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文献詳細

雑誌文献

BRAIN and NERVE-神経研究の進歩63巻3号

2011年03月発行

Neurological CPC

肺炎球菌による髄膜脳炎を生じ,脳梁膨大部病変を認めた46歳男性例

著者: 林和美1 福田隆浩2 遠藤和郎3 後藤淳4 横地正之5 河村満6 織茂智之7 藤ヶ崎純子2 鈴木正彦8

所属機関: 1東京慈恵会医科大学神経内科 2東京慈恵会医科大学神経病理 3沖縄県立中部病院感染症内科 4済生会中央病院神経内科 5財団法人東京都保健医療公社荏原病院神経内科 6昭和大学医学部内科学講座神経内科学部門 7関東中央病院神経内科 8東京慈恵会医科大学青戸病院神経内科

ページ範囲:P.271 - P.281

文献概要

症例呈示

司会(後藤) それでは林先生,お願いします。

主治医(林) 症例は46歳男性,主訴は発熱,意識障害です。現病歴は生来健診受診歴がなく詳細は不明でしたが,大きな問題はありませんでした。

 2009年5月初旬,40℃の発熱と全身の関節痛が出現しました。その後,症状が悪化したため発症2日後に当院内科外来を受診し,午前9時に意識障害が出現したため,当院救急室へ搬送されました。救急室では40℃の発熱と悪寒を認めたため,重症感染症疑いにて抗菌薬(セフトリアキソン)を投与し全身CTを施行しましたが,感染症の所見は認めませんでした。その後,徐々に意識障害が悪化したことから,中枢神経系感染症疑いにて頭部単純MRIを施行したところ,髄膜肥厚所見を認めたため当科へコンサルトとなりました。

参考文献

1) 細菌性髄膜炎の診療ガイドライン作成委員会: 細菌性髄膜炎の診療ガイドライン. 医学書院, 東京, 2007
2) Tada H, Takanashi J, Barkovich AJ, Oba H, Maeda M, et al: Clinically mild encephalitis/encephalopathy with a reversible splenial lesion. Neurology 63: 1854-1858, 2004
3) 五十嵐 修, 玉島順子, 宮本 洋, 荒崎圭介: 可逆性脳梁膨大部病変を呈した髄膜脳炎の1例. 第175回日本神経学会関東地方会抄録46: 359, 2006
4) 坂本政信: MRIで脳梁膨大部に一過性の高信号域の出現をみた肺炎球菌性髄膜炎の1例. 県西部浜松医療センター学術誌1: 47-49, 2007
5) 阪部恵理, 他: 意識障害で発症した新型インフルエンザ脳炎の21歳男性例. 第191回日本神経学会関東地方会, 2009

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1344-8129

印刷版ISSN:1881-6096

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