の実現へ―トランスレーショナルリサーチの現状
64巻2号(2012年2月発行)
特集 生物学的精神医学の進歩
64巻1号(2012年1月発行)
特集 iPS細胞と神経疾患
63巻12号(2011年12月発行)
特集 神経心理学と画像解析の融合
63巻11号(2011年11月発行)
増大特集 筋疾患update
63巻10号(2011年10月発行)
特集 緩徐進行性高次脳機能障害の病態
63巻9号(2011年9月発行)
特集 脳卒中の最新画像診断
63巻8号(2011年8月発行)
特集 日本人の発見した神経症候
63巻7号(2011年7月発行)
増大特集 神経筋接合部―基礎から臨床まで
63巻6号(2011年6月発行)
特集 ニューロパチー
63巻5号(2011年5月発行)
特集 神経系と血管内リンパ腫
63巻4号(2011年4月発行)
増大特集 てんかんの新しい治療
63巻3号(2011年3月発行)
特集 サイバーナイフ治療
63巻2号(2011年2月発行)
特集 続・日本人の発見した神経疾患
63巻1号(2011年1月発行)
特集 血管腫
62巻12号(2010年12月発行)
特集 頸部頸動脈狭窄症の診断と治療
62巻11号(2010年11月発行)
増大特集 歩行とその異常
62巻10号(2010年10月発行)
特集 ブレインバンク
62巻9号(2010年9月発行)
特集 視神経脊髄炎(NMO)update
62巻8号(2010年8月発行)
特集 辺縁系脳炎
62巻7号(2010年7月発行)
増大特集 アルツハイマー病―研究と診療の進歩
62巻6号(2010年6月発行)
特集 改正臓器移植法の問題点とその対応
62巻5号(2010年5月発行)
特集 神経画像のピットフォール―見落としと読み過ぎ
62巻4号(2010年4月発行)
特集 傍腫瘍性神経筋疾患update
62巻3号(2010年3月発行)
特集 神経回路解析法の最近の進歩
62巻2号(2010年2月発行)
特集 ニューロリハビリテーションの最前線
62巻1号(2010年1月発行)
特集 神経救急
61巻12号(2009年12月発行)
特集 Somatotopy再考
61巻11号(2009年11月発行)
特集 前頭側頭葉変性症
61巻10号(2009年10月発行)
特集 片頭痛の予防療法
61巻9号(2009年9月発行)
特集 脳血管障害治療の進歩
61巻8号(2009年8月発行)
特集 神経・筋疾患の分子標的治療
61巻7号(2009年7月発行)
特集 脳腫瘍研究の最前線―遺伝子解析から治療まで
61巻6号(2009年6月発行)
特集 脊椎・脊髄外科の最近の進歩
61巻5号(2009年5月発行)
特集 Restless legs syndrome
61巻4号(2009年4月発行)
特集 大脳基底核―分子基盤から臨床まで
61巻3号(2009年3月発行)
特集 Microneurography(微小神経電図法)の臨床応用
61巻2号(2009年2月発行)
特集 神経系の再興感染症と輸入感染症
61巻1号(2009年1月発行)
特集 脳神経倫理
60巻12号(2008年12月発行)
特集 痙縮
60巻11号(2008年11月発行)
特集 脳卒中と遺伝子
60巻10号(2008年10月発行)
特集 若年者の脳卒中
60巻9号(2008年9月発行)
特集 知・情・意の神経学
60巻8号(2008年8月発行)
特集 脳硬膜動静脈瘻
60巻7号(2008年7月発行)
増大特集 学習と記憶――基礎と臨床
60巻6号(2008年6月発行)
特集 Crow-深瀬症候群(POEMS症候群)
60巻5号(2008年5月発行)
特集 「痛み」の研究と治療の最前線
60巻4号(2008年4月発行)
増大特集 神経系の発生とその異常
60巻3号(2008年3月発行)
特集 特発性正常圧水頭症(iNPH)―最近の話題
60巻2号(2008年2月発行)
特集 がん治療と神経障害
60巻1号(2008年1月発行)
特集 日本人の発見した神経疾患
59巻12号(2007年12月発行)
特集 損傷神経の再生―温存的治療法の開発
59巻11号(2007年11月発行)
特集 手根管症候群をめぐって
59巻10号(2007年10月発行)
増大特集 ALS―研究と診療の進歩
59巻9号(2007年9月発行)
特集 パーキンソン病の認知機能障害
59巻8号(2007年8月発行)
特集 パーキンソン病の分子遺伝学―最近の知見
59巻7号(2007年7月発行)
増大特集 情報伝達処理におけるグリアの機能と異常
59巻6号(2007年6月発行)
特集 職業性神経障害の新しい展開
59巻5号(2007年5月発行)
特集 脳画像最前線
59巻4号(2007年4月発行)
増大特集 最近注目される脳神経疾患治療の研究
59巻3号(2007年3月発行)
特集 分子イメージング
59巻2号(2007年2月発行)
特集 進行性多巣性白質脳症の新しい展開―PMLが治る時代へ向けて
59巻1号(2007年1月発行)
特集 高次視覚研究の最近の進歩