本特集号が多くの神経科学者や,神経内科医,脳神経外科医,あるいは医学生の眼に触れることを考慮して,まず「錐体外路」という言葉について一言お断りしておきたい。今日でもいまだに「錐体外路系」,「錐体外路疾患」,「錐体外路症状」という言い方がしばしば用いられているが,そもそも錐体外路とは,「錐体路(皮質脊髄路)」と並行するように,大脳基底核等の運動中枢を介して大脳皮質運動領野が脊髄に連絡する神経路が存在するという前提に基づき,100年近く前に誕生した言葉である。名づけ親はS. A. K. Wilsonであり1),事実,彼は錐体外路という言葉を初めて使用したが,決してそれを明確に定義したのではなく,むしろ後世の研究者や臨床医が錐体路以外の運動実行システムの総称として便宜上用いてきたと思われる。では,敢えて錐体外路を定義すると,どのようになるであろうか? 原点に立ち返ると,錐体外路とは大脳基底核,特にcorpus striatum(線条体および淡蒼球の総称)と密接な相互連絡を持ち,かつ脊髄に直接投射するような脳領域を経由する多シナプス性神経路のことである。しかしながら,このような条件を満足する神経路は実際には存在しない。すなわち,corpus striatumと相互連絡を持つ黒質や視床下核(大脳基底核の構成要素)は脊髄に直接投射しないし,逆に,脊髄への直接投射を有する赤核や脳幹網様体はcorpus striatumと相互に連絡しない2)。
雑誌目次
BRAIN and NERVE-神経研究の進歩61巻4号
2009年04月発行
雑誌目次
特集 大脳基底核―分子基盤から臨床まで
大脳基底核の構造―細胞構築と神経回路
著者: 藤山文乃
ページ範囲:P.341 - P.349
はじめに
大脳基底核は小脳とともに錐体路の運動系を修飾し,運動をスムーズに遂行するための大脳核である。また,パーキンソン病やハンチントン病など働き盛りの年代の身体的社会的活動を奪う難治性疾患の病変部位でもあり,この領域のネットワークの解明は社会的にも大きな問題である。さらに最近では黒質-線条体のドーパミン系を中心に,報酬系や強化学習などの新たな機能的側面も注目されている。しかしこの領域には,直接路・間接路投射系,およびストリオソーム・マトリックス構造という2つの概念が共存しており,ネットワークの明確な理解を現在もなお困難にしている。この章では,新しい知見もふまえ大脳基底核の構造を解説する。
大脳皮質―大脳基底回路の構造―平行ループ回路と収束・発散回路
著者: 宮地重弘
ページ範囲:P.351 - P.359
はじめに
大脳基底核は,パーキンソン病,ハンチントン舞踏病などの神経疾患の責任部位であるほか,強化学習,手続き学習などの認知機能にも深く関わっていることが示唆されている。解剖学的には,基底核が大脳皮質,視床を含む平行ループ回路を形成していることがさまざまな研究から指摘され,これが基底核の機能の基盤であるとされている。しかし,近年の研究により,異なる平行ループ間を結ぶ神経連絡も無視できないことが指摘されてきている。本稿では,皮質-基底核回路の異なるループ(あるいは機能ドメイン)間を結ぶ神経連絡に焦点を当てて,今日までの解剖学的な研究を概観する。
直接路・間接路・ハイパー直接路の機能
著者: 南部篤
ページ範囲:P.360 - P.372
はじめに
大脳基底核の神経回路や機能に関しての概念は,1980年代後半から1990年にかけて,脱抑制説,直接路・間接路モデルなどが提唱され,大きく変わった。特に,これらをもとにして大脳基底核疾患の病態を説明したり,さらに定位脳手術,特に脳深部刺激療法が導入されたりした。その後ほぼ20年が経過し,直接路・間接路モデルに矛盾する実験データが報告され,批判もされてきた。本稿では,直接路・間接路,およびそれにハイパー直接路を付け加えたモデルを中心に,大脳基底核の回路や機能,さらには大脳基底核疾患の病態生理をどのように説明できるのか,また,その問題点を指摘することにより,新たなモデルを模索したい。これは,「大脳基底核の機能とは何か?」という本質的な問いに答える道でもあると考えられる。
線条体におけるアセチルコリンとドーパミンの生理的相互作用
著者: 青崎敏彦 , 三浦正巳 , 増田正雄
ページ範囲:P.373 - P.380
はじめに
ドーパミンの枯渇するパーキンソン病で,最初に確立した治療法が抗コリン剤の投与であったことからわかるように,アセチルコリンとドーパミンは互いに拮抗し,ときには共同して作用する。脳の中で両者が最も密接に会合する場は線条体(背側線条体と腹側線条体もしくは側坐核)である。線条体は,Dahlstrom & Fuxe(1964)の分類によるA8,A9,A10のドーパミンニューロンから極めて濃密な投射を受けていて,ドーパミン受容体の分布もまた極めて高濃度である。アセチルコリンの場合は,線条体と嗅結節に限っては他のほとんどの脳部位と異なり内在する自前のcholinergic interneuronからアセチルコリンを供給される。
本稿では線条体のcholinergic interneuronがドーパミンとどのように関わって行動発現に寄与するのか,これまで明らかになってきた線条体局所回路の性質から,考察してみたい。
大脳基底核におけるグルコース代謝
著者: 山田勝也
ページ範囲:P.381 - P.388
はじめに
動物の運動の中で,食欲を満たすための真剣な,生死をかけた運動は特別と言えるだろう。腹を減らした動物は,息を潜めて獲物を目で追い,集中度を高めて戦略をめぐらし,タイミングを計り,静から動へと最大速度で身を翻し,手を伸ばして獲物を捉えて口に入れ,咀嚼し嚥下するまでの一連の動作を遂行して初めてエネルギー源を体内に入れることができる。こうした状況は,新皮質の発達していないカエルが餌である虫を捕食するときでも,舌が手の代わりになることを除けば,類似しているようである。カエルの捕食行動では,虫の位置情報が,網膜から視覚情報処理を行う視蓋(哺乳類の上丘に当たる)や前視蓋領域に伝わり,ここから脳幹・脊髄の運動パターンジェネレーターシステムに伝えられる間で視床,線条体が関わり,またドーパミンシステムが影響するという1)。
そこで本稿では大脳基底核のグルコース代謝に関連した話題を,正常機能と病態の2つの観点から取り上げる。グルコースは生命活動の維持に最も重要なエネルギー源の1つで,特に脳はグルコースを唯一のエネルギー源として血中から取り込む。実際グルコースの極端な低下が続けば危険な脳の全般発作(generalized seizure)が起きて脳に致命的ダメージを与える2)。最近,大脳基底核の出力核に当たる黒質網様部(substantia nigra pars reticulata:SNr)は,グルコースや酸素が欠乏し出すと鋭敏に検知して,エネルギー消費が大きい全般発作を抑え,脳を保護する役目を果たすことがわかってきた3,4)。また,日常生活において食後に上昇し,空腹時には低下する血中グルコース濃度の変動に合わせて,脳内のグルコース濃度も上下し5),こうしたグルコース濃度の穏やかな変動も,黒質網様部や淡蒼球で直接検知されている可能性がある4,6,7)。
基底核の第一の機能は運動制御であるが8),古くから報告されているように黒質網様部や淡蒼球には,特に摂食に関連した動作に応答するニューロンが存在する9)。さらに,黒質には血糖値に依存して摂食関連動作時の神経応答が逆転するニューロンもある9)。そのほかにも,黒質網様部と顎運動との関連を示した報告は多い10)。そこで本稿では最初にこうした問題に焦点を当てる。
推測だが,哺乳類でも空腹時にグルコースが低下した際,基底核が感知して捕食行動に最高のパフォーマンスを発揮できるように視蓋感覚系と脳幹運動系をコーディネートし,一方でグルコース摂取に応答して報酬感覚を与えて動作を強化すると考えられないだろうか11)。関連して最近,甘味受容のできないマウスが甘いショ糖に対して嗜好性を示す理由として,ショ糖摂取によるグルコース上昇が脳で直接的に感知されてドーパミン放出を亢進させるとの説が現れた12)。基底核のグルコース感知能と連動している可能性もあり興味深い。
本稿のもう1つの焦点は,基底核疾患とグルコース代謝障害の関係である。グルコーストランスポーター(GLUT)1の変異により,グルコース輸送が障害されて舞踏病アテトーゼを発症した家系13),また早期のハンチントン舞踏病(Huntington's disease)患者の解糖系に代謝障害があることを示唆した報告14),新世代の陽電子断層法(positron emission tomography:PET)で,パーキンソン病患者の黒質と淡蒼球におけるグルコース利用の亢進を検出した例15)など,基底核疾患にグルコース代謝が深く関わっていることを示唆する最近の話題を取り上げる。
遺伝子変異が同定されても,なぜ特定領域で神経変性を導くのかはまだ難問である16)。この問題を解くうえで,脳機能を代謝系との関わりの中で理解しようとする基礎研究が役立つかもしれない。ただしグルコースと脳の関係には,そもそもニューロンのシナプス活動にグルコースが直接使用されているかどうかなど,依然多くの謎がある。そこで最後に蛍光を用いることで,グルコース輸送を単一細胞レベルで検出しようとする最近の試みについて触れ17,18),現況を概観すると共に今後を展望する。
報酬機能における外側手綱核と中脳ドーパミンニューロンの役割
著者: 松本正幸
ページ範囲:P.389 - P.396
Ⅰ.報酬による行動の調節
報酬は,動物の行動を動機付けする大きな要因の1つである。例えば,動物が生きていくためには食物や水分を絶えず補給する必要がある。また,子孫を残すためには異性のパートナーが必要である。このような,食物,水分,異性のパートナーなどは報酬となり,それらを獲得するための行動を動機付けする。動機付けのレベルは動物の行動に反映され,大きな報酬が手に入りそうなときには行動の反応時間が早くなり,小さな報酬しか手に入らなさそうなときには反応時間が遅くなる傾向がみられる。このような報酬による行動の調節を端的に調べることができるのは,眼球運動を指標にした次のような実験である(Fig.1A)1)。被験者(マカク類のサル)の前にスクリーンがあり,まずそのスクリーンの中央に小さな点が呈示される。被験者がその点を固視した後,左右どちらかに眼球運動のターゲットが呈示され,そのターゲットに対してすばやくサッケード(急速眼球運動)することが求められる。ただし,左のターゲットにサッケードしたときは報酬(ジュース)が得られるが,右のターゲットにサッケードしても報酬は得られない(あるいは左右逆)。このとき,報酬が得られるサッケードのほうが,報酬が得られないサッケードよりも短い反応潜時がみられる(Fig.1B)。
ここで重要な問題は,報酬によって動物の行動が調節されるのは,どのようなメカニズムによってなのかということである。最近の研究により,中脳にあるドーパミンニューロンと外側手綱核がこのメカニズムに深く関わっていることがわかってきた。本稿では,筆者らが最近得た知見に基づき,これらの神経メカニズムについて概説したい。
大脳基底核の報酬機能―脚橋被蓋核の修飾機能
著者: 小林康 , 岡田研一
ページ範囲:P.397 - P.404
はじめに
報酬に基づく強化学習1-3)の神経生理学的研究の発展には,神経科学のみならず自律的に行動するロボットの開発,教育への応用や脳科学に基づく新しい経済学理論の創発などに対して,非常に強力なインパクトを与えるという期待の強まりから,広い分野から注目が集まっている。
中脳の黒質緻密部や腹側被蓋野のドーパミン細胞(DAcell)は,報酬との連合で学習された手がかり刺激や報酬に対して,一時的なバースト応答をすることによって大脳皮質,基底核などに報酬予測誤差(報酬に対する予測と現実に得られた報酬の差)を送り,強化学習における大脳皮質,大脳基底核でのシナプス可塑性を制御していると考えられている3)。
強化学習機構を解明するうえで,「報酬予測誤差がDAcellでどのように計算されているのかということ」が生理学的,計算理論的に最も重要な問題の1つであると考えられる1,4,5)。DAcellはドーパミン放出によるシナプス可塑性の制御6)という形で,強化学習に重要な役割を果たしている。またDAcellはさまざまな部位から7)興奮性,抑制性(最近ではhabenulaなど8))入力を受けているが,それぞれの入力信号の性質が計算論的に明らかにされていないために,いまだに報酬予測誤差の計算過程がわかっていない。
さらに,DAcellに対して興奮性入力がなければ,DAcellはバースト応答をすることが困難であるため,特にDAcellに対する興奮性入力の重要性が浮かび上がってくる。
脚橋被蓋核(pedunculopontine tegmental nucleus:PPTN)は脳幹の最も主要なアセチルコリン性細胞の核であり,古くから注意や学習と関係が深いと考えられてきた9)。PPTNが報酬情報処理に関係した大脳基底核,大脳皮質などから入力を受け10-13),また,DAcellに対してPPTNが強力な興奮性入力を供給していること14-16)から,PPTNからの興奮性入力が,DAcellにおける報酬予測誤差信号の生成に,重要な役割を果たしていることが示唆される。
最近,従来の視床下核を標的にした脳内深部刺激(deep brain stimulation:DBS)のみならず,PPTNを標的としたDBSがパーキンソン病による運動障害の改善に効果がある17)という報告が数多くなされている。また一方で,PPTNと学習や報酬情報処理18-20)の関係を示す知見が数多くなされている。これらの知見が相互に関係しているかどうかは今後の研究の発展を待たねばならないだろうが,ここでは特にPPTNの報酬情報処理機構に絞って議論したいと思う。
線条体の強化学習機能
著者: 国里愛彦 , 岡田剛 , 岡本泰昌
ページ範囲:P.405 - P.411
はじめに
われわれが生活する中で,ある行動をすることで報酬を得ることができた場合,次の機会にもその行動を選択する可能性が高くなる。また,初めての環境においては,最初は試行錯誤的に行動し,次第に最も報酬が得られる可能性の高い行動を選ぶようになる。このような,選択した行動に対して報酬が得られることで後続の行動の選択頻度が高くなる現象は,最初にThorndikeによって「効果の法則」と呼ばれ1),これまでオペラント条件付けとして多くの研究がなされてきた。
実際の日常生活においては,報酬が出てくるまでの時間はいつも行動の直後であるとは限らず,行動と報酬との間隔が離れている状況も多い。そのような場合,報酬量と報酬が出てくるまでの時間との兼ね合いによって,意志決定を行う必要が出てくる。例えば,ダイエットや禁煙などは,痩せることや健康などの報酬が出てくるまでの時間が長い行動であるが,甘いものを食べることや喫煙などは,報酬が出てくるまでの時間が短い行動となる。短期的報酬と長期的報酬のどちらを選択するかは,時間的なコストと報酬量の評価など,各意志決定に関わる個人の内潜的変数について考慮しなくてはならない。また,これらの高次の意志決定に関わる脳機能の検討を行う場合,物理刺激の量と脳の活動との間に対応関係がみられるような知覚研究とは異なり,意志決定に関わる神経活動について検討を行う際,呈示された刺激(条件刺激や報酬)に対する脳活動を測定して,それが本当に意志決定に関わる脳活動であるのかは定かではない2)。刺激と反応から各試行における反応を説明するような内潜変数も含めた数理モデルを構成し,それと脳活動との関連を検討することで,より特定の脳部位に焦点を当てた形で,意志決定に関わる脳機能の検討を行うことが可能である2,3)。
現在,意志決定に関わる数理モデルとしては,対応法則4)が影響力のある理論であるといえる。対応法則は複数試行かつ複数選択肢の状況で,ある行動を選ぶ割合は,その行動によって得た報酬の割合に等しくなるというものである。しかし,対応法則は,学習が収束した定常状態における平均的傾向について述べており,試行ごとの選択行動について述べるものではない5)。一方,近年機械学習の分野において,強化学習6)が独自に発展してきており,数理モデルによるアプローチから,行動選択の各試行における内潜的な変数について推定を行い,学習過程においてどのようなメカニズムが働いているのか検討することを可能にしている。これらの検討により,近年,線条体が強化学習機能において重要な役割を果たしていることが示されてきている7)。
本稿では,まず,強化学習について紹介し,次に強化学習におけるメタパラメータと神経修飾物質との関連についてのDoya仮説8)を紹介する。そして,Doya仮説に基づいて,筆者らの研究グループにおいて行ってきた,報酬予測における割引率(γ)と線条体・セロトニンとの関連を検討した実験について紹介する。
イムノトキシン細胞標的法を用いた直接路・間接路の機能解析
著者: 深堀良二 , 小林和人
ページ範囲:P.412 - P.418
はじめに
大脳皮質と基底核を連関する神経回路は,随意運動,運動学習,強化学習などのさまざまな脳機能を媒介し,この神経回路機能の調節には,中脳腹側領域(黒質緻密部,腹側被蓋野)より線条体,側坐核,前頭前野皮質へ投射するドーパミン系が重要な役割を担っている1-4)。黒質―線条体ドーパミン系の選択的な変性・脱落に起因するパーキンソン病において,著明な運動機能や認知機能の障害が認められ,腹側被蓋野に由来する中脳―辺縁皮質ドーパミン系の機能異常が,統合失調症や注意欠如・多動性障害(attention-deficit hyperactivity disorder:ADHD)などの発達障害の症状にも関係することが知られている。近年,ドーパミン合成を欠損する遺伝子改変マウスを用いた分子遺伝学的研究から,ドーパミンは動物の生後発育期における運動や情動学習に必須の役割を持つことが明らかにされている5,6)。また,ドーパミンの再吸収を媒介するドーパミン輸送体の遺伝子欠損によって,多動性や認知機能の低下が誘導されることが知られており,薬剤への応答性などの観点から,ADHDの動物モデルとして考えられている7-9)。多くの脳機能の制御機構や疾患の病態機構を理解するためには,大脳皮質―基底核回路を制御する神経回路のメカニズムを十分に理解する必要がある。
線条体は,中脳からのドーパミン性入力に加えて大脳皮質からのグルタミン性興奮入力を受け,黒質網様部や脚内核(霊長類では淡蒼球内節)を含む出力核に連絡する10-12)。これらの出力核は,上丘,脚橋被蓋核,視床へ抑制性の線維を投射し,さらに視床からは大脳皮質へのループが形成される。線条体の投射ニューロンはGABA作動性で,2種類の主要な経路に分類される。ひとつは直接路あるいは線条体―黒質路と呼ばれ,モノシナプス性に抑制線維を出力核へ投射する。もうひとつの経路である間接路は,線条体―淡蒼球路を経て,淡蒼球(霊長類では淡蒼球外節)に連結し,淡蒼球から直接あるいは視床下核を介して出力核へ指令を送る。大脳基底核の出力核の活動は,これら2種類の経路からの拮抗的な入力のバランスによって調節されていると考えられている。2種類の投射ニューロンのうち,線条体―黒質ニューロンは主にドーパミンD1受容体(D1R)を含有し,線条体―淡蒼球ニューロンは主にドーパミンD2受容体(D2R)を含有することが知られている13,14)。線条体にはこのほかに,アセチルコリンあるいはGABAを神経伝達物質とする介在ニューロンが存在し,これらの介在ニューロンもグルタミン酸性およびドーパミン性の入力の調節を受ける15,16)。
イムノトキシン細胞標的法は,組換え体蛋白質であるイムノトキシンの性質を利用し,複雑な神経回路から特定のニューロンタイプを誘導的に除去するためのアプローチである17-19)。本法は,中枢および末梢の神経回路から標的ニューロンを除去するために用いられており20-23),大脳皮質―基底核回路を構成するニューロンタイプの生理的役割を明らかにするためにも有効なアプローチを提供する。本稿では,イムノトキシン細胞標的法を用いて2種類の線条体投射ニューロンを除去し,直接路と間節路を介した運動制御の神経回路機構を解析した結果について,概説する。
セプチン細胞骨格系の機能とドーパミン神経伝達における役割
著者: 猪原匡史 , 木下専
ページ範囲:P.419 - P.428
はじめに
細胞骨格系はすべての細胞に不可欠な構造基盤であり,細胞分裂・形態形成・運動・物質輸送など,根源的な生命現象を支えるインフラストラクチャーである。神経系,ことに軸索や樹状突起など長大な極性構造を持ち,微小管に沿った高速物質輸送が盛んな大型ニューロンは細胞骨格系への依存度が高く,その破綻は神経機能障害や神経疾患に直結する。また,アクチン系は神経成長円錐や樹状突起棘(スパイン)などの微細構造基盤として,神経回路形成やシナプス可塑性に重要な役割を果たす。このような例を挙げるまでもなく,神経系の構造・機能・病態を知るために細胞骨格系の理解は欠かせない。
細胞骨格系の中で最も研究が進んでいるアクチン系や微小管系は,重合性蛋白質が多数の関連蛋白質とともに形成する連続的なネットワークであり,モーター蛋白質群と協調して多彩な生命現象に関与する。中間径フィラメント系はコイルドコイル蛋白質のストランドであり,例えばニューロンでは神経突起の断面積を規定し,物理的強度と伝導速度の決定因子となる。これらに加えて,unconventional cytoskeletonと称されるいくつかの重合性蛋白質群がある。このうちヌクレオチド結合性を持ち,酵母からヒトまで普遍的に存在するのはセプチン系のみであるが(Table1),その動作原理や存在意義には解明すべき問題が数多く残されている1)。以下にその主な理由を挙げる。
(1)アクチン系では1種類のATP結合蛋白質(アクチン・モノマー),微小管系では2種類のGTP結合蛋白質(α/β-チューブリン・ヘテロダイマー)が自己集合して一様な極性線維を形成するのに対し,セプチン系は2~5種類のGTP結合蛋白質からなる短い非極性線維(セプチン・オリゴマー)が,多様な組み合わせで多様な形状に高次集合する複雑なシステムである。
(2)セプチンは独立かつ連続的な高次集合体を形成する一方,既存の細胞骨格系の構成成分としてふるまう性質を併せ持つ。後者は独立した線維性構造物の形を取らず,アクチン系や微小管系に沿って散在し,多彩な役割を果たす。
(3)セプチン系のサブユニット構成や機能は,種・発生段階・細胞系譜・細胞周期によって異なるため,ある生物種におけるある状況での知見を一般化しがたい。
(4)特に哺乳類ではセプチン系の多機能性とサブユニット間の機能重複が,遺伝学的・逆遺伝学的解析を妨げてきた。マウスゲノムに存在する13種類のセプチン遺伝子ファミリーのうち7種類に関してnull変異体が作製されているが,ハウスキーピング遺伝子でよくみられるall or none(胎生致死か代償)のパターンをとる場合が多く,有意義な知見をもたらした例は少ない(Table2)。
上記の理由から,酵母の細胞質分裂変異体の責任蛋白質として発見されたセプチンの哺乳類ホモログの細胞分裂以外での重要性は,最近までまったく不明であった。しかし,多様な手法で得られた断片的な情報をつき合わせることにより,哺乳類セプチン系の構成原理や存在意義の一端が明らかになりつつある。本稿の前半では,ユビキタスな細胞支持基盤としてのセプチン系の機能を概説する。後半では,ドーパミンニューロンにおけるセプチン系の生理機能と,パーキンソン病など神経疾患との関連を紹介する。
大脳基底核の病理学―神経変性疾患を中心に
著者: 若林孝一 , 丹治邦和 , 森文秋
ページ範囲:P.429 - P.439
はじめに
神経変性疾患の主たる病変部位を大脳皮質,運動ニューロン系,錐体外路系に大別すると,最も種類が多いのは錐体外路系を侵す疾患である。その中でも基底核が障害され運動異常(movement disorder)を呈する疾患は多い。
神経変性疾患は「神経細胞が解剖学的系統性をもって進行性に脱落(細胞死)する疾患」と定義されてきた。しかし,その表現は必ずしも正しくない。なぜなら,神経変性疾患では,①変性の標的は神経細胞だけでなくグリア細胞にも及び,②従来考えられていたよりも変性部位は広範であり,③細胞死が起こらなくても機能障害が起こりうるからである。
一方,神経変性疾患では「封入体」の出現が古くから知られていた。アルツハイマー病(Alzheimer's disease:AD)において神経原線維変化が見出されたのは1907年であり1),パーキンソン病(Parkinson disease:PD)では1912年にレビー小体が記載された2)。その後,電子顕微鏡が登場し,それらの封入体が異常フィラメントから成ることが明らかにされたのは半世紀後の1960年代である3,4)。さらに,それら封入体の主要構成成分の同定には20年以上の歳月を必要とした。リン酸化タウが神経原線維変化の一成分であることが報告されたのは1986年であり5),1997年にはα-synuclein(αS)がレビー小体の構成成分として6),さらに2006年には筋萎縮性側索硬化症(amyotrophic lateral sclerosis:ALS)に出現するユビキチン封入体の標的蛋白としてTDP-43が同定された7,8)。現在では,タウ,αS,TDP-43が蓄積する疾患群はそれぞれ,タウオパチー,シヌクレイノパチー,TDP-43 proteinopathyという名称で総括されるようになった。
本稿では,蓄積物質の観点から神経変性疾患を分類するとともに,それらの基底核病変の特徴について概説する。
パーキンソン病の発症機構
著者: 松井秀彰 , 高橋良輔
ページ範囲:P.441 - P.446
はじめに
パーキンソン病はイギリスの開業医James Parkinsonの1817年の著書,「An Essay on the Shaking Palsy」1)に最初の記載があるとされる。後にフランスの神経病理学者Jean Martin CharcotによってParkinsonの名を冠して,パーキンソン病と呼ばれるようになった。神経変性疾患の中でアルツハイマー病に次いで2番目に多く,固縮,振戦,無動,姿勢反射障害などの運動症状を中心に,さまざまな自律神経症状,精神症状を特徴とする(Fig.1)。多くは老壮年期に発症し緩徐進行性で,対症療法はさまざまあるものの現在のところ原因は不明であり,難病とされる。病理では黒質のドーパミン神経の減少を特徴とし,大多数のものではエオジン好性のレビー小体といわれる細胞質封入体を認める(Fig.2)。黒質のドーパミン減少がいかにして運動症状の出現につながるかは,大脳基底核の回路仮説がよく説明に用いられる。
まず線条体でドーパミンが欠乏すると線条体から淡蒼球外節に至る抑制性の神経細胞が興奮し,淡蒼球外節は抑制される。すると視床下核が脱抑制され,淡蒼球内節および黒質網様層が過剰に興奮し視床への抑制が過剰になる。結果,視床から大脳皮質に至る経路が過剰に抑制され,無動が生じるとされる2)。しかしこの回路仮説でうまく説明できる点もあれば矛盾する点もあり,まだ病態生理に関してもさまざまな議論が必要な点であろう。ほかに延髄青斑核のノルアドレナリン神経,心臓交換神経節なども神経細胞死を起こしている。ほとんどが孤発性であるが数%家族性のものがあり,後者についてはα-synuclein,Parkin,PINK1,DJ-1,LRRK2,ATP13A2など多数の原因遺伝子が同定されつつある。主な家族性パーキンソン病の原因遺伝子をTable1に示す。
現在までさまざまなヒトあるいは実験動物での知見を基にして,いくつかの発症機構に関する仮説が立てられており,ここではそのうちで有力と思われる仮説を中心に,最近の報告も織り交ぜながら述べてみたい。
パーキンソン病・ジストニアの関連遺伝子
著者: 長谷川一子 , 豊島至
ページ範囲:P.447 - P.463
はじめに
パーキンソン病(Parkinson disease:PD),ジストニア(dystonia)は不随意運動を来す病態の基礎疾患として頻度の高い疾患である。それぞれ遺伝性,孤発性の群があり,遺伝性の群については病因遺伝子の同定がなされている。また,孤発性パーキンソン病については疾患関連遺伝子についての報告が数多くなされている。ここではそれぞれについて,臨床像,遺伝子について概説する。遺伝子に関する情報は日々更新されており,ここでは2008年12月現在の状況を記す。
パーキンソン病の薬物治療
著者: 村田美穂
ページ範囲:P.464 - P.472
はじめに
パーキンソン病(Parkinson disease:PD)は19世紀初頭に記載された疾患であるが,1958年に黒質ドーパミンニューロンの変性がPDの本態であることが明らかになり,L-dopaが治療に導入されたことで,PDの生命予後は著明に改善した。さらにその後多数のドーパミン受容体刺激薬(以下,アゴニスト),モノアミン酸化酵素B阻害薬(以下,MAOBI),カテコールOメチル基転移酵素阻害薬(以下,COMTI)などの薬剤が開発され,この20年の間にもPDの機能予後は著明に改善してきた。多くのエビデンスも積み重ねられ,ここ数年でも治療に対する考え方が変わってきている。本稿では,治療開始時期を含む薬物治療に対する考え方の変遷を中心に,ごく最近認可になった新しい抗PD薬,ゾニサミドについても述べたい。
パーキンソン病とジストニアに対する脳深部刺激療法
著者: 横地房子
ページ範囲:P.473 - P.483
はじめに
脳深部利激療法(deep brain stimulation:DBS)は,脳内に慢性的に植え込んだ電極を用いて脳内の標的部位を慢性的に刺激することで,不随意運動などの改善をはかる治療である。不随意運動に対する外科治療は,1940年代から定位脳手術法で標的部位を破壊する治療が行われ,その治療成績,特に振戦に対する視床破壊術(thalamotomy)の効果は確立されていた。DBSが不随意運動治療に導入されたのは1990年頃で,はじめは一側thalamotomyが施行されたパーキンソン病(Parkinson's disease:PD)患者の対側治療として導入された1)。さらにMPTP(1-methyl-4-phenyl-1,2,3,6-tetrahydropyridine)によるPDモデルサルで,視床下核(STN)破壊によるPD症状の改善2)を受けて,STN-DBSがBenabidら3)によって開始された。
パーキンソン病遺伝子治療の現状
著者: 望月秀樹
ページ範囲:P.485 - P.493
はじめに
遺伝子治療とは厚生労働省のガイドラインによると「病気の治療を目的として遺伝子または遺伝子を導入した細胞をヒトの体内に投与すること」と定義されている。そして世界で初めて1980年に無許可の遺伝子治療が行われ,倫理的,社会的に大きな問題になった。最初に認可を得た遺伝子治療が開始されるのは1990年,米国でアデノシンデアミナーゼ(ADA)欠損症の患者に施行された。その5年後の1995年,日本で最初の遺伝子治療が,北海道大学で,やはりADA欠損症の患者に対して行われた。遺伝子治療の対象疾患は,海外を含め悪性新生物が最も多く,遺伝病がそれに次いでいる。近年では,致死性疾患ばかりでなく,パーキンソン病を含む慢性疾患が遺伝子治療の対象になってきている。日本でもパーキンソン病の遺伝子治療が開始され,細胞分子生物学の発展がついに臨床の場に還元される時代が到来した。本稿では,パーキンソン病の治療研究の歴史から現状までを紹介する。
症例報告
左手の拮抗性失行にかかわらず,右手の不自由さを主訴とした脳梁離断症候群の1梗塞例
著者: 岡本洋子 , 齊田比左子 , 山本徹
ページ範囲:P.495 - P.500
はじめに
手術による脳梁の切断,もしくは腫瘍,梗塞などの脳梁病変により,左右大脳半球間の連絡経路が断たれ,脳梁離断症候群と呼ばれるさまざまな高次脳機能障害が起こることが報告されている。われわれが渉猟し得た限り,随伴病変のない脳梁梗塞により高次脳機能障害を呈した症例は少ない1-5)。今回われわれは,脳梁に限局した梗塞により典型的な脳梁離断症候群を呈し,かつこれまでに報告のないさまざまな症候がみられた興味深い症例を経験したので報告する。
学会印象記
World Federation of Neurology:Aphasia and Cognitive Disorder Research Group(2008年8月28日~31日)
著者: 鶴谷奈津子
ページ範囲:P.502 - P.503
2008年8月28日から31日にかけての4日間,スコットランドの首都エジンバラで開催されたWorld Federation of Neurology:Aphasia and Cognitive Disorder Research Group(WFN-RGACD)に参加いたしました(写真1)。エジンバラは歴史を感じさせる街並みと自然が調和した美しい都市です。会場となったエジンバラ大学は中心街に位置し,400年の歴史を誇るキャンパスが世界遺産の街に溶け込んでいました。
WFN-RGACDは世界神経学会の分科会として隔年で開催されています。前回(一昨年)はアルゼンチンで行われました。本分科会の規模は小さく,40人程度の研究会のような形式と雰囲気ではありますが,内容は非常に充実したものでした。
連載 神経学を作った100冊(28)
ブールハーヴェ医学全集(1735)
著者: 作田学
ページ範囲:P.504 - P.505
オランダはスペインのハプスブルク家の重税と新教徒の弾圧に対し,1556年に独立戦争を始めた。そして1648年に独立を勝ちとるのである。オランダは当時最先端の造船技術を持ち,1602年には東インド会社を設立し,ジャカルタを拠点として日本を含むアジアの諸地域に進出し,国際商業の中心として繁栄した。
国力が増してくるとその頂点に医学の天才が現れるというのは,ギリシャ以来の伝統であるらしい。
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あとがき フリーアクセス
著者: 川島隆太
ページ範囲:P.510 - P.510
今月の特集は,東京都神経科学総合研究所の高田昌彦先生をゲストエディターとしてお迎えして,大脳基底核に関する最先端の研究をまとめていただいた。
大脳基底核は神経生理学的にはさまざまな学習や報酬と関わること,臨床的にはパーキンソン病やジストニアなどの責任部位であることなどが,教科書的な知識としてもよく知られている。しかし,今回の特集を読んでいただくと,実は古いようで新しい研究対象であることがご理解いただけるものと思う。
基本情報
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バックナンバー
76巻12号(2024年12月発行)
特集 芸術家と神経学Ⅱ
76巻11号(2024年11月発行)
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特集 どうして効くんだろう
76巻9号(2024年9月発行)
特集 治療可能な認知症としてのアルツハイマー病
76巻8号(2024年8月発行)
特集 Common diseaseは神経学の主戦場である—revisited
76巻7号(2024年7月発行)
特集 ニューロ・バイオイメージング—技術と応用
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76巻5号(2024年5月発行)
増大特集 末梢神経・筋肉の自己免疫性・炎症性疾患ハンドブック
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特集 きちんと説明ができますか?
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76巻1号(2024年1月発行)
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特集 アガサ・クリスティーと神経毒
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66巻9号(2014年9月発行)
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66巻8号(2014年8月発行)
特集 神経系の悪性リンパ腫update
66巻7号(2014年7月発行)
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66巻6号(2014年6月発行)
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66巻5号(2014年5月発行)
特集 アセチルコリンと神経疾患―100年目の現在地
66巻4号(2014年4月発行)
増大特集 タッチ・ビジョン・アクション
66巻3号(2014年3月発行)
特集 神経筋疾患の超音波診断
66巻2号(2014年2月発行)
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66巻1号(2014年1月発行)
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65巻12号(2013年12月発行)
特集 プロテイノパチーの神経病理学
65巻11号(2013年11月発行)
増大特集 Close Encounters―臨床神経学と臨床免疫学の遭遇と未来
65巻10号(2013年10月発行)
特集 神経系の発達メカニズム―最近の話題
65巻9号(2013年9月発行)
特集 Common diseaseは神経学の主戦場である―現状と展望
65巻8号(2013年8月発行)
特集 こころの時間学―現在・過去・未来の起源を求めて
65巻7号(2013年7月発行)
増大特集 あしたの脳梗塞
65巻6号(2013年6月発行)
特集 見せる・仕分ける―脳機能解析の新手法
65巻5号(2013年5月発行)
特集 てんかん―新しいパースペクティブ
65巻4号(2013年4月発行)
増大特集 Antibody Update
65巻3号(2013年3月発行)
特集 次世代シーケンサーによる神経変性疾患の解析と展望
65巻2号(2013年2月発行)
特集 血液脳関門研究の進歩
65巻1号(2013年1月発行)
特集 Corticobasal Syndrome
64巻12号(2012年12月発行)
特集 The Border-Land of Dementia
64巻11号(2012年11月発行)
増大特集 痛みの神経学―末梢神経から脳まで
64巻10号(2012年10月発行)
特集 辺縁系をめぐって
64巻9号(2012年9月発行)
特集 高次脳機能イメージングの脳科学への新展開
64巻8号(2012年8月発行)
特集 線条体の基礎と臨床
64巻7号(2012年7月発行)
増大特集 顔認知の脳内機構
64巻6号(2012年6月発行)
特集 睡眠と覚醒の脳内機構
64巻5号(2012年5月発行)
特集 神経疾患のバイオマーカー
64巻4号(2012年4月発行)
増大特集 パーキンソン病の新しい側面
64巻3号(2012年3月発行)
特集 アカデミアから新規治療の実現へ―トランスレーショナルリサーチの現状
64巻2号(2012年2月発行)
特集 生物学的精神医学の進歩
64巻1号(2012年1月発行)
特集 iPS細胞と神経疾患
63巻12号(2011年12月発行)
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63巻11号(2011年11月発行)
増大特集 筋疾患update
63巻10号(2011年10月発行)
特集 緩徐進行性高次脳機能障害の病態
63巻9号(2011年9月発行)
特集 脳卒中の最新画像診断
63巻8号(2011年8月発行)
特集 日本人の発見した神経症候
63巻7号(2011年7月発行)
増大特集 神経筋接合部―基礎から臨床まで
63巻6号(2011年6月発行)
特集 ニューロパチー
63巻5号(2011年5月発行)
特集 神経系と血管内リンパ腫
63巻4号(2011年4月発行)
増大特集 てんかんの新しい治療
63巻3号(2011年3月発行)
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63巻1号(2011年1月発行)
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増大特集 アルツハイマー病―研究と診療の進歩
62巻6号(2010年6月発行)
特集 改正臓器移植法の問題点とその対応
62巻5号(2010年5月発行)
特集 神経画像のピットフォール―見落としと読み過ぎ
62巻4号(2010年4月発行)
特集 傍腫瘍性神経筋疾患update
62巻3号(2010年3月発行)
特集 神経回路解析法の最近の進歩
62巻2号(2010年2月発行)
特集 ニューロリハビリテーションの最前線
62巻1号(2010年1月発行)
特集 神経救急
61巻12号(2009年12月発行)
特集 Somatotopy再考
61巻11号(2009年11月発行)
特集 前頭側頭葉変性症
61巻10号(2009年10月発行)
特集 片頭痛の予防療法
61巻9号(2009年9月発行)
特集 脳血管障害治療の進歩
61巻8号(2009年8月発行)
特集 神経・筋疾患の分子標的治療
61巻7号(2009年7月発行)
特集 脳腫瘍研究の最前線―遺伝子解析から治療まで
61巻6号(2009年6月発行)
特集 脊椎・脊髄外科の最近の進歩
61巻5号(2009年5月発行)
特集 Restless legs syndrome
61巻4号(2009年4月発行)
特集 大脳基底核―分子基盤から臨床まで
61巻3号(2009年3月発行)
特集 Microneurography(微小神経電図法)の臨床応用
61巻2号(2009年2月発行)
特集 神経系の再興感染症と輸入感染症
61巻1号(2009年1月発行)
特集 脳神経倫理
60巻12号(2008年12月発行)
特集 痙縮
60巻11号(2008年11月発行)
特集 脳卒中と遺伝子
60巻10号(2008年10月発行)
特集 若年者の脳卒中
60巻9号(2008年9月発行)
特集 知・情・意の神経学
60巻8号(2008年8月発行)
特集 脳硬膜動静脈瘻
60巻7号(2008年7月発行)
増大特集 学習と記憶――基礎と臨床
60巻6号(2008年6月発行)
特集 Crow-深瀬症候群(POEMS症候群)
60巻5号(2008年5月発行)
特集 「痛み」の研究と治療の最前線
60巻4号(2008年4月発行)
増大特集 神経系の発生とその異常
60巻3号(2008年3月発行)
特集 特発性正常圧水頭症(iNPH)―最近の話題
60巻2号(2008年2月発行)
特集 がん治療と神経障害
60巻1号(2008年1月発行)
特集 日本人の発見した神経疾患
59巻12号(2007年12月発行)
特集 損傷神経の再生―温存的治療法の開発
59巻11号(2007年11月発行)
特集 手根管症候群をめぐって
59巻10号(2007年10月発行)
増大特集 ALS―研究と診療の進歩
59巻9号(2007年9月発行)
特集 パーキンソン病の認知機能障害
59巻8号(2007年8月発行)
特集 パーキンソン病の分子遺伝学―最近の知見
59巻7号(2007年7月発行)
増大特集 情報伝達処理におけるグリアの機能と異常
59巻6号(2007年6月発行)
特集 職業性神経障害の新しい展開
59巻5号(2007年5月発行)
特集 脳画像最前線
59巻4号(2007年4月発行)
増大特集 最近注目される脳神経疾患治療の研究
59巻3号(2007年3月発行)
特集 分子イメージング
59巻2号(2007年2月発行)
特集 進行性多巣性白質脳症の新しい展開―PMLが治る時代へ向けて
59巻1号(2007年1月発行)
特集 高次視覚研究の最近の進歩