序
筋疾患の基礎的研究が大きく転換したのは1987年のジストロフィンの発見であった1)。ジストロフィンの発見の意義は遺伝性筋疾患の中で最も頻度の高いDuchenne型筋ジストロフィーの原因遺伝子の解明にはとどまらなかった。なぜなら,ジストロフィンは細胞膜の裏打ち構造であって,力を発生し運動によって形を変える骨格筋の細胞においては,形質膜をその細胞骨格に固定する役割をはたし,その欠如が細胞膜の脆弱化を引き起こして筋細胞を壊死に至らしめるという,筋ジストロフィーの発症機転の解明であったからである。また,従来から形態学的な根拠により主張されていた「膜説」が正しいことを証明することにもなった。これをきっかけに,ジストロフィンが結合するジストログリカンやサルコグリカンなどの筋形質膜の糖蛋白複合体,さらに,細胞外基質を構成するラミニンA/Cなどとの関連が明らかになった。これらの蛋白の欠損や異常によっても骨格筋の壊死がもたらされ,従来は遺伝形式や臨床症状から異なる型と言われていた筋ジストロフィーも,サルコグリカン異常症2-5),ラミニン異常症6)など,原因遺伝子の観点から整理されることとなった。
1990年代には頻度の高い遺伝性ミオパチーの原因となる遺伝子/DNAの変異が次々に解明され,疾患の頻度を考慮すると,2000年には既にほとんどの患者にとって自分の病気の原因の解明は解決済みの課題と言っても過言ではないという状態になっていた。例えば,1992年に筋強直性ジストロフィー7,8)と顔面肩甲上腕型筋ジストロフィー9),1994年にEmery-Dreifuss型筋ジストロフィー10),1998年に福山型先天性筋ジストロフィー11),三好型遠位型筋ジストロフィー12),眼咽頭型筋ジストロフィー13)の原因となる遺伝子/DNAの変異が同定されている。
雑誌目次
BRAIN and NERVE-神経研究の進歩63巻11号
2011年11月発行
雑誌目次
増大特集 筋疾患update
序 筋疾患update―21世紀はじめの10年の進歩
著者: 川井充
ページ範囲:P.1147 - P.1150
2型筋強直性ジストロフィー
著者: 木村隆 , 齋藤司
ページ範囲:P.1151 - P.1160
はじめに
筋強直性ジストロフィーは,ミオトニアを主徴とする遺伝性筋疾患で,1909年にSteinertら1)により最初に記載された。有病率は約8,000人に1人とされ,成人型の筋ジストロフィーでは最も頻度が高い。遺伝形式は常染色体優性遺伝で,第19染色体(19q13.1)におけるCTG繰り返し配列の異常伸長がみられる。
2型筋強直性ジストロフィー(dystrophia myotonica type 2:DM2)は,近位筋優位の筋力低下,ミオトニア,白内障といった筋強直性ジストロフィーの特徴を持ちながら,第19染色体のCTG繰り返し配列の伸長がみられない疾患群として1994年に最初に報告された2)。当時は筋力低下が近位筋優位にみられたことから,近位型筋強直性ミオパチー(proximal myotonic myopathy:PROMM)あるいは近位型筋強直性ジストロフィー(proximal myotonic dystrophy:PDM),CTG繰り返し配列の伸長のみられない筋強直性ジストロフィー(myotonic dystrophy with no CTG repeat expansion)などと呼ばれていた。2001年に第3染色体(3q21)におけるCCTG繰り返し配列の異常伸長が明らかとなり3),DM2として確立した疾患となった。第3染色体にあるZNF9遺伝子のイントロン1は複合したリピートモチーフ(TG)n(TCTG)n(CCTG)nを持ち,このCCTGリピートの伸長がDM2を引き起こすとされる。本稿では,DM2とこれまで知られていた筋強直性ジストロフィー(1型筋強直性ジストロフィー:DM1)の臨床症状の特徴を比較し(Table1),本邦におけるDM2について述べる。
筋強直性ジストロフィー―異常RNAによる病態機序と新たな治療法の探索
著者: 中森雅之 , 高橋正紀
ページ範囲:P.1161 - P.1168
はじめに
筋強直性ジストロフィー(myotonic dystrophy:DM)は,有病率が1/8,000人と,成人で最も頻度の高い遺伝性筋疾患であり,常染色体優性遺伝形式をとる1)。DM患者は,筋強直(ミオトニア)や進行性の筋力低下・筋萎縮のほか,心伝導障害,認知機能障害,白内障,内分泌機能異常など,多彩な全身症状を呈する。近年,DMの病態の主座は,遺伝子上の塩基繰り返し配列から転写される,異常RNAであることがわかってきた。本稿では,“RNA dominant disease”としてのDMの病態と,それに対して現在検討されている治療法について概説する。
コラーゲン6型変異によるミオパチー
著者: 樋口逸郎
ページ範囲:P.1169 - P.1178
はじめに
Ullrich型先天性筋ジストロフィー(Ullrich type congenital muscular dystrophy:UCMD)は生下時からの筋力低下,筋萎縮,近位関節の拘縮と遠位関節の過伸展を特徴とする疾患であり,1930年にドイツのUllrichが初めて報告した1)。われわれは,UCMD患者生検筋において,本症の病因であるコラーゲン6型(collagen VI:COL6)欠損を初めて明らかにした2)。その後,われわれのグループとイタリアのグループからUCMDにおけるCOL6遺伝子変異が報告され3,4),本症が一疾患単位として確立された。わが国では福山型先天性筋ジストロフィーに次いで頻度の高い先天性筋ジストロフィーであると報告されている5)。COL6蛋白欠損を呈する重症のUCMDは,軽症のBethlemミオパチーとともにCOL6関連筋疾患に分類されている。また,COL6のヘテロ変異を有するUCMDも報告され6),それは劣性遺伝のUCMDと同程度の頻度でみられるとされている。
Bethlemミオパチーは,関節拘縮を伴い緩徐に進行する近位筋優位の筋力低下と筋萎縮を特徴とする疾患である7)。通常はCOL6のヘテロ変異により優性遺伝を呈するが8),稀に劣性遺伝のBethlemミオパチーも存在するため,UCMDとBethlemミオパチーの異同が問題になっている(Table1)。わが国ではUCMDに比べてBethlemミオパチーの報告例は少ないが,英国の報告ではBethlemミオパチー(有病率0.77/100,000)がUCMD(有病率0.13/100,000)よりも高頻度である9)。以前はUCMDとBethlemミオパチーは独立した別の疾患と考えられていた。しかし最近では,典型的な重症のUCMDと軽症のBethlemミオパチーは,COL6関連筋疾患の連続したスペクトラムの両端に位置する疾患と考えられている。さらに,COL6変異がみられないUCMDも報告され10),未知の病因によるUCMDの研究も続けられている。一方,UCMDやBethlemミオパチーとは異り,新たなCOL6関連筋疾患として,全身の筋硬化と関節拘縮を呈する筋硬化性ミオパチー(myosclerosis myopathy)がCOL6 α2遺伝子の劣性変異により生ずることが報告され,COL6関連筋疾患の臨床病型が拡大しつつある11)。これまでに28種類の蛋白がコラーゲンスーパーファミリーに分類されており,COL6異常症以外にも各種神経筋疾患および骨結合織疾患が遺伝性コラーゲン異常症として知られている。ただし,まだ機能不明のコラーゲン分子も多く,今後病因が未知の疾患を解明するうえで注目されている。
COL6は骨格筋を含む全身組織の細胞外マトリックスに広く分布する分子量約50万の細線維分子で,細胞接着,分化や再生との関連において注目されている多機能分子である。その構造は,異なる遺伝子に支配される3本のα鎖からなり,α1とα2遺伝子は第21染色体に存在しα3遺伝子は第2染色体に存在する。COL6のアセンブリーは,まず細胞内で3本のα鎖がC末端のglobularドメインを介して結合し,C末端からN末端に向けてtriple helixを作りモノマーを形成する。次に,ジスルフィド結合でダイマーを経由してテトラマーとなり初めて細胞外に分泌される。細胞外でテトラマーがつながり細線維となったCOL6は,collagen Iなどの線維性コラーゲンや多くの細胞外マトリックスおよび基底膜蛋白と相互作用を有することが報告されており12-14),COL6の主要機能の1つは基底膜と線維性結合織を結合することだと考えられる。また,COL6はインテグリン,サイトカイン,成長因子などとの相互作用も報告されており15-19),細胞増殖や分化にも関与すると考えられている。最近,マウスでCOL6 α3とホモロジーのある新しいα鎖であるα4,α5,α6が報告され,ヒトでもα5,α6の発現と第3染色体上の遺伝子の存在が証明されているが20,21),これまでのところ新しいα鎖による筋疾患の報告はない。
筋原線維性ミオパチー
著者: 林由起子
ページ範囲:P.1179 - P.1188
はじめに
筋原線維性ミオパチー(myofibrillar myopathy:MFM)は,特徴的な筋病理変化が認められるミオパチーの一群に対してつけられる,病理変化に基づいた診断名であり,原因遺伝子や臨床症状,臨床経過などは非常に多彩である。したがって,同じ遺伝子の変異による疾患でも,肢帯型筋ジストロフィー(limb-girdle muscular dystrophy:LGMD),遠位型ミオパチー,あるいは拡張型心筋症などさまざまな臨床診断名が付与されている。本稿ではまず,MFMの全体像を示し,次いで原因となる遺伝子別にそれぞれの特徴を述べる。
αジストログリカン異常症
著者: 久我敦 , 金川基 , 戸田達史
ページ範囲:P.1189 - P.1195
はじめに
本邦で特異的にみられる福山型先天性筋ジストロフィー(Fukuyama type congenital muscular dystrophy:FCMD)と,muscle-eye-brain病(MEB),Walker-Warburg症候群(WWS)は,先天性筋ジストロフィーに滑脳症と眼奇形を伴う類縁疾患である。近年,これらの疾患やその他いくつかの筋ジストロフィーが,αジストログリカン(α-dystroglycan:α-DG)の糖鎖修飾異常という分子病態を共有していることが注目されている。「αジストログリカン異常症(α-DG異常症,αジストログリカノパチー)」という名称も,これらの疾患群を説明する新しい疾患概念として提唱され,研究の進展とともに定着しつつある。
本稿では,まずα-DGの機能と構造について概説したうえで,α-DG異常症という疾患概念がどのようにして確立されてきたか,これまでの研究の流れを振り返る。次に,α-DG異常症の臨床像について説明する。最後に,昨年新たに明らかとなった「リン酸ジエステル結合を介したα-DG糖鎖修飾構造」について,さらに,FCMDの病態とその治療について,われわれのグループが最近明らかにした知見を紹介する。
筋炎関連抗体とその診断的意義
著者: 鈴木重明
ページ範囲:P.1197 - P.1203
はじめに
自己免疫機序により筋線維が障害される筋炎は,多発筋炎(polymyositis:PM),皮膚筋炎(dermatomyositis:DM),封入体筋炎の3つに大別されるが,そのほかにもさまざまな病態機序を背景に持つ疾患が含まれており,臨床像においても病態機序においても均一ではない1,2)。現在,PMとDMは筋病理所見や病態機序から異なる疾患として位置づけられている。しかし,厳密な病理所見をもとにしたPMの診断基準によると,PMと診断できる症例は稀であり,多くは非特異的筋炎やpossible myositisに含まれてしまう問題点もある3)。一方,自己抗体の立場からみた場合はPMとDMは連続した疾患であり,いまだにPM/DMという記載が一般的である4)。これは,筋炎はあくまでも臓器病変の1つであり,PM/DMは自己免疫が介在した全身性炎症疾患という考え方である。
本稿では,筋炎で検出される自己抗体とその臨床的意義を中心に解説する。
封入体筋炎
著者: 鈴木直輝 , 青木正志
ページ範囲:P.1205 - P.1215
はじめに
封入体筋炎(inclusion body myositis:IBM)は多発筋炎(polymyositis:PM),皮膚筋炎(dermatomyositis:DM),壊死性筋炎とともに炎症性筋疾患に分類されることが多い1)。最初の症例は,大腿四頭筋の萎縮と脱力,病理学的には炎症細胞浸潤と電顕でのtubular filamentsが存在するとして1967年に報告された2)。欧米では50歳以上で最も多い特発性の炎症性筋疾患であるとされる。骨格筋に縁取り空胞と呼ばれる特徴的な組織変化を生じ,炎症細胞浸潤を伴う難治性・進行性筋疾患であり,時に筋萎縮性側索硬化症(amyotrophic lateral sclerosis:ALS)と鑑別困難な場合もある難病である。ステロイドや免疫グロブリン大量療法(intravenous immunoglobulin:IVIg)といった免疫学的治療に不応もしくはかえって増悪することもあり,有効な治療法はない。したがって,副作用や合併症のリスクを回避するために正確な診断が大切である。
IBMは元来孤発性であり,sporadic IBM(sIBM)と表記される。しかし,親子や兄妹で発症したという報告も散見され,ヒト白血球抗原(human leukocyte antigen:HLA)など遺伝的背景が推定されている。近年,骨Paget病と前頭側頭型認知症を伴う封入体性ミオパチーの症例にvalosin-containing protein(VCP)の遺伝子異常が見出され3),病理学的には炎症が乏しい場合が多いという差異があるもののsIBMの病態解明の点で注目されている。縁取り空胞にはアミロイドβ(amyloid β:Aβ)蛋白やユビキチンの存在が指摘され,アルツハイマー病との相同性が注目されており,「筋変性疾患」と分類し直すべき病態と考えられる。なお,縁取り空胞を伴う遠位型ミオパチー(distal myopathy with rimmed vacuole:DMRV)は本邦のNonakaらによって初めて報告された4)。しかし,欧米では遺伝性封入体ミオパチー(hereditary inclusion body myopathy:hIBM)と呼称されることもある。炎症細胞浸潤に乏しくmyositisではなくmyopathyの略語であることに注意が必要である。シアル酸合成酵素であるGNE遺伝子の異常を認める常染色体劣性遺伝疾患でありsIBMとは異なる概念である。
本稿では,sIBMの臨床的特徴や病態・治療の現状に触れる。また,日本人でのsIBMについても厚生労働省難治性疾患克服研究事業の成果を交えて報告する。
筋ジストロフィーの心筋障害治療
著者: 田村拓久
ページ範囲:P.1217 - P.1228
はじめに
筋ジストロフィーは多くの病型で心筋障害を合併することが知られている。筋ジストロフィーの心臓合併症は,dystrophinopathyで代表される固有心筋の障害によるいわゆる心不全と,筋強直性ジストロフィーやEmery-Dreifuss症候群などで頻発する特殊心筋による刺激伝導障害に大別できる。本稿では,筋ジストロフィーの中で最も多数を占めるDuchenne型筋ジストロフィー(Duchenne muscular dystrophy:DMD)の心筋障害により生じる心不全,特に慢性心不全の臨床的な病態評価と治療法について解説する。
筋ジストロフィーの呼吸管理
著者: 久留聡
ページ範囲:P.1229 - P.1236
はじめに
進行性筋ジストロフィーは難治性疾患であり,臨床においては対症療法や合併症の対策が診療の主体となる。なかでも呼吸障害は生命予後に直接関係するため,適切な管理を行うことが極めて重要である。しかし,筋ジストロフィーは病型によって発症年齢,障害されやすい筋群,重症度が異なり,呼吸障害の発現の仕方が異なる。また,中枢神経障害,球麻痺,心筋障害,脊柱変形などが合併すると呼吸障害や呼吸管理に大きな影響を及ぼす。本稿では,まず各病型における呼吸障害の特徴について述べ,ついで最近発表されたDuchenne型筋ジストロフィー(Duchenne muscular dystrophy:DMD)呼吸管理ガイドラインに沿った呼吸管理について概説したい。
神経筋原性側弯症に対する治療のエビデンス―Duchenne型筋ジストロフィーに伴う側弯症の治療に関する海外文献のreviewを中心に
著者: 齋藤亘 , 高相晶士
ページ範囲:P.1237 - P.1244
はじめに
Duchenne型筋ジストロフィー(Duchenne muscular dystrophy;DMD)をはじめとする神経筋疾患に関する研究は,ここ10年において原因,治療を含めて著明な進歩を遂げた。DMDにおいては,1980年以降,呼吸管理の進歩に伴い寿命も約10年延長したと報告されている1)。そして,公共施設のバリアフリー化,電動車椅子の普及など患者を取り巻く社会環境の変化に伴い,患者自身のみではなく患者家族の生活の質(quality of life:QOL)を向上させることへの要求が高まってきた。
神経筋原性側弯症に対しては,装具治療,立位訓練などの保存療法が特に重要視されていた時代も存在したが,手術技術,手術器械,麻酔技術の進歩に伴い,手術治療がより安全に行われるようになってきた。その結果,手術治療に比較的消極的であった本邦において,近年脊柱変形をより確実に矯正し,進行を予防する手段として,手術治療の重要性が認識されるようになってきている。
脊柱変形を伴う神経筋疾患は多数存在するが,ここではDMDに伴う側弯症の手術治療を中心に欧米と日本の成績を述べるとともに,当院におけるDMD側弯症に対する手術療法の実際と成績について述べる。
筋ジストロフィー患者への心理的サポート
著者: 井村修
ページ範囲:P.1245 - P.1252
はじめに
Duchenne型筋ジストロフィー(Duchenne muscular dystrophy:DMD)を中心とした筋ジストロフィー(以下,筋ジスとする)の理解は,生化学的また遺伝子レベルの研究成果を基盤に,20年前よりはるかに広まりつつある。しかしながら,この蓄積された多くの医学的知識にもかかわらず,筋ジスの子どもや家族の心理は未解明な部分が多い。彼らは自分の病気をどのようにとらえているのだろうか。また,家族はどのようなサポートを期待しているのだろうか。このような問題を解決するため,われわれは2005年度から6年間にわたり,厚生労働省精神・神経疾患研究委託費により「筋ジストロフィーの療養と自立支援のシステム構築に関する研究」と「筋ジストロフィーの集学的治療と均てん化に関する研究」を行ってきた。本稿では,われわれがこれまでの6年間に行ってきた研究を紹介するとともに,筋ジス患者の心理的課題や,望ましい心理的サポートの在り方について検討したい。
人工呼吸器の導入は筋ジス患者の延命に貢献している。以前は20代前半で亡くなるDMD患者が多かったが,近年では40代の患者も稀ではなくなった。しかしながら,低下した運動機能のもと,能動的で豊かな療養生活を送ることは,希求されるものではあるが多数の困難を伴うことも否定できない1)。また,年齢の低い患児を持つ親においても,日常生活での介護や,通学・通院などにかかわる負担が大きく,抑うつや社会的孤立を引き起こす可能性があると指摘されている2-4)。さらに,患児の年齢が上がるにつれ,患児自身も引きこもりや抑うつ傾向が強くなること,孤立しがちになったりすることも報告されている5)。
筋ジス患者が豊かで生きがいのある療養生活を送るためには,良質の医療サービスの提供とともに,心理的健康を維持・促進するようなサポートが望まれる。それに加え,患者を取り巻く家族や医療者のメンタルヘルスにも配慮が必要であろう。そこでわれわれの研究グループでは,患者・家族・医療スタッフに対する多面的な心理的サポートの問題を検討することにした。
ナンセンス変異の抑制―リードスルーによるDuchenne型筋ジストロフィーの治療
著者: 塩塚政孝 , 松田良一
ページ範囲:P.1253 - P.1260
はじめに
ナンセンス変異は塩基対が1つ置換し,アミノ酸コードが終止コドンに変化する点突然変異である。ナンセンス変異の結果,未熟終止コドン(premature termination codon)と呼ばれる異常な終止コドンが生じ,本来の翻訳終結部位より上流で蛋白質の生産が中断するため,適切な機能をもつ完全な蛋白質が合成されない。そのため,重篤かつ生命に関わる多くの遺伝性疾患を引き起こす。単一遺伝性疾患の3割を占めるナンセンス変異型遺伝性疾患の種類は,2,400種を超えることが明らかにされている。
Duchenne型筋ジストロフィー(Duchenne muscular dystrophy:DMD)のナンセンス変異症例は,本邦において患者数の19%を占めており,機能的な全長ジストロフィン蛋白質が合成されないために遺伝子欠損症状を呈し,進行性の筋力低下と筋萎縮を示している。この未熟終止コドンを薬物により抑制して翻訳を進行させ,正常機能を有する蛋白質分子の発現を回復させることで症状の改善を目指す治療法がリードスルー療法である。リードスルー療法では,薬物によって翻訳機構に干渉し,生得のジストロフィン遺伝子を活かして正常機能蛋白質の発現を回復させるため,遺伝情報を変更したり体内に遺伝物質を導入することがない。ジストロフィン蛋白質の発現自体が正常に制御されることで,その治療効果は大きくかつ副作用は少ないことが考えられるため,ナンセンス変異型筋疾患治療の有効かつ迅速な選択肢としてリードスルー療法は注目されている。本稿では,国外の研究動向ならびに筆者らの最新の研究成果をもとに,DMDに対するリードスルー療法について記述する。
Duchenne型筋ジストロフィーの薬物療法―造血器型プロスタグランジンD合成酵素阻害薬による進行軽減療法の開発
著者: 鎌内慎也 , 裏出良博
ページ範囲:P.1261 - P.1269
はじめに
Duchenne型筋ジストロフィー(Duchenne muscular dystrophy:DMD)は筋肉の裏打ち蛋白質である「ジストロフィン」の遺伝的欠損による筋萎縮性疾患であり,人種に関係なく男子3,500人に1人の割合で発症する。本疾患はさまざまな筋ジストロフィーの中で最も進行が速く,保育所から幼稚園,小学校低学年にかけて急速に筋萎縮が起こり(Fig.1A),小学校高学年で車椅子が必要になる。その後も筋萎縮が進行し,20歳前後で呼吸が困難になり人工呼吸器の装着が必要になる。その装着により20年程度の延命が期待されるが,行動範囲は大きく制限され,最終的に心不全などにより死亡する。診断法は確立しているが,現在までに有効な治療法はない。
この悲惨な状況を大きく変える実験結果が,まったく別の研究分野から得られた。それが,造血器型プロスタグランジンD合成酵素(hematopoietic prostaglandin D synthase:H-PGDS)阻害薬による進行軽減療法の開発である。以下に,その研究成果を紹介する。
筋萎縮症に対するマイオスタチン阻害療法
著者: 砂田芳秀
ページ範囲:P.1271 - P.1277
Ⅰ.TGF-βファミリーとマイオスタチン
TGF-β(transforming growth factor-beta)は細胞をがん化(transform)して増殖させる液性因子として見出された。しかし,増殖因子としての機能だけではなく,細胞の種類や発生上の状況によっては増殖の阻害にも機能する多彩な生理活性を持ったサイトカインである。TGF-βと共通した構造上の特徴を持つ一連のサイトカインはTGF-βファミリーと総称され,哺乳類においてそのファミリー分子は約40種類が報告されている。TGF-βファミリーは,大別すると3つのサブファミリー,すなわちTGF-βサブファミリー,アクチビン(activin)サブファミリーおよびBMP(bone morphogenetic protein)サブファミリーに分類される。
TGF-βは一般的な分泌蛋白質と同様にプレ-プロ構造で生合成される(Fig.1A)。分泌されたプロ蛋白質は,分子内で切断され活性型TGF-βペプチドとなるが,この時点ではプロ蛋白質のN末端側(プロドメイン)が除去されず,そのままTGF-β活性ペプチド本体をマスクして潜在型二量体が形成される。すなわち,TGF-βは通常潜在型として存在し,その活性が必要とされる部位・時期にプロセッシングによる活性化を受けて機能する(Fig.1B)。
治療薬開発のインフラストラクチャー―患者登録システム
著者: 中村治雅 , 木村円 , 川井充
ページ範囲:P.1279 - P.1284
はじめに
筋ジストロフィーを含む多くの遺伝性神経・筋疾患は患者数が非常に少ない,いわゆる希少疾病と呼ばれる疾患である。これらの疾患に対する治療薬は,希少疾病用医薬品(オーファンドラッグ:orphan drug,orphanは孤児を意味する)と呼ばれ,難病などの治療で必要性が高いのにもかかわらず,患者数が少ないため,開発が困難とされてきた。
しかしながら,近年は遺伝性神経・筋疾患の病態解明が進み,その治療薬開発に向けた研究の進歩は著しく,一部の疾患では既に臨床試験/治験(以下,臨床試験)が行われるようになり,より病態に近づいた治療薬が開発される時代が訪れている。
そのうち最も治療薬開発が進んでいる疾患の1つに,Duchenne型筋ジストロフィー(Duchenne muscular dystrophy:DMD)が挙げられる。DMDは,X染色体に存在するジストロフィン遺伝子が欠損しているために発症する遺伝性疾患1)である。筋ジストロフィーの中でも頻度が高い病型であり,出生男児約3,500人につき1人の割合で発症し,日本では約5,000人の患者がいると推測される。運動機能が徐々に低下して,10歳頃に歩行が困難になり,その後呼吸機能低下や心臓機能低下をきたす疾患である。これまで,リハビリテーション,鼻マスクなどによる人工呼吸,心機能低下に対するβ遮断薬やACE(angiotensin converting enzyme)阻害薬,ARB(angiotensin Ⅱ receptor antagonists blocker)による治療,ステロイド治療などにより,運動機能の改善,生命予後の改善がはかられてきたが,これらの多くは対症療法的な治療であった。しかしながら,近年はより病態に近づいた治療薬開発が行われるようになっている。
2011年5月現在,Clinical Trials.govに登録されているDMDに対する薬物による介入試験をみると,38試験が登録されている。そこでは例えば,ジストロフィン遺伝子変異によるジストロフィン欠損を修復することを作用機序とした,エクソンスキッピングやリードスルーなどのさまざまな治療薬が開発されている2)。既に海外においては,アンチセンスオリゴヌクレオチドによるエクソンスキッピングはAVI-4658(PMO)が第1/2相試験を終了3),PRO0514)に関しては,現在第2/3相試験が実施中である5)。リードスルー療法についても,PTC124が臨床試験の後期第2相試験を終了している6)。
これらの臨床試験は,特定の遺伝子変異を持つ患者を対象に開発されている。既に述べたように,多くの遺伝性神経・筋疾患は希少疾患であり,ある特定の遺伝子変異を持つ患者を対象とする場合には,組み入れ基準を満たす患者は極めて少ないと考えられる。臨床試験の計画および実施には,対象患者数の把握や短期間で対象患者をリクルートすることが重要であるが,非常な困難が予想される。
このような状況の中,臨床試験の計画および実施をより円滑に促進するための患者データベースの構築が世界的規模で行われている。患者データベースとは,患者の名前や性別に始まり,自然経過・予後,治療の実態・効果,診療・ケアの実態,遺伝子情報やその表現型の比較など,ある疾患の患者個人の情報を,その目的によって収集・整理・管理した情報の集まり,またそれを管理するシステムのことである。DMDにおいては,ジストロフィンの遺伝子情報を含んだ患者データベースが構築されつつあるのが現状である。
本稿では,世界的な神経・筋疾患の治療法開発に向けた患者登録システムの国内外の動向を,特にTREAT-NMDの活動を中心に述べる。また,日本における筋ジストロフィーナショナルレジストリーであるRemudy(Redystry of Muscular Dystrophy)の構築とその現状,国際共同治験を含めた希少疾患の医薬品開発の動向についても解説する。
原著
Wearing-off Questionnaires(WOQ-19とWOQ-9)の言語的妥当性を担保した日本語版の作成
著者: 近藤智善 , 高橋一司
ページ範囲:P.1285 - P.1292
はじめに
パーキンソン病(Parkinson disease:PD)は黒質ドパミン神経細胞が進行性に変性・脱落していく神経変性疾患であり,ドパミン神経機能障害を中心に振戦,筋強剛,動作緩慢,姿勢保持障害などの運動障害を主徴候とする。PDの治療では,ドパミン神経細胞の変性・脱落によるドパミン神経機能低下に対してドパミンの前駆体であるレボドパを主体としたドパミン補充療法が行われ,その治療効果が立証されている1)。その反面,レボドパの長期的使用により運動症状の日内変動を示すwearing-off現象やon-off現象,さらにはジスキネジアの発症が知られており,これらのmotor complicationsの出現がレボドパ製剤の治療スケジュールの複雑化や患者QOL(quality of life)の低下2),さらには患者の医療費負担増加の原因3)にもなっていることが示されている。
Motor complicationsの中でwearing-off現象が最も早期に出現することが知られており4),より長期の安定したPD薬物療法戦略を立てるためにはwearing-off現象を早期に,かつ的確に診断することが非常に重要である。しかし,wearing-off現象の診断では患者の訴えが極めて重要であり,問診時に患者が自身の症状を正しく医師に伝えることができないとwearing-off現象の出現を見逃してしまうリスクを伴う。このような背景から,wearing-off現象の出現を早期に発見することを目的とした自己記入方式によるwearing-off質問票(wearing-off questionnaires:WOQ)がStacyらによって近年開発され,質問が32項目からなるWOQ-32,19項目からなるWOQ-19(Appendix 1),および9項目からなるWOQ-9(Appendix 2)が順次作成されている5-7)。本邦では標準化されたWOQが存在せず,その開発と使用が望まれる。
そこで今回,WOQ-19とWOQ-9の言語的妥当性を担保した日本語版を作成し,その作成過程を記載した。
神経画像アトラス
認知機能障害で発症した22q11.2欠失症候群29歳女性の脳画像所見
著者: 稗田宗太郎 , 中島雅士 , 石垣征一郎 , 河村満
ページ範囲:P.1294 - P.1295
22q11.2欠失症候群(22q11.2 deletion syndrome:22q11.2DS)とは 4,000~5,000人に1人の割合で発症する先天性疾患で,先天性心疾患,異常顔貌,胸腺低形成,口蓋裂,低Ca血症,染色体22q11.2の部分欠失を主徴とする。多くは散発性の発症であるが,家族例も10~20%存在する。成人期に20%の患者が精神科疾患に罹患すると言われ,中でも統合失調症がその多くを占めている。小児期の知的レベルは中等度低下~正常と多様で,平均IQは60程度1)である。また,小児期には知能正常でも青年期以降に低下する例もあるとされる2)。
学会印象記
7th International Congress on Mental Dysfunction and Other Non-motor Features in Parkinson's Disease(MDPD)(2010年12月9日~12日)
著者: 横地正之
ページ範囲:P.1296 - P.1297
第7回MDPDが2010年12月9日(木)から12日(日)まで,バレアス海に面したCentre Convencions Internacional Barcelona(CCIB)で開催された(写真1)。奇しくも開催初日にかけて中部ヨーロッパは季節外れの大雪に見舞われ,飛行機ダイヤが混乱した。日本からの参加者も,特にパリ経由の方々は,ドゴール空港に着陸できずロンドン・ヒースロー空港に代替着陸し,1泊のうえ翌日バルセロナ入りとなった。それらの影響で学会場は10日午前まではやや閑散の感があったが,その後は本来の活気を取り戻した会議となった。MDPDは前回の第6回が2008年10月にドイツ・ドレスデンで開催され,次回第8回も2012年4月にドイツ・ベルリンの予定であり,欧州での開催が続く。今回はTolosa(スペイン),Korczyn(イスラエル),Reichmann(ドイツ),のco-chairmenのもと開催された。本学会の趣旨は“Parkinson病(PD)の認知面,精神面の研究の新しい展開を探り,解決法を見つける。PDDとDLBの特異psychological markerはあるのか。またAlzheimer病(AD)とのオーバーラップの問題などに関心を抱かなければならない。いずれの疾患においてもdelirium, dementia, anxiety, psychosisは患者と介護者の生活への影響が運動障害よりも大きいので特異な注意が向けられなければならない。”ということであった。PD研究,少なくともその臨床研究における関心と動向は,近年ますます非運動症状に向けられていると言っても過言でない。PD研究の関連学会はたくさんあるが,本学会もますます大規模に発展する可能性がある。
連載 神経学を作った100冊(59)
シデナム『疾患治療進歩大全』(1695)
著者: 作田学
ページ範囲:P.1298 - P.1299
シデナム(Thomas Sydenham;1624-1689)は17世紀後半の最も偉大な内科医の1人である(Fig.)。彼の子どもの頃のことはよく知られていない。1648年4月にオックスフォード大学のBachelor of Medicineの学位を取り,その後オックスフォードのウィリス(Thomas Willis;1621-1675)らのサークルに入った。彼は清教徒革命のイングランド内戦において議会派として闘ったとされている。議会派の勝利によって1649年にチャールズ1世が死刑となり,イギリスはこの後11年間クロムウェルに率いられる共和国となる。彼は一生を大学,学界と離れ,ロンドンで市井の開業医として送った。
シデナムが信奉したのは観察と経験を重んじるヒポクラテスであった。当時の同世代の「理論」は無視あるいは軽蔑し,ベッドサイドの医学を重要視した。シデナムは疾患をそれ自身決まった自然経過,自然史をとると考えた。それぞれの疾患は植物学者が分類するように記述でき,ある決まった種類に属するとしたのである。しかし,著書をみるとむやみに分類することはしなかったようである。
お知らせ
第14回転倒予防指導者養成講座 フリーアクセス
ページ範囲:P.1216 - P.1216
日 時 2011年11月26日(土)~27日(日)
場 所 東京大学教育学部附属中等教育学校〔〒164-8654 東京都中野区南台1-15-1〕
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次号予告 フリーアクセス
ページ範囲:P.1278 - P.1278
投稿規定 フリーアクセス
ページ範囲:P.1300 - P.1301
「読者からの手紙」募集 フリーアクセス
ページ範囲:P.1301 - P.1301
あとがき フリーアクセス
著者: 石塚典生
ページ範囲:P.1302 - P.1302
本特集では主に,筋ジストロフィーと筋炎を取り上げた。神経筋疾患には遺伝子異常を原因とするものが多いが,異常遺伝子の働き方から症状発現に至るカスケードの各段階でのメカニズムが近年徐々に解明され,カスケードの途中を制御することによって症状を抑える治療法が数多く出現してきた。また免疫異常に起因する筋炎の多くには,免疫制御の薬剤の使用により有効な治療法が進められている。本特集では,その最先端の研究が紹介されている。なお神経筋疾患をはじめ多くの神経系の難病には,いまだ原因を掴めないものも多く,研究の余地が多く残されている疾患が多いが,各病態機序の解明が進めば,その制御により多様な治療法が開発されるものと期待される。
著作財産権譲渡承諾書 フリーアクセス
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基本情報
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76巻12号(2024年12月発行)
特集 芸術家と神経学Ⅱ
76巻11号(2024年11月発行)
特集 ALS 2024
76巻10号(2024年10月発行)
特集 どうして効くんだろう
76巻9号(2024年9月発行)
特集 治療可能な認知症としてのアルツハイマー病
76巻8号(2024年8月発行)
特集 Common diseaseは神経学の主戦場である—revisited
76巻7号(2024年7月発行)
特集 ニューロ・バイオイメージング—技術と応用
76巻6号(2024年6月発行)
特集 注意と注意障害
76巻5号(2024年5月発行)
増大特集 末梢神経・筋肉の自己免疫性・炎症性疾患ハンドブック
76巻4号(2024年4月発行)
特集 神経病理最前線
76巻3号(2024年3月発行)
特集 きちんと説明ができますか?
76巻2号(2024年2月発行)
特集 特発性正常圧水頭症の現在
76巻1号(2024年1月発行)
特集 新時代の重症筋無力症と関連疾患の診療
75巻12号(2023年12月発行)
特集 アガサ・クリスティーと神経毒
75巻11号(2023年11月発行)
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75巻10号(2023年10月発行)
特集 メタバースへの招待
75巻9号(2023年9月発行)
特集 妊娠と神経疾患
75巻8号(2023年8月発行)
特集 アルツハイマー病は本当に早期発見できるのか
75巻7号(2023年7月発行)
特集 Antibody Update 2023 Part2 末梢編
75巻6号(2023年6月発行)
特集 Antibody Update 2023 Part1 中枢編
75巻5号(2023年5月発行)
増大特集 神経・精神領域の薬剤ハンドブック
75巻4号(2023年4月発行)
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75巻3号(2023年3月発行)
特集 慢性疼痛
75巻2号(2023年2月発行)
特集 多系統萎縮症の新診断基準とこれからの診療
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74巻6号(2022年6月発行)
特集 脳神経内科医に求められる移行医療
74巻5号(2022年5月発行)
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74巻1号(2022年1月発行)
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73巻8号(2021年8月発行)
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72巻7号(2020年7月発行)
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71巻4号(2019年4月発行)
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69巻10号(2017年10月発行)
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69巻9号(2017年9月発行)
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69巻7号(2017年7月発行)
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69巻6号(2017年6月発行)
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69巻5号(2017年5月発行)
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69巻3号(2017年3月発行)
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特集 Stroke-Like Diseases—鑑別時に注意を要する5病態
69巻1号(2017年1月発行)
特集 近年注目されている白質脳症
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68巻8号(2016年8月発行)
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68巻4号(2016年4月発行)
増大特集 治せる認知症
68巻3号(2016年3月発行)
特集 末梢神経の血管炎
68巻2号(2016年2月発行)
特集 筋疾患の認知機能障害
68巻1号(2016年1月発行)
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増大特集 ギラン・バレー症候群のすべて—100年の軌跡
67巻10号(2015年10月発行)
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67巻9号(2015年9月発行)
特集 酵素補充療法
67巻8号(2015年8月発行)
特集 神経難病の終末期医療
67巻7号(2015年7月発行)
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67巻5号(2015年5月発行)
特集 NCSE(非痙攣性てんかん重積状態)
67巻4号(2015年4月発行)
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67巻3号(2015年3月発行)
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66巻11号(2014年11月発行)
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66巻9号(2014年9月発行)
特集 痙縮の臨床神経学
66巻8号(2014年8月発行)
特集 神経系の悪性リンパ腫update
66巻7号(2014年7月発行)
増大特集 アミロイド関連神経疾患のすべて―封入体筋炎からアルツハイマー病まで
66巻6号(2014年6月発行)
特集 ミラーニューロン
66巻5号(2014年5月発行)
特集 アセチルコリンと神経疾患―100年目の現在地
66巻4号(2014年4月発行)
増大特集 タッチ・ビジョン・アクション
66巻3号(2014年3月発行)
特集 神経筋疾患の超音波診断
66巻2号(2014年2月発行)
特集 糖尿病の神経学revisited
66巻1号(2014年1月発行)
特集 日常生活の脳科学
65巻12号(2013年12月発行)
特集 プロテイノパチーの神経病理学
65巻11号(2013年11月発行)
増大特集 Close Encounters―臨床神経学と臨床免疫学の遭遇と未来
65巻10号(2013年10月発行)
特集 神経系の発達メカニズム―最近の話題
65巻9号(2013年9月発行)
特集 Common diseaseは神経学の主戦場である―現状と展望
65巻8号(2013年8月発行)
特集 こころの時間学―現在・過去・未来の起源を求めて
65巻7号(2013年7月発行)
増大特集 あしたの脳梗塞
65巻6号(2013年6月発行)
特集 見せる・仕分ける―脳機能解析の新手法
65巻5号(2013年5月発行)
特集 てんかん―新しいパースペクティブ
65巻4号(2013年4月発行)
増大特集 Antibody Update
65巻3号(2013年3月発行)
特集 次世代シーケンサーによる神経変性疾患の解析と展望
65巻2号(2013年2月発行)
特集 血液脳関門研究の進歩
65巻1号(2013年1月発行)
特集 Corticobasal Syndrome
64巻12号(2012年12月発行)
特集 The Border-Land of Dementia
64巻11号(2012年11月発行)
増大特集 痛みの神経学―末梢神経から脳まで
64巻10号(2012年10月発行)
特集 辺縁系をめぐって
64巻9号(2012年9月発行)
特集 高次脳機能イメージングの脳科学への新展開
64巻8号(2012年8月発行)
特集 線条体の基礎と臨床
64巻7号(2012年7月発行)
増大特集 顔認知の脳内機構
64巻6号(2012年6月発行)
特集 睡眠と覚醒の脳内機構
64巻5号(2012年5月発行)
特集 神経疾患のバイオマーカー
64巻4号(2012年4月発行)
増大特集 パーキンソン病の新しい側面
64巻3号(2012年3月発行)
特集 アカデミアから新規治療の実現へ―トランスレーショナルリサーチの現状
64巻2号(2012年2月発行)
特集 生物学的精神医学の進歩
64巻1号(2012年1月発行)
特集 iPS細胞と神経疾患
63巻12号(2011年12月発行)
特集 神経心理学と画像解析の融合
63巻11号(2011年11月発行)
増大特集 筋疾患update
63巻10号(2011年10月発行)
特集 緩徐進行性高次脳機能障害の病態
63巻9号(2011年9月発行)
特集 脳卒中の最新画像診断
63巻8号(2011年8月発行)
特集 日本人の発見した神経症候
63巻7号(2011年7月発行)
増大特集 神経筋接合部―基礎から臨床まで
63巻6号(2011年6月発行)
特集 ニューロパチー
63巻5号(2011年5月発行)
特集 神経系と血管内リンパ腫
63巻4号(2011年4月発行)
増大特集 てんかんの新しい治療
63巻3号(2011年3月発行)
特集 サイバーナイフ治療
63巻2号(2011年2月発行)
特集 続・日本人の発見した神経疾患
63巻1号(2011年1月発行)
特集 血管腫
62巻12号(2010年12月発行)
特集 頸部頸動脈狭窄症の診断と治療
62巻11号(2010年11月発行)
増大特集 歩行とその異常
62巻10号(2010年10月発行)
特集 ブレインバンク
62巻9号(2010年9月発行)
特集 視神経脊髄炎(NMO)update
62巻8号(2010年8月発行)
特集 辺縁系脳炎
62巻7号(2010年7月発行)
増大特集 アルツハイマー病―研究と診療の進歩
62巻6号(2010年6月発行)
特集 改正臓器移植法の問題点とその対応
62巻5号(2010年5月発行)
特集 神経画像のピットフォール―見落としと読み過ぎ
62巻4号(2010年4月発行)
特集 傍腫瘍性神経筋疾患update
62巻3号(2010年3月発行)
特集 神経回路解析法の最近の進歩
62巻2号(2010年2月発行)
特集 ニューロリハビリテーションの最前線
62巻1号(2010年1月発行)
特集 神経救急
61巻12号(2009年12月発行)
特集 Somatotopy再考
61巻11号(2009年11月発行)
特集 前頭側頭葉変性症
61巻10号(2009年10月発行)
特集 片頭痛の予防療法
61巻9号(2009年9月発行)
特集 脳血管障害治療の進歩
61巻8号(2009年8月発行)
特集 神経・筋疾患の分子標的治療
61巻7号(2009年7月発行)
特集 脳腫瘍研究の最前線―遺伝子解析から治療まで
61巻6号(2009年6月発行)
特集 脊椎・脊髄外科の最近の進歩
61巻5号(2009年5月発行)
特集 Restless legs syndrome
61巻4号(2009年4月発行)
特集 大脳基底核―分子基盤から臨床まで
61巻3号(2009年3月発行)
特集 Microneurography(微小神経電図法)の臨床応用
61巻2号(2009年2月発行)
特集 神経系の再興感染症と輸入感染症
61巻1号(2009年1月発行)
特集 脳神経倫理
60巻12号(2008年12月発行)
特集 痙縮
60巻11号(2008年11月発行)
特集 脳卒中と遺伝子
60巻10号(2008年10月発行)
特集 若年者の脳卒中
60巻9号(2008年9月発行)
特集 知・情・意の神経学
60巻8号(2008年8月発行)
特集 脳硬膜動静脈瘻
60巻7号(2008年7月発行)
増大特集 学習と記憶――基礎と臨床
60巻6号(2008年6月発行)
特集 Crow-深瀬症候群(POEMS症候群)
60巻5号(2008年5月発行)
特集 「痛み」の研究と治療の最前線
60巻4号(2008年4月発行)
増大特集 神経系の発生とその異常
60巻3号(2008年3月発行)
特集 特発性正常圧水頭症(iNPH)―最近の話題
60巻2号(2008年2月発行)
特集 がん治療と神経障害
60巻1号(2008年1月発行)
特集 日本人の発見した神経疾患
59巻12号(2007年12月発行)
特集 損傷神経の再生―温存的治療法の開発
59巻11号(2007年11月発行)
特集 手根管症候群をめぐって
59巻10号(2007年10月発行)
増大特集 ALS―研究と診療の進歩
59巻9号(2007年9月発行)
特集 パーキンソン病の認知機能障害
59巻8号(2007年8月発行)
特集 パーキンソン病の分子遺伝学―最近の知見
59巻7号(2007年7月発行)
増大特集 情報伝達処理におけるグリアの機能と異常
59巻6号(2007年6月発行)
特集 職業性神経障害の新しい展開
59巻5号(2007年5月発行)
特集 脳画像最前線
59巻4号(2007年4月発行)
増大特集 最近注目される脳神経疾患治療の研究
59巻3号(2007年3月発行)
特集 分子イメージング
59巻2号(2007年2月発行)
特集 進行性多巣性白質脳症の新しい展開―PMLが治る時代へ向けて
59巻1号(2007年1月発行)
特集 高次視覚研究の最近の進歩