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文献詳細

雑誌文献

BRAIN and NERVE-神経研究の進歩62巻4号

2010年04月発行

連載 神経学を作った100冊(40)

アバーネシー 外科的観察―体質に起因する局所疾患とその治療(動脈瘤も含めて)第6版(1822)

著者: 作田学1

所属機関: 1日本赤十字社医療センター神経内科

ページ範囲:P.450 - P.451

文献概要

 ジョン・アバーネシー(1764~1831)(Fig.1)は,ジョン・ハンター(John Hunter,1728~1793)の弟子としてその外科学と生理学を継ぎ,ハンターの死後はロンドンで最も高名な外科医の1人として名をはせた。アバーネシーは,外腸骨動脈の動脈瘤に対して初めて結紮法を用いたことで有名である(『外科的観察』284頁,1796)。彼はこの手術を4回行い,そのうち2回で成功したという。また,1798年脳出血に対して内頸動脈を結紮した。さらに,腰部膿瘍に対して空気をできるだけ遮断する切開法により症状改善をもたらした。彼は,局所疾患の原因は体質,もしくは消化不良のいずれかによると考え,ほとんどすべての疾患に瀉血を施し,塩化水銀(甘汞)か,大黄を処方した1)

 本書は1809年に初版が出版され,少なくとも6版を数えたということで,当時の英国医学界に広く受け入れられたと言えよう2)。この中で,動脈瘤については234~292頁(1809年初版),254~315頁(1817年),277~346頁(1822年6版)に記載されている。

参考文献

1) Garrison FH: An Introduction to the History of Medicine. With Medical Chronology, Suggestions for Study and Bibliographic Data, 5th ed. Saunders, Philadelphia, 1929
2) Abernethy J: Surgical Observations on the Constitutional Origin and Treatment of Local Diseases; and on Aneurisms, 6th ed. Longman, Hurst, Rees, Orme and Brown, London, 1822

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1344-8129

印刷版ISSN:1881-6096

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