はじめに
1950年代から1980年代後半までの抗てんかん薬の新規承認,そして臨床実用については,日本と欧米諸国間での差はそれほどなかった。この間の臨床てんかん学の進歩,抗てんかん薬治療の進歩については,岩崎学術出版社刊の『てんかん学の進歩』を参照されたい1)。
一方,新規の抗てんかん薬については,1990年代に入って欧米諸国で後述する抗てんかん薬が次々に承認,発売されても,日本での承認は困難な期間が長く続いた。その間唯一の希望は,わが国で開発されたゾニサミド(1985)の承認,発売で,以後欧米からおよそ10年遅れて次々に新規抗てんかん薬が承認,発売さるようになり,抗てんかん薬治療の新しい時代が始まったと言える。すなわち,2000年にクロバザムが,2006年にガバペンチン,2007年にトピラマート,2008年にラモトリギン,そして2010年にレベチラセタムが承認,発売となり,主に難治部分発作に汎用されるようになった。
雑誌目次
BRAIN and NERVE-神経研究の進歩63巻4号
2011年04月発行
雑誌目次
増大特集 てんかんの新しい治療
てんかん新規治療薬の有効性の検証と次世代治療薬
著者: 森川建基
ページ範囲:P.291 - P.294
ファルマコゲノミクス検査によるてんかんのテーラーメイド医療
著者: 吉田秀一 , 菅原貴征 , 西尾卓広 , 兼子直
ページ範囲:P.295 - P.299
はじめに
抗てんかん薬(antiepileptic drug:AED)による薬物療法は,てんかんの発作抑制を目指す最も有用な治療手段である。一方で,発作型からAEDを選択し,try and errorを繰り返しながらの投与量設定は,発作抑制まで長期間を要し,重篤な副作用も予見できない。加えて,約30%の患者は,十分な治療効果が得られず難治てんかんへと移行するため,さらなる有効な治療戦略の開発が望まれる。
AEDの血中濃度や作用部位(脳内)濃度を規定するcytochrome P450(CYP)などの薬物代謝酵素や薬物排出トランスポーターの薬理遺伝学的研究が飛躍的な進展を遂げ,これら遺伝子多型と薬剤反応性や副作用発現との関連が明らかになりつつある。将来的にこのようなファルマコゲノミクス情報の蓄積は,個々の患者の遺伝情報から最適なAEDおよびその投与量を設定する「テーラーメイド医療」を実現するための鍵となる1)。本稿では,これまでのてんかんのファルマコゲノミクス研究の現状について概説し,「てんかんのテーラーメイド医療」の実現に向けた課題について考察する。
てんかんをもつ女性のための包括的治療戦略
著者: 千葉茂
ページ範囲:P.301 - P.308
はじめに
女性てんかん患者のための医療は,男性てんかん患者の場合とは大きく異なる1)。例えば,女性では女性ホルモンの周期的変化に関連して発作の起こりやすさも変化するなど,男性とは異なる生物学的特性が存在する。また,女性では男性にはみられないような心理社会学的問題が出現し得る2)。
本稿では,現在わが国で用いられている日本てんかん学会作成『てんかんをもつ妊娠可能年齢の女性に対する治療ガイドライン』3)と日本神経学会作成『てんかん治療ガイドライン2010』4)を参考に,女性てんかん患者のための医療に不可欠な知識を整理するとともに,治療戦略についても概説する。
国内外のてんかんガイドライン
著者: 赤松直樹 , 辻貞俊
ページ範囲:P.309 - P.312
はじめに
Evidence based medicine(EBM)の普及に伴い,各学会では診療ガイドラインの作成が盛んに行われ,近年ではEBMの隆盛初期に作成されたガイドラインの改定時期を迎えている。2010年10月には,2002年より8年ぶりに,てんかんガイドラインの改訂版が,日本神経学会監修のもと,医学書院より出版された。2010年版は,ガイドラインの記述をクリニカルクエスチョン(clinical question:CQ)方式に変えたため,改定とはいえ形式は新規に作成されたものである。筆者らは,2010年ガイドライン作成に携わっており,その経験を踏まえて本稿を著す。さらに,諸外国のてんかんガイドラインについての概要を紹介する。
側頭葉てんかんの外科治療―過去からの問題点を振り返る
著者: 星田徹
ページ範囲:P.313 - P.320
はじめに
てんかんの外科治療で現在,ランダム化比較試験で有用性が確実に認められているのは,側頭葉てんかん(temporal lobe epilepsy:TLE)に対する外科手術である。てんかんの外科治療が開始されてから120年余りが経過したが,TLEの診断や外科治療がなされるようになったのは外傷性てんかんの手術に遅れること30年,1920年代後半であった。本稿では,有用性が確立しているTLEに話題を絞って,今までの足跡をFeindelら1)の報告から振り返り,最近の手術方法とその結果は三原ら2),Schramm3)の報告を中心に,そして当院での長期手術結果を踏まえて,今後のTLE外科手術に向けた課題を考える。
術中のてんかん焦点モニタリング―多機能画像と術中脳波を用いたてんかん手術
著者: 前原健寿
ページ範囲:P.321 - P.329
はじめに
てんかんは脳の神経細胞の異常興奮によって引き起こされる慢性の疾患で,単一の疾患ではなく種々の症候群の集まりである。また,日本の人口の1~2%にみられる普遍的な疾患で,治療の主役は抗てんかん薬である。8割近くの患者は投薬で発作がコントロールされるが,約2割の患者は薬剤に抵抗し,難治性てんかんと呼ばれる。ただし難治性てんかん患者の中には,手術が有効な患者が少なからず存在する1,2)。
てんかん手術には,てんかんの根治を目指す治癒手術と,発作の軽減を目指す緩和手術がある。外科治療の最初のステップはてんかん焦点の同定で,焦点の部位,範囲に応じて術式が決定される。焦点は,発作型の解析,脳波,神経放射線画像などの詳細な術前検査によって決定されるが,局在が不明瞭な場合や検査結果が一致しない場合には,頭蓋内電極留置術を用いた侵襲的診断で焦点を決定するのが一般的である3)。
ただし,焦点という言葉で表現される領域は,検査の種類や判定者によって異なる領域を指す可能性がある。手術における焦点を,てんかん発作を起こしかつ切除で発作が止まる領域と考えると,この領域はLüdersらが提唱したてんかん原生領域(epileptogenic zone)にほかならない。しかし,実はてんかん原生領域とは単一の検査で決定することができない概念的な存在であり,さまざまな検査から類推される領域なのである1,4)。
てんかん手術では焦点を切除するため,術前診断の精密度が手術成績を左右する。それと同時に,重篤な合併症を起こさない安全な手術が必須であり,そのためには機能検査による運動感覚野や言語野の同定も必要となる。安全で精密な焦点切除術を行うためには,術前検査結果をいかに正確に術中に投影して,予定通りの切除を行えるかが最も重要である。術中には限られた検査を限られた時間で行わなければならず,したがって術中検査は術前焦点診断の正確さの確認や,焦点切除の精密性の検証という意味合いが妥当である。
本稿では,術中のより精密な焦点診断,手術のための第一歩として,てんかん焦点診断のためのさまざまな術前検査を概説する2,3)。そのうえで,これらの検査結果をナビゲーションシステムで術中に正確に反映し手術を行うmultimodality image-guided epilepsy surgeryの有用性を報告する2,3,5-7)。ナビゲーション手術では確実性と安全性の面から,頭位を厳密に固定する必要がある。局所麻酔下のモニタリングの適用は困難で,全身麻酔下で測定可能な皮質脳波が焦点診断のモニタリングとして併用される。そのため,術中皮質脳波の有用性と限界についての最近の報告も紹介する予定である8,9)。最後に全身麻酔下でも詳細な機能局在が同定できる方法である内因性光学イメージング法10,11)についても言及したい。
てんかんに対する迷走神経刺激療法
著者: 川合謙介
ページ範囲:P.331 - P.346
はじめに
迷走神経刺激療法(vagus nerve stimulation:VNS)は,てんかんに対する非薬剤治療の1つであり,抗てんかん薬に抵抗する難治性てんかん発作を減少,軽減する緩和的治療である。植込型の電気刺激装置により,左迷走神経を間歇的かつ慢性的に刺激する(Fig.1)。難治性てんかんに対する緩和的な電気刺激療法としては最初に臨床応用されたもので,欧米へ導入されてからおよそ15年が経過した。難治性てんかん発作に対する抑制効果は根治的ではないものの,無作為化二重盲検試験で確認された信頼度の高いものであり1,2),1999年の米国神経学会指針でクラス1エビデンス認定を受けている3)。欧米では,既に長らく薬剤抵抗性で開頭手術の適応もない難治性てんかん発作に対する緩和的治療の重要な選択肢となっている4)。
したがってVNSは,必ずしも新しい治療と呼ぶにはふさわしくないのだが,日本でも2010年1月に薬事承認,7月に保険適応が得られ,ようやく臨床場面での通常使用が可能となった。本稿では,わが国でのこのようなタイミングを踏まえて,VNSの歴史,関連する解剖および生理学的知識,作用機序,治療適応と臨床効果,安全性と副作用,実際に治療を行う場合の注意点などについて概説する。
経シルビウス裂到達法による海馬多切術―手術手技と非典型的側頭葉てんかん26例に対する術後の高次脳機能について
著者: 森野道晴
ページ範囲:P.347 - P.354
はじめに
海馬硬化症による側頭葉てんかんは外科治療による発作抑制率が高く,その手術法としては前側頭葉切除による海馬扁桃体摘出術(anterior temporal lobectomy:ATL)と側頭葉内側構造のみを摘出する選択的海馬扁桃体摘出術(selective amygdalohippocampectomy:SA)がよく知られている。ATLは,言語優位側の手術では術後の言語性記銘力の低下や側頭葉内の視放線が一部損傷することで自覚症状は認めないが,対側の上1/4盲の出現が問題となる。ATLの合併症を回避するためにSAが開発されたが,記憶中枢である海馬を切除するため両手術法ともに術後の記銘力低下が問題となる。ATLに比してSAでの記銘力予後は優れているという報告1-3)が多いが,SAを行っても術後の記銘力,特に左側手術後の言語性記銘力が低下するという報告1,4-6)と低下しないという報告7-10)がみられる。ただ一般に,海馬硬化症では患者の記銘力が低下している例が多いため,それほど大きな問題にはされていない。しかし海馬硬化症ではない,つまり画像で海馬萎縮が認められないいわゆる非典型的側頭葉てんかん(paradoxical temporal lobe epilepsy:PTLE)11)は術前の記銘力が正常であることが多いため,海馬切除後に記銘力低下が顕著となる可能性が高い。このPTLEや腫瘍が側頭葉に存在し,海馬が2次性にてんかん原性を獲得した例に対して言語性記銘力を温存しながら発作抑制を行える治療法が望まれていた。Shimizuらは2006年に,左PTLEの言語性記銘力温存に自身が開発した経上側頭回到達法による海馬多切術が有効であることを発表した12)。筆者は以前より,内側側頭葉てんかんに対して経シルビウス裂到達法によるSAを行い,記銘力温存あるいは改善に有効であることを報告した9,10)。このため海馬多切術を経シルビウス裂到達法で行うことにより,側頭葉外側皮質の損傷による記銘力予後への悪影響を最小限にするように心がけている。そこで本稿では,代表例の術中写真を提示しながら,経シルビウス裂到達法による海馬多切術(transsylvian hippocompal transection:TSHT)の手術法とPTLE26例の発作予後および術前後の脳高次機能を含む手術治療成績について述べる。
てんかんに対する電気生理学的アプローチの新知見―検査と治療
著者: 金澤恭子 , 松本理器 , 木下真幸子 , 池田昭夫
ページ範囲:P.355 - P.364
はじめに
現在,てんかん原性領域(epileptogenic zone)は,いくつかの階層的な定義で理解されている(Table1)。発作時焦点(ictal focus)は発作時てんかん性放電の起始部位(seizure onset zone:SOZ)の記録により同定される。限局する発作時てんかん性放電(低振幅速波活動や進展様式を示す反復する棘波)の記録により同定されることが多いが,広範な脳表面に脱同期化(平坦化)が起こったり,律動的活動が速やかに周囲に伝播したりして開始時に焦点局在が明瞭でないことも多い。
一方,興奮域(irritative zone)は,発作間欠期のてんかん性放電の存在により同定される。発作間欠期のてんかん性放電は,てんかん焦点とその周囲以外に,焦点からてんかん性放電が伝播した領域にも出現することがある。例えば海馬硬化による内側側頭葉てんかんで,一側のみのてんかん原性焦点であっても,発作間欠期てんかん性放電は両側から記録されることは少なくない。このように,複数の領域に発作間欠期てんかん性放電が分布するときには必ずしも発作時焦点の同定に特異的な情報として役立つわけではない。発作間欠期てんかん性放電が必ずしもてんかん原性を示唆するとは限らないことから,red spike(てんかん原性が高く発作時焦点となる領域の発作間欠期てんかん性放電)をgreen spike(てんかん原性が低く発作時焦点にならない領域の発作間欠期てんかん性放電)の中からいかに峻別することができるかが,大きな命題であった1)。これには後述するように,最近発作間欠期てんかん性放電に伴うHFO(high frequency oscillation)の所見に期待が寄せられる。なお,現時点でred spikeと呼び得る所見は,cortical dysplasiaでのほぼ終始連続する1~2Hzのspikeのみであろう。
他方,ある連続した範囲の脳表面の領域がてんかん原性領域の場合,発作間欠期てんかん性放電の頻度分布がてんかん焦点の程度をある程度反映することは経験的によく知られ,その代表的な状態がcortical dysplasiaであろう。また,てんかん原性病変(epileptogenic lesion)とは,部分てんかんの原因と考えられる病理学的異常領域と定義される。
従来,大脳皮質の錐体細胞群の突発的過剰興奮を反映するspikes,sharp wavesは,脳波によるてんかん原性の定義に相当する所見としてとらえられてきた。後述するように,21世紀になり,広域帯域の脳波(wide-band electroencephalography:EEG)の記録が技術的に臨床の実用レベルで簡便に可能となった。錐体細胞群あるいはむしろグリア細胞の活動を反映する可能性が示唆される発作時直流電位(あるいは緩電位)や,介在ニューロンの活動を反映する可能性が示唆されるHFOと総称されるripple,fast rippleの記録が可能となり,その意義が現在検討されている(Table2)。
臨床てんかん学における脳波検査の意義は,大きく3点が挙げられる。まず1つはてんかん原性(epileptogenicity)という質的診断である。神経細胞が突発的に脱分極変位(paroxysmal depolarization shifts)2,3)を示すことがてんかん原性の定義であり,その本質はgiant EPSP(excitatory postsynaptic potential)と称されることもあるが3),これは脳波記録でしか診断できない。そのうち,外来脳波では発作間欠期てんかん性放電を記録することにより,irritabilityの評価が可能である。そのうえで長時間ビデオ脳波モニターにより発作時てんかん性放電を記録することにより,ictogenesisの評価が可能である4)。2つめの意義は,てんかん原性の局在(localization)の診断である。全般性てんかん性放電や局所性てんかん性放電の場合は頭皮上電極で,さらにてんかん手術においては脳内電極で評価を行う。3つめの意義は,徐波,すなわち非突発性異常により,機能低下の程度,分布を評価することである(Table3)。
本稿では,以上の臨床てんかん学における,既に確立された基本的な電気生理学的所見を踏まえ,21世紀になりにわかに注目されてきた,新しい電気生理学的知見に基づく診断と治療に関し概説する。具体的には,診断的アプローチとして,wide-band EEG,cortico-cortical evoked potentials(CCEP),脳波・機能的MRI(EEG-fMRI)の同時計測,さらに治療介入的神経生理学的手法を一部紹介する。なお,治療介入的神経生理学的手法の詳細は,本号の他稿を参照されたい。
てんかんの深部脳刺激
著者: 赤松直樹 , 辻貞俊
ページ範囲:P.365 - P.369
はじめに
てんかんの新しい治療法として,脳を刺激する方法がある。深部脳電極刺激法,ブレインペースメーカーなどである1)。さらに,非侵襲的な刺激法として,経頭蓋磁気刺激法もてんかん治療に応用されている。これらの刺激を用いた治療は,抗てんかん薬で発作が抑制できない難治性てんかんの患者に対して試みられている。脳刺激治療法の効果について,現在までの知見をまとめた。
てんかん発作の病態は,脳の過剰な異常放電からなる電気現象である。神経細胞の過剰興奮であるてんかん発作に対し,刺激療法が効果的であるというのは一見矛盾するように聞こえるかもしれない。脳には興奮系と抑制系がありそのバランスが崩れたときに過剰な放電が生じるという理論からは,その抑制系をうまく賦活すればてんかん発作を抑制することができるというのは理解できる。この脳刺激治療法の着想は既に30年以上前からあり,Cooperらは1973年,小脳に刺激電極を手術で埋め込み,電気刺激することによりてんかん発作が改善したと報告している2)。しかし,その後の追試では小脳電気刺激の有効性は認められなかった。その後,脳刺激治療法研究は停滞していたが,1990年代から電極刺激によるてんかん治療研究のリバイバル時代が到来している。
最近十数年間で,再びてんかんに対する脳刺激治療が臨床で試みられるようになった理由には,①不整脈治療で心臓ペースメーカーと埋め込み型除細動装置が効果を上げている,②パーキンソン病をはじめとする不随意運動における深部脳電極刺激の有効性が証明されている,③動物実験を含めてんかん活動伝播の神経回路に関する知見が進展した,④迷走神経刺激術(vagus nerve stimulation:VNS)がてんかんをはじめとする疾患で効果が認められている,などの点が挙げられる。さらに,非侵襲的脳刺激を可能にした経頭蓋磁気刺激法の応用により,てんかんに対する刺激治療の研究が加速された。
てんかんに伴う精神症状・行動障害の治療
著者: 兼本浩祐 , 大島智弘
ページ範囲:P.371 - P.377
はじめに
てんかんが行動に及ぼす影響を理解するためには,生物学的な側面と心理・社会的な側面双方からの複眼視的な見方を常に持っておくことが不可欠である。てんかんに伴う精神症状・行動障害は,脳という視点から読み解くか,家庭や職場での対人関係やそれまでの人生行路のあり方という視点から読み解くかで大きな対応の違いが生ずる場合がある。脳の変調に由来している問題に関して,精神療法的なアプローチがあくまでも補助的な役割を果たすに過ぎないのに対し,対人的な葛藤やある種の自己実現,自己決定に由来している問題が精神療法的なアプローチを必要とするのは当然であろう。現実のてんかん臨床においては,当然いくつかの異質な読み筋が複合的に交錯している。しかし昨今,精神科領域において急速に普及したDSM(diagnostic and statistical manual of mental disorders)的な診断手法では,すべての読み筋が並列的に取り扱われるため,個々の問題の有機的なつながりがしばしば読み損なわれ,患者・家族が直面している当座の問題に対してどの読み筋が最も戦略的に重要であるかを俯瞰する姿勢がしばしば欠けることとなる。てんかんの精神症状のような錯綜した問題系にアプローチするうえでは,こうした欠陥は時に大きな混乱をもたらすことになる。
てんかんにおける精神症状の治療は,まず何よりも抗うつ剤や抗精神病薬を処方する前に,何が起こっているのかを把握し,抗てんかん薬の調節を試みるのが先決である。
今回は,『精神療法』(2010年36巻12号p763-768)および『医学のあゆみ』(2010年232巻10号p1086-1091)に掲載した論文を下敷きとして,てんかんの精神症状に対するアプローチを論じたことを断わっておきたい。
抗てんかん薬の認知機能に及ぼす影響
著者: 大沼悌一
ページ範囲:P.379 - P.383
Ⅰ.認知機能
認知機能は単純ではない。人が外界に反応して何らかの行動を起こす場合を考えてみよう。体の外界あるいは内界からは入ってきたすべての情報を取り込み,それが何であるかを認識する。その際,過去の経験・記憶が必要になる。過去に積み重ねられた記憶に照らし合わせ,意味があるものと意味がないものとを区別し評価する。この入力された情報の評価・処理作業が「認知機能」であると思われる。また,この情報処理にあたっては注意力・集中力・判断力・識別能力などが関与する。「注意」,「集中」は情報処理に潤滑油的な働きをして,処理能力に正確さとスピードを与える。
「判断・識別」は外界の情報を何であるかを認識して,過去に蓄積された経験や記憶と照らし合わせ,評価する作業である。したがって,ここにまた新たに「記憶」という要素が加わる。これらの機能,つまり「注意」,「集中」,「判断・識別」,「記憶」などは互いに密接に関わり,これらすべてを含めて認知機能ということになる。
てんかんに対するバイオフィードバック療法
著者: 永井洋子 , 松浦雅人
ページ範囲:P.385 - P.392
はじめに
てんかんは大脳皮質の神経細胞の病的興奮によって生じる慢性脳疾患であり,生涯罹患率は人口の1%である。抗てんかん薬が主な治療手段であるが,患者のおよそ30%は難治性てんかんとされ,あらゆる薬物治療に抵抗を示す。現在,バイオフィードバック療法は,こういった難治例に対する代替療法の1つであり,その臨床応用は広まりつつある。近年の臨床治験の結果は良好であり(Table1),より詳しい神経生理学的なメカニズムの解明が進んでいる。バイオフィードバックの本来の目的は生理的反応のコントロールであるが,てんかんの治療においては発作の起こる神経活動の閾値を変えることによって効果が現れると考えられる。薬物療法と違って副作用は稀であり,非侵襲的な治療法として注目を浴びている。患者は,1度バイオフィードバック療法の技術を身につけると,特別な装置を必要とせずに日常生活に応用できることも特徴である。
小児難治性てんかんに対するケトン食療法―「最後の選択肢」から「早期からの選択肢」へ
著者: 伊藤進 , 小国弘量
ページ範囲:P.393 - P.400
はじめに
小児てんかんに対する治療は成人のそれと同様であり,てんかん発作型やてんかん症候群に基づき抗てんかん薬を選択していく1-3)。しかし,乳幼児期に発症するてんかんの中には,非常に難治に経過するてんかんや,さらにはてんかん性脳症(epileptic encephalopathy)といわれる脳機能の進行性障害により重篤な認知障害や行動障害をもたらすとされるてんかんもある4,5)。それらの難治性てんかんに対しては,種々の抗てんかん薬治療のみならず,適応があれば外科治療も選択される6)。また,食事療法の一種である「ケトン食療法」も治療選択肢となる7-13)。
ケトン食療法は低炭水化物および高脂質の特殊な食事療法であり,従来は患者とその家族のみならず医療者にも難解で困難な最後の選択肢(last resort)であった。しかし,最近になり,制限を緩和したケトン食療法が相次いで考案され,忍容性が改善しつつある14,15)。また,ケトン食療法の有効性を証明した無作為化比較試験の結果も報告され,近年のエビデンスを重視する医療においても有効な治療法の1つとしての地位が確立しつつある11)。さらに,世界各国の小児てんかん専門医らで構成されるコンセンサスグループよりケトン食療法に関する推奨事項が公表され,プロトコールの標準化も進みつつある12)。本稿では古くて新しいてんかん治療法であるケトン食療法につき概説する。
てんかん患者の社会生活支援
著者: 久保田英幹
ページ範囲:P.401 - P.409
はじめに
てんかん患者は発作のみならず,発作以外のさまざまな理由で社会生活に困難を伴うことが多い。てんかん患者の社会生活の困難,言い換えれば社会参加を阻害する要因を,患者側と社会側に分けてみると,患者側の要因として知的障害や身体障害,発達障害などの合併症や不安障害,気分障害などの併発症,自信欠乏,依存心,孤立などの心理社会的問題などが挙げられ,いずれも20~30%の患者に合併すると考えられている。一方,社会側の要因には疾患の理解不足や法制度の問題などがある。
総説
新規経口抗凝固薬ダビガトラン
著者: 内山真一郎
ページ範囲:P.411 - P.415
はじめに
わが国では,経口投与可能な唯一の抗凝固薬としてワルファリンが実に半世紀以上にわたって用いられてきた。しかしながら,ワルファリンには血液凝固モニター,ビタミンK摂取制限,他剤との相互作用のチェックの必要性などの不便さがあり,脳出血への危惧と相まって,本来適応となるべき症例に投与されないことも多かった。
最近,これらの不便さをすべて解消する経口投与可能な抗凝固薬として選択的なトロンビン阻害薬や凝固Xa因子阻害薬が次々と開発され,心房細動患者を対象として大規模なワルファリンとの比較試験が行われている。その先鞭をつけて直接的トロンビン阻害薬ダビガトラン(dabigatran)の臨床試験成績が昨年発表され,大きな注目を集めた。
症例報告
バンコマイシン髄注療法が奏効したMRSA髄膜炎の1症例
著者: 後藤和也 , 大井長和 , 南波明子 , 上村紀仁 , 北口浩史
ページ範囲:P.417 - P.421
はじめに
細菌性髄膜炎は救急対応を必要とする神経疾患でその起炎菌として成人では肺炎球菌,インフルエンザ菌,髄膜炎菌,連鎖球菌,大腸菌,ブドウ球菌などがある。われわれは,methicillin-resistant Staphylococcus aureus(MRSA)による敗血症,脊髄硬膜外膿瘍後に続発した重症のMRSA髄膜炎を経験し,ガイドラインに従い経静脈的にバンコマイシン(vancomycin:VCM)を投与するも十分な改善を得られなかった。このため,VCMの髄腔内投与を行い良好な治療効果を認めたので報告をする。
学会印象記
第7回World Stroke Congress(2010年10月13~16日)
著者: 山崎昌子
ページ範囲:P.422 - P.423
2010年10月13~16日にソウルで開催された7th World Stroke Congress(WSC)に参加しました。会場となったCOEX centerは,ソウル南東部の新しいオフィス街にある,国際会議場,展示場,ホテル,ショッピングモールなどの集まった大規模な施設で,11月にはG20の会場にもなっています(写真1)。COEX centerに到着してもWSCの会場がわからず,探しまわっていると別の学会場に着いてしまい,案内係に尋ねてやっとたどり着いたほど広い施設でした。会場内のLGの液晶ディスプレイや,バーコードを利用したスムーズな参加受付など,IT大国韓国を感じる素晴らしい会議場と運営でした(写真2)。
受付のホールには参加者一覧が掲示されていて,開催国である韓国からの参加者が最も多かったものの,中国からの参加者も韓国に匹敵する人数で,日本からの参加者がこれに次いでいました。また,日本の脳卒中学会よりも女性の参加者が多い印象を受けました。
連載 神経学を作った100冊(52)
ヘルムホルツ『音楽理論の生理学的基礎としての聴覚学説』(1863)
著者: 作田学
ページ範囲:P.424 - P.425
ヘルムホルツ(Hermann Ludwig Ferdinand von Helmholt;1821-1894)(Fig.1)は1821年8月31日にベルリンの南西26kmのポツダムでギムナジウムの教師の家に生まれた。ポツダム宣言で有名な都市である。ヘルムホルツは物理学に興味があったが,父の薦めでまず医学を履修することにした。ベルリン大学ではミュラー(Johannes Peter Müller;1801-1858)の薫陶を受けた。ミュラーはこれまでにも述べたように,生物学の研究に物理学・化学的な手法を使うというドイツの伝統の嚆矢であった。ミュラーは「特殊感覚エネルギーの法則」(すべての感覚神経系はその始点から終点に至るまで,それぞれに固有の感覚を生じさせる力を持ち,感覚器に対する刺激の適不適にかかわらない)を指導原理として弟子達に伝えており,ヘルムホルツも例外ではなかった。
1842年にヘルムホルツは21歳で「De Fabrica systematis nervosi Evertebratorum」という卒業論文を書いた。その中で,ヒルやカニの神経節では,神経線維が神経細胞から発していることを突き止めたのだった。これはミュラーが既に予測し,弟子に教えていたことでもあった。ヘルムホルツは生涯に217の論文と著書を刊行したが,この大発見はその最初だった。彼はベルリンに1842~1847年までおり,1849~1856年はケーニヒスベルクの生理学教授を,1856~1859年はボン大学生理学教授を,1871年まではハイデルベルク大学生理学教授を,そして1894年に亡くなるまではベルリン大学の物理学教授を務めた。
お知らせ
第45回日本てんかん学会 フリーアクセス
ページ範囲:P.294 - P.294
会 期 2011年10月6日(木)~7日(金)
10月5日(水):プレコングレス・イブニングセミナー
10月8日(土):第6回てんかん学研修セミナー,市民公開講座
会 場 朱鷺メッセ:新潟コンベンションセンター(〒950-0078 新潟県新潟市中央区万代島6番1号)
Tel:025-246-8400/Fax:025-246-8411/ホームページ:http://www.tokimesse.com/
第52回日本神経病理学会総会学術研究会「神経病理コアカリキュラム教育セミナー」 フリーアクセス
ページ範囲:P.329 - P.329
会 期 2011年6月2日(木)~4日(土)
教育セミナー:2011年6月2日 午前9時~午後4時30分(予定)
会 場 京都テルサ
日本睡眠学会第36回定期学術集会 フリーアクセス
ページ範囲:P.383 - P.383
会 期 2011年10月15日(土)~16日(日)
※Worldsleep2011併催〔10月16日(日)~20日(木)〕
会 場 国立京都国際会館(京都市左京区宝ヶ池/Tel 075-705-1234)
書評
「てんかん鑑別診断学」―Peter W. Kaplan,Robert S. Fisher●編 吉野相英,立澤賢孝●訳 フリーアクセス
著者: 兼子直
ページ範囲:P.300 - P.300
“Imitators of Epilepsy”という書籍の第2版を訳出したのが本書『てんかん鑑別診断学』である。てんかんの約30%では抗てんかん薬で発作が抑制されないが,その中の一部は診断が十分ではなく,非てんかん性発作を抗てんかん薬で治療を試みている可能性がある。あるいはてんかん発作をほかの疾患と誤診し,正しい治療が行われていない場合があることも事実である。これらの原因の一部には,精神科医のてんかん離れで,てんかん発作と症状が類似する精神疾患をてんかんと診断する,あるいは非てんかん性発作に不慣れな神経内科医,小児科医,脳神経外科医がてんかんを鑑別できないことが関連するのであろう。本書はかかる状況克服にとり極めて有益な訳書となった。
概論の部分では非てんかん性発作の脳波所見,てんかん発作とは思えないユニークなてんかん発作,非てんかん性けいれん発作の章が興味深い。「年齢別にみた非てんかん性発作」の編では,「新生児と乳児の非てんかん性発作」や「小児期と思春期にみられる非てんかん性発作」の章で実に多数の鑑別すべき疾患がまとめられている。最近てんかん発症が増加している「老年期にみられる非てんかん性発作」についてもまとまった記載がある。
「てんかん治療ガイドライン2010」―日本神経学会●監修 「てんかん治療ガイドライン」作成委員会●編 フリーアクセス
著者: 中里信和
ページ範囲:P.370 - P.370
抗てんかん薬を処方する医師ならば,誰もが本書を手に取って,せめて目次だけでも目を通していただきたい。
本書は日本神経学会が監修し,辻貞俊先生を中心とする委員会がまとめたガイドラインの力作である。てんかんの教科書として,医療関係者が最初に読むべき本といってよい。また患者さんやその家族にとっても決して難しすぎる本ではない。自分の診療に対して疑問や不安があるのなら,本書を読んで主治医に相談してみるのも一法である。
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次号予告 フリーアクセス
ページ範囲:P.427 - P.427
投稿規定 フリーアクセス
ページ範囲:P.428 - P.429
「読者からの手紙」募集 フリーアクセス
ページ範囲:P.429 - P.429
あとがき フリーアクセス
著者: 内山真一郎
ページ範囲:P.430 - P.430
3月24~26日に会長として開催する第36回日本脳卒中学会総会が目前に迫っており,今その準備で大わらわである。本学会は「STROKE2011」として日本脳卒中の外科学会とスパズム・シンポジウムとの共同開催であるが,今回は史上最多の1,700演題以上の応募があり,5,000名の参加者が見込まれており,今や日本神経学会と肩を並べる規模の学会に成長した。全国の神経内科受診患者の5割以上は脳卒中患者であり,脳卒中は神経内科が対象とする最大の疾患である。それにもかかわらず,脳卒中をいまだに軽視する神経内科医が少なからず存在し,脳卒中を診療したがらない神経内科医も少なくない。このような風潮はどちらの学会にも好ましくないことであり,今後は両学会の学術的および人的交流を活発化し,一丸となって研究の発展と社会への貢献を目指すべきであり,両学会に関与する1人として,自らも積極的に橋渡し役を務めたいと考えている。
本号の特集は「てんかんの新しい治療」である。一昔前には,てんかんは主に精神科で診療していた時代があったが,今やてんかんは脳卒中と並んで神経内科で診療する,最もポピュラーな疾患の1つである。これまで,海外でずっと以前より一般的に使用されている抗てんかん薬が日本では承認されず,効果はあるものの重篤な副作用も少なくない古典的な抗てんかん薬を使用せざるを得ず,てんかん患者の治療に難渋していた。すなわち,抗てんかん薬は現在社会的にも問題視されているドラッグラグの弊害が最たる薬剤であった。しかし,日本でもようやく海外で用いられてきた薬剤が新薬として使用可能になりつつあり,抗てんかん薬を象徴としててんかん治療は新しい時代に突入したといえる。
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基本情報
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バックナンバー
76巻12号(2024年12月発行)
特集 芸術家と神経学Ⅱ
76巻11号(2024年11月発行)
特集 ALS 2024
76巻10号(2024年10月発行)
特集 どうして効くんだろう
76巻9号(2024年9月発行)
特集 治療可能な認知症としてのアルツハイマー病
76巻8号(2024年8月発行)
特集 Common diseaseは神経学の主戦場である—revisited
76巻7号(2024年7月発行)
特集 ニューロ・バイオイメージング—技術と応用
76巻6号(2024年6月発行)
特集 注意と注意障害
76巻5号(2024年5月発行)
増大特集 末梢神経・筋肉の自己免疫性・炎症性疾患ハンドブック
76巻4号(2024年4月発行)
特集 神経病理最前線
76巻3号(2024年3月発行)
特集 きちんと説明ができますか?
76巻2号(2024年2月発行)
特集 特発性正常圧水頭症の現在
76巻1号(2024年1月発行)
特集 新時代の重症筋無力症と関連疾患の診療
75巻12号(2023年12月発行)
特集 アガサ・クリスティーと神経毒
75巻11号(2023年11月発行)
特集 アロスタシス—ホメオスタシスを超えて
75巻10号(2023年10月発行)
特集 メタバースへの招待
75巻9号(2023年9月発行)
特集 妊娠と神経疾患
75巻8号(2023年8月発行)
特集 アルツハイマー病は本当に早期発見できるのか
75巻7号(2023年7月発行)
特集 Antibody Update 2023 Part2 末梢編
75巻6号(2023年6月発行)
特集 Antibody Update 2023 Part1 中枢編
75巻5号(2023年5月発行)
増大特集 神経・精神領域の薬剤ハンドブック
75巻4号(2023年4月発行)
特集 All About Epilepsy
75巻3号(2023年3月発行)
特集 慢性疼痛
75巻2号(2023年2月発行)
特集 多系統萎縮症の新診断基準とこれからの診療
75巻1号(2023年1月発行)
特集 よく出会う不随意運動を知る
74巻12号(2022年12月発行)
特集 映画を観て精神・神経疾患を知る
74巻11号(2022年11月発行)
特集 RFC1遺伝子関連スペクトラム障害
74巻10号(2022年10月発行)
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74巻9号(2022年9月発行)
特集 動的環境への適応系としての歩行
74巻8号(2022年8月発行)
特集 迷走神経の不思議
74巻7号(2022年7月発行)
特集 COVID-19—脳神経内科医が診るための最新知識2022
74巻6号(2022年6月発行)
特集 脳神経内科医に求められる移行医療
74巻5号(2022年5月発行)
増大特集 次の一手—神経筋疾患難治例をどのように治療するか
74巻4号(2022年4月発行)
特集 脳科学リテラシーを高めるために
74巻3号(2022年3月発行)
特集 中枢性自律神経障害update
74巻2号(2022年2月発行)
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74巻1号(2022年1月発行)
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73巻12号(2021年12月発行)
特集 芸術家と神経学
73巻11号(2021年11月発行)
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73巻10号(2021年10月発行)
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73巻9号(2021年9月発行)
特集 脳卒中治療に必要な基礎知識
73巻8号(2021年8月発行)
特集 脳腸相関—脳-身体の双方向性制御
73巻7号(2021年7月発行)
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73巻5号(2021年5月発行)
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73巻4号(2021年4月発行)
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特集 マルチリンガルブレイン
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72巻12号(2020年12月発行)
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72巻11号(2020年11月発行)
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72巻8号(2020年8月発行)
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72巻7号(2020年7月発行)
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増大特集 神経疾患の診断における落とし穴—誤診を避けるために
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72巻2号(2020年2月発行)
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71巻7号(2019年7月発行)
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71巻4号(2019年4月発行)
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70巻8号(2018年8月発行)
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70巻7号(2018年7月発行)
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70巻5号(2018年5月発行)
特集 非アルツハイマー型認知症の病理学
70巻4号(2018年4月発行)
増大特集 Antibody Update 2018
70巻3号(2018年3月発行)
特集 『認知症疾患診療ガイドライン2017』を読み解く
70巻2号(2018年2月発行)
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70巻1号(2018年1月発行)
特集 筋痛性脳脊髄炎/慢性疲労症候群の今
69巻12号(2017年12月発行)
特集 運動異常症をみる—Web動画付録つき
69巻11号(2017年11月発行)
増大特集 こころの時間学の未来
69巻10号(2017年10月発行)
特集 成人てんかん—知っておきたい6つのトピック
69巻9号(2017年9月発行)
特集 ミクログリアと精神・神経疾患
69巻8号(2017年8月発行)
特集 遺伝性脊髄小脳失調症の病態と治療展望
69巻7号(2017年7月発行)
増大特集 あしたのアルツハイマー病治療
69巻6号(2017年6月発行)
特集 局在病変の神経心理学
69巻5号(2017年5月発行)
特集 Voxel-Based Morphometry—体積からわかること
69巻4号(2017年4月発行)
増大特集 ブロードマン領野の現在地
69巻3号(2017年3月発行)
特集 磁気刺激の新たな展開
69巻2号(2017年2月発行)
特集 Stroke-Like Diseases—鑑別時に注意を要する5病態
69巻1号(2017年1月発行)
特集 近年注目されている白質脳症
68巻12号(2016年12月発行)
特集 炎症性神経・筋疾患の新たな展開
68巻11号(2016年11月発行)
増大特集 連合野ハンドブック
68巻10号(2016年10月発行)
特集 アディクション—行動の嗜癖
68巻9号(2016年9月発行)
特集 自己免疫性脳炎・脳症
68巻8号(2016年8月発行)
特集 こころと汗
68巻7号(2016年7月発行)
増大特集 認知症の危険因子と防御因子
68巻6号(2016年6月発行)
特集 脳とフローラ
68巻5号(2016年5月発行)
特集 手の症候学—生理学・解剖学からみた新知見
68巻4号(2016年4月発行)
増大特集 治せる認知症
68巻3号(2016年3月発行)
特集 末梢神経の血管炎
68巻2号(2016年2月発行)
特集 筋疾患の認知機能障害
68巻1号(2016年1月発行)
特集 シャルコー・マリー・トゥース病
67巻12号(2015年12月発行)
特集 視床と高次脳機能
67巻11号(2015年11月発行)
増大特集 ギラン・バレー症候群のすべて—100年の軌跡
67巻10号(2015年10月発行)
特集 非・日常生活の脳科学
67巻9号(2015年9月発行)
特集 酵素補充療法
67巻8号(2015年8月発行)
特集 神経難病の終末期医療
67巻7号(2015年7月発行)
増大特集 神経疾患と感染症update
67巻6号(2015年6月発行)
特集 脳と「質感」
67巻5号(2015年5月発行)
特集 NCSE(非痙攣性てんかん重積状態)
67巻4号(2015年4月発行)
増大特集 大脳皮質vs.大脳白質
67巻3号(2015年3月発行)
特集 中枢神経の血管炎
67巻2号(2015年2月発行)
特集 「食べる」を考える
67巻1号(2015年1月発行)
特集 ニューロトキシコロジー
66巻12号(2014年12月発行)
特集 Orthopaedic Neurology—神経内科と整形外科の狭間で
66巻11号(2014年11月発行)
増大特集 神経症候学は神経学の“魂”である
66巻10号(2014年10月発行)
特集 分子を撃つ 神経疾患治療の新しい水平線
66巻9号(2014年9月発行)
特集 痙縮の臨床神経学
66巻8号(2014年8月発行)
特集 神経系の悪性リンパ腫update
66巻7号(2014年7月発行)
増大特集 アミロイド関連神経疾患のすべて―封入体筋炎からアルツハイマー病まで
66巻6号(2014年6月発行)
特集 ミラーニューロン
66巻5号(2014年5月発行)
特集 アセチルコリンと神経疾患―100年目の現在地
66巻4号(2014年4月発行)
増大特集 タッチ・ビジョン・アクション
66巻3号(2014年3月発行)
特集 神経筋疾患の超音波診断
66巻2号(2014年2月発行)
特集 糖尿病の神経学revisited
66巻1号(2014年1月発行)
特集 日常生活の脳科学
65巻12号(2013年12月発行)
特集 プロテイノパチーの神経病理学
65巻11号(2013年11月発行)
増大特集 Close Encounters―臨床神経学と臨床免疫学の遭遇と未来
65巻10号(2013年10月発行)
特集 神経系の発達メカニズム―最近の話題
65巻9号(2013年9月発行)
特集 Common diseaseは神経学の主戦場である―現状と展望
65巻8号(2013年8月発行)
特集 こころの時間学―現在・過去・未来の起源を求めて
65巻7号(2013年7月発行)
増大特集 あしたの脳梗塞
65巻6号(2013年6月発行)
特集 見せる・仕分ける―脳機能解析の新手法
65巻5号(2013年5月発行)
特集 てんかん―新しいパースペクティブ
65巻4号(2013年4月発行)
増大特集 Antibody Update
65巻3号(2013年3月発行)
特集 次世代シーケンサーによる神経変性疾患の解析と展望
65巻2号(2013年2月発行)
特集 血液脳関門研究の進歩
65巻1号(2013年1月発行)
特集 Corticobasal Syndrome
64巻12号(2012年12月発行)
特集 The Border-Land of Dementia
64巻11号(2012年11月発行)
増大特集 痛みの神経学―末梢神経から脳まで
64巻10号(2012年10月発行)
特集 辺縁系をめぐって
64巻9号(2012年9月発行)
特集 高次脳機能イメージングの脳科学への新展開
64巻8号(2012年8月発行)
特集 線条体の基礎と臨床
64巻7号(2012年7月発行)
増大特集 顔認知の脳内機構
64巻6号(2012年6月発行)
特集 睡眠と覚醒の脳内機構
64巻5号(2012年5月発行)
特集 神経疾患のバイオマーカー
64巻4号(2012年4月発行)
増大特集 パーキンソン病の新しい側面
64巻3号(2012年3月発行)
特集 アカデミアから新規治療の実現へ―トランスレーショナルリサーチの現状
64巻2号(2012年2月発行)
特集 生物学的精神医学の進歩
64巻1号(2012年1月発行)
特集 iPS細胞と神経疾患
63巻12号(2011年12月発行)
特集 神経心理学と画像解析の融合
63巻11号(2011年11月発行)
増大特集 筋疾患update
63巻10号(2011年10月発行)
特集 緩徐進行性高次脳機能障害の病態
63巻9号(2011年9月発行)
特集 脳卒中の最新画像診断
63巻8号(2011年8月発行)
特集 日本人の発見した神経症候
63巻7号(2011年7月発行)
増大特集 神経筋接合部―基礎から臨床まで
63巻6号(2011年6月発行)
特集 ニューロパチー
63巻5号(2011年5月発行)
特集 神経系と血管内リンパ腫
63巻4号(2011年4月発行)
増大特集 てんかんの新しい治療
63巻3号(2011年3月発行)
特集 サイバーナイフ治療
63巻2号(2011年2月発行)
特集 続・日本人の発見した神経疾患
63巻1号(2011年1月発行)
特集 血管腫
62巻12号(2010年12月発行)
特集 頸部頸動脈狭窄症の診断と治療
62巻11号(2010年11月発行)
増大特集 歩行とその異常
62巻10号(2010年10月発行)
特集 ブレインバンク
62巻9号(2010年9月発行)
特集 視神経脊髄炎(NMO)update
62巻8号(2010年8月発行)
特集 辺縁系脳炎
62巻7号(2010年7月発行)
増大特集 アルツハイマー病―研究と診療の進歩
62巻6号(2010年6月発行)
特集 改正臓器移植法の問題点とその対応
62巻5号(2010年5月発行)
特集 神経画像のピットフォール―見落としと読み過ぎ
62巻4号(2010年4月発行)
特集 傍腫瘍性神経筋疾患update
62巻3号(2010年3月発行)
特集 神経回路解析法の最近の進歩
62巻2号(2010年2月発行)
特集 ニューロリハビリテーションの最前線
62巻1号(2010年1月発行)
特集 神経救急
61巻12号(2009年12月発行)
特集 Somatotopy再考
61巻11号(2009年11月発行)
特集 前頭側頭葉変性症
61巻10号(2009年10月発行)
特集 片頭痛の予防療法
61巻9号(2009年9月発行)
特集 脳血管障害治療の進歩
61巻8号(2009年8月発行)
特集 神経・筋疾患の分子標的治療
61巻7号(2009年7月発行)
特集 脳腫瘍研究の最前線―遺伝子解析から治療まで
61巻6号(2009年6月発行)
特集 脊椎・脊髄外科の最近の進歩
61巻5号(2009年5月発行)
特集 Restless legs syndrome
61巻4号(2009年4月発行)
特集 大脳基底核―分子基盤から臨床まで
61巻3号(2009年3月発行)
特集 Microneurography(微小神経電図法)の臨床応用
61巻2号(2009年2月発行)
特集 神経系の再興感染症と輸入感染症
61巻1号(2009年1月発行)
特集 脳神経倫理
60巻12号(2008年12月発行)
特集 痙縮
60巻11号(2008年11月発行)
特集 脳卒中と遺伝子
60巻10号(2008年10月発行)
特集 若年者の脳卒中
60巻9号(2008年9月発行)
特集 知・情・意の神経学
60巻8号(2008年8月発行)
特集 脳硬膜動静脈瘻
60巻7号(2008年7月発行)
増大特集 学習と記憶――基礎と臨床
60巻6号(2008年6月発行)
特集 Crow-深瀬症候群(POEMS症候群)
60巻5号(2008年5月発行)
特集 「痛み」の研究と治療の最前線
60巻4号(2008年4月発行)
増大特集 神経系の発生とその異常
60巻3号(2008年3月発行)
特集 特発性正常圧水頭症(iNPH)―最近の話題
60巻2号(2008年2月発行)
特集 がん治療と神経障害
60巻1号(2008年1月発行)
特集 日本人の発見した神経疾患
59巻12号(2007年12月発行)
特集 損傷神経の再生―温存的治療法の開発
59巻11号(2007年11月発行)
特集 手根管症候群をめぐって
59巻10号(2007年10月発行)
増大特集 ALS―研究と診療の進歩
59巻9号(2007年9月発行)
特集 パーキンソン病の認知機能障害
59巻8号(2007年8月発行)
特集 パーキンソン病の分子遺伝学―最近の知見
59巻7号(2007年7月発行)
増大特集 情報伝達処理におけるグリアの機能と異常
59巻6号(2007年6月発行)
特集 職業性神経障害の新しい展開
59巻5号(2007年5月発行)
特集 脳画像最前線
59巻4号(2007年4月発行)
増大特集 最近注目される脳神経疾患治療の研究
59巻3号(2007年3月発行)
特集 分子イメージング
59巻2号(2007年2月発行)
特集 進行性多巣性白質脳症の新しい展開―PMLが治る時代へ向けて
59巻1号(2007年1月発行)
特集 高次視覚研究の最近の進歩