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文献詳細

雑誌文献

BRAIN and NERVE-神経研究の進歩64巻1号

2012年01月発行

連載 神経学を作った100冊(61)

『ジョン・ヒューリングス・ジャクソン選集』(1931~1932)

著者: 作田学1

所属機関: 1日本赤十字社医療センター神経内科

ページ範囲:P.100 - P.101

文献概要

 ジャクソン(John Hughlings Jackson;1835-1911)は英国の神経病学者である。信頼できるケリー(Emerson Crosby Kelly;1899-1977)の『医学出典百科』(1948)やギャリソン(Fielding Hudson Garrison;1870-1935)の『医学史 第4版』(1929)では1834年生まれとしているが,1835年4月4日生まれが正しいようである。ジャクソンはヨークシャーのハマートン近郊のあまり裕福とはいえない農家の家に生まれたが,若い頃のことはあまり記録に残っていない。この地はロンドンとエジンバラのちょうど中間にあり,現在でも農地ばかりが広がっている。グラマースクールを終え,ヨーク内科外科学校で医学を学習し,1856年に学位を得,近在のヨーク診療所で働き始めた。ハーバート・スペンサー(Herbert Spencer;1820-1903)の書物に啓発され,1859年にロンドンに出て哲学を専攻しようとした。このとき,同郷のジョナサン・ハッチンソン(Jonathan Hutchinson;1828-1913)の強い勧めでムーアフィールズ眼科病院に勤めたが,その10年ほど前にヘルムホルツ(Hermann Ludwig Ferdinand von Helmholtz;1821-1894)が発見した眼底鏡が彼を魅了し,神経学へ進むこととした。1860年にロンドンの国立神経病院(クイーンスクエア)がブラウン-セカール(Charles Édouard Brown-Sèquard;1817-1894)を主任医師として設立されたが,1862年にジャクソンはこの国立神経病院に雇用され,この後45年間をここで過ごすことになる。

 1878年にはフェリアー(David Ferrier;1843-1923)らと雑誌『Brain』を創刊し,編集に携わった。

参考文献

1) Taylor J (eds): Selected writings of John Hughlings Jackson. Volume one On Epilepsy and epileptiform convulsions. Volume Two Evolution and dissolution of the nervous system, speech, various papers, addresses and lectures, Hodder & Stoughton, London, 1931-1932, xiv+500, viii+510
2) ステッドマン医学大事典: 第4版, 高久史麿・総監修, メジカルビュー社, 東京, 1997

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1344-8129

印刷版ISSN:1881-6096

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