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書評
「神経解剖カラーテキスト 第2版」―AR Crossman,D Neary●著,野村 嶬,水野 昇●訳 フリーアクセス
著者: 木下彩栄1
所属機関: 1京都大学大学院人間健康科学系専攻
ページ範囲:P.1424 - P.1424
文献概要
本書の序盤には,臨床診断の基本原理,最後に症例検討問題が配置されるなど,全体的な構成においても効率的な自己学習のための工夫が凝らされている。また,その他の項にも学習者のモチベーションを刺激する臨床関連事項が適度に散りばめられており,所期の目標の達成に成功したといえる。複雑化・高度化する臨床医学分野において専門職として要求される知識量は増加の一途をたどっている。神経解剖学分野に限らず,基礎教育に割り当てられる時間数が圧縮される傾向は今後も続くと思われる。医学の将来を担う教育カリキュラムや教材の最適化は永遠の課題であるが,上記の指針に沿った本書のコンセプトは普遍的な価値を持つであろう。
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