Ⅰ.定義
腫瘍に関連する神経筋障害のうち,腫瘍の直接浸潤や転移,栄養・代謝・凝固障害,化学療法や放射線治療の副作用,日和見感染によらず,腫瘍の遠隔効果によると考えられるものを傍腫瘍性神経筋疾患,より一般的には傍腫瘍性神経症候群(paraneoplastic neurological syndrome:PNS)と呼んでいる1,2)。広義には腫瘍自体が産生する抗体,ホルモン,サイトカインによる神経障害機序によるもの,また腫瘍と神経症候の出現が密接に関連しているものの,神経筋症状の出現機序がいまだ不明のものを含めることもある。しかし,現在では腫瘍の遠隔効果が免疫介在性の機序によると考えられるものをPNSと呼ぶことが多い。1980年代以降,PNSの患者の血清,髄液中に腫瘍と神経細胞との共通抗原(onco-neural antigen)と反応する特徴的な高力価の自己抗体がいくつか発見され,神経抗原を異所性に発現した腫瘍に対する免疫反応が自己の神経組織を傷害するという仮説が有力となっている。
その根拠として,神経筋傷害部のリンパ球浸潤,血清,髄液中に検出される腫瘍と神経筋組織の共通抗原に対する自己抗体(抗腫瘍/抗神経筋抗体)や,神経筋抗原に対する細胞傷害性T細胞の存在3)などが挙げられている。しかし,腫瘍に対する免疫反応を介する神経傷害機序について得られる情報の程度は,それぞれの臨床病型,個々の症例でさまざまである。実際,自己抗体(抗腫瘍/抗神経筋抗体)を動物に移入することによって疾患や病態が再現でき,抗体の病原としての一義的意義が明確になっているものは,Lambert-Eaton筋無力症候群(LEMS)における抗電位依存性カルシウムチャネル(VGCC)抗体,ニューロミオトニアにおける抗電位依存性カリウムチャネル(VGKC)抗体,傍腫瘍性網膜変性症での抗リカバリン抗体,重症筋無力症での抗アセチルコリン受容体(AchR)抗体など,抗原が細胞膜表面にあって抗体の到達度がよいものに限られている。抗原が細胞内分子の場合にも血清,髄液中に高力価の抗体が存在しているが,その病因的意義は確立されていない。また抗原特異的細胞障害性T細胞を誘導しても,発症させるまでには至っていない。発症には担癌宿主側のヒト白血球抗原(human leukocyte antigen:HLA)などの要因も指摘されている。
雑誌目次
BRAIN and NERVE-神経研究の進歩62巻4号
2010年04月発行
雑誌目次
特集 傍腫瘍性神経筋疾患update
傍腫瘍性神経筋疾患とは―定義と歴史
著者: 犬塚貴
ページ範囲:P.301 - P.308
傍腫瘍性神経症候群の発症機序
著者: 田中惠子
ページ範囲:P.309 - P.318
はじめに
担癌患者に生じる神経疾患で,腫瘍と密接に関連し,免疫学的機序が関与すると考えられる一群を傍腫瘍性神経症候群(paraneoplastic neurological syndromes:PNS)と称する。PNSは悪性腫瘍患者全体の1%前後に生じる比較的稀な病態と考えられているが,診断のマーカーとなる自己抗体の検出方法の進歩や,PET-CTなどによる腫瘍診断技術の進歩に伴い,多彩な神経症状を生じ得るさまざまな症例が知られるようになった。抗体が検出されない場合も多く,実際の頻度はより高く,かつ症候の広がりも多彩である可能性がある。
従来よりPNSとしてよく記述される典型例は,①亜急性に小脳失調が進行する中高年女性で,血清・髄液中に小脳Purkinje細胞に結合する自己抗体(抗Yo抗体)が検出され,ほどなく子宮癌・卵巣癌・卵管癌・乳癌などが発見される,という亜急性小脳変性症(paraneoplastic cerebellar degeneration:PCD),②亜急性感覚性運動失調型ニューロパチー,または辺縁系脳炎の病像を呈し,神経細胞の核に反応する自己抗体(抗Hu抗体)が検出される肺小細胞癌の一群,③Lambert-Eaton筋無力症候群(myasthenic syndrome)(LEMS)を呈し,電位依存性カルシウムチャネル(voltage-gated calcium channel:VGCC)に対する抗体を伴いSCLCを有する群(paraneoplastic LEMS),④消化器癌などを有する高齢男性に多い皮膚筋炎,などが代表的病型と考えられている1-4)。
PNSでは腫瘍細胞と神経組織に共通に発現する抗原(onconeural protein)に対して生じた免疫反応が,神経組織を攻撃する機序が考えられている。この中には血清・髄液中に存在する抗体が重要な役割を担うと考えられる場合と,細胞傷害性T細胞の関与が考えられる場合がある。
傍腫瘍性神経症候群の診断と治療
著者: 佐治越爾 , 河内泉 , 西澤正豊
ページ範囲:P.319 - P.330
はじめに
傍腫瘍性神経症候群(paraneoplastic neurological syndromes:PNS)は,腫瘍の転移や直接浸潤,あるいは化学療法や放射線療法による副作用・代謝障害・日和見感染によらず,腫瘍の遠隔効果を原因として出現するさまざまな神経症候群の総称である。
1980年代から現在に至るまで,腫瘍に発現するさまざまな神経由来抗原を標的とした抗神経抗体(onconeural antibodies)が多数同定され,腫瘍と神経系を同時に標的とする抗神経抗体をはじめとした“なんらかの免疫因子”がPNSの発症に関与していると推測されている。PNSにおける抗神経抗体は,悪性腫瘍の存在を示唆する重要な情報である一方,PNS特有の神経症状を有するが,既存の抗神経抗体を持たない症例も存在することが知られている。また,PNSでは腫瘍免疫が存在するために,神経症状は著しく重度であるにもかかわらず,腫瘍自体が小さいことが多く,先行する神経症状が腫瘍発見の第1の足がかりになる場合もある。
そこで本稿ではPNSの系統的診断アプローチと治療マネージメントについて,ヨーロッパ神経学会(European Federation of Neurological Societies:EFNS)とParaneoplastic Neurological Syndrome Euronetwork(PNS Euronetwork)の合同task forceにより新たに提案された診断ガイドライン1,2)(以下,EFNS-PNS Euronetwork診断ガイドライン)を中心に,最新の知見を加え,概説する。
抗NMDA受容体脳炎に関する最新の知見
著者: 飯塚高浩 , 坂井文彦 , 望月秀樹
ページ範囲:P.331 - P.338
はじめに
近年,voltage-gated potassium channel(VGKC),N-methyl-D-aspartic acid(NMDA)受容体,α-amino-3-hydroxy-5-methyl-4-isoxazolepropionic acid(AMPA)受容体,γ-aminobutyric acid (GABA) B受容体など各種神経細胞表面抗原に対する抗体を介して発症する新しいカテゴリーの自己免疫性脳炎が提唱されている1-5)。抗NMDA受容体脳炎はその代表的な疾患であり,現在では本邦でも稀な疾患ではないと考えられている6)。本疾患の臨床症状,検査所見,病態,治療については本誌の60巻9号7)に既に述べているが,本稿ではこの1年間に報告された新しい知見を含め最新情報を述べる。
抗VGKC抗体陽性辺縁系脳炎/Morvan症候群
著者: 三澤多真子 , 水澤英洋
ページ範囲:P.339 - P.345
はじめに
抗K+チャネル抗体は,末梢・中枢神経系の電位依存性Kチャネル(voltage-gated potassium channel:VGKC)に対する抗体であり,再分極を阻害することで神経系に過剰興奮を引き起こす。抗VGKC抗体が関与する神経疾患としては,末梢神経疾患としてIsaacs症候群,cramp-fasciculation症候群,末梢および中枢性疾患としてMorvan症候群,中枢神経疾患として辺縁系脳炎,てんかんなどが知られている。ここでは前半で抗VGKC抗体陽性辺縁系脳炎について,後半でMorvan症候群について述べる。
細胞内抗原認識抗体陽性辺縁系脳炎
著者: 森田昭彦 , 亀井聡
ページ範囲:P.347 - P.355
はじめに
傍腫瘍性神経症候群(paraneoplastic neurological syndrome:PNS)は腫瘍の遠隔効果によって出現する神経症候群の総称で,1948年のDenny-Brownら1)による亜急性感覚性ニューロパチーを呈した肺小細胞癌(small cell lung cancer:SCLC)の報告を嚆矢とする。腫瘍に発現する種々の神経由来抗原を標的とした抗神経抗体(onconeural antibodies)が多数同定され,腫瘍と神経系を同時に標的とするなんらかの免疫因子がPNSに関与している可能性が指摘されている2)。PNSの分類をTable1に示す。
PNSの頻度は,担癌患者の0.01%未満3)と決して多くはないが,PNSでは神経症状が重篤であるにもかかわらず,腫瘍自体は極めて小さく,早期であることも多いため,先行する神経症状が腫瘍発見のための重要なサインとなる。PNSで指摘されている各種の抗神経抗体の存在は悪性腫瘍の存在を示唆する大切な臨床情報だが,既知の抗神経抗体がみられない症例もあり,抗神経抗体の検索のみで診断することはできない。PNSにはTable1に示すような典型的な神経症候があり,これらの神経症候を有する症例に遭遇した場合に腫瘍の合併を疑う必要がある。
2004年にEuropean Federation of Neurological Societies-Peripheral Nerve Society(EFNS-PNS)Euronetwork合同task forceによって,PNSの診断ガイドラインが発表されている4)。この診断ガイドラインではPNSをclassical PNSとnon classical PNSに大別し,腫瘍と抗神経抗体の有無からPNSをdefiniteとpossibleに分類している。これまでに同定された抗神経抗体(Table2)のうち,極めて特徴的である抗Hu抗体や抗Yo抗体,抗CV2/CRMP5抗体,抗Ri抗体,抗Ma2抗体,抗amphiphysin抗体をwell characterized onconeuronal antibodiesと分類し,抗Tr抗体や抗ANNA3抗体,抗PCA2抗体,抗Zic4抗体,抗mGluR1抗体をpartially characterized onconeuronal antibodiesと分類している。①Classical PNSがあり,腫瘍の存在がPNS発症から5年以内に確認されている場合(抗神経抗体の有無は問わない),②non classical PNSだが,腫瘍に対する治療によって神経症状が改善した場合,③non classical PNSだが,抗神経抗体を認め,PNS発症から5年以内に腫瘍が診断されている場合,④classical PNSかnon classical PNSかどうかにかかわらず,抗Hu抗体あるいは抗Yo抗体,抗CV2/CRMP5抗体,抗Ri抗体,抗Ma2抗体,抗amphiphysin抗体(well characterized onconeuronal antibodies)を有するが,腫瘍をいまだに発見できていない場合,の4つをdefinite PNSと定義している。また,①classical PNSだが,抗神経抗体は陰性で腫瘍が発見されていないが潜在的に腫瘍の危険性が高いと推測される場合,②classical PNSかnon classical PNSかどうかにかかわらず,抗Tr抗体あるいは抗ANNA3抗体,抗PCA2抗体,抗Zic4抗体,抗mGluR1抗体(partially characterized onconeuronal antibodies)が陽性で,腫瘍の存在が確認できない場合,③non classical PNSで抗神経抗体を認めないが,PNS発症から2年以内に腫瘍が確認された場合,の3つをpossible PNSと定義している。
PNSの1つである傍腫瘍性辺縁系脳炎(paraneoplastic limbic encephalitis:PLE)では,急性から亜急性の経過で進行する記銘力や認知機能の障害,抑うつや性格変化などの精神症状,痙攣,意識障害がみられる。PLEの鑑別疾患としては,単純ヘルペス脳炎のほか,Sjögren 症候群,橋本脳症,全身性エリテマトーデス,中毒・代謝性脳症,Korsakoff症候群,梅毒,primary angitis of the CNS,転移性脳腫瘍,(特に骨髄移植後の)HHV-6による辺縁系脳炎(limbic encephalitis:LE),低悪性度のglioma,gliomatosis cerebriなどが挙げられる2)。
病理学的には,扁桃体や海馬の錐体細胞層やアンモン角での神経細胞脱落,血管周囲のリンパ球浸潤,ミクログリアの増生を認め5),これらの変化は,腫瘍組織内の標的抗原に対して産生された自己抗体が,海馬などの辺縁系の神経細胞に存在する共通抗原と反応した結果生じると考えられている。
関連する腫瘍として,肺癌6),精巣腫瘍,乳癌,Hodgkin病,未熟奇形腫7),悪性胸腺腫8)などが知られている。
PLEにおける抗神経抗体の頻度を検討した報告としては,Gultekinら9)のPLEを呈した50例の検討が有名である。50例中30例(60%)が抗神経抗体陽性(抗Hu抗体18例,抗Ta抗体10例を,抗Ma抗体2例)であり,20例は抗体陰性で,うち4例で抗原未同定の抗体を認めたと報告されている。関連する腫瘍の内訳は,肺癌〔25例(うちSCLC20例)〕,精巣腫瘍(10例),乳癌(4例),奇形腫(2例),Hodgkin病(2例),形質細胞腫(1例),悪性胸腺腫(1例),大腸癌(1例),慢性骨髄性白血病(1例),卵巣癌(1例)で,2例で腫瘍が同定されなかったと報告されている。MRIでは44例中25例で異常所見を認めており,T2強調画像での一側もしくは両側の側頭葉に病変を認め,そのうち5例でガドリニウム(Gd)増強効果を伴ったと報告されている。髄液検査では49例中40例で異常所見を認め,その内容は,髄液細胞数の増多(24/47例),髄液蛋白上昇(24/47例),髄腔内抗体産生の増加(15/15例),オリゴクローナルバンド陽性(10/13例)であった。脳波では,33例中27例で異常所見を認め,側頭葉にてんかん焦点を認めたもの(一側性:10例,両側性:3例),周期性一側性てんかん型放電(PLEDs)を認めたもの(2例),非特異的な全般性徐波化を認めたもの(9例)などが列記されている。
これらの,神経細胞内の抗原に対する抗体が陽性のPLEに加え,近年,voltage-gated potassium channel(VGKC)10,11)やanti-N-methyl-D-aspartate receptor(NMDAR)12)などの神経細胞表面の抗原(neuronal surface antigen:NSA)に対する抗体によるLEが報告されている。Jariusら13)は,1999年から2005年の間に経験したLE 284例中67例で抗神経抗体を認め,うち27例が抗VGKC抗体陽性で,抗Hu抗体,抗Ma抗体,抗Ta抗体陽性は,おのおの21例,10例,9例だったと報告している。その特徴はTable3のようにまとめられる。
細胞内抗原認識抗体によるLEの原因として,抗Hu抗体や抗Ma2抗体のほか,抗CV2/CRMP5抗体,抗amphiphysin抗体が知られている。本稿では,これらに加え抗Yo・Riなどの細胞内抗原認識抗体についても合わせて概説していく。
小脳変性症
著者: 酒井宏一郎
ページ範囲:P.357 - P.364
はじめに
傍腫瘍性小脳変性症は,悪性腫瘍患者において,腫瘍の直接浸潤や遠隔転移,さらには治療の副作用腫瘍に伴う代謝異常などではなく,腫瘍の「遠隔効果」により神経・筋症状が出現する傍腫瘍性神経症候群の1つである。悪性腫瘍患者の0.2%に小脳変性症が出現すると報告されている1)。多くの場合,亜急性に小脳症状が出現し,数週~数カ月で症状の悪化を認め,6カ月以内で症状は安定する。小脳症状が出現した当初は,悪性腫瘍がみつからない場合が多く,約1年以内に悪性腫瘍が発見される(Table1)。他の傍腫瘍性神経症候群と同様に血清や髄液に神経細胞抗体などの自己抗体が出現しており,その診断に有用である。傍腫瘍性小脳変性症に出現する自己抗体にはTable2に示すような抗体があり,それぞれ特有の悪性腫瘍と関連している2)。随伴する腫瘍としては,肺小細胞癌や乳癌,卵巣癌,子宮癌,胸腺腫などが多い。傍腫瘍性小脳変性症には,小脳変性症のみが単独で出現するものと,他の神経症状とともに小脳症状が出現するものがあるが,小脳変性症のみが出現するものとしては,Yo抗体VGCC抗体,Tr抗体,mGluR抗体,Zic抗体,CARPVIII抗体などがある。それ以外の抗体が出現する傍腫瘍性小脳変性症では,小脳症状以外の神経・筋症状が出現することもある。傍腫瘍性小脳変性症について,出現する抗体によりそれぞれ概説する。
オプソクローヌス・ミオクローヌス症候群
著者: 松本英之 , 宇川義一
ページ範囲:P.365 - P.369
はじめに
傍腫瘍性オプソクローヌス・ミオクローヌス症候群(paraneoprastic opsoclonus-myoclonus syndrome:POMS)は,悪性腫瘍の遠隔効果によりさまざまな神経症状を呈する傍腫瘍性神経筋疾患の病型の1つであり,特異な眼球運動であるオプソクローヌスに小脳失調やミオクローヌスを伴う比較的稀な疾患である。本症に最も特徴的なオプソクローヌスとは,リズム,方向,振幅がいずれも不規則な衝動性眼球運動(サッカード)が,絶え間なく出現する神経徴候をいう1-5)。近年,さまざまな自己抗体がPOMSにおいて同定され,自己免疫性神経筋疾患の1つであると考えられるようになり,この分野から病態解明へのアプローチが日進月歩で進んでいる。本稿では,特にPOMSに特徴的なオプソクローヌスの免疫学的病因と病態生理学に焦点をあてつつ,POMSの臨床的特徴,病因と鑑別疾患,検査,治療,経過と予後についても記載する。
傍腫瘍性網膜症・視神経症
著者: 井川正道 , 栗山勝
ページ範囲:P.371 - P.376
はじめに
悪性腫瘍患者において,腫瘍細胞の直接浸潤,転移,圧迫や抗癌剤などの治療の副作用などによらず,いわゆる遠隔効果によって神経系に異常をきたす病態を,傍腫瘍性神経症候群(paraneoplastic neurologic syndrome:PNS)という1)。本症候群は,腫瘍細胞と神経系の間で共通抗原が生じる自己免疫的機序により起こると考えられている。すなわち,悪性腫瘍内に発現した神経特異的な蛋白に対する自己抗体が,神経系に対し交叉反応を起こすことが主要な病態機序である。
傍腫瘍性神経症候群は,障害される部位あるいは出現する自己抗体により分類がなされているが,このなかで神経網膜や視神経が障害されることにより視覚障害をきたす一群が存在する2-5)。傍腫瘍性に網膜変性をきたす症候群としては,主に肺小細胞癌(small-cell lung cancer:SCLC)に合併し視細胞を障害する傍腫瘍性網膜変性症あるいは癌関連網膜症(cancer-associated retinopathy:CAR)と,皮膚悪性黒色腫に合併し網膜双極細胞を標的とすると考えられている悪性黒色腫随伴網膜症(melanoma-associated retinopathy:MAR)の2種類があり,視神経障害をきたす症候群としては傍腫瘍性視神経症(paraneoplastic optic neuropathy:PON)がある(Table)。いずれの症候群も免疫学的に抗体が証明され,一部では対応する抗原となる網膜の蛋白や細胞が明らかにされており,PNSの一病型として確立している。本稿では,これら傍腫瘍性に網膜あるいは視神経の障害・変性をきたす症候群について解説する。
なお,下記の病因・病態を理解するために,視覚に関する網膜の神経細胞について概説する。第1次ニューロンである視細胞は,錐体細胞と桿体細胞よりなり,光受容体として働いている。錐体細胞は黄斑部に密に分布し,主に色の識別や明所での視覚に関与し,桿体細胞は網膜の周辺部位に分布し,主に明暗の識別や暗所での視覚に関与するとされている。双極細胞は視細胞と神経節細胞とを連絡し,第2次ニューロンとしての役割を担っている。このほかに,水平細胞,無軸索細胞,Muller細胞が上記の各々の細胞間を連絡することで,網膜を構成し視覚に関与している。
Stiff-person症候群とその他の脊髄症
著者: 石井亜紀子
ページ範囲:P.377 - P.385
はじめに
Stiff-person症候群(SPS)は全身の筋痙攣と硬直を呈し,脳幹および脊髄運動ニューロンを病変部位とする慢性進行性の極めて稀な症候群である。1956年にMoerschとWoltman1)が14例を臨床的にまとめ,fluctuating muscular rigidity and spasm(stiff-man syndrome)として最初に報告した。最近では,女性にも認められることからstiff-person症候群として報告されることが多くなっている。1963年にはHoward2)がジアゼパムの有効性を報告し,1967年にはGordonら3)によって診断基準が作成され,疾患概念が確立された。1988年,1990年にはSolimenaとDeCamilliら4,5)が,本症候群の約60%にグルタミン酸脱水素酵素(glutamate decarboxylase:GAD)に対する自己抗体が存在することを報告し,本症候群が自己免疫異常により起こる神経疾患である可能性を示した。その後,悪性腫瘍を合併するamphiphysin I抗体陽性例6)や,縦隔腫瘍に伴ったgephyrin抗体陽性例7)の報告があり,本症候群が傍腫瘍性神経症候群としても発症することが明らかになってきた。
SPSの臨床像は多様であり,下肢に比較的症状が限局するstiff-limb症候群8)や,脳幹症状を随伴するprogressive encephalomyelitis with rigidity and myoclonus(PERM)9)なども共通の病態と考えられている。BrownとMarsden10)は,典型的なstiff-man症候群のほかにstiff-man plus症候群という名称を用いて,急速な経過をたどるPERと,比較的慢性の経過をたどるjerking stiff-person症候群,stiff-limb症候群の3タイプに分けている。
以上のように,本症候群の臨床症状は単一ではなく,病因も単一ではない。臨床症状はしばしば日内や日ごとに変動し,転換性障害と誤診されることもある。抗体陰性例も多く,しばしば確定診断が困難な症例も存在する。筋硬直や筋痙攣の症例に遭遇した際には,常にSPSを念頭において診断治療を行うことが大切であると考えられる。本稿では,傍腫瘍性神経症候群の観点からSPSの臨床と病因について概説する。
ニューロパチー
著者: 三井良之 , 楠進
ページ範囲:P.387 - P.393
はじめに
傍腫瘍性神経症候群(paraneoplastic neurological syndrome:PNS)とは,腫瘍細胞の直接浸潤やそれに伴う感染,虚血,代謝異常などの機序によらないもの,いわゆるremote effectによる神経障害の総称であり,通常,免疫学的機序による発症機転が示唆されている1,2)。発症頻度は,PNSの明確な診断が困難な例もあることから正確には特定しがたい。全癌患者における発症率は0.01%以下であるとの報告3)がある一方,癌の全経過では0.5~1%に認められるとの記載4)もあり,必ずしも稀な疾患とは言い切れない。今後,診断の精度が上がるにつれて,さらに頻度が高くなる可能性もある。PNSでは神経系のあらゆる部位が標的となり得る。疾患によっては,中枢神経,末梢神経など複数の部位に障害が認められることもあるが,その中で末梢神経は障害される頻度も高く重要な標的部位である。なお,本稿に与えられたタイトルはニューロパチーであり,厳密には後根神経節細胞や脊髄前角細胞を含まないと言う考え方もあるが,広く末梢神経系の障害と言う意味で,これらの障害も含めて論ずる。PNSの発症に関わる免疫学的機序には,いまだ不明の部分も多く,PNSが疑われるすべての症例においてクリアカットに解明されているわけではない。近年,ヨーロッパ神経学会(EFNS)とParaneoplastic Neurological Syndrome Euronetwork(PNS Euronetwork)の合同task forceによって診断基準や診断ガイドラインが発表され,系統的な診断アプローチが提案されている(Table1)5,6)。診断にあたっては,癌細胞に感作され,神経細胞に作用する抗体(onconeuronal antibody:本邦では単に抗神経抗体と称されることが多い)の存在が重要視され,末梢神経障害をきたす抗体もこれまでにさまざまなタイプが報告されている(Table2)。ただ,自己抗体と病型が強い関連を示す例がある一方で,自己抗体が証明されない例,あるいは抗核抗体など非特異的な抗体は検出されるものの,抗体と疾患との特異的関連性が証明されない例なども存在する。本稿では,上記の診断ガイドラインを参考にしながら,PNSによる末梢神経障害を以下のように3種類に大別して考えてみたい。第1はいわゆるclassical syndromeと呼ばれる疾患である。腫瘍細胞が抗原提示的に作用し,感作された免疫担当細胞が産生した抗体(onconeuronal antibody)が,腫瘍細胞だけではなく,神経細胞にも障害性に作用するものであるが,その中でも臨床像が均一であり,出現する抗神経抗体も一定の傾向を示すものである。このタイプの末梢神経障害で初めて報告されたのは1948年にDenny-Brownによる亜急性感覚性ニューロノパチー7)であり,PNSによる末梢神経障害の中核となる疾患である。抗Hu抗体もしくは抗CV-2/CRMP5抗体が検出されることが多く,臨床像も比較的homogeneousである。また,chronic gastrointestinal pseudo-obstructionと呼ばれる消化管の自律神経障害をきたす疾患も同様の抗体の検出傾向を示し,感覚性ニューロノパチーを合併し両者の特徴を併せ持つ例もあることから,同じclassical syndromeに含められている。これらは,Table1では下線で示している。第2のタイプとしては,classical syndromeに比べて臨床像がheterogeneousであり,onconeuronal antibodyも検出されないか,検出されても疾患特異性が確立していないものである。発症形式は急性から慢性までさまざまであり,ニューロパチーとしての臨床病型もバラエティに富む。上述の診断基準ではnon-classical syndromeと記載され,Table1で下線のない疾患が該当する。しかし,腫瘍細胞に対する免疫が神経系に障害的に作用する点においてはclassical syndromeと共通した発症機序が存在すると考えられる。このような例では,未知の抗体が関与する可能性,非特異的な抗体であってもなんらかのかたちで病態に関与する可能性,細胞性免疫が中心的な役割を果たしている可能性などが考えられる。第3のタイプは造血器腫瘍,あるいは造血器腫瘍類似の病態に関連して生じる疾患である。造血器腫瘍に伴うPNSでもHodgkin病や一部のリンパ腫のように,上述の第2のタイプと同様の機序が推定される例もあるが,本稿では抗体産生に関わるB細胞リンパ球あるいは形質細胞系の腫瘍,もしくはそれに準じる病態で,paraproteinemiaに伴って生じるニューロパチーに注目して取り上げたい。本疾患では,腫瘍細胞が末梢神経の構成物に作用する抗体を単クローン性に産生し障害する機序が想定されている。また,抗体による直接障害は証明されていないが,単クローン性免疫グロブリンの存在と種々の生体内因子が臓器障害を引き起こすCrow-Fukase症候群もこのタイプに含めてよいかもしれない。本稿ではまず,上述した第1,第2のタイプについて,各臨床病型の特徴と腫瘍,抗神経抗体との関連を述べていきたい。また,第3のタイプは傍腫瘍性神経症候群に含めない考え方もあるが,これらの単クローン性免疫グロブリン異常に伴う病型についても最近の知見を交えながら解説したい。なお,Crow-Fukase症候群に関しては,本特集では別項目として取り上げられているので,本項では割愛する。
Crow-Fukase症候群
著者: 桑原聡
ページ範囲:P.395 - P.400
はじめに
Crow-Fukase症候群は末梢神経障害を必発とし,骨病変,浮腫・胸腹水,皮膚症状(剛毛・色素沈着,血管腫),骨硬化病変,M蛋白血症などを呈する全身性疾患であり,その基盤には形質細胞の単クローン性増殖(plasma cell dyscrasia)が存在する。日本では報告者の名前をとってCrow-Fukase症候群と呼ばれるが,欧米では主要症状の頭文字をとってPOEMS(polyneuropathy, organomegaly, endocriopathy, M-protein, and skin changes)症候群といわれることが多い。高月病,PEP症候群(plasma cell dyscrasia, endocriopathy, and polyneuropathy syndrome)と称されることもあるが,これらはすべて同じ疾患である。本症候群は稀少疾患であり,2003年に行われた全国調査では国内患者数は約340名と推定されている1)。1996年に,本症候群患者血清中において血管内皮増殖因子(VEGF:vascular endothelial growth factor)が著明な高値を示すことが発見された2)。VEGFは強力な血管新生,血管透過性亢進などの生理的作用を持つことから本症候群の浮腫,臓器腫大,血管腫などの臨床症状を説明しやすく,病態と深く関連すると考えられており3-5),現在VEGFを含めた診断基準が提唱されている(Table1)6,7)。
一般に傍腫瘍性神経症候群は,腫瘍と神経系の共通抗原により惹起される免疫介在性の神経・筋症状を呈する病態と定義される。Crow-Fukase症候群は形質細胞の単クローン性増殖は存在するものの,その病態はVEGFを中心とするサイトカインの過剰産生に基づいており,狭義の傍腫瘍性神経症候群とは異なった特殊な病態を有しているといえる。
免疫介在性ニューロミオトニア(Isaacs症候群)
著者: 有村公良 , 渡邊修
ページ範囲:P.401 - P.410
はじめに
ニューロミオトニア(neuromyotonia)とは全身性の末梢神経の過剰興奮(peripheral nerve hyperexcitability:PNH)により,自発性かつ持続性に筋活動の亢進をきたす疾患群と定義される1,2)。Neuromyotoniaは先天性と後天性に分類され,さらに後天性は免疫介在性と非介在性に分けられる(Table1)。免疫介在性neuromyotoniaはIsaacs症候群とも呼ばれ,1991年Sinhaら3)により神経筋接合部以外の後天性のチャネル病として,Isaacs症候群における電位依存性K+チャネル(voltage gated potassium channel:VGKC)に対する自己抗体の存在が初めて同定され注目された。その後しばらくは,抗VGKC抗体によるPNHの病態解明,治療法の検討が行われてきた4,5)。2001年Linguoriら6)は,末梢神経症状が主体であるneuromyotoniaのほかに,幻覚・不眠などの中枢神経症状および頻脈・発汗過多などの自律神経症状を呈し,従来Morvan症候群として報告されてきた患者の中に,抗VGKC抗体が陽性である症例が存在することを初めて報告し,抗VGKC抗体の中枢神経疾患への関与が注目された。さらにneuromyotoniaなどの末梢神経症状を伴わず,中枢神経症状のみを示す辺縁系脳炎の一部に抗VGKC抗体が関与することが明らかとなり7),ここに抗VGKC抗体関連神経疾患という概念が確立した。現在でも抗VGKC抗体関連神経疾患の概念は広がっており,側頭葉てんかんの一部にも抗VGKC抗体が関与することが明らかになってきている8)(Fig.1)。このように抗VGKC抗体が末梢性,中枢性の神経疾患に関連することが明らかになっているが,VGKCそのものは全身の神経系に存在しているにもかかわらず,一部の症例を除いて,なぜ末梢のみあるいは中枢のみの症状を呈するのか,またVGKCの障害機序が末梢,中枢で同一なのかなど不明な点も少なくない。本稿ではIsaacs症候群を中心として,現在の抗VGKC関連神経疾患の概念,問題点について述べる。
重症筋無力症―病原性のある自己抗体は何か
著者: 本村政勝
ページ範囲:P.411 - P.418
はじめに
重症筋無力症(myasthenia gravis:MG)は,神経筋接合部に対する自己免疫疾患の代表である。一方,傍腫瘍性神経疾患の立場からは,20~30%に胸腺腫を合併する。本特集は,傍腫瘍性神経症候群であるが,MGにおいてその機序は本流ではないと思われる。その理由としては,胸腺組織においてアセチルコリン受容体(acetylcholine receptor:AChR)抗原の供給源は,胸腺腫ではなく,筋様細胞と考えられているからである。その根拠であるが,オックスフォード大学のグループが,若年発症MGにおいて胸腺過形成の筋様細胞で,神経筋接合部で証明される補体介在性の変化を証明した1)。さらに彼らは,血清AChR抗体が検出できない症例で筋様細胞の所見がみられた場合には,実際にはAChR抗体があることを示し,in vitroのアッセイ系でも,血清AChR抗体が検出できない症例のIgGがclustered AChRに結合し補体介在性変化を起こすことを証明した2)。このような胸腺組織を摘除するとMG症状が改善することは容易に想像される。しかしながら,筋様細胞は正常胸腺にも存在し,MG患者の胸腺過形成組織において,なぜ筋様細胞が抗原呈示細胞と作用し胚中心が形成されることによりAChR抗体が産生されるかはいまだ不明のままである。いずれにせよ,胸腺腫がAChR抗原の供給源になる可能性は低く,傍腫瘍性機序は考えにくい。本稿では,当初の目的とは外れるが,MGの主役である自己抗体に焦点をあて,その病態と臨床を中心に解説する。
Lambert-Eaton筋無力症候群
著者: 鈴木重明
ページ範囲:P.419 - P.426
はじめに
Lambert-Eaton筋無力症候群(Lambert-Eaton myasthenic syndrome:LEMS)は,悪性腫瘍に合併,あるいは腫瘍の発症に先行する傍腫瘍性症候群の1つである1)。約50~60%の症例で肺小細胞癌(small-cell lung cancer;SCLC)が認められ,病態に深く関与している。残りの40%程度は腫瘍がない症例(non-tumor LEMS:NT-LEMS)である。いずれの場合でも電位依存性カルシウムチャネル(voltage-gated Ca2+ channel:VGCC)の機能を阻害する自己抗体が原因となり,臓器特異的自己免疫疾患とも考えられる2)。神経筋接合部にあるVGCCは多様性を有しているが,特にP/Q型VGCCの抗体が重要である。
LEMSの男女比は欧米,本邦とも2~4:1で男性に多く,50歳代にピークを認める。頻度は一般的には重症筋無力症(myasthenia gravis:MG)に対して100分の1程度であり,傍腫瘍性症候群と自己免疫疾患の両方の特徴を有している。疫学に関するデータとしては,オランダの調査で100万人あたり2~3人の有病率との報告がある3)。
悪性腫瘍関連筋炎
著者: 清水潤
ページ範囲:P.427 - P.432
はじめに
筋炎は自己免疫性炎症機序により筋組織が破壊される病態であり,古典的には皮膚症状の有無から大きく多発筋炎(polymyositis:PM),皮膚筋炎(dermatomyositis:DM)に分類されるが1),臨床像と組織所見の検討2)や,合併膠原病のタイプおよび出現する自己抗体の検討3)から,さまざまな病態機序を背景に持つheterogeneousな疾患であることが明らかにされつつある。一方,1世紀近く前より,筋炎の一部の症例に悪性腫瘍が合併し特徴的な臨床像を示すとして多くの報告がなされてきた。しかしながら,両者の関連を明確にする疫学検討がなされたのは,近年になってからである。また,最近,悪性腫瘍関連筋炎症例に高頻度で出現する抗体として,抗p155/p140抗体(抗p155抗体)が発見された。本抗体は悪性腫瘍を伴う特発性筋炎の診断に役立つばかりでなく,本疾患の病態機序を考えるうえでも重要である。本稿では,悪性腫瘍関連筋炎の疫学および臨床的な特徴について概説し,現時点での本疾患の病態機序に関する仮説を紹介する。
総説
筋萎縮性側索硬化症と言語障害
著者: 市川博雄 , 河村満
ページ範囲:P.435 - P.440
はじめに
筋萎縮性側索硬化症(amyotrophic lateral sclerosis:ALS)は上位および下位運動ニューロンが選択的かつ系統的に障害される神経変性疾患であり,従来,知的機能は末期まで保たれ,認知症は伴わないとされてきた。本邦における旧来の診断基準1)をみても,認知症は眼球運動障害,膀胱直腸障害,他覚的感覚障害,錐体外路徴候,小脳症状とともにALSの陰性徴候とされてきた。しかし,1960年代以降,認知症を伴うALS(ALS with dementia:ALS-D)例が本邦を中心に報告され,湯浅・三山型ALSとしても知られてきたが2-6),ごく最近になり,ALSと認知症性疾患である前頭側頭葉変性症(frontotemporal lobar degeneration:FTLD)7-10)の一部が同じ疾患スペクトラムに属することが証明された11-14)。すなわち,1869年のCharcotとJoffrovの発表以来100年の歴史を有するALS15)の常識が否定されたと言える。
それでは,認知機能の一面である言語機能についてはどうであろうか。ALSでは上位および下位運動ニューロン障害として四肢の運動障害を呈することに加え,球麻痺あるいは偽性球麻痺による構音障害を伴うことが多く,一部の患者ではこれらが初期症状ともなる。ALSにおける言語障害については,後述する歴史的記載があるものの,ALSにおける構音障害に隠ぺいされ,認知症以上に見過ごされてきた可能性がある16,17)。本稿では,ALSにおける構音障害とは別に,失語症的側面に焦点をあてて述べてみたい。
神経画像アトラス
Caudal paramedian midbrain syndromeの1例
著者: 池田剛 , 浅川弘之 , 角田孝 , 小林栄喜 , 谷中清之
ページ範囲:P.442 - P.443
Caudal paramedian midbrain syndromeは両側の失調症状や眼球運動障害などを呈する症候群であるが1),その画像所見について言及した報告はほとんど見当たらない。今回われわれは,本症候群を呈する症例を経験したので急性期MRI所見を中心に報告する。
このヒトに聞く
戦後神経学のあけぼのとその後の発展―スモンに始まる神経難病研究の貢献(前編)
著者: 祖父江逸郎 , 岩田誠
ページ範囲:P.445 - P.449
2009年に日本神経学会は50周年を迎え,その第50回大会では,半世紀の歴史を振り返る数々の講演やシンポジウムが催された。本誌でもこの記念の年に戦後の神経学のあゆみを振り返るべく,名古屋大学・愛知医科大学名誉教授の祖父江逸郎氏をお迎えし,ご自身の足跡とともにお話を伺った。前編(全2回)の今回は祖父江氏の戦争体験と恩師である大臨床家・勝沼精蔵氏の思い出を振り返っていただいた。〈2009年6月16日収録〉
連載 神経学を作った100冊(40)
アバーネシー 外科的観察―体質に起因する局所疾患とその治療(動脈瘤も含めて)第6版(1822)
著者: 作田学
ページ範囲:P.450 - P.451
ジョン・アバーネシー(1764~1831)(Fig.1)は,ジョン・ハンター(John Hunter,1728~1793)の弟子としてその外科学と生理学を継ぎ,ハンターの死後はロンドンで最も高名な外科医の1人として名をはせた。アバーネシーは,外腸骨動脈の動脈瘤に対して初めて結紮法を用いたことで有名である(『外科的観察』284頁,1796)。彼はこの手術を4回行い,そのうち2回で成功したという。また,1798年脳出血に対して内頸動脈を結紮した。さらに,腰部膿瘍に対して空気をできるだけ遮断する切開法により症状改善をもたらした。彼は,局所疾患の原因は体質,もしくは消化不良のいずれかによると考え,ほとんどすべての疾患に瀉血を施し,塩化水銀(甘汞)か,大黄を処方した1)。
本書は1809年に初版が出版され,少なくとも6版を数えたということで,当時の英国医学界に広く受け入れられたと言えよう2)。この中で,動脈瘤については234~292頁(1809年初版),254~315頁(1817年),277~346頁(1822年6版)に記載されている。
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あとがき フリーアクセス
著者: 水澤英洋
ページ範囲:P.456 - P.456
傍腫瘍性症候群,より正確には傍腫瘍性神経症候群(paraneoplastic neurological syndrome:PNS)とは,悪性腫瘍に伴う神経障害のうち腫瘍の直接浸潤・転移,栄養障害,日和見感染,治療の副作用などを除外したいわゆる遠隔効果よるものをいうが,最近では,主に抗神経抗体に関連した免疫介在性のものに対してよく用いられる。
皮膚筋炎と悪性腫瘍,重症筋無力症と胸腺腫,小脳変性症と肺小細胞癌など悪性腫瘍と神経疾患の関係は古くから知られてはいたが,そのメカニズムはよくわかっていなかった。しかし,その後抗神経抗体の同定や免疫治療の発展が続き,現在ではPNSは神経学において1つの大きな領域を形成するに至っている。個人的には1980年代後半から,相次いでstiff person症候群とIsaacs症候群の症例を経験し,血漿交換による劇的な改善を目の当たりにして大変感動したことをよく覚えている。当時はまだ両疾患ともPNSとしてはポピュラーでなく,抗GAD抗体はYale大学まで送って検査してもらったり,抗VGKC抗体もまだ生物学的検査しかできず患者は英国まで行き故Newsam-Davis教授にみてもらっていた。
基本情報
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63巻12号(2011年12月発行)
特集 神経心理学と画像解析の融合
63巻11号(2011年11月発行)
増大特集 筋疾患update
63巻10号(2011年10月発行)
特集 緩徐進行性高次脳機能障害の病態
63巻9号(2011年9月発行)
特集 脳卒中の最新画像診断
63巻8号(2011年8月発行)
特集 日本人の発見した神経症候
63巻7号(2011年7月発行)
増大特集 神経筋接合部―基礎から臨床まで
63巻6号(2011年6月発行)
特集 ニューロパチー
63巻5号(2011年5月発行)
特集 神経系と血管内リンパ腫
63巻4号(2011年4月発行)
増大特集 てんかんの新しい治療
63巻3号(2011年3月発行)
特集 サイバーナイフ治療
63巻2号(2011年2月発行)
特集 続・日本人の発見した神経疾患
63巻1号(2011年1月発行)
特集 血管腫
62巻12号(2010年12月発行)
特集 頸部頸動脈狭窄症の診断と治療
62巻11号(2010年11月発行)
増大特集 歩行とその異常
62巻10号(2010年10月発行)
特集 ブレインバンク
62巻9号(2010年9月発行)
特集 視神経脊髄炎(NMO)update
62巻8号(2010年8月発行)
特集 辺縁系脳炎
62巻7号(2010年7月発行)
増大特集 アルツハイマー病―研究と診療の進歩
62巻6号(2010年6月発行)
特集 改正臓器移植法の問題点とその対応
62巻5号(2010年5月発行)
特集 神経画像のピットフォール―見落としと読み過ぎ
62巻4号(2010年4月発行)
特集 傍腫瘍性神経筋疾患update
62巻3号(2010年3月発行)
特集 神経回路解析法の最近の進歩
62巻2号(2010年2月発行)
特集 ニューロリハビリテーションの最前線
62巻1号(2010年1月発行)
特集 神経救急
61巻12号(2009年12月発行)
特集 Somatotopy再考
61巻11号(2009年11月発行)
特集 前頭側頭葉変性症
61巻10号(2009年10月発行)
特集 片頭痛の予防療法
61巻9号(2009年9月発行)
特集 脳血管障害治療の進歩
61巻8号(2009年8月発行)
特集 神経・筋疾患の分子標的治療
61巻7号(2009年7月発行)
特集 脳腫瘍研究の最前線―遺伝子解析から治療まで
61巻6号(2009年6月発行)
特集 脊椎・脊髄外科の最近の進歩
61巻5号(2009年5月発行)
特集 Restless legs syndrome
61巻4号(2009年4月発行)
特集 大脳基底核―分子基盤から臨床まで
61巻3号(2009年3月発行)
特集 Microneurography(微小神経電図法)の臨床応用
61巻2号(2009年2月発行)
特集 神経系の再興感染症と輸入感染症
61巻1号(2009年1月発行)
特集 脳神経倫理
60巻12号(2008年12月発行)
特集 痙縮
60巻11号(2008年11月発行)
特集 脳卒中と遺伝子
60巻10号(2008年10月発行)
特集 若年者の脳卒中
60巻9号(2008年9月発行)
特集 知・情・意の神経学
60巻8号(2008年8月発行)
特集 脳硬膜動静脈瘻
60巻7号(2008年7月発行)
増大特集 学習と記憶――基礎と臨床
60巻6号(2008年6月発行)
特集 Crow-深瀬症候群(POEMS症候群)
60巻5号(2008年5月発行)
特集 「痛み」の研究と治療の最前線
60巻4号(2008年4月発行)
増大特集 神経系の発生とその異常
60巻3号(2008年3月発行)
特集 特発性正常圧水頭症(iNPH)―最近の話題
60巻2号(2008年2月発行)
特集 がん治療と神経障害
60巻1号(2008年1月発行)
特集 日本人の発見した神経疾患
59巻12号(2007年12月発行)
特集 損傷神経の再生―温存的治療法の開発
59巻11号(2007年11月発行)
特集 手根管症候群をめぐって
59巻10号(2007年10月発行)
増大特集 ALS―研究と診療の進歩
59巻9号(2007年9月発行)
特集 パーキンソン病の認知機能障害
59巻8号(2007年8月発行)
特集 パーキンソン病の分子遺伝学―最近の知見
59巻7号(2007年7月発行)
増大特集 情報伝達処理におけるグリアの機能と異常
59巻6号(2007年6月発行)
特集 職業性神経障害の新しい展開
59巻5号(2007年5月発行)
特集 脳画像最前線
59巻4号(2007年4月発行)
増大特集 最近注目される脳神経疾患治療の研究
59巻3号(2007年3月発行)
特集 分子イメージング
59巻2号(2007年2月発行)
特集 進行性多巣性白質脳症の新しい展開―PMLが治る時代へ向けて
59巻1号(2007年1月発行)
特集 高次視覚研究の最近の進歩