文献詳細
Neurological CPC
肺炎球菌による髄膜脳炎を生じ,脳梁膨大部病変を認めた46歳男性例
著者: 林和美1 福田隆浩2 遠藤和郎3 後藤淳4 横地正之5 河村満6 織茂智之7 藤ヶ崎純子2 鈴木正彦8
所属機関: 1東京慈恵会医科大学神経内科 2東京慈恵会医科大学神経病理 3沖縄県立中部病院感染症内科 4済生会中央病院神経内科 5財団法人東京都保健医療公社荏原病院神経内科 6昭和大学医学部内科学講座神経内科学部門 7関東中央病院神経内科 8東京慈恵会医科大学青戸病院神経内科
ページ範囲:P.271 - P.281
文献概要
司会(後藤) それでは林先生,お願いします。
主治医(林) 症例は46歳男性,主訴は発熱,意識障害です。現病歴は生来健診受診歴がなく詳細は不明でしたが,大きな問題はありませんでした。
2009年5月初旬,40℃の発熱と全身の関節痛が出現しました。その後,症状が悪化したため発症2日後に当院内科外来を受診し,午前9時に意識障害が出現したため,当院救急室へ搬送されました。救急室では40℃の発熱と悪寒を認めたため,重症感染症疑いにて抗菌薬(セフトリアキソン)を投与し全身CTを施行しましたが,感染症の所見は認めませんでした。その後,徐々に意識障害が悪化したことから,中枢神経系感染症疑いにて頭部単純MRIを施行したところ,髄膜肥厚所見を認めたため当科へコンサルトとなりました。
参考文献
掲載誌情報