文献詳細
連載 神経学を作った100冊(43)
文献概要
ガブリエル・アンドラル(Gabriel Andral;1797-1876)はフランスの医師である(Fig.)1)。アンドラル徴候あるいはAndral's decubitusとは,胸膜炎の初期に患者が健側を下にして横たわることを言う。また,病気の診断には血液の化学的検査が必要なことを初めて記載した。彼には共著の『血液成分の変化に関する研究』(1840)があり,血液学者と呼ぶ人もいる。また,パスツールが脳卒中の発作を起こしたとき,対診に呼ばれたことでも知られている。
彼は1797年にギヨム・アンドラルの子としてパリに生まれた。ギヨムはフランス革命の指導者であるマラーとシャルル10世の2人の侍医として成功を収めた人物である。
彼は1797年にギヨム・アンドラルの子としてパリに生まれた。ギヨムはフランス革命の指導者であるマラーとシャルル10世の2人の侍医として成功を収めた人物である。
参考文献
ed. Williams & Wilkins, Baltimore, 1961
2) Ackerknecht EH: Medicine at the Paris hospital 1794-1848. Johns Hopkins Press, Baltimore, 1967
3) 川喜田愛郎: 近代医学の史的基盤. 岩波書店, 東京, 1977
4) Andral G: Precis D'Anatomie Pathologique. 3 vol, Gabon, Paris, 1829
掲載誌情報