はじめに
2009年7月の国会で「臓器の移植に関する法律の一部を改正する法律(いわゆる,改正臓器移植法)」1)が成立し,2010年7月からは本人の臓器提供に関する生前意思が存在しなくても,家族の承諾があれば脳死下臓器提供が可能となる。また,15歳未満の小児からの脳死下臓器提供が可能となり,脳死下臓器提供数の増加が予想されている。
しかし,現行の法律においては脳死下臓器提供の際に臓器提供施設となる救急医療施設や脳神経外科施設には時間的,および経済的に多大な負担が発生している。このような状況の下に改正臓器移植法が施行されると,臓器提供施設の負担がますます増加し,結果的に臓器提供数増加の阻害要因になるばかりか,移植医療自体の信頼性が問われかねない事態となる。また,小児脳死判定にどのような判定基準を使用すべきか,どのような施設の医師が判定すべきかなどの議論は尽くされておらず,法律施行に向けて早急に解決すべき問題でもある。
2010年7月の改正臓器移植法施行に向けて救急医の立場からさまざまな問題点と解決すべき課題について考える。
雑誌目次
BRAIN and NERVE-神経研究の進歩62巻6号
2010年06月発行
雑誌目次
特集 改正臓器移植法の問題点とその対応
救急医の立場から
著者: 横田裕行
ページ範囲:P.565 - P.573
脳神経外科医の立場から
著者: 永廣信治
ページ範囲:P.575 - P.581
はじめに
2009年7月に臓器移植に関する法律(以下,臓器移植法)が改正された1,2)。この改正によって,1997年に制定された臓器移植法施行後の12年間に行われた約80例の脳死下臓器移植と同じ数が,制定後1年間の間に行われるという急激な脳死臓器移植増加の予測もある。脳死は,頭部外傷や脳卒中などの脳神経外科救急医療の現場で発生することが多いので,脳神経外科医には,大きな責務と仕事が委ねられることになるであろう。
法改正の内容については,既に他稿で述べられているので,本稿では救急や脳死と向き合うことが多い脳神経外科医の立場から,改正後にどのように対応すべきか,問題点や注意点,今後の方向性などについて述べてみたい。
簡単に法改正の要点を述べると,親族への優先提供が可能となったことと,脳死となった本人に臓器提供の意思がなくても家族の意思で提供が可能となったことである。したがって意思表示カードを持っていない人が脳死となっても,またその人が小児であっても,家族の判断によって脳死下の臓器提供は可能となる。親族への優先提供は既に2010年1月17日から法律の施行が開始され,家族の意思による提供は2010年7月17日からスタートすることになっている2)。
神経内科医の立場から
著者: 寺山靖夫
ページ範囲:P.583 - P.586
はじめに
「臓器の移植に関する法律(平成九年法律第一〇四号。以下,臓器移植法)」は1997年7月16日に成立し,同年10月16日から施行された。
この法律には12条からなる附則があり,その第二条第一項には「この法律による臓器の移植については,この法律の施行後三年を目途として,この法律の施行の状況を勘案し,その全般について検討が加えられ,その結果に基づいて必要な措置が講ぜられるべきものとする」とあるが,10年以上が経過しても改正は行われていなかった。
その間,わが国では脳死臓器移植の数が増えず移植医療が停滞し,移植を求めて海外に出かける患者に伴う問題(移植ツーリズム)や未成年を含む臓器不正売買などの社会問題が大きくクローズアップされ,2009年になってようやく改正の機運が高まり再び議員立法として同年7月に「臓器の移植に関する法律の一部を改正する法律(以下,改正臓器移植法)」が成立し,2010年7月11日より施行されることになった。
変更のねらいは,これまで年10件程度しか行われていないわが国の脳死臓器提供を増やすために,提供の条件を緩和することとも理解できるが,要約すると,以下のようになる。
(1) 臓器移植にあたっては“脳死は人の死”と定める。
(2) 提供者本人が,生前に書面で自分の親族への移植を意思表示したときにはそれを認める。すなわち,親族に対する臓器の優先提供を認める。
(3) 本人の臓器提供の意志が不明であっても,遺族がこれを書面で承諾するときには可能とする。
(4) その際の脳死判定においても本人の意思にかかわらず家族の書面による判定の承諾があれば可能とする。
(5) 15歳未満であっても家族の書面による承諾があれば可能とする。
小児科医の立場から
著者: 水口雅
ページ範囲:P.587 - P.594
はじめに
脳死をめぐっては医学のみならず法学,社会学,倫理学を含む多方面から,長年にわたり論議されてきた。しかしそれぞれの領域で互いに対立する意見や主張があり,今日に至るまでコンセンサスは得られていない。その一方で近年,脳死臓器移植をめぐる諸問題は深刻化してきた。とりわけ日本では脳死体からの臓器提供が少ないこと,15歳未満の小児脳死体からの臓器提供ができないこと,多くの日本人小児患者が海外に渡航して臓器移植を受けていることが,放置すべからざる問題として取り上げられた。
このような環境下で2009年6~7月,「臓器の移植に関する法律の一部を改正する法律(以下,改正臓器移植法)」が国会で可決・成立し,7月17日に公布された。これに伴い,従来は不可能であった「臓器提供目的での小児の法的脳死判定」が,今後は可能になった。また「臓器提供に係る意思表示のあり方」も変更された。小児の観点からみた場合,改正臓器移植法の要点は次の3点である。
①ドナーの年齢制限が撤廃された。
②15歳未満の小児では,保護者の同意による臓器提供が可能となった。
③虐待による脳死事例は,臓器提供者から除外することとなった。
この法改正を受け,厚生労働省は臓器移植委員会(委員長:永井良三 東京大学教授)およびいくつかの作業班を設置した。また厚生労働科学研究班(研究代表者・貫井英明 山梨大学名誉教授)が発足し,2010年3月まで以下の作業を進めてきた。
①小児脳死判定基準の作成
②小児脳死下臓器提供施設の要件の確定
③脳死判定における脳血流検査の役割の検討
以上の状況に基づき,本稿では,小児の脳死について,主としてドナー側の見地から概説する。
総説
CARASILの分子病態学
著者: 志賀篤 , 野崎洋明 , 西澤正豊 , 小野寺理
ページ範囲:P.595 - P.599
はじめに
脳の血管病は,主体となる血管の径によって大血管性と小血管性に大別され,その危険因子も異なる。このことから,主体となる血管系によってその分子病態機序は異なると考えられる。大血管の病変は皮質を含む大きな脳梗塞を引き起こし,急性の神経症状を引き起こす。大血管病は近年分子病態の解明が進み,また,血管内治療や血栓溶解療法による治療介入が進められ,一定の効果を上げている。一方,小血管の病変は穿通枝領域や深部白質に比較的小さな脳梗塞を引き起こす。そのため,急性の神経症状を起こす以外には明確な急性症状を伴わず,病変の蓄積による緩徐進行性の認知障害や歩行障害を引き起こすことも多い。
脳画像解析技術の普及から,近年,このような明らかな症状を伴わない小血管病変が多くとらえられるようになった。小血管病変の危険因子としては高血圧症が挙げられている。しかしながら,その病態機序についてはいまだ明らかでない。小血管性病変の病態機序解明と有効な治療方法の模索は,高齢化社会が進むわが国において重要な課題である。
孤発性疾患の病態の解明に,同様の病理変化を起こす遺伝性疾患の病態機序の解明が大きな貢献をしてきたことはよく知られている。遺伝性の脳小血管病としてcerebral autosomal recessive arteriopathy with subcortical infarcts and leukoencephalopathy(CARASIL;皮質下梗塞と白質脳症を伴う常染色体劣性遺伝性脳動脈硬化症)がある。
CARASILは,わが国で疾患概念が確立された疾患であり,臨床的特徴として,①頭部MRIでび漫性の大脳白質病変,②変形性脊椎症および禿頭,③正常血圧,が挙げられる。また病理学的所見として,①穿通枝や皮質枝の内膜肥厚,②穿通枝の中膜平滑筋細胞の変性,③大脳白質の髄鞘の脱落,が挙げられ,これらは孤発性脳小血管病の病理所見と類似する1)。そのため,CARASILの病態機序解明が,孤発性の脳小血管病の理解につながることが期待される。
近年われわれは,CARASILの原因遺伝子としてHTRA1を同定した2)。本稿では,HTRA1の機能異常とCARASILの分子病態機序との関連について概説する。
縁取り空胞を伴う遠位型ミオパチーのモデルマウスと糖化合物による治療
著者: 野口悟 , マリクダンV. メイ クリスティン , 西野一三
ページ範囲:P.601 - P.607
はじめに
縁取り空胞を伴う遠位型ミオパチー(distal myopathy with rimmed vacuoles:DMRV)は,欧米では遺伝性封入体ミオパチー(hereditary inclusion body myopathy:hIBM)と呼ばれる,15~35歳で発症する常染色体劣性の遺伝性筋疾患である1)。日本には約150~400人の患者がいると推定されている。臨床的には,遠位筋である前脛骨筋が好んで侵され,進行性の筋萎縮と筋力低下を特徴とする2)。近位筋である大腿四頭筋は発症初期には侵されない3)が,発症後期には筋力低下をみる。症状は比較的ゆっくりと進行し,平均発症後12年間で歩行不能となる。罹患筋の筋病理所見は特徴的であり,縁取り空胞と萎縮した小角化線維の存在と筋線維内にアミロイド様の蛋白質の蓄積がみられる。電子顕微鏡観察では,多数の自己貪食空胞の集積が観察される。
2001年に連鎖解析によって,このDMRV/hIBMが,シアル酸生合成経路の律速酵素であるウリジン二リン酸-N-アセチルグルコサミン(UDP-GlcNAc)2-エピメラーゼN-アセチルマンノサミンキナーゼ(GNE/MNK)をコードするGNE遺伝子の変異によって引き起こされることが明らかとなった4)。GNE/MNKは全身で,特に,肝臓で強く発現し,シアル酸は脳組織に多く存在するため,GNE遺伝子の変異が筋疾患を引き起こすことは非常に意外であり,シアル酸生合成不全がこの疾患を引き起こすのか,この遺伝子産物が持つ他の機能の欠損によって引き起こされるのか,議論の的であった。本疾患の病態メカニズムはまったく不明であり,治療法開発研究も遅れていた。
本稿では,本疾患の遺伝子異常とシアル酸低下,モデルマウス作製とモデルマウスのミオパチー症状について概説するとともに,治療薬候補となり得る糖化合物,シアル酸〔N-アセチルノイラミン酸(NeuAc)〕および中間生成物であるN-アセチルマンノサミン(ManNAc)について,さらに,モデルマウスへのこれら糖化合物の投与による治療基礎研究についてわれわれの最近の研究結果を交えて紹介し,糖化合物を用いた将来の本疾患の治療の可能性について議論したい。
原著
リバーミード行動記憶検査を用いた地域在住高齢者における記憶障害の検討
著者: 品川俊一郎 , 豊田泰孝 , 松本光央 , 園部直美 , 足立浩祥 , 森崇明 , 石川智久 , 福原竜治 , 池田学
ページ範囲:P.609 - P.614
Ⅰ.背景
地域社会において認知症をより早期から診断し,介入しようとする試みは近年になり活発になっている。軽度認知障害(mild cognitive impairment:MCI)は現在多くの研究で用いられている代表的な認知症の前駆段階の概念である1)。当初Petersenらによって提唱されたのは,認知症の最も多い原因疾患であるAlzheimer病(Alzheimer's disease:AD)の前駆段階として想定され,記憶障害のみに限定された定義であったが2),その後MCIの多様性が指摘され,いくつかの変遷を経て記憶障害以外の認知機能障害も含まれるようになった3)。しかし,現在でもMCI概念の中核となっているのは記憶障害が主体となる健忘型MCI(amnestic MCI)であり,MCIを検出しようとする疫学研究の多くはこのamnestic MCIを中心に行われている4)。
専門外来においては,認知症やamnestic MCIが疑われた高齢者の記憶障害を検出するためには,Wechsler記憶検査(Wechsler Memory Scale-Revised:WMS-R)の論理記憶などが用いられるのが一般的である5,6)。しかし,WMS-Rは施行に際して時間と労力を要するため,地域疫学調査においては施行が困難な場合も多い7)。また,WMS-Rの論理記憶は主に言語性記憶に依存するため,実際の日常生活場面での記憶障害を反映していないとの指摘もある8)。
症例報告
インフルエンザワクチン接種後に単純ヘルペスウイルスが原因と考えられる辺緑系脳炎をきたした1症例
著者: 内海雄思 , 井関栄三 , 村山憲男 , 一宮洋介 , 新井平伊
ページ範囲:P.615 - P.619
はじめに
インフルエンザは伝染力が強く,特に65歳以上の高齢者,乳幼児,免疫低下状態の患者,糖尿病など慢性代謝性疾患の患者を含むハイリスク群では,重篤な合併症を引き起こして死亡する危険が増加する。インフルエンザ感染の予防にはインフルエンザワクチンの接種が有効とされ,毎年流行が予想されるインフルエンザウイルスに対してワクチンが製造されている。インフルエンザワクチンには,ハイリスク群がインフルエンザに罹患した場合,肺炎など重篤な合併症の発症を抑え入院・死亡などの危険を軽減する効果が認められており1),社会の高齢化が急速に進んでいるわが国でも,厚生科学研究の結果2)をもとにインフルエンザワクチンの接種が推奨されている。
インフルエンザワクチンは1971年以前には全粒子ワクチンが使用されていたが,1972年からは精製したウイルス粒子をエーテルによって部分分解した不活化ワクチンが登場した。これに伴い発育鶏卵の品質管理,精製技術の改良や発熱物質の除去などの技術的進歩によって,発熱や神経系の副作用は大幅に減少した。しかしながら,極めて稀ではあるが,Guillain-Barre症候群(Guillain-Barre syndrome:GBS)やacute disseminated encephalomyelitis(ADEM)など自己免疫機序が推定される脳神経障害を生じて後遺症を残す例も報告されている3,4)。
今回われわれは,インフルエンザワクチン接種後に単純ヘルペスウイルスによると考えられる辺縁系脳炎をきたした症例を経験した。インフルエンザワクチン接種後に生ずる脳神経障害は重篤な後遺症を残しかねず,最悪の場合死に至ることもある。これらを未然に防ぐためにも,インフルエンザワクチン接種後の副作用の発症機序を個々の症例ごとに検討することは重要である。
視野障害を呈した扼頸後遅発性低酸素脳症の1例
著者: 今村恵子 , 秋藤洋一 , 紙谷秀規 , 中島健二
ページ範囲:P.621 - P.624
はじめに
呼吸・循環障害では,急性期の意識障害から回復後,数日から数週間の無症状期を経た後に種々の神経症状を呈する遅発性低酸素脳症を生じることがある。一酸化炭素中毒による遅発性低酸素脳症がよく知られているが,絞首後にも生じる場合がある。絞頸後に生じた遅発性低酸素脳症では,線条体に障害をきたしてアテトーゼやジストニアを生じた例が報告されている1,2)。呼吸・循環不全では全脳に対して低酸素による障害を生じるが,絞頸や扼頸では椎骨・脳底動脈系の血流は障害されにくく,その支配領域は虚血を免れると考えられている2)。われわれは,扼頸による意識障害から回復後,遅発性に視野障害を生じ,後頭葉病変を認めた症例を経験したので報告した。
経時的に詳細な言語機能評価をした運動ニューロン疾患を伴う意味性認知症の1例
著者: 木藤友実子 , 數井裕光 , 吉田哲彦 , 久保嘉彦 , 髙屋雅彦 , 徳永博正 , 武田雅俊
ページ範囲:P.625 - P.630
はじめに
前頭側頭葉変性症(frontotemporal lobar degeneration:FTLD)は前頭葉・側頭葉の萎縮を伴う初老期発症・緩徐進行性の臨床症候群としてNearyら1)によって定義され,行動異常などを前景とする前頭側頭型認知症(frontotemporal dementia:FTD)と,失語症状を主とする意味性認知症(semantic dementia:SD)および進行性非流暢性失語に分けられる。
FTLDにはmotor neuron disease(MND)を伴う症例が存在することが知られている。MNDを伴う臨床型は,MND with dementia(D-MND)として報告された症例を含めてもFTDがほとんど2,3)で,MNDを伴うSD(SD-MND)の報告は日本から2例4,5),海外から1例6)にとどまる。しかし,病理学的検討からはSD-MND例が一定数存在することが明らかにされている7)。
FTD-MNDはMNDを伴わないFTDと比べ生存期間が短く,障害が前頭葉に限局するなど症状や画像所見が異なると報告されている8)。SD-MNDも仮名の錯書を初期から有するなどMNDを伴わないSDと異なる徴候を持つ可能性が示唆されているが詳細は不明である。
今回われわれはSD-MNDの1例を経験し,言語を含む神経心理学的評価・神経画像学的評価を2年にわたり施行したので報告する。
神経画像アトラス
HTLV-I関連多発根神経炎のMRI
著者: 岩波久威 , 辰元宗人 , 平田幸一 , 滝口義晃 , 犬飼敏彦
ページ範囲:P.633 - P.634
症 例 47歳,男性
主 訴 歩行時のふらつき,手足のしびれ
既往歴 なし
出身地 栃木県
現病歴 200X年10月頃から手袋靴下型のジンジンとしたしびれ感が出現した。下肢のしびれは徐々に上行し,12月上旬からは両足に力が入りにくくなり,歩くとふらついて転ぶようになった。2006年1月下旬に1人で歩けなくなったため当院に入院となった。
入院時所見 一般内科学的に異常はなく,神経学的には運動系は徒手筋力テストで上肢は4,下肢は3+から4レベル。動揺性歩行をきたしており,閉眼状態で動揺が強まった。腱反射は上下肢ともに消失し,病的反射はなかった。感覚系は手袋靴下型の自覚的な感覚異常と下肢のL1以下の全感覚の低下がみられた。Romberg試験陽性。排尿障害あり。
Neurological CPC
認知症を伴ったParkinson病85歳男性例
著者: 吉村菜穂子 , 本間琢 , 村山繁雄 , 織茂智之 , 横地正之 , 河村満 , 後藤淳 , 福田隆浩 , 藤ヶ崎純子 , 鈴木正彦
ページ範囲:P.635 - P.642
〈症例呈示〉
司会(織茂) それでは吉村先生,まず,臨床経過をお願いいたします。
主治医(吉村) 症例は,85歳で亡くなられた男性で,現役の頃は板ガラス加工の仕事をしていました。既往歴は,33歳のときに肺結核のために右の上葉切除術を受けています。このほかには,大きな既往はありません。
71歳のときに左上肢に振戦が出現し,東京慈恵会医科大学(以下,慈恵医大)でParkinson病と診断されています。最初は,左上肢の振戦だけで,Hoehn-Yahr分類の1度でしたが,徐々にすくみ現象を伴う歩行障害が顕在化しています。約10年の経過で良好にコントロールされていて,2003年5月,80歳のときに転居のため当院(荏原病院)へ紹介されました。初診時の神経学的な所見は,認知機能障害はなく,仮面様顔貌があり,言語は小声,四肢に固縮が2/5~3/5で左右差はあまりなく,静止時振戦は左手に認められました。姿勢時振戦も左に有意に認められています。歩行はよく保たれていて,方向転換をするときには軽いすくみ現象がみられますが,そのほかは非常に安定した自立歩行をしていました。
学会印象記
第18回WFN世界Parkinson病と運動障害関連学会:XVIII WFN World Congress on Parkinson's Disease and Related Disorders(2009年12月13~16日)
著者: 井上学
ページ範囲:P.646 - P.646
2009年12月13~16日まで米国フロリダ州マイアミで開催された第18回WFN世界Parkinson病と運動障害関連学会に参加してきました。この学会は運動障害,特にParkinson病に関して,古くからある学会の1つで,1959年の第1回から数えて今回が第18回目にあたります。2年に1度の開催で,日本では1991年に開催されています。今回は日本からの参加者は少なく,歴史ある学会としては少しさびしい気がしました。
1997年にノーベル生理学・医学賞を受賞したプリオンの発見者であるStankey.B.Prusiner教授の招待講演に始まった学会は,マイアミコンベンションセンター(写真1)で行われ,1つの会場でほぼシームレスに会場設定がされて,移動に難渋することはありませんでした。
連載 神経学を作った100冊(42)
クウェイン『解剖学原理』(1828)
著者: 作田学
ページ範囲:P.648 - P.649
クウェイン(Jones Quain;1796~1865)は,19世紀中葉を代表する解剖学者である。ロンドン大学の解剖学と生理学の教授を長く務め,代表作に,『解剖学原理』がある(Fig.1)1)。本書は初版が1828年に出たあと,第2版(1832),第3版(1834),第4版(1837)と続き,第11版(1908~1929)まで改版を続けた。つまり,100年以上も読み継がれた解剖学書ということになるが,これに匹敵するのは1858年にHenry GrayとHenry Vandyke Carterが出版した『Gray's anatomy』であろう。この書も恐ろしく息が長く,40版150年を数えている。
クウェインは,それまでの解剖学を集大成したという意味で,大変意義深い仕事を成し遂げた。第3版(1834)を読んだが,今日使われている解剖学用語はその大部分をこの書物にみることができる。ということは,今日の臨床神経学の解剖学的基礎はこの頃にほぼ完成されていたと考えてもよいのではないだろうか。
書評
「Disease 人類を襲った30の病魔」―Mary Dobson●著,小林 力●訳 フリーアクセス
著者: 岩田健太郎
ページ範囲:P.608 - P.608
「将来の人々は,かつて忌まわしい天然痘が存在し貴殿によってそれが撲滅されたことを歴史によって知るだけであろう」
トーマス・ジェファーソン。エドワード・ジェンナーへの1806年の手紙 本書134頁より(以下,頁数は本書)
われわれは,ジェファーソンの予言が1979年に実現したことを知っている。個人の疾患は時間を込みにした疾患である。社会の疾患は歴史を込みにせずには語れない。目の前の患者に埋没する毎日からふと離れ,俯瞰的に長いスパンの疾患を考えるひとときは貴重である。
「多飲症・水中毒 ケアと治療の新機軸」―川上宏人・松浦好徳●編 フリーアクセス
著者: 阪本奈美子
ページ範囲:P.632 - P.632
臨床医として仕事を始めて,もう10年以上になる。いろいろなことを,それなりにわかっていたつもりだった。しかし,本当は何もわかっていなかった。何かにガツンと頭をたたかれた,そんな1冊だ。
タイトルをみると,専門書に思われた。あるいは教科書かとも。しかし,そうだとしても常識を覆す構成である。普通だったら,定義や解説から始まるだろう。本書はなんと「Q&A」から始まる。意外であったが,「なんとなく」知っている多飲症や水中毒に対する抵抗感が一気になくなったのは事実である。そしてのめりこんでいく自分に気づいた。平易な文章でつづられているため,入り込みやすい。それでいて内容の深さにどんどんとはまりつつ進んでいくのである。
「≪脳とソシアル≫発達と脳―コミュニケーション・スキルの獲得過程」―岩田 誠,河村 満●編 フリーアクセス
著者: 小林登
ページ範囲:P.644 - P.644
本書は,東京女子医科大学名誉教授岩田 誠先生と,昭和大学医学部教授河村 満先生によって編集され,序論を含めて4章からなり,わが国の発達領域に関わる脳研究の第一人者である18人の専門家により執筆された272頁からなるものである。
全体として,その構成をみると,岩田誠先生のアイデアが光っているようにみえる。評者は折々,先生のお考えを伺う機会があったからそう思うのであろうか。脳からみたヒトの発達について先生が書かれた興味深い序論,さらには冒頭の「発刊によせて」,そして巻末の「あとがきにかえて」の河村先生との対談を読むと,それがよく理解される。すなわち,文化人類学的,さらには進化論的な発想で医学・医療問題をとらえようとする立場である。評者も,脳の働きを理解するには,それなしでは成し得ないと考えている。
--------------------
あとがき フリーアクセス
著者: 寺本明
ページ範囲:P.654 - P.654
昨年7月の国会でいわゆる改正臓器移植法がすんなりと通過し,脳死下における臓器移植が少なくとも手続き上は容易になった。今後,臓器移植数の増加が見込まれているが,われわれ臨床神経分野を担当しているものにとってはドナー側としてのさまざまな負担の増加が予想される。
筆者の施設でも3件の脳死下臓器移植を経験したが,1医療チームが“2泊3日”も停止するほどの仕事量であり,病院としても大きな経済的負担を負ったと聞いている。そのため中規模以下の病院では,たとえ患者が発生しても到底対応できない事態である。そこで,本号では「改正臓器移植法の問題点とその対応」という特集を組み,ドナー側である救急医学,脳神経外科,神経内科および小児科からみた今後の対応策を解説していただいた。
基本情報
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特集 中枢神経・末梢神経の悪性リンパ腫
73巻9号(2021年9月発行)
特集 脳卒中治療に必要な基礎知識
73巻8号(2021年8月発行)
特集 脳腸相関—脳-身体の双方向性制御
73巻7号(2021年7月発行)
特集 グリアと神経—相補的な制御系として
73巻6号(2021年6月発行)
特集 Lower Spine Neurology
73巻5号(2021年5月発行)
増大特集 中枢神経の自己免疫性・炎症性疾患ハンドブック
73巻4号(2021年4月発行)
特集 片頭痛・群発頭痛治療の新たな夜明け
73巻3号(2021年3月発行)
特集 マルチリンガルブレイン
73巻2号(2021年2月発行)
特集 筋炎と壊死性筋症
73巻1号(2021年1月発行)
特集 Neuro-Oncology
72巻12号(2020年12月発行)
特集 超高齢期の精神神経疾患を診る
72巻11号(2020年11月発行)
増大特集 脳の発振現象—基礎から臨床へ
72巻10号(2020年10月発行)
特集 COVID-19—脳神経内科医が診るための最新知識
72巻9号(2020年9月発行)
特集 皮質性小脳萎縮症へのアプローチ
72巻8号(2020年8月発行)
特集 サルコイドーシス
72巻7号(2020年7月発行)
増大特集 神経倫理ハンドブック
72巻6号(2020年6月発行)
特集 前頭側頭葉変性症の今日的理解
72巻5号(2020年5月発行)
特集 多発性硬化症の現在と未来
72巻4号(2020年4月発行)
増大特集 神経疾患の診断における落とし穴—誤診を避けるために
72巻3号(2020年3月発行)
特集 でこぼこの脳の中でおしくらまんじゅうする脳機能
72巻2号(2020年2月発行)
特集 αシヌクレイノパチーの新たな展開
72巻1号(2020年1月発行)
特集 神経難病をクスリで治す—薬物開発の現況と近未来への展望
71巻12号(2019年12月発行)
特集 小脳と大脳—Masao Itoのレガシー
71巻11号(2019年11月発行)
増大特集 ALS2019
71巻10号(2019年10月発行)
特集 認知症と遺伝
71巻9号(2019年9月発行)
特集 神経疾患のドラッグ・リポジショニング—新時代へ
71巻8号(2019年8月発行)
特集 パーキンソン病診療の現在地—200年の変遷と新規治療
71巻7号(2019年7月発行)
増大特集 人工知能と神経科学
71巻6号(2019年6月発行)
特集 補体標的治療の現状と展望
71巻5号(2019年5月発行)
特集 NPSLE
71巻4号(2019年4月発行)
増大特集 神経学のための皮膚アトラス
71巻3号(2019年3月発行)
特集 Spine Neurology
71巻2号(2019年2月発行)
特集 “スポーツ”を生み出す脳
71巻1号(2019年1月発行)
特集 人工知能の医療応用Update
70巻12号(2018年12月発行)
特集 主訴に沿う—俯瞰し収束する画像診断の目
70巻11号(2018年11月発行)
増大特集 脳科学で解き明かす精神神経症候
70巻10号(2018年10月発行)
特集 「左脳と右脳」の現在
70巻9号(2018年9月発行)
特集 脳神経内科診療に役立つ精神科の知識
70巻8号(2018年8月発行)
特集 レヴィ小体型認知症の新知見
70巻7号(2018年7月発行)
増大特集 記憶と忘却に関わる脳のしくみ—分子機構から健忘の症候まで
70巻6号(2018年6月発行)
特集 芸術を生み出す脳
70巻5号(2018年5月発行)
特集 非アルツハイマー型認知症の病理学
70巻4号(2018年4月発行)
増大特集 Antibody Update 2018
70巻3号(2018年3月発行)
特集 『認知症疾患診療ガイドライン2017』を読み解く
70巻2号(2018年2月発行)
特集 知っておきたい神経感染症
70巻1号(2018年1月発行)
特集 筋痛性脳脊髄炎/慢性疲労症候群の今
69巻12号(2017年12月発行)
特集 運動異常症をみる—Web動画付録つき
69巻11号(2017年11月発行)
増大特集 こころの時間学の未来
69巻10号(2017年10月発行)
特集 成人てんかん—知っておきたい6つのトピック
69巻9号(2017年9月発行)
特集 ミクログリアと精神・神経疾患
69巻8号(2017年8月発行)
特集 遺伝性脊髄小脳失調症の病態と治療展望
69巻7号(2017年7月発行)
増大特集 あしたのアルツハイマー病治療
69巻6号(2017年6月発行)
特集 局在病変の神経心理学
69巻5号(2017年5月発行)
特集 Voxel-Based Morphometry—体積からわかること
69巻4号(2017年4月発行)
増大特集 ブロードマン領野の現在地
69巻3号(2017年3月発行)
特集 磁気刺激の新たな展開
69巻2号(2017年2月発行)
特集 Stroke-Like Diseases—鑑別時に注意を要する5病態
69巻1号(2017年1月発行)
特集 近年注目されている白質脳症
68巻12号(2016年12月発行)
特集 炎症性神経・筋疾患の新たな展開
68巻11号(2016年11月発行)
増大特集 連合野ハンドブック
68巻10号(2016年10月発行)
特集 アディクション—行動の嗜癖
68巻9号(2016年9月発行)
特集 自己免疫性脳炎・脳症
68巻8号(2016年8月発行)
特集 こころと汗
68巻7号(2016年7月発行)
増大特集 認知症の危険因子と防御因子
68巻6号(2016年6月発行)
特集 脳とフローラ
68巻5号(2016年5月発行)
特集 手の症候学—生理学・解剖学からみた新知見
68巻4号(2016年4月発行)
増大特集 治せる認知症
68巻3号(2016年3月発行)
特集 末梢神経の血管炎
68巻2号(2016年2月発行)
特集 筋疾患の認知機能障害
68巻1号(2016年1月発行)
特集 シャルコー・マリー・トゥース病
67巻12号(2015年12月発行)
特集 視床と高次脳機能
67巻11号(2015年11月発行)
増大特集 ギラン・バレー症候群のすべて—100年の軌跡
67巻10号(2015年10月発行)
特集 非・日常生活の脳科学
67巻9号(2015年9月発行)
特集 酵素補充療法
67巻8号(2015年8月発行)
特集 神経難病の終末期医療
67巻7号(2015年7月発行)
増大特集 神経疾患と感染症update
67巻6号(2015年6月発行)
特集 脳と「質感」
67巻5号(2015年5月発行)
特集 NCSE(非痙攣性てんかん重積状態)
67巻4号(2015年4月発行)
増大特集 大脳皮質vs.大脳白質
67巻3号(2015年3月発行)
特集 中枢神経の血管炎
67巻2号(2015年2月発行)
特集 「食べる」を考える
67巻1号(2015年1月発行)
特集 ニューロトキシコロジー
66巻12号(2014年12月発行)
特集 Orthopaedic Neurology—神経内科と整形外科の狭間で
66巻11号(2014年11月発行)
増大特集 神経症候学は神経学の“魂”である
66巻10号(2014年10月発行)
特集 分子を撃つ 神経疾患治療の新しい水平線
66巻9号(2014年9月発行)
特集 痙縮の臨床神経学
66巻8号(2014年8月発行)
特集 神経系の悪性リンパ腫update
66巻7号(2014年7月発行)
増大特集 アミロイド関連神経疾患のすべて―封入体筋炎からアルツハイマー病まで
66巻6号(2014年6月発行)
特集 ミラーニューロン
66巻5号(2014年5月発行)
特集 アセチルコリンと神経疾患―100年目の現在地
66巻4号(2014年4月発行)
増大特集 タッチ・ビジョン・アクション
66巻3号(2014年3月発行)
特集 神経筋疾患の超音波診断
66巻2号(2014年2月発行)
特集 糖尿病の神経学revisited
66巻1号(2014年1月発行)
特集 日常生活の脳科学
65巻12号(2013年12月発行)
特集 プロテイノパチーの神経病理学
65巻11号(2013年11月発行)
増大特集 Close Encounters―臨床神経学と臨床免疫学の遭遇と未来
65巻10号(2013年10月発行)
特集 神経系の発達メカニズム―最近の話題
65巻9号(2013年9月発行)
特集 Common diseaseは神経学の主戦場である―現状と展望
65巻8号(2013年8月発行)
特集 こころの時間学―現在・過去・未来の起源を求めて
65巻7号(2013年7月発行)
増大特集 あしたの脳梗塞
65巻6号(2013年6月発行)
特集 見せる・仕分ける―脳機能解析の新手法
65巻5号(2013年5月発行)
特集 てんかん―新しいパースペクティブ
65巻4号(2013年4月発行)
増大特集 Antibody Update
65巻3号(2013年3月発行)
特集 次世代シーケンサーによる神経変性疾患の解析と展望
65巻2号(2013年2月発行)
特集 血液脳関門研究の進歩
65巻1号(2013年1月発行)
特集 Corticobasal Syndrome
64巻12号(2012年12月発行)
特集 The Border-Land of Dementia
64巻11号(2012年11月発行)
増大特集 痛みの神経学―末梢神経から脳まで
64巻10号(2012年10月発行)
特集 辺縁系をめぐって
64巻9号(2012年9月発行)
特集 高次脳機能イメージングの脳科学への新展開
64巻8号(2012年8月発行)
特集 線条体の基礎と臨床
64巻7号(2012年7月発行)
増大特集 顔認知の脳内機構
64巻6号(2012年6月発行)
特集 睡眠と覚醒の脳内機構
64巻5号(2012年5月発行)
特集 神経疾患のバイオマーカー
64巻4号(2012年4月発行)
増大特集 パーキンソン病の新しい側面
64巻3号(2012年3月発行)
特集 アカデミアから新規治療の実現へ―トランスレーショナルリサーチの現状
64巻2号(2012年2月発行)
特集 生物学的精神医学の進歩
64巻1号(2012年1月発行)
特集 iPS細胞と神経疾患
63巻12号(2011年12月発行)
特集 神経心理学と画像解析の融合
63巻11号(2011年11月発行)
増大特集 筋疾患update
63巻10号(2011年10月発行)
特集 緩徐進行性高次脳機能障害の病態
63巻9号(2011年9月発行)
特集 脳卒中の最新画像診断
63巻8号(2011年8月発行)
特集 日本人の発見した神経症候
63巻7号(2011年7月発行)
増大特集 神経筋接合部―基礎から臨床まで
63巻6号(2011年6月発行)
特集 ニューロパチー
63巻5号(2011年5月発行)
特集 神経系と血管内リンパ腫
63巻4号(2011年4月発行)
増大特集 てんかんの新しい治療
63巻3号(2011年3月発行)
特集 サイバーナイフ治療
63巻2号(2011年2月発行)
特集 続・日本人の発見した神経疾患
63巻1号(2011年1月発行)
特集 血管腫
62巻12号(2010年12月発行)
特集 頸部頸動脈狭窄症の診断と治療
62巻11号(2010年11月発行)
増大特集 歩行とその異常
62巻10号(2010年10月発行)
特集 ブレインバンク
62巻9号(2010年9月発行)
特集 視神経脊髄炎(NMO)update
62巻8号(2010年8月発行)
特集 辺縁系脳炎
62巻7号(2010年7月発行)
増大特集 アルツハイマー病―研究と診療の進歩
62巻6号(2010年6月発行)
特集 改正臓器移植法の問題点とその対応
62巻5号(2010年5月発行)
特集 神経画像のピットフォール―見落としと読み過ぎ
62巻4号(2010年4月発行)
特集 傍腫瘍性神経筋疾患update
62巻3号(2010年3月発行)
特集 神経回路解析法の最近の進歩
62巻2号(2010年2月発行)
特集 ニューロリハビリテーションの最前線
62巻1号(2010年1月発行)
特集 神経救急
61巻12号(2009年12月発行)
特集 Somatotopy再考
61巻11号(2009年11月発行)
特集 前頭側頭葉変性症
61巻10号(2009年10月発行)
特集 片頭痛の予防療法
61巻9号(2009年9月発行)
特集 脳血管障害治療の進歩
61巻8号(2009年8月発行)
特集 神経・筋疾患の分子標的治療
61巻7号(2009年7月発行)
特集 脳腫瘍研究の最前線―遺伝子解析から治療まで
61巻6号(2009年6月発行)
特集 脊椎・脊髄外科の最近の進歩
61巻5号(2009年5月発行)
特集 Restless legs syndrome
61巻4号(2009年4月発行)
特集 大脳基底核―分子基盤から臨床まで
61巻3号(2009年3月発行)
特集 Microneurography(微小神経電図法)の臨床応用
61巻2号(2009年2月発行)
特集 神経系の再興感染症と輸入感染症
61巻1号(2009年1月発行)
特集 脳神経倫理
60巻12号(2008年12月発行)
特集 痙縮
60巻11号(2008年11月発行)
特集 脳卒中と遺伝子
60巻10号(2008年10月発行)
特集 若年者の脳卒中
60巻9号(2008年9月発行)
特集 知・情・意の神経学
60巻8号(2008年8月発行)
特集 脳硬膜動静脈瘻
60巻7号(2008年7月発行)
増大特集 学習と記憶――基礎と臨床
60巻6号(2008年6月発行)
特集 Crow-深瀬症候群(POEMS症候群)
60巻5号(2008年5月発行)
特集 「痛み」の研究と治療の最前線
60巻4号(2008年4月発行)
増大特集 神経系の発生とその異常
60巻3号(2008年3月発行)
特集 特発性正常圧水頭症(iNPH)―最近の話題
60巻2号(2008年2月発行)
特集 がん治療と神経障害
60巻1号(2008年1月発行)
特集 日本人の発見した神経疾患
59巻12号(2007年12月発行)
特集 損傷神経の再生―温存的治療法の開発
59巻11号(2007年11月発行)
特集 手根管症候群をめぐって
59巻10号(2007年10月発行)
増大特集 ALS―研究と診療の進歩
59巻9号(2007年9月発行)
特集 パーキンソン病の認知機能障害
59巻8号(2007年8月発行)
特集 パーキンソン病の分子遺伝学―最近の知見
59巻7号(2007年7月発行)
増大特集 情報伝達処理におけるグリアの機能と異常
59巻6号(2007年6月発行)
特集 職業性神経障害の新しい展開
59巻5号(2007年5月発行)
特集 脳画像最前線
59巻4号(2007年4月発行)
増大特集 最近注目される脳神経疾患治療の研究
59巻3号(2007年3月発行)
特集 分子イメージング
59巻2号(2007年2月発行)
特集 進行性多巣性白質脳症の新しい展開―PMLが治る時代へ向けて
59巻1号(2007年1月発行)
特集 高次視覚研究の最近の進歩