icon fsr

文献詳細

雑誌文献

BRAIN and NERVE-神経研究の進歩65巻4号

2013年04月発行

書評

「標準的神経治療」―日本神経治療学会●監修 フリーアクセス

著者: 神田隆1

所属機関: 1山口大学大学院・神経内科学

ページ範囲:P.475 - P.475

文献概要

 本書は日本神経治療学会創設30周年の記念事業として,2008年から順次公表されてきた『標準的神経治療』を合冊したものである。ここに取り上げられている疾患は①手根管症候群,②Bell麻痺,③片側顔面痙攣,④三叉神経痛,⑤高齢発症重症筋無力症,⑥慢性疼痛,⑦めまい,⑧本態性振戦,⑨Restless legs症候群の9つであり,神経内科医だけが診る疾患よりも,より多岐にわたる診療科が関与する疾患に重点が置かれ,また,慢性疼痛・めまいといった神経内科医が日々の診療で困難を感じている症候が積極的に選択されているのがまず目にとまる。日常診療の中ではなかなか接することのできない他科の最先端の考え方も吸収しながら患者を治療したいという,第一線の神経内科医のニーズをよく理解した疾患ラインアップであると思われる。

 本書の題名は『標準的神経治療』であるが,各章の記載の多くは治療指針のみにとどまらず,疾患概念,病態生理,疫学も含めた内容となっている。プラクティカルに治療はどのようにしたらよいかをダイレクトに伝えるだけでなく,疾患の基礎的な理解にも踏み込む内容となっており,より診療ガイドラインに近い記載といってよい。

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1344-8129

印刷版ISSN:1881-6096

雑誌購入ページに移動
icon up

本サービスは医療関係者に向けた情報提供を目的としております。
一般の方に対する情報提供を目的としたものではない事をご了承ください。
また,本サービスのご利用にあたっては,利用規約およびプライバシーポリシーへの同意が必要です。

※本サービスを使わずにご契約中の電子商品をご利用したい場合はこちら