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文献詳細

雑誌文献

BRAIN and NERVE-神経研究の進歩63巻11号

2011年11月発行

連載 神経学を作った100冊(59)

シデナム『疾患治療進歩大全』(1695)

著者: 作田学1

所属機関: 1日本赤十字社医療センター神経内科

ページ範囲:P.1298 - P.1299

文献概要

 シデナム(Thomas Sydenham;1624-1689)は17世紀後半の最も偉大な内科医の1人である(Fig.)。彼の子どもの頃のことはよく知られていない。1648年4月にオックスフォード大学のBachelor of Medicineの学位を取り,その後オックスフォードのウィリス(Thomas Willis;1621-1675)らのサークルに入った。彼は清教徒革命のイングランド内戦において議会派として闘ったとされている。議会派の勝利によって1649年にチャールズ1世が死刑となり,イギリスはこの後11年間クロムウェルに率いられる共和国となる。彼は一生を大学,学界と離れ,ロンドンで市井の開業医として送った。

 シデナムが信奉したのは観察と経験を重んじるヒポクラテスであった。当時の同世代の「理論」は無視あるいは軽蔑し,ベッドサイドの医学を重要視した。シデナムは疾患をそれ自身決まった自然経過,自然史をとると考えた。それぞれの疾患は植物学者が分類するように記述でき,ある決まった種類に属するとしたのである。しかし,著書をみるとむやみに分類することはしなかったようである。

参考文献

1) Sydenham T. Processus Integri in Morbis ferè Omnibus Curandis, Walford, London, 1695

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1344-8129

印刷版ISSN:1881-6096

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